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2025年9月22日
9月21日のIBC杯青藍賞は、1番人気のヒロシクンが理想的なレース運びで2番人気のフジユージーン以下を完封し、6つ目の重賞タイトルを奪取しました。
人気を分け合った2頭にはそれぞれ不安要素がありました。ヒロシクンはみちのく大賞典、jpnⅢマーキュリーカップと激戦が続いたあと短期放牧を挟んでのレースで、レース後の陣営の話では今回若干急上げだった様子でした。一方のフジユージーンは春の赤松杯・シアンモア記念でヒロシクンに連敗した後4か月の休養明け。主戦の村上忍騎手のケガのため、菅原辰徳騎手が起用されました。普段ケイコをつけているコンビに不安はなかったものの、当日の馬体重はプラス20キロ。太くは見えず、調教でも好時計を連発しましたものの。仕上り具合が気になる数字でした。
重馬場で当日のタイムは速く、レコード決着さえあるかもと予想しましたが、スタートを決めたヒロシクンが先手を奪うと競り駆ける馬はいませんでした。スロー目の逃げに持ち込んだヒロシクンに対し、フジユージーンはいつものようにもっさりとゲートを出ると中団の後ろ目につけます。序盤のペースづくりに成功したヒロシクンに対し、フジユージーンは向こう正面に入って
外からマクリをかけました。見る間に先行各馬を捉え2番手に上昇、ここで馬体を合わせればフジユージーンにも勝機が生まれます。ところが高松騎手騎乗のヒロシクンは相手が来るのを待っていたかのようにスピードアップ、逆に差が広がり始めます。この時点で勝負あり。ヒロシクンはロングスパートでフジユージーンを寄せ付けず最後の直線は4馬身をつけて堂々の逃げ切りを
果しました。3着には5番人気のシンヨモギネスが入り、以下ヘリオス、ライアンが続きましたが、レースの印象を一言でいえばヒロシクンの完勝でした。小回り水沢のスピードの出る馬場で、
思い通りのペースを作って、無理をして追い上げてきたフジユージーンを突き放す見事な勝利でした。ヒロシクンに競りかける馬がいれば話は別ですが、同様のメンバーでフジユージーンが勝つためには、自分で早めにプレッシャーをかける以外方法はなさそうです。レース後の表彰式では勝ったヒロシクンに拍手・声援を送るファンが多数見られました。強いばかりではなく可愛い名前の芦毛馬ヒロシクンには、アイドルホースの資質がそなわっています。南部杯トライアルでの勝利でしたが次走は未定とのこと。ヒロシクンが輝くための選択を待ちたいと思います。一方三たび逃げ切りを許したフジユージーンですが、本質的には
盛岡のような広いコースが向いており、体調に問題がなければ南部杯で能力を全開してほしいと思います。
レース後のヒロシクンと厩務員さん。嬉しさとほっとした雰囲気がつたわりますね
2025年9月7日
9月7日(日)のメイン、第51回ビューチフルドリーマーカップは、人気馬同士の力のこもった激戦の末、3番人気の大井のローリエフレイバーが直線抜け出して快勝しました。
人気の馬が外枠に固まった印象の今回、人気順は6番ミニアチュール(岩手)、8番ラブラブパイロ(大井)、10番ローリエフレイバー(大井)、7番ザオ(船橋)、9番マテリアルガール(浦和)となりました。前回の覇者、盛岡コース得意のミニアチュールが人気の中心となり、実績十分の南関東勢が続く構図でした。そして迎えたレース本番、勝負を決めた伏線はスタートにありました。逃げる確率が高いと思われていたザオが立ち遅れ、スタートの良かったミニアチュールが一瞬前に出ます。ただ強豪相手に逃げたくなかったミニアチュールは、佐々木志音騎手が各馬の出方をみながら進み、ようやくクイーンカードを先に行かせ2番手で折り合います。その後ろに南関東勢が続き、とくに10番ローリエフレイバーが余裕の手ごたえでミニアチュールをマークします。向こう正面中間で逃げたクイーンカードが失速すると、ミニアチュールが押し出されるように先頭に立ちます。しかし残りの距離は800m残っており、ローリエフレイバーのきついマークに4角手前で余裕がなくなりました。直線先頭に立ったローリエフレイバー目掛け、出遅れから徐々に位置を挙げていたザオ、外から差し脚を伸ばしてきたラブラブパイロが差を詰めにかかりました。それでも過去南関東の重賞を2勝しているローリエフレイバーの力強さは一歩抜きんでおり、結局2着のザオに1馬身差をつけてゴールイン。手綱を取った若き南関東のエース候補、野畑凌騎手は
表彰式で嬉しそうな顔を見せていました。
(写真=岩手県競馬組合)
2025年9月3日
9月2日のjpnⅡ不来方賞は直前の雨で不良馬場の中行われ、戸崎圭太騎乗、JRA=中央競馬所属のナルカミが大外からハナを奪うと後続勢の追い上げを封じ、1番人気に応えました。
来月のjpnⅠジャパンダートクラシックの出走権をかけたレースには、JRAから5頭、岩手から7頭が出走しました。JRAの5頭はいずれもキャリアが浅く、成績的にとびぬけた馬がいなかったことから混戦模様となりましたが、結局重賞入着歴のある馬を抑えて前走スケールの大きな走りで逃げ切り勝ちを収めたナルカミが1番人気となりました。以下、ロードラビリンス、ルヴァンユニヴェール、ハグ、ロードラビリンスの順番でJRA勢が人気上位を占めました。地元岩手勢ではみちのく大賞典でヒロシクンを破ったリケアカプチーノがやや離れた6番人気、やまびこ賞馬サンロックンロールが7番人気となりました。レースは大外12番枠スタートのナルカミが、ほかの馬が行かないとみると単騎先頭に立ちレースを主導します。ハグとルヴァンユニヴェールが2番手を争い、武豊のメイショウズイウン、ロードラビリンスが好位をマーク、岩手勢は山本聡哉サンロックンロールが6番手、リケアカプチーノか先頭から10馬身ほど離れた7番手につけました。勝負どころの第3コーナーでもナルカミは余裕の逃げっぷりで、逆に2番手集団が追い出しますが並びかけるシーンを作れないまま直線へ。ようやく高杉吏麒騎乗のハグがメイショウズイウンを引き離して次位を確保したものの、勝ったナルカミは2馬身半の差を保ってゴールインD2000m2分1秒2の好タイムで優勝を果たしました。上位5頭までをJRA勢が独占。岩手のリケアカプチーノも勝ち馬と並ぶ最速の上がりタイムで追い上げたものの、5着ルヴァンユニヴェールに0秒4及ばず6着にとどまりました。リケアカプチーノ自身も2分2秒9で駆けており、力は出し切りました。ただ午後になって一時強まった雨の影響で、前が止まらない高速レースになってしまったのは誤算でした。勝ったナルカミは左周りへの不安、未知数だった距離適性もクリア、ジャパンダートクラシックでも注目を集める存在になりそうです。
2025年8月31日
8月31日(日)のメインレース、2歳馬のM3重賞ビギナーズカップは、1番人気のレジェンドバローズが予想を上回る強さで完勝し無傷の3連勝で重賞制覇を成し遂げました。
レース前の予想は、ともにデビュー2連勝のラウダーティオとレジェンドバローズの一騎打ちという見方が大勢を占め、馬複のオッズは1.3倍と、2頭に人気が集中しました。1番人気のレジェンドバローズは2020年度の年度代表馬フレッチャビアンカの弟という良血、2番人気のラウダーティオは前走の勝ちタイムがレジェンドバローズを上回り、素質は五分とみられました。スタート前ゲート内で立ち上がるなどややテンションの高さを見せたラウダーティオは、それでも好スタートを決め先手に出ます。誤算だったとすればコンバットスネル・セロームのマークがきつかったことで、道中楽な逃げではありませんでした。一方のレジェンドバローズは2戦目で出遅れるなどスタートに若干の不安がありましたが、安めを売ることなく先行集団の直後、馬場の外目を楽に追走します。第3コーナーでラウダーティオがコンバットスネルを振り切ってリードを奪う場面があったのもつかの間、山本聡哉騎手に促されたレジェンドバローズが一気に差を詰め並走に持ち込みます。2頭の意地の張り合いは直線残り200mまで続きましたが、手ごたえに余裕のあったレジェンドバローズが加速すると、あっという間にラウダーティオを置き去りにして見せました。
一騎打ちは7馬身差でレジェンドバローズに軍配があがり、勝ちタイムも1分26秒0と優秀でした。2着に敗れたラウダーティオも展開の苦しさがあった中3着のセロームには8馬身差をつけ、面目は保ちました。勝ったレジェンドバローズを管理する菅原勲調教師は、レース後「現時点では何も問題はない、今後については未定だが将来が楽しみ」と語っていました。一方兄のフレッチャビアンカと比べた場合、「兄は長距離適性に秀でていたが、弟はスピードが前面にでたタイプ「」と語っていましたが、この日のレース内容からすれば今後距離が伸びても十分にトップを張れる印象です。2年前のフジユージーンに続く全国区の馬に育ってくれるのを期待しましょう。
2025年7月27日
7月27日(日)のメインレースは2023年度の年度代表ターフホース・ゴールドギアが完ぺきな内容で勝利を収めました。
芝の長距離実績のある馬+ダート実績の高いライアンが出走してきた今回は、確固たる軸馬不在の混戦模様の中スタートを切りました。グレートキャンベラ、タイセイモンストル、パラダイスリズムの3頭が緩みのないラップを刻んで先行、大井の笹川翼騎乗の1番人気・カナオールウエイズがやや離れた4番手を追走、さらにこれをマゴールドギアがマークしてレースは進みました。レースが動いたのは2週目の第3コーナーでした。タイセイモンストルが先頭を奪うと、勝ったゴールドギアが外から差を詰めます。脚色には余裕があり余力を残したまま最後の直線に
向かいました。残り100m、ゴールドギアの勝利は確定的となり2着争いが焦点にばりました。ねばるタイキモンストル、パラダイスリズムを交わして後方から10番人気のギャレットと
5番人気のカレンブラックシェルの差し比べとなり、ギャレットが2着に入りました。2番人気のライアンは終始最後方、芝は全く適性がなかったという結果でした。勝ったゴールドギアは牡の10歳馬ながら、移籍前の東海地区の最終戦を制して健在ぶりを示していました。雨の影響で去年走れなかったオーロパークに主役が帰ってきた印象で、この後の芝レースでも中心を果たし
そうです。
2025年7月22日
7月21日のjpnⅢ・マーキュリーカップは、川田将雅騎乗の1番人気カズタンジャー(JRA)が鮮やかに差し切りました。
10頭立てと頭数こそ少なめでしたが、前回の覇者クラウンプライドをはじめ4頭のダートグレードの勝ち馬がそろい、メンバーは豪華でした。ただダートグレードを勝っている分、負担重量が重くなり実績馬にも死角はありました。そのなか1番人気に推されたのは東京のダート2100mで連続3連対中の上がり馬カズタンジャーでした。54キロの恵量と、同じ左回りの距離の長いレースでの勢いが支持されました。2番人気には実績組で58キロを背負うも、船橋のjpnⅡダイオライト記念連覇と、これも長い距離に実績のあるセラフィックコールックコール。3番人気には重賞未勝利ながら比較的前につける脚をもっている54キロ・ディープリボーンが続き、前回の覇者クラウンプライドはここ3戦の成績があがっていないことから4番人気に甘んじました。
レースは昨年同様、岩手のヒロシクンがダッシュを決めて先手を奪います。しかし一人旅にはなりませんでした。これも逃げたほうが良いメイショウフンジンが激しく競りかけ、2ハロン目のラップが10秒台という超ハイペースとなりました。メイショウフンジンとしても、前回ヒロシクンにハナを叩かれ結果着外に沈んでいたため何とか先頭に立とうという意図が見えましたが、春2戦フジユージーンを相手に逃げきったヒロシクンもスピードに磨きがかかっており譲らずに先手を主張しました。序盤から縦長の展開になりましたが、先行2頭の意地の張り合いも向こう正面まで。第3コーナーで行き脚の鈍った2頭をクラウンプライド、セラフィックコール、ディープリボーンが一気に交わしました。この時点でカズタンジャーは7~8馬身後ろにいましたが、ようやくエンジンがかかった印象で上昇を開始しました。また、その後方にいたサクラトップキッドも歩調を合わせるかのように追い上げを開始しました。第4コーナーを回って早めに抜け出したのはクラウンプライドでした。このまま連覇なるかという場面を作りましたが、さすがに最後の坂にきて余力がなくなりました。かわって外から追い込んできたのがカズタンジャーでした。上がり最速のタイムで伸びてくると、ゴール前でクラウンプライドを捉え初のダートグレード制覇を達成しました。同じ厩舎のワン・ツーとなり、新谷功一調教師はカズタンジャーには100点、
内容的に強い競馬をしたクラウンプライドに対してはは”アッパレ”の言葉を贈っていました。3着にハディープリボーン、そして岩手のサクラトップキッドが2番目の上がりタイムを発揮して4着に食い込みました。9番人気だったことを考えれば大健闘でした。
(写真は岩手競馬のホームページから転載)
2025年7月20日
7月20日(日)のメインやまびこ賞は、1番人気のサンロックンロールが強い内容で圧勝しました。
レースは3番人気のリュウノナポレオンが逃げました。前走ウイナーカップ(水沢1400m)を豪快に差し切りましたが、以前は逃げて勝ったこともある自在性を発揮、先手を取りました。そして2番手に本命に推されたサンロックンロールがつけました。どちらかというとスタートには不安があり、後方からレースを進めることの多かった馬ですが今回は五分のスタートから、すっと逃げ馬をマークする位置でレースを進めました。2番人気のユウユウコラソンも好位置につけスパートの機をうかがいますが、勝負どころでは早くも手が動き前2頭と差が開いていきました。最後の直線、余裕をもってリュウノナポレオンを交わしたサンロックンロールは差を広げながらゴールイン、力の違いを見せつけました。2着には4番人気のタカマキファイブ、3着には5番人気のキングミニスターがバテた先行勢を捉えて入りましたがサンロックンロールとは8馬身の差がありました。東北優駿では同厩のリケアカプチーノに7馬身の差をつけられましたが、レース後菅原勲調教師はこの日のサンロックンロールの内容であれば今後に期待が持てると話し、次走は2頭そろって9月のjpnⅡ不来方賞に向かう見込みです。
2025年7月6日
7月6日(日)のメイン、12頭立てで行われた芝1700mの3歳M3重賞・サファイア賞は、8番人気のサンカリプソが坂井瑛音騎手を背に見事な逃げ切り勝ちを収めました。
過去JRA=中央競馬時代に芝コースを経験した馬は多かったものの、オーロパークの芝を走ったことのある馬はエイシンダリア1頭のみ。芝適性が未知数な馬が多く混戦模様となりました。1番人気はゲレル。JRA札幌の未勝利戦で3着の実績が買われて売り出しから抜けた1番人気となりました。以下は人気が割れ、ダートで今年3勝をあげているリュウノドラゴン、今季高い入着率を誇るアイヨトワニ、中央1勝クラスでもまれた経験のあるフタイテンホイールの順番となりましたが、それ以下の人気の馬も実績は大差なく波乱含みの一戦となりました。スタート直後8枠11番のサンカリプソが飛び出し先手に出ました。厩舎サイドから逃げられれば行っていいとの指示を受けていた坂井瑛音騎手は、重賞で騎乗するのはもちろん、芝コースのレースも初めてでした。デビュー2年目で巡ってきたチャンスを生かすべく、後続に水を開けながら逃げまくりました。人気のゲレルはマナホクラニの後ろ3番手、リュウノドラゴンは4番手で進みました。勝負どころの第3コーナー、多くの場合有力馬が差を詰める局面ながら、サンカリプソの逃げは冴え、かえって差を広げます。2馬身の差を保って最後の直線、坂井瑛音騎手は目いっぱいに追い、脚の鈍りかけたサンカリプソを鼓舞しました。ようやくゲレルとリュウノドラゴンが差をつめますが、2分の1馬身差でサンカリプソが逃げ切り勝ちを収めました。デビュー1・2年目での重賞制覇は過去にも例がありますが、重賞初騎乗。且つ芝初体験での重賞制覇は過去に例のない快挙でした。たまたま観戦に訪れた母とのツーショットもほほえましく。レース後は祝福ムードに包まれました。
2025年6月29日
6月29日のⅯ1重賞、一條記念第53回みちのく大賞典は、1番人気に推された東北優駿の勝ち馬リケアカプチーノが、2番人気ノヒロシクンとの息詰まるマッチレースの末勝利を収めました。3歳馬がみちのく大賞典を制したのはこれが初めてで、全国区の名手・吉原寛人に導かれたリケアカプチーノが新しい歴史を作りました。
レース当日しばらくはシアンモア記念馬ヒロシクンが1番人気を保っていましたが、馬体重が+16キロと発表されると人気に翳りが見え、リケアカプチーノの人気が上回ることになりました。既存勢力のうちフジユージーンが休養に入り、ヘリオスが25日のjpnⅠさきたま盃(浦和)に回ったため、リケアカプチーノがヒロシクンに対抗できる馬の筆頭ととして浮上していました。ただ、3歳馬が6月に行われるみちのく大賞典に挑戦する例は極めて少なく、2012年のアスペクト(10着)以来、史上2度目のケースでした。レースは予想通りヒロシクンがハナを奪いますが、ミニアチュール、サンビュートらを抑えてリケアカプチーノが2番手で続き、レース後に吉原騎手が語った通り徹底マークの戦法に出ました。2週目、前2頭が緩みのないペースで後続を引き離しにかかると、ミニアチュール、ライアン、サクラトップキッドも前を追いますがなかなか前との差が詰まりません。残り600m以降は完全に2頭によるマッチレースの様相となり、直線は内ヒロシクン、外リケアカプチーノが互いに相手を抜かせまいと火の出るような競り合いを見せました。ゴール直後のスローで見てもほとんど差はなく、写真判定の結果ハナ差リケアカプチーノが先着し、3歳馬によるみちのく大賞典初制覇を成し遂げました。勝ちタイムは2分7秒6。前走の東北優駿の時の勝ちタイム2分10秒0を更新しました。今後に展望を開く勝利をおさめたリケアカプチーノの次走は未定ですが、秋シーズンはjpnⅡの不来方賞に駒を進めてほしいと思ったファンも多かったと思います。
2025年6月17日
船橋から短期騎乗で岩手競馬に参戦している山本聡紀騎手が、6月15日のメインレース早池峰スーパースプリント(M2・85m)を7番人気のエイシントルペードで快勝、デビュー14シーズン目で嬉しい重賞初制覇を成し遂げました。
勝利を彩ったのはそのニュースだけではありませんでした。2着が山本聡哉騎乗の1番人気・ロードオブザチェコ、3着が山本政聡騎乗の2番人気ラストバリオンと、山本3兄弟のワン・ツー・スリー決着だったことで場内も沸きました。山本聡紀騎手は前の週にデビュー200勝を達成し、当日のIBCラジオの中継の、はるし(志田陽菜)の聞いてみたのコーナーでインタビューした際に、「重勝を勝ちたい」、答えていましたが、なんとその日のうちの快挙でした。転入初戦のエイシンテンペストはデビュー地の門別で2勝、中央1戦(1勝クラス10着)を挟んで兵庫で3勝をあげAクラスに在籍していました。ただ、中央の3勝クラス・2勝クラスからの転入馬や、岩手の重賞レースに参戦歴のあるメンバーの中では伏兵の域を出ず、10頭立ての7番人気に甘んじていました。レースは大外スタートのラスバリオンがハナを奪いました。これを追ってロードオブザチェコが続きますが前半は思ったほど動かず、逆にエイシントルペードの手ごたえの良さが目につきました。第4コーナー手前でラストバリオンを競り落としてエイシントルペードが先頭に立ちます。ようやくロードオブザチェコにエンジンがかかり2番手に上がりますが、エイシントルペードを捉えるところまではいかず、1馬身4分の1差でエイシントルペードに軍配があがりました。ゴール後、後ろから追った山本聡哉騎手が右手で山本聡紀騎手の背中をポンと叩くシーンが印象的でした。勝ったエイシントルペードは気性の難しさのあったエイシンヒカリの産駒らしく、調教でも苦労している(板垣調教師談)とのことですが、秘める能力の高さを証明しました。まだ4歳のエイシントルペードにはラブバレット、キラットダイヤのような「政権」を築く可能性もあります。
2025年6月1日
6月1日のメイン、みちのく大賞典トライアルのあすなろ賞(OP・1800mM3)はヘリオスが快勝し、2022年の南部杯2着馬がついに本領を発揮しました。
先月のシアンモア記念の上位2頭は、勝ったヒロシクンがみちのく大賞典へ直行、2着フジユージーンは夏場は休養に充てるため戦列を離れました。この結果あすなろ賞は3着のミニアチュールが1番人気、4着だったヘリオスが順当に2番人気に推されました。以下北海道所属時代1800m以上の重賞で活躍したサンビュート、休み明けながら去年の北上川大賞典馬サクラトップキッドの順で人気を集めました。レースは人気薄のグラシアスが後続を離して逃げました。サンビュート、ミニアチュールが続き、ヘリオスはスタートで躓いた影響もあって中団につけました。第3コーナーでグラシアスが失速、サンビュートを交わしたミニアチュールが先頭を奪いました。するとミニアチュールを目標にノーブルサターンが差を詰め、さらにエンジンのかかったヘリオスが
一気に外から捲って進出しました。転入2戦、赤松杯・シアンモア記念では勝負所で伸びを欠き4着どまりだったヘリオスが、この日は見違えるようなスムーズさで勝負をかけました。直線入り口でミニアチュールをとらえて先頭に立つと、あっという間にリードを広げました。3年前の南部杯で2着したのをはじめ、ダートグレードでは2着6回3着2回と上位をにぎわせたヘリオスが、岩手のファンの前で初めて見せた強さでした。2着はミニアチュール、3着には追い込んだサクラトップキッドが入り、上位3頭がみちのく大賞典への優先出走権を獲得しました。
2025年5月18日
5月18日(日)のメインレース、第50回のシアンモア記念はヒロシクンが会心の逃げ切り勝ちを収めました。
今回は50回目の節目のレースに相応しく大変な豪華メンバーがそろいました。去年の年度代表馬フジユージーン、GⅠ南部杯をはじめダートグレード2着6回の実力馬ヘリオス、おととしの年度代表馬で前々回の覇者ノーブルサターン、、去年の年度代表古馬でトライアルの赤松杯の覇者ヒロシクン、去年のシアンモア記念の勝ち馬グランコージーン、去年暮れの桐花賞馬ライアン、盛岡コース8戦8勝のミニアチュール、南部杯以外の盛岡3戦全勝のウラヤ、盛岡のダートの重賞勝ち馬スズカゴウケツ、芝1600mの重賞勝ち馬ギャレット、以上の10頭がそろいました。グローリーグローリが故障で出走をとりけしたものの、ここ数年岩手で行われた地元の重賞競走としては間違いなく最高のメンバーがそろいました。10頭中9頭が重賞のタイトルホルダーで、残る1頭が、ダートグレードの上位常連のヘリオスという贅沢さでした。
1番人気はフジユージーン。2歳~3歳時重賞7連勝,jpnⅡ不来方賞4着、交流重賞・楠賞優勝はまさに全国区の存在です。赤松杯でこそヒロシクンの逃げ切りを許しましたが、広い盛岡コースに舞台が変わることで巻き返し可能という見方から今回も人気を集めました。同じく赤松杯で4着と人気を裏切ったヘリオスも南部杯2着のコースに戻ったことで2番人気におされ、赤松杯の勝ち馬ヒロシクンは3番人気に甘んじました。レースはスタートを決めたヒロシクンが大外枠を苦にもせず先頭を奪います。グランコージー、ミニアチュール、フジユージーンの順で続き、ヘリオスはその後ろ、中断から競馬を進めました。スタートはあまり良くはなかったものの悪癖の大きな出遅れはなかったフジユージーンは3~4コーナー中間から捲り気味に上昇し、第4コーナーではヒロシクンに迫る勢いを見せました。しかしここからがヒロシクン・高松亮コンビの真骨頂、高松亮騎手が一気にスパートをかけて2馬身以上突き放します。直線は逃げ込みをはかるヒロシクンをフジュユージーンが徐々に追い詰める形になりましたが、ヒロシクンの脚は止まらず1/2馬身差をつけて見事に優勝を果たしました。フジユージーンを連破したことでまた一段、ヒロシクンの評価が高まった一戦でした。
2025年4月28日
4月27日(日)のメイン・M3重賞の栗駒賞は、圧倒的な1番人気となった転入馬ヘリオスがまさかの4着に沈み大穴馬券となりました。
波乱の主役を務めたのは6番人気のスプラウティングで、騎乗した塚本涼人騎手は嬉しい重賞初制覇となりました。
中央所属時代ダートグレードレースの常連だったヘリオスの転入は大きなニュースとして伝わり、栗駒賞の単勝オッズも1.3倍前後と圧倒的な人気を集めました。2022年盛岡のの南部杯2着、つづくJBCスプリント3着と、岩手のファンにも実力を見せつけたヘリオスはダートグレードでは未勝利ながら馬券に絡むこと8回。昨年の後半こそ成績が上がらなかったものの、地方移籍後、高知で当地の一線級相手に楽勝して健在ぶりを示しました。岩手入り初戦も軸はこの馬、相手を岩手で実績を残してきた馬にするか、中央3勝クラスから転入してきた馬達にするかで迷うというのが大方の前評判でした。レースは3番人気のマツリダワールドが1番枠を生かして逃げ、塚本涼人騎乗6番人気のスプラウティングが2番手につけました。ミニアチュール、ドルズプライスレスらも好位置に津、ヘリオスはその後ろと予想よりは控える競馬となりました。先行2頭は緩みのないラップを刻み3番手以下の追い上げを許しませんでした。3~4コーナー中間でヘリオスは動きに精彩を欠き、先行2頭から4,5馬身差と暗雲が立ち込めました。一方、マツリダワールドをマークしたスプラウティングは良い手ごたえで最後の直線に入りました。この1年順調に使えなかったために人気にならなかったスプラウティングですが、3勝クラスでも2度2着するなど地力は確かなものがありました。塚本騎手が追うと確実に伸び、マツリダワールドを交わして見事に優勝を果たしました。3着には勝ち馬と同じく元中央3勝クラスから転入してきたエメラルドビーチが入り、3連単は6・3・2番人気での決着で168,960円をつける大波乱となりました。レース後「後ろからくる馬も気になったが逃げ馬の手ごたえが良かったので目標を切り替えた」旨語った塚本涼人騎手は、これが嬉しい重賞初勝利でした。4着に敗れたヘリオスは勝ち馬から0秒4差で、ゴール前では差を詰めてきました。本来の先行力が戻れば
次走出走の可能性のあるシアンモア記念では見せ場は作れると感じました。
2025年4月16日
4月13日の赤松杯(M2・1600m)は、高松亮騎乗の2番人気ヒロシクンが絶妙の逃げを打って、去年の年度代表馬フジユージーン、一昨年の年度代表馬ノーブルサターンを破り、4つ目の重賞制覇を成し遂げました。
ヒロシクン自身、去年の年度代表古馬で格負けは全くありませんでしたが、さすがに3歳時全国区の競走で実績を上げてきたフジユージーンには1番人気を譲りました。しかし3番人気のノーブルサターン以下には大きな差をつけ「相手筆頭」の評価の2番人気となりました。勝つのは難しいがどこまで抵抗できるか…という大方の予想のもとスタートが切られると、ヒロシクンがすんなりとハナを奪います。スタートに課題のあるフジユージーンも五分のスタートを切り、スッと好位置につけました。8頭立ての小頭数で流れは落ち着くかに思えたのも束の間、11歳のノーブルサターンが果敢に先行し、ヒロシクンをマークします。期間限定騎乗の山本聡紀騎手を背に無理なく追走し、ヒロシクンに楽をさせません。向こう正面にはいりフジユージ―が上昇をはじめると、3コーナー手前では内からヒロシクン、ノーブルサターン、フジユージーンが並ぶシーンが見られペースが上がります。こういう展開になると、通常逃げ馬は苦しくなります。しかしレース後に語った高松亮騎手の話は、”2頭に並びかけられて苦しいとは思わなかった。ペースを上げたのも相手に動かされたのではなく、主導権を握っていた自分の馬が相手を動かした”というものでした。まだ余裕のあったヒロシクンに対し、捲り切れなかったフジユージーンが一瞬遅れを取ります。最後の直線逃げるヒロシクンを追い詰めるノーブルサターン、外から懸命に巻き消すフジユージーンの戦いはヒロシクンに軍配が上がりました。最後外から迫ったフジユージーンが首差の2着、さらに首差の3着がノーブルサターンという結果でした。前走桐花賞で4着に敗れたヒロシクンが鞍上の絶妙のペース配分で大本命のフジユージーンに土をつけた一戦でした。一方、敗れたフジユージーンはこれが5か月振りの実戦で、直前の調教で4F48秒台の時計をだしていたものの、結果的には仕上がり途上だったかもしれません。岩手の馬に初めて負けたレースとなりましたが、あまり得意ではない小回りコースで、前が止まらない不良馬場での結果ですからこれで見限る内容ではありません。おそらく次走は盛岡コースが舞台のシアンモア記念になると思われますが、今回の上位3頭に加え、大物転入馬ヘリオス、前回の覇者グランコージーが揃うレースで真価が問われることになりそうです。 (写真=岩手県競馬組合)
2025年4月1日
2024年度開催の最終週となった3月30日の水沢競馬のメインレース白嶺賞(OP1400m・M3)は、盛岡・桜田浩樹厩舎所属のスターシューターが後方からの追い込みを決め、初の重賞制覇を成し遂げました。
レースはオスカーブレインが逃げ、ラストバリオン・ユイノダンディズムが追走し緩みのないペースで流れました。有力馬の中では2番人気のマツリダワールドが好位置から徐々に進出し、この馬に勝たれるかという場面もありました。しかし前半のペースが速かったことからマツリダワールドも突き抜けることはできず、レディブラウンや、後方から差してきたスターシューター、1番人気のウラヤらが直線襲い掛かります。最後はレディブラウンとスターシューターの差し比べとなり、4分の3馬身差でスターシューターに軍配が上がりました。マツリダワールドが3着に粘り、ウラヤは追い込んで届かずの4着でした。勝ったスターシューターは大井のオープンクラスから去年12月に転入、ここまで3戦1勝の成績を残していました。大井時代には途中1年半近い休養を余儀なくされたこともありながらGⅡの東京盃にまで駒を進めた実績馬です。岩手ではこれが重賞初挑戦でしたが、一流のスプリント能力を発揮しました。(画像は岩手県競馬組合HPより)
2025年3月27日
3月23日(日)のメインレースは、3歳牝馬の重賞あやめ賞でした。牡馬同様、世代の中の序列が定まっていない状況で人気は割れましたが、ハイペースのレースをうまく立ち回った3番人気ピカンチフラワーが直線差し切り勝ちを収めました。
1番印気は牡馬相手のスプリングカップで4着に健闘したスノーミックス、2番人気には直前の仕上がりの良さが伝えられたサンカリプソが押されました。レースは最内枠からダッシュをかけたミカヅキカネミツがハナを奪いました。しかしサンカリプソ、スノーミックスの人気2頭が前前の競馬を仕掛けた為、やや激しい先行争いとなりました。一方勝ったピカンチフラワーは前3頭を見て4番手につけます。デビュー以来2~3番手につけて直線粘る内容が目立ったピカンチフラワーでしたが、11月のプリンセスカップ、冬場の大井移籍で控える競馬で見せ場を作れるようになっていました。第3コーナーで先行3頭が失速すると、ラグーン、ステイクラッシーが一気に進出します。その直後につけたピカンチフラワーは、2頭を目標に鈴木祐騎手がゴーサインを出しました。直線は先に抜け出したステイクラッシーとピカンチフラワーの差し比べとなりましたが、道中無理をせずに直線勝負にかけたピカンチフラワーに軍配が上がりました。
2025年3月12日
この春開業した陶文峰調教師が、2戦目で初勝利をあげました。
10日の月曜日・第1レース、単勝2番人気だったスピードスター号で勝利を収めました。陶文峰厩舎には開業準備中の2月に盛岡競馬場の厩舎で訪れましたが、スタッフの服を騎手時代の勝負服をモチーフとしたジャンパーで統一、赤を基調としたその姿は大変目立ちます。まずは順調にスタートを切った陶厩舎に注目しましょう。
取材で訪れた開業準備中の写真を添付します。
2025年1月1日
2024年を締めくくる12月31日の最終レース、第48回の桐花賞は、人気馬がそれぞれ見せ場を作った大接戦の末、6番人気のライアンが優勝。デビュー10シーズン目の小林凌騎手は嬉しい重賞初制覇を達成しました。
レースは快速グランコージーの逃げを1番印気のヒロシクンがマーく、ボウトロイも差がなく追走。そして先行集団を見る位置で桑村真明騎乗のミニアチュールが進む展開になりました。更にライアン、フレイムウイングスが続き、ノーブルサターンもここ数戦よりはるかに良い生きっぷりで中団につけました。サクラトップキッドはその後ろ、先頭からは7~8馬身差で前を追いました。第3コーナーでグランコージーが後退、ヒロシクンが単騎先頭に立ちます。ボウトロイ、ライアンらが迫る一方、ミニアチュールが最内をついて一気に上昇。一方ノーブルサターンンとサクラトップキッドは外を回して差を詰めます。第4コーナーではどの馬が勝つのかわからない白熱のレースとなりました。最後の直線、内を伸びるミニアチュール、大外から差してきたノーブルサターン、2頭の間から抜け出してきたライアンの三つ巴の戦いとなり、大歓声の中ゴールイン。結果はライアンが首差ミニアチュールを押さえて優勝。さらにハナ差でノーブルサターンが3着という結果でした。ライアンに騎乗した小林凌騎手はこれが重賞初勝利。1月4日からの佐賀競馬での騎乗に弾みをつけました。
尚、年末の4日間開催の2日目。29日の日曜日にはゴールデンヒーラーの引退式が行われました。岩手在籍足掛け5年、牝馬の重賞・短距離の重賞では常に主役を務めた名牝でした。重賞11勝は岩手歴代の牝馬として最多勝です。あわせて引退式の写真を張り付けます。
2024年12月10日
12月9日(月)のメインレース、トウケイニセイ記念は1番人気のヒロシクンが厳しいマークを凌ぎ切りの逃げ切り勝ちを収めました。
大晦日の桐花賞を占う意味でも注目の一戦となった今回のトウケイニセイ記念には、今年一番と言っていい豪華メンバーが揃いました。6月のみちのく大賞典・9月の青藍賞の覇者ヒロシクン、ビューチフルドリーマーカップ・ヴィーナススプリント・すずらん賞と重賞3連勝中のミニアチュール、前回の覇者で2023年の年度代表馬ノーブルサターン、元中央所属でGⅢ武蔵野ステークス優勝の肩書を持つソリストサンダー、前走絆カップを快勝したウラヤ、赤松杯・シアンモア記念優勝のグランコージーなど、それぞれ主役を張れるメンバーに加え、グローリーグローリ、ゼットセントラル、ボウトロイ、ホッコーライデン、ジュランビルと重賞・準重賞で実績を残している11頭が出走しました。
先行馬も多い中、先手を奪ったのは1番枠を引き当てたヒロシクンでした。南部杯でレモンポップに競りかけたスピードはここでも最上位。しかし楽な展開にはなりませんでした。グランコージーが外から馬体を並べてきて、ハナこそ譲らなかったものの執拗なマークを受けました。ようやく向こう正面中間でグランコージーを振り切ったと思ったのも束の間、今度は一気にまくってきた伏兵ボウトロイが並びかけてきます。3コーナー以降は2頭の競り合いとなり、前半から消耗戦を強いられたヒロシクンには過酷なレース展開となりました。しかし、そこからヒロシクンの勝負根性が光りました。直線はまさに一騎打ち、ゴール前際どく迫られましたがハナ差でボウトロイを退け、今季3つ目の重賞タイトルを獲得しました。3着にはウラヤが入り、コース不得手の
印象は払拭した感じです。転入初戦となったソリストサンダーは+10キロの馬体重。直前強い追い切りをしてこなかったこともあり完調にはなかったか、最下位に敗れました。
大晦日の桐花賞は今回出走したメンバーの他、北上川大賞典優勝のサクラトップキッドなどが出走権を争う形が予想されますが、トウケイニセイ記念で強さをみせたヒロシクンの集票が加速しそうです。
2024年11月19日
11月19日(火)の水沢競馬第4レースで、村上忍騎手が地方競馬通算4128勝目を挙げ、岩手の騎手としての地方競馬最多勝の金字塔を打ち立てました。前日菅原勲現調教師の持っている4127勝に到達し、有力馬に数多く騎乗するこの日は新記録達成の期待が高まっていました。第1レース2着、第2レース2着、第3レース3着と惜敗が続いたものの、騎乗に硬さは感じられず新記録達成は時間の問題と思われました。そして迎えた第4レース。1番人気のトランスミッションに騎乗すると逃げ馬の直後を追走、最後の直線で前へ出ると急追してきたミナトミナイトの差しをハナ差で凌ぎ、記念すべき4128勝目をマークしました。ここにきて絶好調モードの村上忍騎手は1994年デビューの47歳。2000年シーズン以降は年間100勝以上を25年間続け常にトップジョッキーであり続けています。レース後菅原勲騎手の域には達していない旨、謙虚な発言をしていた村上忍騎手。あと欲しいのはダートグレードの勝利でしょうか。楠賞で復活を遂げたフジユージーンに今後も騎乗するチャンスがあるはずで、どこかで大仕事をやってのけると信じます。
2024年11月19日
11月17日(日)のメイン2歳M1重賞の南部駒賞は北海道からの遠征馬バリウィールが、1番人気カセノタイガーの追撃を封じ逃げ切り勝ちを収めました。他の馬の出方を見ながらハナに立つと、北海道スティールブライト、岩手マツリダマスラオ等を引き連れて快調に逃げ脚をのばしました。北海道5頭・岩手3頭と小頭数の競馬とあって、追い込みが武器のカセノタイガーも早めに好位置に取り付くと、第3コーナーでは逃げるバリウィールと共に後続を離し、早くも一騎打ちムードとなります。追うカセノタイガーはjpnⅢ4着など重賞戦線を戦ってきた馬。地力で上回ると見られましたが、このところ2連勝と好調なバリウィールの逃げは冴え、そのまま1着でゴールイン。鮮やかな勝利となりました。3着も北海道のステラビアンカで岩手勢はマツリダマスラオの4着が最高でした。それにしても迎え撃つ地元勢が3頭とは寂しさを感じました。
2024年11月10日
今季の盛岡競馬の最終週を飾る10日・日曜日の重賞・絆カップは、距離1200mにスピード自慢12頭が出走し、2番人気のウラヤが直線内から伸びて優勝しました。5番人気のレディブラウンが2着、9番人気のホッコーライデンが3着に入り、3連単は237,050円という大穴となりました。圧倒的な1番人気を集めたゴールデンヒーラーはまさかにの失速で10着という結果でした。
レースは最内枠からグッドフォーチュンが逃げ、ブンロートとジュランビルが2番手を争う展開で始まりました。人気のゴールデンヒーラーは先行争いを見る形の4番手、絶好の位置に見えました。ところが第4コーナー手前、山本聡哉騎手の手が動き始めムチも飛びました。いつもの伸びはなく早くも優勝争いから脱落。かわって内をすくったウラヤが抜け出しました。スタートこそやや出遅れたものの経済コースをついて好位置に進出すると、村上忍騎手は直線も内にコースを取り一気に抜け出しました。2番手には外から差してきた坂口裕一騎乗のレディブラウンが上がり、さらにトーセンキャロル・ルチルクオーツが食い下がります。このままであれば”中穴”で収まったはずでしたが、勝ち馬の後を追う様に内から足を延ばした伏兵ホッコーライデンが3着に入り23万馬券となりました。勝ったウラヤは今夏中央3勝クラスから転入、盛岡の特別を2連勝した時には「これは大物」と思わせました。しかし1番人気に推された水沢の青藍賞で6着。jpnⅠ南部杯では13着に沈みやや影がうすくなっていました。それでも実績のある盛岡のコース、ファンはこの馬を見捨ててはおらず2番人気に支持されていました。元をたどれば中央の3勝はいずれもダートの1400m、スプリント適性が生きた結果ともいえます。昨季でキラットダイヤが引退、ゴールデンヒーラーも今季かぎりで引退の予定と伝えられる中、スプリント路線の主役を張っていきそうな気がします。
2024年11月9日
11月7日(木)に園田競馬場で行われた地方交流重賞・楠賞(D1400 m)で、岩手のフジユージーンが勝利を収めました。
デビューから7連勝のあとGⅡ不来方賞4着、GⅠジャパンダートクラシック10着と、2000mのダートグレードではJRA勢はじめ全国区の厚い壁に跳ね返されたフジユージーンですが、強敵にもまれた経験は無駄ではありませんでした。楠賞はいつものように?スタートダッシュが付かず最後方からの競馬となりました。しかし外目の7枠9番からのスタートだったため前が壁になることなく外をついて徐々に上昇、勝負どころでは船橋の1番人気ギガース、東海の三冠馬フークピグマリオン、高知の三冠馬プリフロオールインと並んで激しい競り合いとなりました。他地区の三冠馬2頭を振るい落とした村上忍騎乗のフジユージーンは、直線森泰斗騎乗のギガース、内から差してきた吉原寛人騎乗北海道のストリームとの三つ巴の追い比べをも制し、見事に優勝を果たしました。最大の収穫は抜群の勝負根性を見せたことです。これまでは勝つも負けるも大差という競馬が続きましたが、みずからと同等の実績馬と戦った今回初めて本気の追い比べを体験、結果力でねじ伏せた内容はこの馬のフィジカルの強さと共にメンタルの強さも証明した形です。レース内容からは2000m級よりはマイラー適性の高さを感じさせたフジユージーンが、次の目標をどこに定めるか注目です。
2024年11月3日
11月3日(日・文化の日)のメインレースは2歳牝馬の交流重賞プリンセスカップでした。北海道からの遠征馬5頭と、地元勢9頭による14頭立てで行われたレースは、1番人気のエイシンナデシコがゴール前でスティールブライトを差し切り優勝、3着にもリコーシュペルが入り、層の厚い北海道勢のワン・ツー・スリーで決着しました。レースは岩手のラポジートが先手を奪い快調ににげました。リコーシュペル、スティールブライト、ハッピータレイアの北海道勢が先行集団を形成。勝ったエイシンナデシコ、岩手のピカンチフラワーらがその後に続く展開となりました。
良く逃げたラポジートですが、後続のプレッシャーもあって最後の直線は失速。後続の馬の追い比べの中から抜け出したのが山本聡哉騎乗のスティールブライトでした。一時は後続に2馬身近い差をつけ、この馬で決まるかと思わせる場面を作りましたが、外から伸びてきたのが山本政聡騎乗のエイシンナデシコでした。追うごとに差を詰め、ゴール前でスティールブライトを捉え、
結局クビ差をつけて優勝しました。今回は遠征騎手が無く全馬岩手のジョッキーが手綱をとったため、ゴール前の山本兄弟の一騎打ちは地元のレースを見ているようでもありました。岩手勢は最内から差を詰めたピカンチフラワーの4着が最高でした。勝ったエイシンナデシコの父タリスマニックは2017年のブリーダーズカップターフの勝ち馬で、産駒はダートもこなし、今年の日高賞馬エレノーラらを輩出、母は中央3勝のエーシンムーディー、祖母エーシンルーデンスは99年のチューリップ賞の勝ち馬、兄に中央5勝の現役オープン馬テーオーステルスるという筋の通った
血統馬。これが2勝目(8戦)と、若干勝ち身の遅さはあるものの奥の深さを感じさせ、今後の重賞戦線でも目の離せない存在になりそうです。
2024年10月28日
10月27日(日)のすずらん賞は、牝の4歳馬ミニアチュールが並みいる強力牡馬陣を寄せ付けずに逃げ切り勝ちを収め、重賞3連勝並びに通算の重賞獲得数を10に伸ばしました。
これまで1600mで行われてきたすずらん賞が、今年1800mに距離が延長されがたことで、出走メンバーもマイラータイプの馬に加え2000mクラスの重賞を狙うメンバーが加わり重厚さが増しました。その中で1番人気に推されたのがミニアチュールでした。3歳および牝馬の重賞を勝ちまくったミニアチュールも昨年秋以降はスランプに陥りましたが徐々に復調。今年夏以降は特別・準重賞を連勝して重賞戦線に復帰するとM1重賞ビューチフルドリーマーカップ(盛岡2000m)で遠征組を一蹴、ヴィーナススプリント(水沢1400m)では出遅れたものの佐々木志音騎手が慌てずに追い込み競馬に切り替え、豪快な差し切り勝ちを収めました。脚質の幅を広げ、2年目の佐々木志音騎手との相性も抜群ということでファンの信頼を得ました。とはいえ、今回は去年の年度代表馬ノーブルサターン、盛岡ダート2000mのせきれい賞を勝ったライアン、jpnⅡ不来方賞で6着に健闘したサクラトップキッドなど、侮れないメンバーが相手で一抹の不安もありました。しかし、スタートを決めると逃げるグランコージーをぴったりマーク、楽な手ごたえのまま進みました。最後の直線も脚は衰えず、追いかける馬たちの方が苦しくなる内容で完勝。追い込んできた7番人気のフレイムウイングスに2馬身差をつけてゴールインしました。これで夏場から5連勝、かつ重賞3連勝。完全に軌道に乗った走りは、終盤に向かう岩手競馬の中心を務めそうな予感がしました。
2024年10月15日
10月14日(月)の南部杯は、1番人気のレモンポップが追いすがるペプチドマイルを振り切って逃げ切り、連覇を果たすとともにGⅠ・jpnⅠ5勝目をあげました。
最内枠に入ったレ1番人気の坂井瑠星騎乗のレモンポップは、先手を伺うヒロシクン、ミックファイアらを内から交わして逃げる意志を示しました。ただ楽には逃げられませんでした。8枠14番からもう1頭のGⅠ馬・藤岡祐介騎乗のペプチドナイルが競りかけて場内が沸きました。それでもハナを譲り渡すことなく先頭を守って進みました。ミックファイアイア、サヨノネイチャが好位をマーク、3番人気のタガノビューティーは中団に控えました。第3コーナーでは先行2頭が後続との距離を徐々に広げ、マッチレースの様相となりました。レース前の最終追い切りで精彩を欠いたレモンポップに対しては不安もささやかれましたが、レース後坂井騎手は「調教師は70点の出来と言っていたが、70点なら勝てると思っていた」とレモンポップの能力に自信があったことを明かしました。それでもフェブラリーステークスの勝ち馬ペプチドナイルのマークはきつかったようで、レース後のインタビューではホッとしたというコメントを残しました。結局レースはレモンポップが4分の3馬身差で逃げ切りました。離れた3着には10番人気のキタノビジョンが入り、大井・ミックファイアが地方最先着の4着、兵庫のアラジンバローズが5着でした。6頭が出走した岩手勢は歯が立たずボウトロイの10着が最高でした。15頭中、GⅠホースは2頭。その2頭のマッチレースは見ごたえがありました。
2024年10月10日
10月6日(日)のメインレース、ネクストスター盛岡は3番人気の牝馬ポマイカイが快勝しました。
ネクストスター盛岡といえば、去年フジユージーンが圧勝し全国に名を知らしめたレースです。今年は出走馬12頭中に全勝馬が1頭もいないという混戦模様の中スタートが切られました。スピードに勝るラポジートが1番枠に入ったことから自然と先頭に立ちました。これを追ったのが高松亮の乗ったポマイカイでした。デビュー当時から逃げて勝負をしてきましたがハナ争いに巻き込まれた若鮎賞で6着に沈むと、少しずつ脚質の幅を広げながら先行抜け出しのスタイルを身につけました。この日のレースでもラポジートに競りかけるというよりは外目からプレッシャーをかけるという
スタイルで余裕を持ちながら追走、第4コーナーでスパートすると、追い上げる牡馬3頭(サウザンドマイル・ユウユウコラソン・マツリダマスラオ)の追撃を封じ、新馬勝ち以来の勝利を重賞で飾りました。この馬の兄といえば850mで11戦全勝の”超スプリンター”ダイセンメイトですが、妹のポマイカイは1400mでも勝って距離の融通性を示しました。
ポマイカイとはハワイ語で「幸福・祝福」という意味があります。思えばアパパネ(赤い鳥の名前)が2010年にオークスを勝って以来、ハワイ語の
馬名も増えてきたように感じます。今後、ポマイカイがその名の通りファンと関係者に幸せを運んでくれるシーンがまたありそうです。
2024年10月10日
10月2日の水曜日、大井競馬場で行われたジャパンダートクラシックは、1番人気のフォーエバーヤングが“世界レベル”の強さを見せつけて快勝しました。岩手から挑戦のフジユージーンは10着に敗れたものの、第3コーナーまでは果敢に先行手段に取り付く積極的な内容をみせ、全国区のスピードに十分ついていけるところを見せました。
パドックに姿を現したフジユージーンは、長距離輸送にもかかわらず+の2キロ。休み明けだった不来方賞の時と比べると全体に締まった印象で機相乗りも上々と見えました。今回南関東の森泰斗騎手を鞍上に迎え、陣営からは「流れに乗って積極的に」という指示が出ていました。スタートはいつものようにやや立ち遅れ気味だったもののインコースをスルスルと上昇、序盤から先行集団の内目4番手に付けました。手応えも良く、あるいはこのまま行けるかと期待を持たせましたが、勝負所からペースが上がると徐々に後退、直線は一杯一杯となり10着での入線でした。前半飛ばした分着順を下げた内容ですが収穫はありました。「スピードは一線級で通用」「初コース、大勢の観衆に動じなかった」「初めての長距離輸送も影響はなかった」といった点です。一方で不来方賞・ジャパンダートクラシックの内容から2000mの距離は現状やや長い印象が高まったように思います。
騎乗した森騎手はフジユージーンにはまだ奥がある旨のコメントをしており、今後に期待が高まります。陣営は、今後は力に見合ったレースを選んで、遠征競馬をしながら徐々に地力をつけていきたいと語っており、次走が楽しみです。
2024年9月9日
9月8日(日)の2歳重賞M3ビギナーズカップは、3コーナー手前から動いた2頭、ラポジートとポマイカイの2頭で決まりました。3着にはピカンチフラワーが入り、5・6・7番人気での決着は3連単43470円の穴馬券となりました。
伏線は2頭にとっての前走8月13日の岩手デビュー限定戦にありました。そのレースでは逃げたポマイカイはフタイテンホイールに差されて2着、ポマイカイとの逃げ争いで消耗したラポジートは7着に大敗していました。今回はステイクラッシーがハナを取ると、ラポジートは競り合わず2番手を追走、ポマイカイとピカンチフラワーが3・4番手につけて逃げ馬にプレッシャーをかけるように進みました。ラポジート・岩本怜がゴーサインを出したのは残り600mの手前、一気にステイクラッシーを交わして先頭に立ちました。前半比較的楽に追走していた分余力を残してのスパートでした。ラポジートのスパートを待っていたかのようにポマイカイも2番手にあがり2頭が抜け出します。後続集団ではピカンチフラワーが上位に踏みとどまった一方、1番人気のサンカリプソは3番手争いが精一杯、2番人気のマツリダマスラオは中団のまま勝負に加わる位置には上がってきませんでした。最後の直線、ラポジートは追うポマイカイの追撃を余裕をもって封じ快勝、重賞初勝利を飾るとともに通算成績を4戦3勝と伸ばしました。
勝ったラポジートはスペイン語由来の馬名で「雛」「ひよこ」の意味があります。6月のデビュー戦は412キロの馬体重で逃げ切り勝ち。2歳戦でよく活躍する仕上がり早の小柄な快速牝馬というイメージでしたが、この日は423キロ。馬体も戦い方も一戦ごとに進境を示して、巣立ちの時を迎えた感があります。
2024年9月9日
9月3日(火)の不来方賞は、今年からダート3冠路線に組み込まれたことでjpnⅡ格付けで行われました。地元岩手で8戦全勝、重賞6連勝と無敵の強さを見せつけてきたフジユージーンが、中央競馬はじめ全国の一線級を相手にどこまでやれるかが注目されましたが、結果は地方最先着の4着。改めて全国区の「壁」の高さを痛感させられる一方で、初挑戦のダートグレードでポテンシャルの高さを見せた一戦となりました。
レースは序盤5~6番手。フジュユージーンとしてはまずまずのスタートながら、カシマエスパーダ、サトノフェニックスらのJRAの先行馬や、本来差し馬のサンライズジパングらの後ろからの競馬を余儀なくされました。北海道競馬のパッションクライも加わった先行集団を見る形で進み、3コーナー手前から徐々に進出、残り600mで集団に追いつくと外から捲っていく姿勢を見せました。ところが、残り600mから400mの間の1ハロンのペースが11秒8と一気に上がると、ついていくのが精一杯となります。第3コーナーの下りで一気にスパートするのが盛岡コースの必勝パターン、JRA勢がフジユージーン以下を一気に突き放しました。これまでのレベルの相手なら普通に捲れたものが今回は無理でした。直線は逃げるカシマエスパーダ、内で粘るサトノフェニックスを外から武豊のサンライズジパングが鋭く差し切って優勝、10月のジャパンダートクラシックへの優先出走権を獲得しました。フジユージーンは自ら動いて行った矢先に相手が一気にスピードアップしたため苦しい展開となりましたが、直線もあきらめずに前を追い4着を死守してみせました。前半はスローな流れで残り600mからは瞬発力勝負という、JRA勢の勝ちパターンの前に苦しい競馬を強いられた中での4着は価値があります。差してきた
北海道の北斗盃馬ブラックバトラー、岩手N02のサクラトップキッドに先着を許さず、中央2勝クラスのタイセイミッションに大差をつけた内容は今後への期待を繋ぐものでした。陣営は順調ならジャパンダートクラシックでの巻き返しを視野に入れています。盛岡のスピードの出る馬場よりも砂の深い大井の馬場でのパワー勝負の方が合うという見方がある一方で、本質的に2000mは長く、南部杯などのマイル路線にシフトしてはという声もあります。岩手競馬が久々に産んだ大器がどこへ向かうか動向に注目が集まっています。
2024年9月1日
9月3日のビューチフルドリーマーカップは、3番人気のミニアチュールが2番人気のマテリアルガール(浦和)を競り落とし、1番人気のラブラブパイロ(大井)の差しを封じる強い内容で優勝、佐々木志音騎手は嬉しい重賞初制覇を果たしました。去年重賞7勝、最優秀牝馬と最優秀3歳馬の称号を得たミニアチュールは11月のロジータ記念惨敗から不振に陥りましたが、今春短距離戦に活路を見出すと見事に復活。徐々に距離を伸ばして前走1800mのフェアリーカップを勝ってB.ドリーマーカップに臨みました。レース後「自分の馬のリズムを崩したくない」と語った佐々木志音騎手は無理なハナ争いはせずにマテリアルガールにプレッシャーをかける2番手を選択、馬の手ごたえも良く最後の直線の
ラブラブパイロの肉薄もしのぎ切りました。佐々木志音騎手、佐藤祐司調教師ともに満面の笑みが見られました。
2024年8月25日
8月25日(日)のメインレース、第26回ジュニアグランプリは北海道から4頭、地元岩手から5頭が出走して盛岡ダート(芝の使用見合わせのため)1600mで行われました。
キャリアの浅い2歳馬の重賞で、遠征馬と地元勢の力量比較が難しいレースでしたが、北海道で新馬戦を勝った跡あとRA認定の特別で4着・2着の好成績をのこしているキングミニスターが1番人気に推されました。イトコにメイショウフンジン、姉に兵庫A2のレッツゴーローズがいる筋の通った血統も魅力で、鞍上には岩手の山本聡哉騎手を配し必勝の構えでレースに臨みました。2番人気には盛岡D1600mの若鮎賞の勝ち馬、岩手のサウザンドマイル、3番人気に石川倭騎手を乗せてきた北海道のキングリーエアーが続きました。
レースは北海道のクリムゾンジュエルがハナを奪い、一時は後続を4~5馬身離して逃げまくりました。キングリーエアーが2番手に付け、その後ろにキングミニスターとサウザンドマイルが続き緩みの無いペースで進みました。3~4角中間、距離経験のないクリムゾンジュエルがつかまり、キングリーエアーが先頭に立って直線に向かいます。後続辛さを詰めたのがキングミニスターで、最後の1ハロンは2頭のマッチレースとなりました。石川倭キングリーエアーも良く粘ったものの、最後は山本聡哉キングミニスターが首差抜け出し人気に応えました。離れた3着にはサウザンドマイルが入り、人気上位の馬が上位を独占しました。勝ったキングミニスターはデビュー2戦目にリコースパロー、3戦目にソルジャーフィルドに敗れましたが、勝ち馬2頭がその後の重賞で1・2着を占めたようにが強い相手と戦ってきたことが好結果につながったと言えます。
2024年8月18日
8月18日(日)のメインレース、第14回OROターフスプリントは前回優勝した神尾香澄・マッドシェリー(牝6歳 川崎・山田質厩舎)が、終始先行争いを繰り広げた末抜群の粘りを発揮し1着でゴールイン、見事に連覇を達成しました。
今シーズンは既報の通り芝のレースは休止となり、夏場以降はすべての芝レースがダートに変更になっていますが、OROターフスプリントは去年も雨による馬場状態悪化の為ダートに変更されていた為、マッドシェリーは2年連続でダートコースのOROターフスプリントを制覇するというは稀有な記録をのこすことになりました。レースは最内も1番枠に入った3番人気マッドシェリーと、地元岩手競馬所属の1番人気のグットフォーチュンが先行、ダイセンメイト、スターオブケリー、イッツクールらが追う展開となりました。ダートとはいえ1000m戦はスピードがものを言います。前回重馬場で58秒1のレコードタイムをマークしたマッドシェリーと、前走同じ距離で良馬場で58秒2をマークしたグッとフォーチュンは共に外連味なくスピード勝負を挑みました。直線入り口、一旦はグットフォーチュンが出かかりましたが、最内からマッドシェリーが抜き返してゴールイン。当日解説のケイシュウ・深田桂一さんはマッドシェリーのコース適性の高さを再認識したと話していました。3着には2番人気の北海道イッツクールが入り、人気サイドのレースになりました。
神尾香澄騎手はマッドシェリーとのコンビで、デビュー初勝利を達成したのに続き、去年のOROターフスプリントで重賞初制覇。人馬一体の騎乗で今回自身2つ目の重賞制覇を成し遂げました。
(写真は岩手競馬HPより)
2024年8月14日
8月14日(水)のjpnⅢクラスターカップは、現役きっての巨漢馬ドンフランキーが好スタートからそのまま先頭を譲らず、人気に応えて逃げ切りました。
当日の馬体重の発表は607キロ!去年7月のプロキオンステークスを勝った時が594キロで、重賞におけるサラブレッドの最高体重記録保持者にしても
さすがに重すぎるのでは?と疑問の声も上がりました。レース後池添騎手が明かしたところでは本来12日のレースのはずが雨で2日順延し、調教を休んだ分600キロを超えての出走だったとのこと。パドックの気配は悪くなく、力は出せそうな感じではありました。いざレースとなるとドンフランキーは”強い”の一言でした。好スタートを切りハナに立つと岩手のサンエイウイング、ビクトリールーラー、JRA5頭の中では人気をやや落としていたケイアイドリーらが追走しました。クロジシジョーが続き2番人気のコスタノヴァは中団やや後ろ、出遅れたジレトールは後方につけました。3~4角中間、逃げるドンフランキーを追ってケイアイドリーが差を詰め2番手に上がると、外からクロジシジョーが伸び脚を発揮しドンフランキーに迫ります。最後の100mでは
前3頭での決着が濃厚になりましたが、内にケイアイドリー、外にクロジシジョーを従えるように真ん中のドンフランキーがパワーで押し切りました。2着がクロジシジョー、3着がケイアイドリーで、出遅れながら追い込んだジレトールは4着。5着には北海道のスペシャルエックスがはいり、地方競馬勢最先着を果たしました。自身が持っていた重賞競走での最高体重優勝記録を13キロも更新、驚きのパワーを見せつけたドンフランキーは、今秋アメリカ遠征を視野に入れている模様です。世界を相手にしても通用しそうな強さでした。場内テレビに映し出された607キロのドンフランキーの写真を添付します。
2024年8月11日
8月11日(日)のひまわり賞は、2番人気のコモリリーガルが鮮やかな逃げ切り勝ちを収めました。門別から転入初戦だった前走は先手を奪いながらも直線失速しましたが、今回は過去重賞2勝の本来の力を見せ、後続を突き放してM1重賞を制覇しました。人気は金沢から移籍してきたリケアマロンが集めました。ここ3戦重賞2勝、2着1回の充実ぶりから抜けた指示を集めたものの、3番手の好位置から伸びず3着にとどまりました。転入初戦でマイナス12キロ、もともと小柄なこの馬にとっては環境の変化が応えた可能性はあります。繊細な牝馬の重賞で上位人気2頭が明暗を分けた形です。一方2着には5番人気のコンバットスプーンが入り、持ち味のしぶとさを見せつけました。台風5号の影響が心配される中でのレースでしたが、日中はほとんど雨が降らず無事にレースが行われました。なお今回のひまわり賞はレディスデーの特別企画として、瀬谷佳子アナが12年ぶりに実況中継を務めました。現在はアナウンス職を離れていますが猛練習で現役時代同様の声を届けられたと思います。
瀬谷佳子アナ(画面左)とアシスタントの志田陽菜さん
2024年7月22日
7月21日(日)のメインは、芝1600mのM3重賞いしがきマイラーズオープンでした。勝ったのは2歳時に芝の重賞・若鮎賞を制した5歳馬のギャレットで、素晴らし切れ味を発揮して並みいる古豪を蹴散らしました。
地方唯一の芝コースに集った12頭は、元中央のオープン馬をはじめ、ほとんどが高い芝実績を持った馬達でした。しかしながら前開催の重賞せきれい賞が、雨による馬場悪化のためダートに変更となったこともあり、全馬久々の芝コースでの実戦でレース展望を難しくさせました。そのなかで1番人気に推されたのがギャレットでした。2歳時の若鮎賞制覇を含め、盛岡の芝1600mでは過去6戦3勝、2着1回、3着2回の実績は信頼を寄せるに十分でした。レースは前走岩鷲賞(ダート1200m)で逃げて3着の成績を残したスターオブケリーの逃げで始まり、昨年このレース2着のアーバンキッド、中央芝実績ナンバーワンのアルサトワらが続きました。ギャレットは中団やや後ろに位置し機を伺います。勝負所の第3コーナーで先に上昇しかけた2番人気のブローヴェイスが落馬、馬は外に逸走したため他馬への影響はなかったもののヒヤッとさせる場面でした。最後の直線、一旦アーバンキッドが先頭に立ちますが、それも束の間中団から差してきたレベランスとギャレットが一気に襲い掛かり最後は一騎打ちとなりましたが、前半脚を溜めていたギャレットの切れ味が勝りギャレットが優勝しました。前半をじっくり乗り末脚にかけた山本聡哉騎手の好騎乗が光りました。
2024年7月16日
7月15日(火)のjpnⅢマーキュリーカップは、2番人気のJRA・クラウンプライドが優勝しました。直線外から猛追してきたビヨンドザファザー、内から差してきたロードアヴニールを振り切り、自身3つ目のダートグレード制覇、且つ国内での初ダートグレード制覇を成し遂げました。
レースの注目の一つが、1番枠に入った人気のメイショウフンジンがマイペースの逃げを打てるかという点でしたが、ハナを奪ったのは2番枠スタートの岩手のヒロシクンでした。さらに外からクラウンプライドが2番手を奪いました。こうなるとメイショウフンジン、あるいは岩手のグランコージーにとっては苦しい展開となりました。ただみちのく大賞典を逃げ切ったとはいえヒロシクンにとってはハイペース。この馬の玉砕的な逃げを余裕をもって追走していたクラウンプライドが、残600mで先頭に立つと、後続の差し馬と大きな差がついたまま最終コーナーに向かうことのなりました。後続陣のなかから3番人気のロードアヴニール、4番人気のテンカハルがようやく進出、最後の直線に向かいました。横山武史騎乗のクラウンプライドは残り200mではロードアヴニールを3馬身以上リード、このまま押し切るかと見えましたが最後の100mで失速。大外から追い込んできた5番人気の北村友一ビヨンドザファザーがゴール前際どく差し込む一方、團野大成のロードアヴニールも最内から脚を伸ばし、3頭が一団となってゴールインしました。それでもクラウンプライドは2頭の追撃を封じ、ビヨンドザファザーにハナ差で勝利。海外での2勝に加え、3つ目のダートグレード制覇となりました。4着のテンカハルまでがJRA勢で、地方最先着は5着にはいっった北海道・スワーブアラミス、地元勢最先着は9着のグローリーグローリでした。逃げて見せ場を作ったヒロシクンは13着に沈んだものの、本命馬が逃げる予想を覆したスピードで十分にレースを盛り上げました。 (写真は岩手競馬ホームページより)
2024年7月14日
7月14日のやまびこ賞は、水沢・伊藤和忍厩舎所属、高橋悠里騎乗のサクラトップキッドが強い内容で勝ちました。
人気こそ、条件クラスで連勝中のラティサワーに譲りましたが、怪物フジユージ―ンと戦ってきた強さはやはり本物でした。かつては追い込み馬のイメージもありましたが、この日はすっと好位につけると、逃げたコモリリーガルをなんなく捉え、追い込んできた同厩のバウンスライトに5馬身差をつける快勝でした。レース後陣営からは首の高くなる傾向を改善するためにハミ周りの装備を工夫したと明かしましたが、その効果以上にサクラトップキッドが地力をつけたことを印象づけました。
2024年6月30日
夏季の盛岡ロングラン開催の初日、6月30日(日)のメイン・サファイア賞は、5番人気のパラダイスリズムが主導権を奪い、芝2400mを逃げ切りました。
岩手在籍馬にとって芝2400mは未知の条件とあって人気は割れ、混戦模様となりました。その中で1番人気には2歳時に芝の重賞で2着、4着の実績があり、前走ダート2000mの東北優駿で3着に入ったセイバイラックが推されましたが、中央競馬の芝コースである程度計算できる成績を残していたシンプロレタリアト、賞金未収得ながら素質をみせていたサンタルチア他が上位人気を集めました。レース前から雨が強まる中、プリズムスペクトル・ドリームキャッチがスタート良くハナを伺いましたが、すぐに大外からパラダイスリズムが先頭に立ちました。長丁場、雨に濡れた芝コースを考えればこの先行策は理にかなったものでした。後続に終始水を開けながらの一人旅が続きました。2週目勝負所からセイバイラック、サンタルチアがマクリ気味に上昇をはじめましたがパラダイスリズムに並びかけるところまではいかず、逆に余裕を残していたパラダイスリズムが岩本怜騎手のゴーサインに一気に差を広げて最後の直線に向かいました。焦点は2着争いに絞られ、前半待機策をとっていたシンプロレタリアトが外から伸びて2着、父レインボーラインの長距離血統馬プリズムスペクトルが3着に入りました。先に仕掛けたセイバイラックは4着、サンタルチアは5着でした。
2024年6月24日
6月23日(日)のメイン伝統の第52回みちのく大賞典は、3番人気のヒロシクンが思い切った逃げ切り勝ちをみせました。
人気は、前走盛岡1600の重賞シアンモア記念で優勝したグランコージー、同レース2着で前回のみちのく大賞典の覇者ヴァケーションの2頭に集まりました。最近の実績からすれば順当な人気だった一方、”第3の馬”探しは混戦が予想されましたが、B1クラスを3連勝して重賞初挑戦となった5歳馬のヒロシクンに期待するファンが多く、3番人気に推されました。レース前の予想では、7歳になって先行力に磨きがかかった感のあるグランコージーが逃げると思われました。ところが大外の12番枠からヒロシクンが好スタートを切ると、高松亮騎手があたかも短距離レースのごとく目いっぱいに追って先手を奪います。グランコージーは2番手、ヴァケーションが3番手に続いて逃げ馬にプレッシャーを与えようとします。スズカゴウケツ、グローリーグローリが好位をマークして緩みの無いペースでレースが進みました。逃げたヒロシクンは中央1勝クラスから5月に転入してここまで3連勝、とくにこの2戦はオープンでも実績のあるマナホクを破って能力の高さを見せていました。レース後佐藤雅彦調教師・高松亮騎手は、「挑戦者という立場なので思いっ切って行った」旨のコメントを残しましたが、その言葉の通りの積極策で主導権を握りました。
それでも、どこかで後続が捕まえに掛かるはずとみていると、なんと2週目の向こう正面過ぎでグランコージー、ヴァケーションの手応えの方が怪しくなりました。レース中あきらかに「一息入れる」とう場面がない中、ヒロシクンの脚は全く鈍ることなくゴールに向かいます。本命・対抗馬が追撃に疲れて後退気味になったのとは対照的に、道中内を回って脚を温存していた6番人気グローリーグローリが第4コーナーで2番手上がり、8番人気ゴールドギアが3着に追い込んでゴールイン。3連単146,280円と波乱の結果となりました。勝ったヒロシクンは父がドレフォン、母は未勝利中ながら祖母は秋華賞優勝、ジャパンカップ2着のファビラスラフィンと筋の通った血統をもつ5歳騸馬です。5歳春までに中央で22戦1勝、まだ成長の余地を残しての移籍が吉と出ました。これでみちのく大賞典の勝ち馬として、馬運車にヒロシクンの名前が書きこまれることになります。
写真=岩手競馬ホームページより
2024年6月16日
6月16日(日)のメインは岩手3歳三冠路線の第2弾、水沢2000mを舞台にした東北優駿でした。厩舎で寝違えたために軽く負傷、東京ダービー出走を断念した2週後のレースとあって影響が心配されましたが全く問題はなく、今回も大差の圧勝劇を演じました。
フジュユージーンは場体重が+10キロ。一とん挫あった後だけにややゆったりとした体つきでしたが、以前のようにパドックからテンションが高めという事もなく、非常に落ち着いてみえました。売り出しから単勝オッズは1.0倍から動かず圧倒的な1番人気で迎えたレース、スタートを五分に出ると折り合っての2番手でレースを進めました。これまでのレースで見せた掛かり癖も見せず、スムーズに進みます。逃げたコンバットスプーンを2週目の第3コーナーで難なく抜き去るとあとは一人旅。早めに2番手に上がって追い上げたサクラトップキッドに大差(2秒1差)をつける完勝ぶりでした。強く追わない中で出した勝ちタイム2分8秒2も優秀で全国区に挑戦できるたいむでした。フジユージーンはこのあと放牧に出る予定で、秋はjpnⅡに昇格した不来方賞を当面目指すとのこと。勿論そのあとのジャパンダートクラシック挑戦が最終目標になりますが、大きな期待をもって秋を待ちたいと思います。
2024年5月19日
5月19日(日)のメインレース・イーハトーブマイルは、1番人気に推されたレッドオパールが直線抜け出して快勝しました。
同世代では7戦7勝のフジユージーンが抜けた存在ですが、その王者が不在のメンバー構成で混戦も予想されました。しかし売り出しから山本聡哉騎乗のレッドオパールが人気を集め、単勝2.1倍と一本かぶりとなりました。2歳時の寒菊賞の強さや、今季初戦の奥州弥生賞の勝ちっぷりの良さは特質モノでした。あやめ賞こそ直線伸びきれず3着と敗れたものの、交流重賞の日高賞では地元最先着の3着に巻き返し、今回も有力視される存在でしたが、2番人気のサクラトップキッド以下に差をつけての1番人気は予想以上のものでした。混戦であればあるほど鞍上の信頼度が高く評価された感もありました。レースは1枠を引いたコンバットスプーンが思い切って逃げました。当日は比較的先行して内で粘るケースが目についていただけに、結果2着に粘った岩本怜騎手は好判断でした。緩みの無いペースの中、ミヤギシリウス、セイバイラック、ドリームキャッチらが前前でレースを進めました。一方人気を背負った山本聡哉・レッドオパールは無理なく5~6番手を追走、勝負所から外に回すことなく徐々にポジションをあげると、直線に入って2番手に浮上。しかし無理には追わず、残り200mから溜めていた末脚を爆発させると一気にコンバットスプーンを交わして抜け出しました。繊細な部分もあると伝えられる牝馬を完璧な騎乗で勝利に導いた山本聡騎手は、この勝利が通算2499勝。デビュー20年目での2500勝となれば、菅原勲騎手の21年目を上回る岩手競馬史上の最速のペースで勝ち星を積み重ねることになります。
2024年5月5日
5月5日(日)のメインレース、東日本地区交流の3歳M1重賞ダイヤモンドカップは、1番人気のフジユージーンが遠征馬4頭を降して逃げ切り勝ちを収めました。これでデビューから7連勝、重賞5連勝と記録を伸ばしました。
地元では敵なしの存在のフジユージーンに対して、遠征馬は4頭。南関東で4勝を挙げている浦和のエドノバンザイ、北海道の所属馬で船橋の重賞平和賞3着のオオイチョウ、2歳時若武者賞2着・鎌倉記念3着の実績がある川崎のパンセ、今年になって地元大井で2勝を挙げた先行馬エスケンドリームと、例年の交流レースなら本命を張れる馬がやってきましたが、フジユージーンの人気は揺らぐことなく、単勝は1.0倍と1.1倍を行ったり来たりと圧倒的な1番人気となりました。レースでは2番枠に入ったフジユージーンが好スタートを切りました。昨年は出遅れ癖が付きかけましたがすっかり矯正され、ハナに立ちます。村上忍騎手は”ほかに行く馬がいれば”と外に視線を向けますが、逃げようとする馬はなく自然と先頭に立ちました。ただレース後村上騎手が語ったようにやや掛かった感じで、向こう正面入り口では4馬身ほどリードを奪いました。ようやく馬をなだめたため後続も接近、なかでも浦和のエドノバンザイがフジユージーンの直後をマークして2頭が3番手以下にまた差をつける展開になりました。しかし第4コーナー手前で追うエドノバンザイは一杯気味、かわってオオイチョウが外目からスパートして2番手に上がり前を負います。直線は2頭の争いとなりましたが道中楽だったフジユージーンが突き放し、4馬身差でゴールイン。危なげなく重賞5連勝、無傷の7連勝を達成しました。すでに全国区の存在となっているフジユージーンの今後の戦いがますます楽しみになりました。
2024年4月22日
岩手競馬は4月7日から新年度のレースが始まりました。「すべてのレースにドラマがある、ドラウマチック」のキャッチコピーに相応しい熱戦が開幕から続いています。
まず4月7日のスプリングカップでは去年の年度代表2歳馬フジユージーンが大器ぶりを改めて証明するような圧勝劇を見せました。鞍上の村上忍騎手が追う場面もなく、距離を踏むごとに後続との差を広げ、2着のサクラトップキッドに大差をつけ、ダート1600mを1分41秒7の好タイムで駆け抜けました。これで6戦6勝、重賞4連勝。次走のダイヤモンドカップの結果次第では3歳ダートGⅠ路線挑戦の話題がテーブルに乗りそうです。4月14日は古馬の赤松杯が行われました。昨年の年度代表馬ノーブルサターンが1番人気に推されましたが、休み明けの実績が薄く混戦模様でした。水沢に転厩して心機一転のスピード馬グランコージーが先手を取ると、おととしの年度代表馬ヴァケーションが2番手。以下ミニアチュール・スズカゴウケツ・ライアンらが相前後しながら追走しました。ノーブルサターンは動きが重く勝負所で上昇したものの勝負には加われません。逃げたグランコージーは後続をひき離す勢いをみせそのまま1着でゴールイン。2着にはゴール前でヴァケーションを差したライアンが入りました。上位3頭に後れを取ったものの4着まで追い上げたノーブルサターンを含め、各馬の目標となるであろうシアンモア記念が更に白熱しそうな予感です。そして4月21日は今年最初のM1重賞、地方全国交流の留守杯日高賞でした。遠征馬3頭と地元の9頭の序列をつけるのが難しいメンバー構成でしたが、川崎で2戦2勝のエレノーラが
大器ぶりを発揮し、無敗で日高賞優勝を果たしました。スタートで躓いてヒヤッとさせたエレノーラでしたが、野畑騎手がすぐに立て直すと、先手を取ったカリフィアを射程に入れながら道中は悠々と追走します。そして3コーナー過ぎで先頭に並びかけると、あとは勝負あり。早めに抜け出すと、追い込んできた3番人気大井・ファーマティアーズに2馬身差をつけてゴールインしました。3着には2番人気の岩手・レッドオパールが入り、堅いレース結果となりました。初遠征、初馬場、初距離をものともせず、加えて番手で折り合えたレース内容は非常に濃いものがありました。写真は日高賞の表彰式の模様です。野畑騎手、内田調教師も今回のエレノーラの強さを讃えていました。
2024年4月1日
4月から2024年度の岩手競馬がスタートします。
新年度のキャッチコピーは「レースの数だけ、ドラマがある。ドラウマチック」です。4月7日から2025年3月末日まで、のべ130日間の予定で文字通りドラマチックなレースが繰り広げられます。2024年度は従来のダートグレード3レース、7月のjpnⅢ・マーキュリーカップ、8月の・jpnⅢ・クラスターカップ、10月のjpnⅠ・南部杯に加え、9月にjpnⅡに昇格した3歳の不来方賞が行われ、
7月から4か月連続で大レースが組まれました。
IBCラジオ実況中継岩手競馬クロスでは、2024年度も日曜日に行われるレースの模様をリアルタイムでお届けします。迫力のある競馬中継をお楽しみください。なお今年度も、事前にご応募いただいた方に当日の解説者の推奨馬券500円分をプレゼントする
「勝負の一枚」のコーナー(はずれた場合もIBCグッズや競馬グッズを差し上げます)と、馬にかかわりのあるリクエスト曲を番組中におかけした場合にIBCのトリプルペンを差し上げる「うまうまリクエスト」のコーナーを継続します。
うまうまリクエストになる曲は、題名や歌詞のほか、歌手、作詞・作曲・編曲者の名前に馬や駒の字が使われている場合の他、馬が出てくる映画やドラマの曲、明らかに馬のことを歌っている曲など探せばたくさんあります。奮ってご応募ください。
「勝負の一枚」「うまうまリクエスト」とも、宛先はお葉書は〒020-8566IBCラジオ岩手競馬クロスの係、メールはkeiba@
ibc.co.jpです。またFAX019-624-2894でも受付けます。
2023年12月31日
大晦日恒例の重賞・桐花賞は、単勝1番人気のノーブルサターン号が、高松亮騎手の好騎乗もあって圧勝し前年に続いて連覇を達成しました。またこの勝利により2023年の年度代表馬争いの本命に躍り出た形です。
ファンにの人気投票上位馬が揃って出走、1年を締めくくるに相応しいメンバー構成となった今年の桐花賞。1番人気はシアンモア記念優勝、秋も重賞2連勝と充実度満点のノーブルサターンでした。以下2番人気がみちのく大賞典馬ヴァケーション、3番人気には重賞3勝の紅一点ゴールデンヒーラーと、どの馬が勝っても役者に不足の無い戦いとなりました。
レースはマイネルアストリアが逃げ、その後ろにヴァケーション、ゴールデンヒーラー、4番人気のフレイムウイングスが続く流れとなり、ノーブルサターンは前4頭からやや離れて中団を進みました。3コーナー手前でマイネルアストリアがつかまり、一気にレースが動きます。ヴァケーションが一旦先頭に立ちかけたのも束の間、外から一気にまくっていった高松亮騎手のノーブルサターンが突き抜け、後続に3馬身ほどの差をつけて直線に向かいました。早めに先頭に立ったことで末が持つか一瞬不安がよぎったものの、ノーブルサターンは力強く駆け抜け、最後追い込んだフレイムイウイングスに3馬身差をつけてゴールイン。見事に桐花賞2連覇を果たしました。「前が牽制しあう感じだったのを見て、思い切って勝負に出た」とレース後
語った高松騎手。鞍上の好判断が光ったレースでした。
2023年12月10日
12月10日(日)のメインレースは山本聡哉騎手騎乗のレッドオパールが、早めの追走から直線抜け出し、快勝しました。
レースの構図は強敵相手の南部駒賞5着のサクラトップキッド、門別から転入して2戦目となるマルーントリックとレッドオパールの3頭が中心視される一方、デビュー以来重賞特別路線で毎回健闘してきたセイバイラック、太夫黒特別2着のリノグロワール他のメンバーが食い込めるかというものでした。レースは最内枠からリノグロワールが逃げ、マルーントリックがこれをマーク、セイバイラック・ロイエ・レッドオパールが好位置につけました。1番人気のサクラトップキッドはその後ろ、先頭からは7~8馬身離れて追走、向こう正面から追い上げにかかりますが、なかなか前との差が詰まりません。勝負所で動いたのはレッドオパールでした。リノグロワールが後退し、セイバイラックとマルーントリックが競り合うところを外から一気に抜き去ると、直線で
先頭に立ってからも脚は衰えず、セイバイラックに3馬身差をつけてゴールイン。通算6戦目での重賞制覇を成し遂げました。
2023年12月3日
終盤を迎える岩手競馬にあって、ノーブルサターン号と鞍上の高松亮騎手の存在感が増しています。
11月9日の盛岡競馬・北上川大賞典、ノーブルサターンは逃げの手を打ちました。過去の実績からは”逃げ馬”のイメージはありませんでしたが、高松亮騎手は他の馬が行かないと見ると躊躇なく先行、レースの主導権を握りました。夏場実績を残せず、この日は5番人気。意表をついたこの馬の逃げを後続の人気馬が軽く見た部分があったかもしれません。しかし春はシアンモア記念優勝、岩手の重賞計3勝の実力馬はすっかり復調していました。直線ただ一頭追いすがったフレイムウイングスを1馬身4分の1差退けて、あっぱれの逃げ切りを収めました。
それから2週間後の12月3日の水沢競馬。ノーブルサターンは前年自身が制したトウケイニセイ記念に出走してきました。短い間隔のローテーションと2500→1600mの距離の変化がどう出るかファンも迷ったと見え、負担重量53キロと恵まれた3歳牝馬ミニアチュール、強力な先行力が武器のグランコージーに次いでの3番人気にとどまりました。レースは予想通り前述の人気馬2頭が先行する展開になりましたが、第3コーナー手前でもう1頭の実力馬・ヴァケーションが出し抜けを喰らわすように先頭に躍り出ます。その時、中団に付けていたノーブルサターンもスパートをかけました。高松亮騎手が相手はノーブルサターン1頭と狙いを定めた瞬間でした。第4コーナー手前で早くも2頭の一騎打ちムードとなり、直線は激しい叩きあいとなりましたが差し比べなら一日の長があるノーブルサターンが残り100mで一気にヴァケーションを突き放しゴールイン。このレース連覇を果たしました。混戦模様の漂っていた年度代表古馬、その先の年度代表馬争いに大きなポイントを積み重ねる1勝となりました。次戦は桐花賞とのこと、高松騎手とのコンビで間違いなく主役を務めそうです。
2023年11月12日
11月12日(日)のメインレース、第50回南部駒賞で岩手デビューのフジユージーンが強力な遠征馬を強い内容で撃破、無敗の5連勝で重賞3連勝を達成しました。
前走ネクストスター盛岡の圧勝ぶりから1番人気に推されたフジユージーンですが、今年の南部駒賞は遠征馬も強豪揃いでした。北海道からは5頭、
ダートの重賞3着の後中央勢と芝レースで健闘したカイコウ、船橋に遠征して重賞の平和賞2着のキタノヒーロー、盛岡の芝・ジュニアグランプリの覇者トワイライトウェイ、ネクストスター門別の3着馬オスカーブレイン、5着馬デュアルロンド。そして船橋からは新馬・重賞若武者賞を連勝して
2戦2勝のグラッシーズマンと、例年ならどの馬が出ても本命になるような陣容でした。
それだけに、“フジユージーンがもしこのメンバーに勝てるようなら本物”という期待感もありました。最終の単勝倍率は1.9倍。初めての全国区の馬との対戦でこれまでのような人気の寡占状態にはなりませんでした。レースは1番枠からオスカーブレインが予想通りハナを奪いました。溜めて逃げることはせず、行けるところまでは行く感じで飛ばします。フジユージーンは例によってややふわっとしたスタートながら、大きく出遅れた程ではなく、馬なりながら徐々に順位をあげていきました。オスカーブレインを追ってグラッシーズマン、カイコウらが差を詰める中、フジユージーンは第4コーナー手前で進路を内から外に切り替えて追い出しにかかりました。エンジンがかかってからの伸び脚はこれまで通りの鋭さで、あっという間にオスカーブレインを捉えると4馬身差をつけて完勝。1600m1分38秒0の勝ちタイムも優秀で、ヒーロー誕生を思わせる内容の勝利でした。
ネクストスター路線を進んで短距離での活躍も出来ますが、今日の内容を見れば2000m級のクラシックディスタンスで全国の頂点をねらうことも可能に思え、今後の動静に注目が集まります。
2023年11月5日
11月5日(日)のメインD1200mのM2重賞・絆カップは、快速女王として3年間岩手競馬を駆け抜けたキラットダイヤが鮮やかに逃げ切り、このレース3連覇を果たすとともに、岩手の短距離重賞で10勝目をあげました。レース後陣営からは「このレースで引退予定」というコメントが出され、岩手競馬のスプリント界は大きな節目を迎えることになります。
過去2シーズン年度代表スプリンターの座にあったキラットダイヤは今年も早池峰賞で3連覇を達成、岩鷲賞ではまさかの3着に敗退したもののすぐに巻き返し、ヴィーナススプリントを勝って
健在ぶりを示していました。今回のレースではスタートこそやや立ち遅れたものの、すぐに先頭に立つと後続に影を踏ませない逃げ足を見せました。岩鷲賞で女王を破ったトーセンキャロルが
2番手に付ける正攻法のレースを見せますが、距離を踏むごとに差は開きました。キラットダイヤはそのまま余裕のゴールイン、1分10秒9というこの馬に相応しい好タイムをマークし、スプリンターとしての資質の高さを今回も発揮しました。ダートの短距離戦に絞ったローテーションを守り抜き、残した数字が重賞10勝。岩手の競馬史の中でも馬名通り光り輝く実績を残しました。
レース後板垣調教師は今回で引退する予定であることを表明しました。これだけのスピードを見せ続けたキラットダイヤなら繁殖馬としての成功も疑いのないところです。一抹の寂しさを感じますが、名牝の晴れ姿を改めて目に焼き付けておこうと思います。
2023年10月17日
10月9日(日)のjpnⅠ・南部杯は、1番印気に推されたJRA所属の牡の5歳馬レモンポップが大差の逃げ切り勝ちを収め、ポテンシャルの高さを見せつけました。
1レースの売り上げレコード及び、JBC実施当日を除く閉場開催時の1日の売り上げレコードとなった背景には、メンバーのレベルの高さと多彩さがありました。今年のフェブラリーステークス(東京・1600m)の勝ち馬レモンポップ、前回の覇者で地元の高松亮騎手が乗るカフェファラオ、去年のクラシックレース・皐月賞の勝ち馬ジオグリフ、2022年度のNAR年度代表馬に選ばれた兵庫のイグナイターと、それぞれに肩書の付く主役級の馬が揃って”応援したい馬”の多いレースとなりました。
レースは人気を背負ったレモンポップが逃げました。鞍上の坂井瑠星騎手が「馬のリズムを生かした結果逃げる形になった」と語った通り、緩みの無いペースで先行します。ただ一頭食い下がったのが兵庫のイグナイターでした。レモンポップを徹底的にマークした結果、3~4コーナー中間では2頭が後続をひきはなす展開になりました。3番手にはではジオグリフとカフェファラオが並びましたが、2番枠スタートのカフェファラオは終始内に包まれてやや苦しくなりました。先行2頭の争いは第4コーナーを回ると決着が付きます。坂井騎手のゴーサインに鋭く反応したレモンポップがあっという間に差を開き、のこり200mでは勝利を確定的なものにしました。注目の次位争いは粘るイグナイターを巡り、内からカフェファラオ、外目からタガノビューティー、レディバグが迫りましたが、イグナイターが粘りきり連対を確保しました。3着には終始好位置につけていたレディバグが入り、タガノビューティー、カフェファラオの順番でゴールイン。地元勢最先着はゴールデンヒーラーの7着が最高でした。
2023年10月1日
10月1日(日)のメイン、第36回のダービーグランプリは南関東の無敗の三冠馬ミックファイアがマンダリンヒーローとの競り合いを制し優勝。全勝記録を7に伸ばすとともに、地方所属3歳ナンバーワンの座を確かなものとしました。
7頭立ての小頭数ながらミックファイアの他、北海道の三冠馬ベルピット、海外GⅠ・2着のマンダリンヒーローが揃い、更に北海道三冠全2着のニシケンボブ、重賞勝ち馬大井・サベージ、前走戸塚記念3着で地力強化を印象付けた大井・タイガーチャージと遠征馬はいずれも強豪ぞろい。地元のルーンファクターも不来方賞馬の肩書があり、まさに少数精鋭のレースとなりました。
先手を取ったのは1番人気のミックファイアでした。最内枠から逃げる手も予想されたベルピットがわずかに立ち遅れたのを見て御神本騎手はためらいなく先手を奪います。マークしたのが
吉原寛人騎乗のマンダリンヒーローで、タイガーチャージ・ルーンファクター。ニシケンボブが続きました。程なくベルピットも集団に加わり、一頭サベージだけが単騎シンガリを進みました。緩みの無いペースの中目立ったのがマンダリンヒーローの吉原騎手で、逃げるミックファイアの1馬身後外目をマークしながら本命馬にプレッシャーをかけ続けます。そして第4コーナー手前で並びかけるべくムチが入り2頭が並びます。内ミックファイア、外マンダリンヒーローのつばぜり合いは残り100mまで続きましたがミックファイアは並ばれてもライバルを前にはいかせず、最後の最後で突き放しました。早くから競り合った2頭はさすがに余力がなくなり、内から追い上げたベルピット、最後方から外を強襲したサベージも差を詰めましたが結果は前2頭での決着となりました。勝ったミックファイアはレース後ジョッキーと渡辺調教師が明かしたように、休み明けと、遠征で直前のカイ食いが落ちたことで7~8割の出来だったようですが、やはり地力は確かで王者に相応しい底力を見せて不敗の記録を伸ばしました。今回で歴史の幕を下ろすダービーグランプリですが、最後に最高のメンバーが揃い、最高のレースを見せてくれました。
2023年9月27日
9月24日(日)のメイン、ヴィーナススプリントはD1200mのスペシャリストキラットダイヤが本来の強さ・速さを発揮して優勝を飾りました。
過去、岩手のダート1200m以下の重賞で8勝を挙げていたキラットダイヤは、前走7月2日の岩鷲賞でまさかの3着に敗れ、はからずも3連単33万弱の大波乱を演出してしまいました。これといった敗因が見つからない中、酷暑をさけて一息入れてのレースでした。メンバー構成から見て、あるいは番手の競馬を選択するかとも思われましたが、好スタートを切るとセイシークエンス、アップテンペストらの追走を許さずそのまま逃げました。距離を踏むごとに後続との差を広げ、第4コーナーでは”勝負あった”の感がありました。キラットダイヤは直線更に差を広げ、内をついて伸びてきたトーセンキャロルに7馬身差をつけて快勝。2年連続最優秀短距離馬として額面割れの無いレースを見せました。クラスターカップを見送って秋に備えたことでフィジカル面、メンタル面でのリフレッシュ効果があったものと思います。やはり岩手のスプリント路線はこの馬が主役です。
2023年9月17日
9月17日(日)のメイン、2歳芝1600mのジュニアグランプリは、トワイライトウェイが1着、ルーラーオブダートが2着にはいり、北海道勢のワンツーフィニッシュとなりました。
北海道から5頭、浦和から1頭、地元から7頭の13頭立てのレースは、例年の傾向通り遠征馬に人気が集まりましたが、初めての芝コースという馬も多く波乱含みでもありました。そんな中、過去のダートのレースとは一味違う内容を見せたのがトワイライトウェイでした。ここまではダートで先行して粘る内容で好成績を残してきましたが、初の芝コースでは、5~6番手に付けて直線差すという戦法で一気に決着をつけました。芝で切れ味が引き出されたといっていい内容でした。2着にも同じ北海道のルーラーオブダートという芝の重賞には似合わない?馬がはいり。北海道の、並びに同じ吉田照哉氏の持ち馬のワンツーフィニッシュとなりました。一方逃げて見せ場を作った地元のエイシンコソンテが3着に残りました。この馬もデビューは北海道で、新馬勝ちを収めた経歴があります。前走岩手転入初戦を逃げ切ってダートでのスピードを見せていましたが、初の芝でも小気味よい逃げ足で気を吐きました。反面、1番人気に推されていたオオイチョウは中団から一旦追い上げるも直線失速、8着に沈みました。札幌の芝で善戦の経験がありながらの敗戦は予想外でしたが初の左回りがこたえた可能性があります。
2023年9月11日
9月10日(日)のメイン、IBC杯第31回青藍賞は先手に出たゴールデンヒーラーが、緩みの無い流れの中で後続を突き放す強い内容で連覇を果たし来月の南部杯に向け弾みをつけました。
猛暑が続いたことで体調を崩す馬も多いようで、全体的に小頭数のレースがめだちますが、この日の青藍賞も5頭立て。しかし実績馬・好調馬が揃って見ごたえのあるレースになりました。まず先手を取ったのはゴールデンヒーラーでした。1番枠のリュウノゾロが逃げる展開も予想されましたが、好スタートを切った3番ゴールデンヒーラーがそのまま逃げる形になりました。リュウノゾロが2番手、南関東大井から転入初戦の
ミラバーグマンが3番手で3頭がひと固まりになってレースを進め、。マイネルアンファン、ジェイケイブラックは大きく離されました。向こう正面で逃げるゴールデンヒーラーと追う2頭との差が一旦縮まりましたが、3コーナー手前で再び差がひらきます。”一旦引き付けて突き放す”作戦に見えましたが、ラップを取っていたレース解説の深田桂一さんは、ゴールデンヒーラーはペースを緩めたところはなく、後続のリュウノゾロが頑張って差をつめたものの付いていけなくなったと分析していました。リュウノゾロが一旦3番手に下がる一方、第3コーナーで2番手に 上ったミラバーグマンがゴールデンヒーラーに競りかけようとします。レース後鞍上の山本政聡騎手は「あそこで並ばれていたら苦しかった」と振り返った場面、ゴールデンヒーラーは自らの闘志をかき立てて応戦貸し先頭を守りました。ミラバーグマンの抵抗は第4こーなーまで。
直線一気に差を広げたゴールデンヒーラーが、盛り返して2着に入ったリュウノゾロに7馬身差をつけてIBC杯青藍賞連覇を達成しました。
2023年9月3日
9月3日(日)のメインレース・不来方賞は岩手3歳三冠路線の最終関門でした。ダイヤモンドカップ、東北優駿(岩手ダービー)を連勝した牝馬ミニアチュールが圧倒的な一番人気に推され、セイントリーフ、ロックハンドスターにつぐ3頭目の三冠馬、かつ牝馬初の岩手三冠達成が濃厚とみられましたが、ミニアチュールはよもやの失速、4着に敗れ波乱となりました。
波乱の主役を務めたのは2番人気のルーンファクターでした。転入前は佐賀で行われた九州ダービーの栄城賞5着などの成績を残していた馬で、転入初戦のやまびこ賞で豪快な追い込み勝ちを決め、ミニアチュールを負かす可能性があるすればこの馬という評価を得ていました。ただ、やまびこ賞は盛岡。直線の短い水沢で同じ芸当ができるかは不透明でした。波乱の伏線は序盤にありました。逃げる可能性のあったツワモノを制してマツリダワールドが先手を奪う姿勢を見せると、ミニアチュールが負けじと競りかけ、さらに3番人気のリッキーナイトも先行争いに加わり予想外の速い流れとなりました。ライバルに早めに来られたことでミニアチュールは息が抜けず余裕のない逃げとなりました。向こう正面でレース前から好気配を漂わせていたマツリダワールドが抑えきれない手応えで先頭に並びかけると、ミニアチューの手応えに陰りがみえました。その前方の動きを見る位置で競馬をすすめていたのがルーンファクターでした。第3コーナーで一気に外から捲り先頭を奪います。ついて行ったのは4番人気のマツリダワールドでした。ミニアチュールはここで後退。かわって6番人気のセイグッドラックが差を詰めて最終コーナーへ向かいました。マツリダワールドも良く抵抗しましたが、ルーンファクターの勢いは衰えずそのままゴールイン。鮮やか且つ豪快に不来方賞を制しました。2着マツリダワールド、3着にはセイグッドラックが入り、ミニアチュールは4着。3連単10万馬券の波乱となりました。
2023年9月1日
8月25日、岩手競馬の調教師だった村上昌幸氏が病気のため亡くなりました。享年70歳、早すぎる死去でした。
最近のファンにはナムラタイタンの調教師というイメージがあろうかと思います。調教師として通算1522勝、リーディング3回の実績はそれだけで一流のホースマンであることを示していますが、古いファンにとっては天才ジョッキーとしての印象が強いはずです。デビュー3年目の1972年に年間187勝を挙げ初のリーディングを獲得すると、1981年まで10連覇。今も不滅の記録として残る金字塔を打ち立てました。自分自身、村上昌幸騎手のレースを見たのは岩手に来た1978年以降で、その当時すでに岩手競馬に「ムラマサ」ありという評価が固まっていました。
想い出のレースを一つ上げるとすれば1987年の桐花賞です。騎乗馬は4歳馬(現在の3歳馬)セーヌボーイ。前走ダービーグランプリでは当時売り出し中の佐藤雅彦騎手を背に、外連味なく前前で競馬をしてみせたものの直線失速して8着。迎えた12月の桐花賞で陣営が鞍上に迎えたのが、すでにこのシーズン限りで引退が決まっていた村上昌幸騎手でした。しかし自身の引退の花道を飾るには相手が揃っていたのも事実でした。1番人気は南関東から転入後6連勝中のマグマカザン、2番人気は先行抜け出しの自分の型に持ち込めば無類の強さを見せてきたボールドマックスで、セーヌボーイは3馬人気での出走でした。レースは逃げたノーザントライの後方で有力馬が縦に並びます。ボールドマックスはマイポジションの2番手、セーヌボーイは3番手、そのうしろにマグマカザンという並びになりました。セーヌボーイにとっては前後を強豪にはさまれる難しい位置取りでしたが、第3コーナーで村上昌幸騎手が勝負に出ます。一気に捲ってボールドマックスを早めに競り落とす選択を取ったのです。交わされると走る気をなくすボールドマックスのことを知っていたからの決断であり、同時に後ろに控えるマグマカザンに対してセーフティリードを保つ作戦は見事でした。直線は一人旅、あまりに鮮やかな勝利でした。普段はマスコミに対して柔和で、レースでも闘志をむき出しにするタイプでは
無かった村上昌幸騎手でしたが、この時は勝負師としての「凄み」を見た思いでした。
当代の山本聡哉・村上忍、一世代前の菅原勲・小林俊彦、90年代に覇を競った佐藤浩一・小竹清一。時代ごとのスタージョッキーが活躍してきた岩手競馬にあって、村上昌幸騎手こそ最初のスタージョッキーでありヒーローだったことに間違いはありません。合掌。
(写真 3月1500勝達成 写真馬の左側、ジャケットの下に白ベスト姿が村上昌幸調教師)
2023年8月22日
水沢に開催が変わった最初の日曜日、8月20日の2歳重賞ビギナーズカップ(M3・ダート1400m)は、圧倒的1番人気のフジユージーン号が人気に応えて優勝しました。
デビュー戦の水沢850mを51秒7、2戦目の盛岡ダート1400mを1分26秒0という、2歳馬としては破格のタイムをマークして連勝したフジユージーンは、レース前から将来を嘱望される逸材といわれていました。単勝最終オッズは、1.0倍。この日の解説、ケイシュウの深田桂一さんは「将来の大物が望む最初の重賞レースということで、たとえ元返しになっても記念馬券として買うファンがいたと思う」と話していましたが、レース前の興味はこの馬が勝つかではなく、どんな勝ち方を見せるかでした。レースはしかし、やや意外な展開になりました。ここまでダートでは2戦2勝の2番人気リトルカリッジが、芝の若鮎賞大敗の汚名をそそぐべくハナを奪って飛ばします。二番手にシングルモルト、三番手に今場巨人スプーンが続き、フジユージーンはユウユウププリエの
外、5番手に付けました。決してスタートが速いタイプではないとはいえ、少し追えば先手か2番手には付けられるはずが5番手。鞍上の村上忍騎手は所来の全国区挑戦を視野に、あえて抑える競馬を教えているように見えました。それでもフジユージーンは外目をじわじわと上昇、第3コーナーで3番手、第4コーナーでは逃げ込みを図るリトルカリッジの抵抗にあいながらも残り100mで抜け出すと、あっという間に2馬身半の差をつけて快勝しました。その名前で分かる通り、1歳年上のフジラプンツェルと同厩・同馬主のフジユージーンは、今後10月3日の新設重賞ネクストスター盛岡が目標になります。
2023年8月16日
8月15日(火)のGⅢクラスターカップは、川田将雅騎乗の1番人気リメイクが直線内から伸び、2番人気のドンフランキーを降して優勝しました。
レースの図式は一昨年優勝、去年2着、D1200mのスペシャリスト・8歳馬リュウノユキナと、去年の覇者で前走の特別を勝って復調をうかがわせる6歳馬オーロラテソーロの実績馬2頭に対し、前走GⅢプロキオンステークス1着のドンンフランキー、2着リメイクの勢いを感じさせる4歳馬2頭の争いという見方でした。そのなかで1番人気はリメイクになりました。既にD1200mのカペラステークスを勝っていたことと、海外遠征で健闘、帰国後のプロキオンステークスで負担重量が1キロ軽いドンフランキーに0秒1差に迫ったことで、今回は逆転可能という予想が立っていました。一方前走594キロという重賞史上最高体重で勝利を収めていたドンフランキーのパワーを評価する声も高く、結果4歳2頭に人気が集まりました。レースはスタートを決めたドンンフランキーに対し、岩手アップテンペスト、北海道スペシャルエックスが果敢に絡んでいき、オーロラテソーロが4番手、リュウノユキナは5番手に付けます。一方、1番人気のリメイクはスティールペガサス、スマートダンディらと共に中団に付けますが先頭からは7~8馬身離れ、残り600mで”果たして届くか”という場面もありました。しかしそこからが川田将雅の真骨頂、有力馬が直線外から追い込もうとして内が開くとスルスルと上昇、唯1頭33秒台の上りをマークしてあっさりとドンフランキーを交わし、レコードにコンマ1秒差の好タイムで優勝を果たしました。ドンフランキーも自己の力は出し切りましたが、差しが届くこの日の馬場状態でもあり2着に泣きました。3着にはリュウノユキナが入り、これでクラスターCは3年連続馬券に絡みました。8歳という年齢、4か月の休み明けということを考えれば良く走ったと言えます。ただ1分8秒台の決着はこの馬にとっては少し速すぎたかもしれません。以下、4着はオーロラテソーロで、上位4頭が人気どおりの着順を得、順当な結果となりました。5茶kんは地方勢最先着n北海道のスティールペガサス、岩手勢最先着は10着のカミノコでした。
2023年8月13日
8月13日(日)のメイン、芝1600mのいしがきマイラーズは12頭中11番人気のルヴァンが優勝。2着に9番人気のアーバンキッドが入り、馬単18万。三連単67万円超の大波乱となりました。
レースは予想通りハナレイがハナを奪い、ルヴァン・アルサトワ・ソロフレーズ・アーバンキッドらが逃げ馬にプレッシャーをかけながら追走。1番人気のキョウヘイはその集団を見る形で中団に控えました。雨が降ったりやんだりのこの日の盛岡競馬場はメインレースの前にも強い雨に見舞われ、差し・追い込みタイプにはつらい馬場状態に見えました。ハナレイが一杯になると、ソロフレーズが一旦抜け出しかけましたが、すぐに岩本怜・ルヴァンが先頭を奪い、一目散にゴールを目指します。2番手にはアーバンキッドが上がり、3~4コーナーから捲っていった
キョウヘイも3番手に進出しましたが切れ味は今一つ、結局ルヴァン、アーバンキッドが粘り切り、キョウヘイは3着まで。人気薄の2頭の激走で大穴馬券となりました。勝ったルヴァンは
元中央3勝馬。芝の実績はあったものの目立つほどではなく、直前2走も芝で10着、ダートで10着とふるわず全くの人気薄でしたが、レース後千葉幸喜調教師は「差しがきかない馬場状態だったので岩本騎手に積極的に前へ行ってほしい」と指示を出していたそうで、狙いがぴたりとはまりました。芝の重賞といえば2歳の若鮎賞で56万馬券が飛び出したばかりでしたが、またもやオーロパークの芝コースが波乱の舞台となりました。
2023年8月6日
8月6日(日)のやまびこ賞は、3歳の秋シーズンを占う意味で興味深い一戦となりましたが、佐賀競馬からの転入馬ルーンファクターが7番人気を覆して豪快に差し切りました。
岩手の3歳路線は牝馬のミニアチュールの一強体制が続いていますが、そのミニアチュール相手に重賞で3回連続2着のリッキーナイトが台頭、加えて秋の重賞路線を見据えて強力な牡馬たちが転入して来たため、一気に活気づいてきました。中央未勝利から移籍して連勝中のヴェールトゥマラン、セイグッドラック。さらに2歳時に船橋の平和賞を勝ったプルタオルネ、九州ダービー栄城賞5着のルーンファクターが転入初戦にやまびこ賞を選んだため牡馬陣の層が厚くなりました。また、牝馬勢でも中央競馬から再転入して2戦目のフジラプンツェル、体重を戻して調子を取り戻したケープライト、中央との交流レースで気を吐いたアシモトヨシ等が出走、例年になく混戦模様のやまびこ賞となりました。
先手を取ったのはアシモトヨシで、フジラプンツェルが2番手、ツワモノが3番手に付けました。意外だったのは有力視されたリッキーナイトとプルタオルネが最後方からの競馬になったことでした。前が競り合ったわけではなくこのまま先行馬同士の決着の流れにも見えましたが、勝負所で1番人気のヴェールトゥラマンが仕掛けるとレースが動きました。ペースが速くなる中、後方に控えていた馬の中からルーンファクター、ケープライトらが上昇を開始します。第4コーナーを回ってヴェールトゥマランがアシモトヨシ・フジラプンツェルを捉え先頭に立ちますが、大外を回したルーンファクターがケープライトを内側に従えるように伸び、1着でゴールイン!差し馬に乗せて定評のある坂口裕一騎手がこの馬の能力を引き出して見せました。完全復調を裏付けた2着ケープライト、強い内容の競馬をして3着のヴェールトゥラマンの3頭には収穫のあったレースでした。先行力を発揮したアシモトヨシの4着も健闘といえそうです。5着のフジラプンツェルも調子を戻してきた印象でしたが、1800mへの距離延長は味方したとは言えません。プルタオルネ、リッキーナイトが全く動けなかったのは猛暑の影響があった可能性もあります。力のある馬たちですから今後巻き返すのは必至、秋シーズンの3歳路線は更に面白くなりそうです。
2023年7月30日
7月30日(日)のメインレース第45回せきれい賞は、大井から遠征してきた、4番人気のヴィゴーレが直線で差し切り勝ちを収めました。レースの流れを見切った矢野貴之騎手のファインプレーでした。
6頭の遠征馬の他、岩手所属馬7頭中3頭が転入初戦という力関係の把握が難しい一戦でした。加えて先手が有望視されたコスモカルナックが出走を取消したため、どの馬が逃げるのかも注目ポイントに浮上しました。解説の松尾康司さんは盛岡の芝2400mを逃げ切るのは至難の業と通系の中で話していましたが、スタートしてスッとハナを奪たのは金沢の名手・吉原寛人騎乗、2番人気ののアルサトワでした。スーパーフェザー、ブレステイキング、ソロフレーズらが追走する流れで、2週目の向こう正面までは大きな動きはありませんでした。その流れを変えたのが10歳馬ロードクエストでした。一昨年の覇者ながら今回は8か月ぶり。年齢的なこともあり人気を落としていましたが3コーナー手前から一気に先団井に進出、あっと言わせました。これに遅れずについて行ったのが1番人気のゴールドギアでした。後続の追い上げを受け逃げるアルサトワも苦しくなった直線、ゴールドギアが早めに先頭に立ちました。しかしその時外から伸びてきたのがヴィゴーレでした。芝は久々でしたが2~3歳時はクラシック路線に乗りかけた馬。大井に転出後も今年の2月にA2下特別を勝つなど地力は確かでした。結果的にワンテンポ遅い仕掛けが見事にはまり激戦を制しました。
2023年7月23日
7月23日の3歳・M2重賞ハヤテスプリントは、大井所属のスタードラマーが1番人気に応えて優勝、1着賞金500万円を獲得しました。D1200に遠征馬5頭を含む13頭が出走、先行争いが激化する予想の中、金沢の吉原寛人騎乗のスタードラマーが直線逃げ込みを図る浦和のクラティアラをゴール前で差し切りました。岩手のエイシンゲッコウが先手に出たレース、クラティアラが2番手に続きエルメルクリオが追走、人気のスタードラマーは4番手、浦和のデザートウインドに付けました。遠征組のピノホホッア、ボルドートロギル、ウイナ―カップを差し切った岩手のケンジャなどはは中団以降に位置しましたが、全体的に先行馬が残れる傾向のなか、早めに好位置につけた馬たちの勝負になりました。早めに先頭に立ち、第4コーナーで後続を突き放したクラティアラがそのまま逃げ込むかと思われましたが、唯一頭、馬場の中央から伸びてきたスタードラマーが一完歩ごとに差をつめ、ゴール寸前差し切りました。盛岡コースでも実績を残してきた吉原寛人騎手の腕が光った瞬間でもありました。3着にはロールボヌール産駒の岩手・ヌンヌンシーが健闘良く入りました。
2023年7月9日
7月9日のメイン芝1700mの交流重賞・オパールカップは川崎からの遠征馬ラビュリントスが1番人気に応え優勝を果たしました。
ここ2戦はJRAのリステッドレースに挑戦8着、7着という成績ながら、大きくは負けなかったラビュリントスは芝コースへの適性はメンバー中随一で、2歳時には盛岡のジュニアグランプリを制した経験があります。加えて言えばダートの知床賞も勝っていて、盛岡は相性の良い舞台。1番人気に推されました。レースでは楽に先手を奪うと我が道を行くかのように終始先頭でレースを進めました。2着に追いすがった船橋・ナイトオブバンド他を完封。順当に勝利を収めました。これで盛岡は3戦3勝。岩手のファンに強さを見せつけた同馬。また来るチャンスもあると思いますが、芝コースであれば女王の座を譲ることはないかもしれません。
2023年7月2日
7月2日(日)のメインレース岩鷲賞は、8番人気のトーセンキャロルが目の覚めるような差し脚を発揮して快勝、圧倒的1番人気のキラットダイヤが3着に沈み、3連単は329,160円という大穴馬券となりました。
スタートで先手に出たのは5番人気のハナレイでした。2番枠からのスタートだったため、大外11番枠スタートのキラットダイヤを抑えて先手に出る可能性はありましたが、そこにもう一頭アップテンペストが先行争いに名乗りを上げた為、極端なハイペース(解説の深田さんの手元の計測で3F33秒8)になりました。スタートでハナに行けなかったキラットダイヤは脚を使って3番手に取り付きますが、第3コーナーの時点で、前3頭が後続を離す形となりました。最初に苦しくなったアップテンペストが脱落する一方、ハナレイはキラットダイヤに捉えられながらも良く粘り、残り200mでは2頭の決着になりそうな気配でした。ところがハイペースがたたったか、2頭ともに末脚が鈍ります。かわって外から伸びてきたのがトーセンキャロルでした。2~3歳時のレース内容からはスプリンターのイメージは薄かったものの、前走の早池峰SSで4着に押し上げて復調ぶりとともに短距離適性を見せてはいました。しかし、このメンバーでは?ということか8番人気にとどまっていましたが、直線一気の末脚は目を見張るものでした。去年のひまわり賞(1800m)、OROオータムティアラ(2000m)に続く重賞3勝目は大波乱の結果を生み出しました。圧倒的1番人気だったキラットダイヤは3着。競馬に絶対はないということを実感させられるレースでした。
2023年6月26日
夏の盛岡・ロングラン開催の初日となった6月25日(日)のメイン、M3ウイナ―カップはケンジャ、セイレジーナの後方待機2頭が直線台頭。三連単6万超馬券の波乱の結末となりました。1番人気はM1ダイヤモンドカップ4着、前走3歳A級戦でタイセイヴィゴーレ以下を差し切ったユウユウレラシオン。2番人気は距離短縮で先行力が生きそうなタイセイヴィゴーレ。さらに3番人気にはダイヤモンドカップ6着の後、M3イーハトーブマイルで3着に巻き返したリスレツィオが続き、この3頭のどれかが勝つというのが大方の見方でした。
先行馬・短距離実績の高い馬がそろったことでハイペースになるだろうと思われてはいましたが、レースは予想以上に早い流れで進みました。タイセイヴィゴーレがスタートを決めて飛び出そうとするところへ、最内からドロットニングが強力にハナを主張し先手を奪います。ヌンヌンシー、オンネマトカが好位を追走。1番人気のユウユウレラシオンが5番手、リスレツィオは7番手に付けました。第3コーナーの手前では先頭から最高峰まで15馬身近く開く縦長の展開となりました。その時点で勝ったケンジャ、2着のセイレジーナは最後方の9番手・10番手。第3コーナーを回って追い上げを始めますが、届く位置とは正直思えませんでした。最終コーナーではヌンヌンシーが一旦先頭に立ち、これを1番人気のユウユウレラシオンが捉えます。ところが先頭に立ったユウユウレラシオンの末脚に余裕がなくなりました。変わって外から伸びてきたのが4番人気ノケンジャです。堅実な差し脚には定評があったものの、ここまでトップクラスとの対戦がなく、人気3頭とは売れ方においては差がありました。しかし馬場の中央から鋭く伸びると残り100mで勝利を確実なものとします。さらに末脚を伸ばしてきた馬がもう一頭、2歳時の実績ではメンバー中ナンバーワンの8番人気・セイレジーナがユウユウレラシオンを交わして2着に飛び込み、追い込み2頭のワンツーとなりました。ユウユウレラシオンは3着をしたものの、4番人気・8番人気・1番人気の三連単は62,020円をつけました。開催替わりでペースメイクが難しいレースが目についた開催初日を象徴するようなレースとなりました。
2023年6月21日
6月20日(火)のメイン・一條記念みちのく大賞典・M1は、去年の年度代表馬、村上忍騎乗の4番人気ヴァケーションが会心の逃げ切り勝ちを収めました。
人気は4頭に分散しました。シアンモア記念で豪快な差し切り勝ちをおさめたノーブルサターンが1番人気でした。同じ舞台水沢2000mで行われた去年大晦日の桐花賞でヴァケーション以下を下した実績も、人気を後押ししたと思われます。トライアルのあすなろ賞の勝ち馬で、春初戦の赤松杯でヴァケーションを破ったグローリーグローリが2番人気。昨年のこのレース2着。今年は栗駒賞でスピードを見せつけた牝馬ゴールデンヒーラーが3番人気、そして去年の年度代表馬ヴァケーションは、直近の対戦成績で見劣ったことから4番人気での出走でした。
レースは好スタートを切ったヴァケーションが先手を取り、最初の直線でスローに落としました。特に競りかけようと刷る馬はなく、マイネルアストリアが2番手、スズカゴウケツが3番手につけます。有力どころはゴールデンヒーラーが4番手に付けたものの、グローリーグローリは7番手、ノーブルサターンは8番手と中団というよりは後方からの競馬となりました。距離2000mを考えればあまり早仕掛けはしたくないという各馬の思惑が見えました。上手かったのはヴァケーションの村上忍騎手です。折り合いをつけながら中盤はハロン12秒9~13秒1という平均よりやや遅いペースでため逃げを敢行、後続が追い上げを始める残り800mからは一転して12秒4~5にペースを上げました。有力馬は「追い上げるはずが差がつまらない」状態に陥り、最終コーナーをまたずにヴァケーションの逃げ切りが濃厚となります。最後は無理なく2番手を進み2着に粘ったスズカゴウケツに8馬身の差をつけてゴールイン!昨年の年度代表馬が大一番のみちのく大賞典でよみがえりました。鞍上の村上忍騎手は一昨年の不来方賞をマツリダスティールで制して以来の重賞制覇、人馬ともに鮮やかな復活劇を演じました。
2023年6月12日
6月11日(日)の東北優駿(岩手ダービー)は、水沢・佐藤祐司厩舎所属の牝馬ミニアチュール号が強い内容で優勝を果たしました。
岩手入りして5戦5勝、1月の金杯からはじまり、新シーズンにはいってからもあやめ賞・スプリングカップ・ダイヤモンドカップを1番人気で制覇し、押しもおされもせぬ岩手の3歳ナンバーワンの座にあったミニアチュール。しかし今回は人気面で船橋からの強力転入馬ロッソナブアに譲り2番人気での出走となりました。1番人気に推されたロッソナブアは2012年の年度代表馬ロッソコルサを兄に持ち、ここまで門別・船橋で6戦3勝、2着2回、3着1回。鞍上は7日の東京ダービーを勝ったばかりの御神本訓史騎手。重賞での実績こそないものの、主役を務めるには十分な背景を持っていました。これに対し佐藤祐司調教師は「ここまで勝ち続けてきたのはうちの馬」と一歩も引かない構えで、減り気味だった馬体を立て直し、万全の仕上げで本番を迎えました。勿論勝負はこの2頭だけで行うものではなく、スプリングカップ、ダイヤモンドカップで連続2着のリッキーナイト、連続3着のスノーパトロール、さらにはデビュー3戦3勝、大器との評判のピラヴロスと、8頭立てながら役者がそろった岩手ダービーにに相応しい顔ぶれとなりました。
レースは最内枠からピラブロスが好スタートから外連味なく逃げを打ちます。強力馬を相手に楽に先行するスピードは一級品でした。ただ距離経験が1400mまでしかなく2週目の第3コーナーでロッソナブアにつかまり後退しました。一方、2番手から先頭に立ったロッソナブアでしたが、つねにこの馬をマークしていた山本政聡ミニアチュールが外から馬体を合わせると脚色に余裕がなくなります。血統的に言えばマイル色の強いグランデッツア産駒のロッソナブアより、父が2000mクラスで実績を残したラブリーディ、母の父ブライアンズタイムのミニアチュールのミニアチュールに分があったということか、最後の直線200mはミニアチュールの伸びが目立ち一気に抜け出しました。そして2着には内から伸びたリッキーナイトがロッソナブアをゴール前でかわして入りました。
会心の勝利にウイニングランをして見せた山本政聡・ミニアチュールのコンビニは惜しみない拍手と歓声が送られました。次の目標はひまわり賞(オークス)というミニアチュールですが、強敵を退けたことで一気に評価を上げた印象で、秋以降の動向にも注目が集まります。
2023年6月4日
6月4日(日)のメイン、第8回の早池峰スーパースプリントは、圧倒的一番人気に推されたキラットダイヤが完勝。このレース3連覇を果たすと同時に、自身岩手競馬の短距離重賞8つ目のタイトル獲得を果たしました。
五分のスタートから一気に先手を奪ったキラットダイヤに対し、内からアヴェントゥリスト、外からアップテンペストらが追走を試みるも、距離を踏むごとに
差は開き、第3コーナーを回ったあたりで勝利はほぼ確定的になりました。2年連続の年度代表短距離馬は、この春一度船橋でレースを使い(4着)岩手では
去年11月のJBCスプリント以来の登場でしたが、在籍3年目もスピードは衰えるどころか磨きがかかった印象で、3連覇の走破タイムは50秒0→49秒6→49秒5と進化を裏付ける数字が残りました。2着には積極的に2番手を進んだアップテンペストが残り、2番人気のカタナは3着に入りましたが勝ち馬との差は大きく、
キラットダイヤの健在ぶりだけが印象に残ったレースでした。
2023年5月28日
5月28日(日)のメイン、3歳のM1重賞・イーハトーブマイルは、重賞タイトル保有馬のケープライトが、久々にこの馬らしい切れ味を見せて優勝しました。
レース前の予想の構図は、2歳の若駒賞馬ケープライトをはじめ、ペルトラン・セイレジーナ等、これまで重賞特別戦線を戦ってきたメンバーに対し、リスレツィオ・タイセイヴィゴーレ等、他地区から転入後下のクラスから勝ち星を重ねて一線級に上がってきた馬との力の比較をどう見るかという点でした。結果1番人気は中央未勝利から転入後6戦4勝のタイセイヴィゴーレ、2番人気は実績組のケープライト、3番人気はの門別から転入後5戦4勝のリスレツィオで、この3頭の組み合わせが上位人気となりました。レースは3番のコンバットアンジュが逃げ、5番人気のマツリダワールドが2番手、タイセイヴィゴーレは3番手につけました。人気サイドのリスレツィオ・ケープライトは好位置の4~5番手を進み気を伺います。第3コーナーでまず動いたのがケープライトでした。そとから捲っていく脚は一頭抜けた勢いを感じさせ、第4コーナーでは先頭に立ったマツリダワールドの外に並びかけました。先行したマツリダワールドも良く粘りましたが最後は地力の差、ケープライトが抜け出して自身2つ目の重賞をものにしました。春先減っていた体重を増やして体調の良化も感じさせる一戦でした。
2023年5月21日
5月15日の月曜日第3レースで三野宮通調教師が、厩舎開業23年目で節目の1000勝を達成しました。この日の第3レースで新人の佐々木志音騎手が乗ったエイシングラール号が逃げ切り、大きな勲章となる1000勝トレーナーとなりました。4月に1000勝に到達した佐藤雅彦調教師同様、騎手でも調教師でも1000勝をマークした、岩手競馬史上4人目のホースマンとなりました。(小西重征師、村上昌幸師が過去達成)
インタビューで三野宮通調教師は、何勝したかの数字は1勝1勝の積み重ねの結果であり、とくに意識はしていなかったと語りましたが、特に印象に残ったのは「どの馬にも必ずチャンスはある。負けてもクラスが下がれば勝機がある。その勝てるチャンスを確実にものにすることが大事」という勝負に対する哲学ともいえる信念でした。今後もひとつひとつコツコツとやっていきますと語る三野宮。いつしかその勝利の山はとてつもなく高いもになっているのではと思わせられました。
2023年5月21日
5月21日(日)のメインレース・あすなろ賞は、単勝1番人気のグローリーグローリが意外な展開や伏兵馬の郷愁をしりぞけて中身の濃い勝利を収めました。
これと言った逃げ馬が不在の中、先行力のあるユノートルベルが先手に出たのはある程度予想通り。しかし2番人気のスズカゴウケツが2番手につけたのには驚かされました。シアンモア記念では中団から差してノーブルサターンの2着にはいっていただけに、今回も抑える競馬かと思われましたが、逆に追いこみ切れなかった前走を教訓に前前で競馬をしようとした可能性も見えました。1番人気のグローリーグローリは慌てず騒がず好位置をマーク。山本聡哉騎手はどこからでもいけるぞという手応えで先行2頭を射程に置きました。レースが動いたのは第3コーナーから。スズカゴウケツが早めに先頭に出ると、転入初戦のゴールドギアも外から捲って一気にペースが上がりました。直線入り口ではスズカゴウケツ・グローリーグローリ・ゴールドギアの3頭が横一線にならぶ激戦となりました。一旦はゴールドギアが前に出ましたが、ここまで冷静に脚を溜めていたグローリーグローリが内から差し返し、最後は3馬身突き抜けてゴールイン。後手を踏んだシアンモア記念で5着に敗れたうっ憤を晴らしました。3着にはゼットセントラルがはいり、スズカゴウケツは4着という結果でした。勝ったグローリーグローリの強さが光りましたが、
ゴールドギアの健闘も目につきました。中央の芝のオープンクラスで鳴らした馬で、初のダートをどうこなすかが焦点でしたが今日の2着で岩手のトップクラスで通用することを示しました。夏の芝レースでは主役に躍り出る存在です。
2023年5月7日
5月7日(日)のメインレース、M1重賞のシアンモア記念は5番人気ノノーブルサターンが直線突き抜けて圧勝、1着賞金1000万円を獲得しました。
1番人気は栗駒賞優勝のゴールデンヒーラー、以下赤松賞1着のグローリーグローリ、2着ヴァケーション、3着セイヴァリアントと続き、4着で昨年末の桐花賞馬ノーブルサターンは5番人気に甘んじました。重め残りだった前走を使って上昇が見込める一方、メンバー中最高齢の9歳という年齢も考慮された可能性はありました。しかしレースは”強い”の一言でした。これと言った逃げ馬がいない中好スタートを切ったゴールデンヒーラーが逃げる展開となりヴァケーションが2番手につけます。あるいはもう少し後ろからの競馬も予想されたノーブルサターンは、クロールキック・スズカゴウケツあたりと共に3~4番手を進みました。見た目はスローかと見えた流れは実は決して遅くなく、先行2頭は競り込まれはしなかったものの重苦しいプレッシャーを感じながらの競馬だったかもしれません。直線入り口ではゴールデンヒーラーが先頭でしたが、すぐに外からノーブルサターンが馬体を合わせほどなく抜き去りました。さらに外からセイヴァリアント、内からスズカゴウケツが接近、人気の一頭グローリーグローリとフレイムウイングスも伸びてきました。激しい2着争いをよそに、ノーブルサターンは後続に水を開けたままゴールに突き進み、2着のスズカゴウケツに2馬身差をつけて優勝。内容的には完勝といって良い強さでした。かつてはマーキュリーカップ2着の実績もあり、流れも合った今回はその底力を存分に見せつけた形です。母クロスマイハートの父・スペシャルウィークからシアンモアの血を引くノーブルサターンが第48代のシアンモア記念馬に座を射止めました。
2023年4月30日
4月30日(日)のメイン、第43回ダイヤモンドカップは1番人気の牝馬ミニアチュールが先行抜けだしを決め、3歳三冠レースの最初の関門を突破しました。
1月の金杯から始まって、今春のあやめ賞、スプリングカップを連勝してきたミニアチュールに死角があるとすれば初の左回りという点だけでした。しかし山本聡哉騎手がハナにはこだわらず3番手につけると、
勝負どころで3番人気スノーパトロールの外に並びかけ、直線先頭に立ちました。そして粘るスノーパトロール、中団から追い上げたリッキーナイトの2着争いに水を開けたままゴールイン。初の左回りも危なげなくこなし、岩手入り5連勝、且つ重賞4連勝をあっさり成し遂げました。420キロ台と小柄なこともあり、先行集団の中で消耗するのではと危惧する場面もありますが、見た目以上にタフな特性を武器に連勝をまた一つ伸ばしました。牝馬上位の世代と言われる中、ライバルのフジラプンツェルが未だ体勢が整わずに出走しなかった今回は勝たなければならないレースでしたが、そうしたプレッシャーも感じさせず改めてポテンシャルの高さを見せつけた形です。
山本聡哉騎手は、これで5週連続の重賞制覇となりました。連続週重賞制覇の過去の記録を調べてみようと思いますが、過去にはおそらく例の無いケースと思われます。
2023年4月24日
4月23日(日)のメイン、第35回栗駒賞は、圧倒的な1番人気となったゴールデンヒーラーが好位から抜け出して優勝。過去2年連続の年度代表牝馬が、およそ半年ぶりのレースにもかかわらず強さを見せつけました。
過去重賞6勝。2歳時は年度代表短距離馬。3・4歳時は年度代表牝馬。昨秋は岩手所属馬として久々の南部杯5着入着と、常に岩手競馬の表舞台を走り続けてきたゴールデンヒーラー。死角があると刷れば去年のJBCレディスクラシックを故障で除外となって以来の実戦と言う部分でした。しかしパドックに姿を現したゴールデンヒーラーには重め感はなく、動きにも覇気があり、中間伝えられていた通り十分にけいこを積んできたことが窺われました。
先行脚質の馬が多いためどんな位置取りになるかも注目されましたが、スタートを切るとすかさず先行集団に加わってレースを進めました。とはいえ鞍上の山本聡哉騎手は手綱は持ったまま。この日の解説だった
ケイシュウの深田桂一さんの分析では、とくに先団を追いかけたわけではなく自分のペースで走ったら自然と前目の位置取りになったとのこと。確かに道中は余裕の追走に見えました。逃げたケイアイサクソニー、追いかけたオンラインボス・グットクレンジング・ハナレイらが末を失うなか、3~4コーナー中間で先頭争いに加わったゴールデンヒーラーは直線力強く抜け大ました。差し追い込み勢が直線台頭、ゼットセントラルとトキノパイレーツが激しい2着争いをするのを尻目に、余力を残したままゼットセントラルに2馬身差をつけてゴールイン。鮮やかな復活ぶりと、次走予定のシアンモア記念にむけて存在をアピールしました。
勝利ジョッキーの山本聡哉騎手は、これで4月2日のスプリングカップ(ミニアチュール)9日の赤松杯(グローリーグローリ)16日の留守杯日高賞(ワイズゴールド)に続いて、4週連続の重賞制覇となりました。手の付けられない程の快進撃です。
2023年4月17日
4月11日(火)の第5レースで水沢・佐藤雅彦厩舎所属のキラキラオーラ号が勝ちましたが、この勝利で佐藤雅彦調教師は開業23シーズン目で、区切りの1000勝をマークしました。佐藤雅彦調教師は騎手時代リーディング1度を含め1687勝をマークしていましたので、この勝利で騎手・調教師でともに1000勝という素晴らしい記録を打ち立てたことになります。過去には小西重征、村上昌幸、両調教師が達成しただけで、史上3人目の快挙です。
2023年4月17日
4月16日(日)のメインレース留守杯日高賞は、強力メンバーを送り込んできた南関東からの遠征馬が上位を独占しました。今シーズン最初のM1重賞を勝ったのは山本聡哉騎乗の大井ワイズゴールドで、鮮やかに逃げ切って1番人気に応えました。
過去、遠征組が5連勝中の日高賞には今回も浦和桜花賞3着のフークエンジェル、4着のワイズゴールド、6着のキャッツライズ等、グランダムジャパン2023でポイント争いを繰り広げる南関東の競豪5頭が集まりました。地元組の二枚看板フジラプンツェル、ミニアチュールが牡馬の3冠路線ダイヤモンドカップに照準を合わせた為不在とあって、人気も
遠征馬が集めました。浦和桜花賞で3着に入った差し馬フークエンジェルと、先行力を生かして4着に粘ったワイズゴールド、それに別路線ながら過去4戦3勝の素質馬ラピスアダマンスの3頭が人気になり、小回りの水沢コースで先行力が生きると見られたワイズゴールドが1番人気に推されました。
レースはワイズゴールドが躊躇なくハナを奪い主導権を握りました。鞍上は岩手のエース・山本聡哉、スローに落とした後、向こう正面で後続が差を詰めにかかると、一旦引き付けておいて勝負所で突き放す必勝パターンに持ち込み、そのまま1着でゴールイン。1着賞金500万円を獲得するとともに、地方競馬の牝馬のポイント争い=グランダムジャパンの現時点でのトップに立ちました。道中執拗にワイズゴールドをマークした4番人気キャッツライズが2着、2番人気のフークエンジェルは差して届かず3着にとどまりました。
2023年4月10日
4月9日(日)のM3重賞・赤松杯は、1番人気のグローリーグローリが鮮やかな差し切り勝ちを収め、シアンモア記念にむけてその存在を強くアピールしました。
レースは先手もあると考えられたクロールキックが控えたため、1枠を引き当てた2022年度の年度代表馬・ヴァケーションが逃げる形で始まりました。クロールキックが2番手。そして昨シーズン終盤重賞2連勝、大晦日の桐花賞でヴァケーションを破ったノーブルサターンが3番手につけ、前3頭が先行集団を形成しました。人気のグローリーグローリは前3頭を見る位置の4番手を楽な手ごたえで進みました。勝負所の第3コーナーでヴァケーションが追撃するクロールキック、ノーブルサターンを引き離しにかかります。村上忍騎手の手綱さばきには余力が感じられ、第4コーナーを後続に2馬身の差をつけて回りました。追いかける2頭が一杯になる一方、外からグローリーグローリ、後方からセイヴァリアントが伸びてきました。特にグローリーグローリの差し足は力強く、逃げ込みをはかるヴァケーションをゴール前50mで捉え、1/2馬身差をつけて快勝しました。ヴァケーション・ノーブルサターンが休み明けだったのに対し、グローリーグローリは3月に転入初戦を勝って赤松杯に臨んでいました。その上積みの分もあったと思いますが、中央競馬時代年間10戦以上戦ったことがなく大事に使われていたことで8歳馬ながら馬は若々しく、次の目標となるシアンモア記念でも本命の印を背負う可能性があります。一方、2着に敗れたヴァケーションとデビュー最高体重でやや重かった4着ノーブルサターンは次走当然巻き返すはずです。見どころの多い赤松杯でした。
向こう正面の桜並木は満開でした。次週もかいほうされます。
2023年4月3日
岩手競馬現役19人目の新人ジョッキーがデビューしました。
佐々木志音騎手。奥州市出身の17歳、水沢佐藤祐司厩舎の騎手として2023シーズン初日の4月2日から騎乗を開始しました。以前は免許取得後、1・2週開けて初騎乗というケースが多かったのですが、免許交付翌日の実戦デビューという過去には記憶の無いスピードデビューとなりました。開幕セレモニーでは質問にはきはきと答える姿が印象的でした。初日は3クラに騎乗、デビュー戦となった第2レースではアヒアマリージョに騎乗。好位置から勝負に加わり4着と見せ場を作りました。続く第4レースでは1番人気に推されたルナリュミエールで果敢に先行、最後は逃げ足が鈍って後続にかわされたものの3着に入り、馬券に絡む及第点の騎乗を見せました。勝負どころの追い比べではまだ先輩ジョッキーに及ばない印象も、思い切りがよく積極的な騎乗は好感を持て、初勝利も近い印象を残しました。
2023シーズン初日の重賞スプリングカップは、山本聡哉騎乗のミニアチュールが逃げ切って人気に応えました。門別で2勝を挙げた後去年12月に転入、平場戦を勝った後は金杯も勝ち、
一気に頭角を現しました。春競馬のあやめ賞も余裕の逃げ切りを収め、断トツの1番人気で迎えたスプリングカップも快勝。牡馬を含め現時点で岩手所属の3歳馬としてはナンバーワンの
存在であることをアピールして見せました。
2023年3月24日
坂口裕一騎手が3月20日(月)の第8レースでデビュー1000勝を達成しました。2003年デビューの坂口騎手は21年目で岩手競馬史上史上22人目、現役9人目の1000勝ジョッキーとなりました。記録を達成したレースはB2クラスのスプリント戦で距離は850m。最内の1番枠からスタートした1番人気ミルヒシュトラーセはハナ争いを制するとグングン差を広げ、結局2着馬に6馬身差をつけての快勝でした。
坂口騎手は前日の19日には所属する村上昌幸厩舎の1500勝を鞍上で迎えていましたが、翌日、今度は自身の大きな節目の記録を達成と快挙が続きました。春競馬はことのほか好調で開幕2週で11勝、リーディング2位につけていて、今後も波に乗っていきそうです。
2023年3月20日
3月19日(日)のメインレース、3歳牝馬のM2重賞・あやめ賞は、1月3日の金杯を制していたミニアチュールが会心の逃げ切り勝ちを収めました。休み明けの馬が4頭、転入初戦が4頭、3月11日の3歳B1戦を戦った馬が3頭というメンバー構成で、まぎれも予想されましたが、1番人気に推されたミニアチュールが順当に勝ちました。2歳時北海道で2勝を挙げていた馬で、去年12月に転入して条件戦ー重賞・金杯を連勝。2か月余りの休養を挟みましたが調教も十分に積まれ、他の馬に比べて地力・調整具合ともに一歩リードしていたことを証明しました。
1歳年上の兄(騙馬)カイザーソウルは中央競馬現役で、現在4連勝中の注目馬です。妹のミニアチュールの資質の高さも納得の血統背景から更なる躍進が期待されます。
2023年3月20日
村上昌幸調教師が3月19日(日)水沢競馬第9レースで開業1500勝を達成しました。第9レースに出走したグランドクォーツが勝利を収め
、実働34シーズンで節目の記録に到達しました。歴代8位、現役6人目の達成です。
「ムラマサ」と呼ばれた騎手時代リーディング10連覇、調教師としても過去3度のリーディングトレーナーの座に就いた経験のある村上昌幸調教師は、岩手競馬を代表するホースマンのお一人です。写真では厩務員と共に馬のそばで口取りをしています。サプライズはゼッケンと共に撮影に参加した坂口裕一騎手の勝負服。黄色地に黒ニ本輪の懐かしい服飾は」この日のためにジョッキーが加工したもだそうです。
2023年3月12日
岩手競馬の2022年度末開催にあたる春競馬が3月11日(土)にスタートしました。IBCラジオではこの春競馬から
中継を再開しました。これまで同様メインレースの中継を中心に、岩手競馬にまつわる様々な話題をお届けしてまいります。事前に申し込みを頂いた方に、その日のメインレースで当日の解説者が推奨する500円の馬券をプレゼントする「勝負の一枚」のコーナーや、馬に関係する曲が採用されるとIBCグッズのトリプルペンを差し上げる「うまうまリクエスト」のコーナーも継続します。うまうまリクエストになる曲とは題名や歌詞に馬や駒、ホース、ペガサスなどの言葉が使われている曲の他、歌手・作詞・編曲者の名前に馬や駒と言う字が使われている、またはその人たちが馬主、競馬ファン、乗馬経験者、午年生まれ、デビューの年が午年、午年にリリースされた曲、競馬のCMやキャンペーンに使われた曲などが対象となります。これまでには近藤真彦=こんど うま さひこ、で歌手名の中に「うま」があったからという事で採用された曲もあります。探せばたくさんありますからどうぞご応募ください。
宛先はメールがkeiba@ibc.co.jp FAX=019-624-2894 葉書は〒020-8566 いずれもIBC岩手競馬クロスの係あて
お送りください。
2023年1月14日
2022年度の年度代表馬にはシアンモア記念の覇者で、JPNⅢ・マーキュリーカップで3着に健闘したヴァケーション号が選ばれました。
1月13日の選考委員会では初めに部門別の最優秀馬を選出し、その受賞馬のなかから年度代表馬を選びました。その結果2歳部門・フジラプンツェル、3歳部門・グットクレンジング、ターフホース部門・ソロフレーズ、短距離部門・キラットダイヤは満票をあつめ(投票委員11人)比較的すんなりと部門賞の受賞が
決まりました。
票が割れたのは古馬部門と牝馬部門でした。古馬部門ではM1重賞のシアンモア記念の優勝馬で、JPNⅢのマーキュリーカップで3着に健闘したヴァケーションと、M2青藍賞の優勝馬でJPNⅠ南部杯で5着入着を
果たしたゴールデンヒーラーとの比較になりました。18年ぶりの南部杯入着の価値を評価する声があった一方、秋シーズンは南部杯・JBCにも出走し、年間を通じた活躍を評価すべきという声が多く、評決の
結果10対1でヴァケーションが選ばれました。牝馬部門は更に議論が白熱しました。2歳フジラプンツェル、3歳トーセンキャロル、古馬ゴールデンヒーラー・キラットダイヤの4頭が検討の俎上に上がりました。前述の南部杯5着ゴールデンヒーラーを推す意見が多かった一方で、2歳フジラプンツェルの跳びぬけた強さを推す声もあり、評決の結果9対2でゴールデンヒーラーの受賞となりました。
そして、各部門の最優秀馬の中から年度代表馬を選ぶ運びになり、最優秀古馬のヴァケーションと、最優秀牝馬のゴールデンヒーラーとの評決の結果、10対1で、水沢・畠山厩舎所属のヴァケーション号が年度代表馬に選ばれました。8戦1勝ながら岩手の重賞では毎回上位を賑わせ、JPNマーキュリーカップ3着と馬券に絡む活躍をしたこと。年間を通じた活躍で桐花賞のファン投票でも1位に推された点なども評価されました。
また、馬事文化賞は懸案だった旧盛岡馬検場の額や、以前競馬会館にあった馬像などを保存・展示するなど馬事文化の伝承に力を尽くした、盛岡馬っこ文化伝承会の千葉正代表に贈られることが決まりました。
2022年12月31日
大晦日恒例のファン投票レース桐花賞は、人気2頭のマッチレースの末ノーブルサターンがヴァケーションを破り戴冠しました。
ファン投票1位、今年のマーキュリーカップ3着のヴァケーションは年明けの船橋・報知グランプリカップとの両にらみの態勢でしたが、桐花賞出走をチョイスしたことで、桐花賞のレースとしての格を保った形になりました。一方のノーブルサターンは南関東オープンから今月転入。初戦のトウケイニセイ記念を快勝し、3年前のマーキュリーカップ2着馬らしい底力を見せつけ、単勝1番人気でこの日の大一番に臨みました。
レースは大外12番からグランコージーが外連味なく先行、逃げて主導権を奪います。ヴァケーションは2番手。ジャパンカップ出走のリッジマンと3歳馬クロールキックが好位をマーク、ノーブルサターンはその後ろ5番手を進みました。2週目向こう正面から局面が変わります。ヴァケーションがじわじわとグランコージーにプレッシャーをかけ並びかける勢いをみせると、5番手にいたノーブルサターンも外から上昇、第3コーナーでは3頭がひと固まりとなって後続に水を開けました。この中からグランコージーが後退、
第4コーナーでは内に村上忍・グランコージー、外に高松亮・ノーブルサターンが並び、壮絶な追い比べとなりました。200m
あまりの直線、互いに譲らぬつばぜり合いに決着がついたのはゴール前50mを切ってから。外ノーブルサターンがグイッと出て
単勝1番人気に応えました。敗れたとはいえヴァケーションもファン投票1位の額面を傷つけない素晴らしい走りでした。3着には
5番人気のグランコージーが2頭に交わされた後も粘って流れ込みました。守備範囲を超えると思われる2000mの距離を考えれば善戦と言える結果でした。2022年の桐花賞は1年を締めくくるにふさわしい熱戦でした。
2022年12月4日
木曜日だったか、朝カーテンを開けると白い!雪でした。ぎっちり寒い感覚が最近までそこまでなかったので、いまが冬である現実を確認させてくれた朝でしたが、やはり気にしてしまうのは水沢のこと。今週を含め残り5週。とにかく無事に開催を、と願わずにいられません。なにしろ今年はグレードレース時の天気の悪さ、芝重賞時の天気の悪さなどとにかく天気にたたられてる印象が強い!あすは6℃まで上がるようですがちょっとグズつく感じ。明日の最終Rオープン850mのスプリント特別、水沢競馬場から実況生中継で現地スタッフ、寒くてもそんなふうに見せず元気にお送りします。
JRA中京競馬場ではダートG1のチャンピオンズカップが行われます。JBCクラシック盛岡の覇者テーオーケインズが圧倒的一番人気となっています。同2着のクラウンプライドも上位人気、マーキュリーカップ勝ち馬バーデンヴァイラーはレーンJとのコンビでかなり不気味。盛岡出走馬たちのレースぶりにも注目です。のりこの週刊おばさん白書で実況生中継でお送りします。
2022年11月26日
6月21日以来の水沢開催!!夏真っ盛りだった季節から一変、そろそろ雪の雰囲気もある11月下旬です。この開催替わりで発走時間も大幅に早まっています。日没も早くなっていますからね。日曜日のメインはB1クラスのひいらぎ賞、フルゲートの1400m戦です。発送は15:50ですが、その前の15:40JRA東京競馬場では秋の府中ラストG1ジャパンカップが行われます。「のりこの週刊おばさん白書」で実況生中継でお送りしますが、ぜひともリッジマンをお忘れなく!!今年JRAから岩手に移籍、以降3戦して勝ち星はあげられませんでしたが、元々は中山ステイヤーズステークスG2勝ちもあるなど、長距離、軽い芝向きの馬。シャフリヤール、ダノンベルーガ、ヴェラアズールや強力海外勢もいますが、この中で岩手の馬が出走していることが感動、そして尊い。全力応援で行きましょう!!!
2022年11月20日
11月20日のメイン、距離2600mの北上川大賞典は
山本聡哉騎乗のジェイケイブラックが会心の差し切り
勝ちを収め、嬉しい重賞初制覇を成し遂げました。
出走すれば本命視されたフレッチャビアンカの回避に
よって、一転混戦ムードの中行われた北上川大賞典
でしたが、予想外の速い流れのなかで見どころの多い
レースとなりました。「最初はスローペース」という
長距離戦の常識は、3番人気・ノーチカルチャートが
強引にハナを主張したためハイペースで始まりました。
2番人気の山本政聡・ヴォウウジラールがマークに出て
4番人気マウントゴールドが3番手。1番人気に推された
ジェイケイブラックはスパイスマジックの外に合わせる
形で終始4~5番手を進みました。2週目の向こう正面、
一旦落ち着いたかに見えた流れが再び速くなります。
ノーチカルチャートの高橋悠里騎手がロングスパートで
後続を振り切りにかかりました。これに呼応する形で
ヴォウジラールが付いていき、3番手以下とは3馬身
程の差が付きました。その後続集団のなかで目立ったのが
ジェイケイブラックの伸び脚でした。前がかりとなった
2頭との差がグングン縮まり、第4コーナーでは一旦
先頭に立ったヴォウジラールを外から追い詰めます。
直線坂中ほどで勝負あり。前半足を溜めていた為もあり
ジェイケイブラックの伸びは素晴らしく、あっという間に
ヴォウジラールに4馬身の差をつけてゴールイン。見事
1番人気に応えて見せました。岩手のオープンクラスに
定着して早2年半、ここまで重賞のタイトルには縁が
無かったジェイケイブラックは3度目の挑戦となった
北上川大賞典でついに戴冠を果たしました。そして
先週の南部杯に次ぐ山本兄弟のワン・ツーとという結果に
なりました。
2022年11月19日
本題に入る前に、まずはリッジマンのジャパンカップ出走の報!アーモンドアイが2.20.6のレコードで優勝した年の道営ハッピーグリン出走以来4年ぶりの地方所属馬出走となります。9歳の今年岩手に転厩し芝路線で活躍、もともと長距離向きだっただけにマイル近辺の岩手3走は勝利まであと一歩という内容の中での今回のジャパンカップ出走ですが、やはり岩手所属の馬が超のつくG1に出走挑戦できるのはとても嬉しいこと。何事もなく調整が進めば11/27東京競馬場でその雄姿をお目にかかれます。ジャパンカップはIBCラジオでも実況中継しますので、リッジマンの直前の情報もお伝えできるかと思いますので是非お聴きください。
さて、あっという間に盛岡最終週。今シーズンのラスト開催です。水沢に開催を移すと発送時刻が早まるため、岩手競馬クロスも17:00-18:25の放送枠は次のシーズンインまでいったんお休みとなります。日曜日のメインは2600m岩手最長距離重賞の北上川大賞典です。出走馬7頭、しかも重賞勝ち馬なしのメンバー構成は混沌としています。格上位のマウントゴールドはダートが超久々。A級の安定勢力スパイスマジック、ジェイケイブラック、クラス慣れしてきたヴォウジラール、元々A級馬で末脚魅力のレールガンなど、いずれ2600mという距離がカギ。スローの上がり勝負となるか、向こう正面で出入りの忙しい競馬になるか、そこにより展開がガラッと変わります。誰が動くか、動かないのか。騎手の駆け引きにどうぞご注目を!
JRA阪神競馬場ではマイルチャンピオンシップG1が行われます。のりこの週刊おばさん白書番組内で実況生中継でお送りします。シュネルマイスター、サリオス、ソダシなどマイルのスターホース揃い踏み!こちらもご期待ください。
2022年11月15日
11月13日のメイン地方全国交流のプリンセスカップは
フジラプンツェルが北海道勢を一蹴、一敗地にまみれた
南部駒賞のうっ憤を晴らすと共に、今期の地方交流重賞で
初めて地元馬に勝利をもたらしました。
課題のスタートは、今回もあまり上手くはいかなかった
ものの出遅れは許容範囲。最後方から徐々に外を回って
上昇していき、第3コーナーでは5番手まで上がりました。
鞍上の山本政聡騎手はここでゴーサイン、外から捲って
出ます。2番手に上昇し、逃げた北海道・エイシンエイトを
射程に入れて直線に向かいました。エイシンエイトの鞍上は
山本聡哉騎手、そこからは兄弟の追い比べとなりました。
エイシンエイトも良く粘りますが、外から馬体を合わせた
フジラプンツェルは直線中ほどで先頭を奪うと、最後まで
伸び切り、2分の1馬身差で見事に復活の優勝を果たしました。
前走、5連勝で臨んだ南部駒賞ではいずれも牡馬の遠征馬
3頭に敗れていました。今回は牝馬同士の一戦、負けられない
レースとはいえ、1番人気の重圧をものともせず快勝。
敗戦続きだった地方交流重賞で初めて地元・岩手勢の優勝を
果たしました。次走は東京2歳優駿も視野に入れるとのこと、
この日のパフォーマンスは、今後に
2022年11月15日
水沢所属の伊藤和(まさし)調教師が、11月3日の
第5レースで開業37年目にして通算1500勝を達成
しました。歴代7位、現役5位の記録です。
この日の第5レースで、山本聡哉騎手が乗った2番人気の
ヤマニンティエルナ号が快勝、嬉しい節目の記録に到達
しました。伊藤和師は騎手時代にも14年間で534勝を
マークしており、半世紀にわたるホースマン人生を歩んで
おいでです。騎手時代は水沢競馬場のレコードタイムを
距離別で過半数保持した時代がありました。レース中に
馬の持つスピードを存分に引き出す感覚・テクニックに
優れたジョッキーだったと記憶しています。トレーナーに
転じてからは調教師会の副会長として、現場の諸問題に
積極的に対応していた姿が忘れられません。
現在はご子息の和忍(かずむね)調教師と親子でそれぞれ
厩舎を経営していますが、まだまだ闘志は健在。今後も
勝ち星を積み重ねていくに違いありません。
*写真画面左側で手綱をもつ帽子の男性が伊藤和調教師。
関本玲花騎手を挟んで左端が和忍調教師、反対側10番の
ゼッケンを持つのがヤマニンティエルナに騎乗した
山本政聡騎手
2022年11月12日
日曜日のメインは地方全国交流、今年からM1に格上げとなった1400mで争われる重賞・プリンセスカップです。ホッカイドウ所属馬5頭、岩手7頭の12頭で争われます。とにかくホッカイドウ勢強しを印象付けているこの秋。知床賞、南部駒賞、ジュニアグランプリのほか、全国でもやはりその猛威はとどまることを知りません。今回はJpn3エーデルワイス賞組が出走5頭中キューティロメラ、ライトニングブルー、レモンアイカーの3頭、アニモミホは金沢出走で遠征済み、エイシンエイトは岩手のエースを鞍上に確保し馬柱を見ているだけでも強そう。一方地元岩手は前走南部駒賞で初の敗戦を喫したフジラプンツェル、道営勢への連敗をこれ以上許してはならない(筆者の願望)雪辱を誓います。今年の盛岡開催も残すところ今週と来週のみ!ぜひ晩秋の盛岡競馬場へラジオを携えてお出かけください。
JRA阪神競馬場でもこちらも牝馬の戦い、エリザベス女王杯G1が行われます。「のりこの週刊おばさん白書」番組内で実況生中継でお送りします。3冠牝馬デアリングタクト、そして3歳勢のスタニングローズ、ナミュールなどの秋華賞上位組、そしてピンハイ、さらに欧州からの刺客で今年の愛オークス馬マジカルラグーン、昨年の波乱の立役者アカイイトなど多彩。難解な一戦をお送りします。
2022年11月6日
JBCが終わりました。加藤アナによるブログにも記載していますが、1日売り上げ69億、入場1万人。興行的には大成功で幕を閉じました。天気予報では当日のレース時間のみ雨が降る予報で恨めしく思いましたが、幸い芝重賞以降はレース時間になると奇跡的に雨がやみ、風もなく、そこそこの肌寒さは歴史的な1ページが刻まれる緊張感と割り切れば、観戦する側もレースする側もベストなコンディションだったのではとポジティブに捉えています。場内の電波状況の改善など課題はあったかもしれませんが、行き交う人たちはみんな競馬をそしてグルメを楽しんでいました(ジャンボ焼き鳥は一体何本売ったのか個人的には気になる所。行列がハンパなかった!)。レースもOROカップのトーセンスーリヤは残念なことになりましたが、それを除いてはすべてがグッドレース。岩田望来Jの渾身のガッツポーズ炸裂のレディス、クラスターカップから見事に巻き返したダンシングプリンス(解説松尾さんお見事!)のスプリント、テーオーケインズ盤石の横綱相撲のクラシックなど、どれもインパクト十分、白熱のレースでした。レディスの表彰式でノーザンファーム吉田勝己さんが「盛岡競馬場は舞台としてすばらしい」というようなことを言った通り、今後も面白いレースを展開して全国のファンにアピールしてさらなる活性化をしてほしいと切に願います。運営をされた競馬組合さんはこれまで大変なご苦労をなさったと思いますが、無事に開催が終了し、盛り上げてくれてありがとうとファンは思っているに違いありません。
さてきょうの盛岡競馬は重賞レースはありません。最終は18:10のオープンによるハヤテ特別になりますが、岩手競馬クロスは普段通り元気に放送します。天気も良さそう。JBCの日とは違って、のんびりと競馬が楽しめそうです。それでは良い一日を!
2022年11月4日
8年ぶり3度目の開催となった11月3日(木)のJBCは
期待にたがわぬ熱いレースが繰り広げられました。
最初のJBCレディスクラシックは、3歳馬2頭のワンツー。
逃げたサルサディオーネ(9着)を早めに競り落とした
ヴァレーデラルナが、ゴール前のグランブリッジの強襲を
首差で抑えて優勝。鞍上の岩田望来騎手にjpnⅠ初勝利を
プレゼントしました。ノーザンファーム期待の良血馬が
実力のヴェールを脱いだ瞬間でもありました。
B.ドリーマー系の血を持つグランブリッジが2着に入り、
1番人気5歳のショウナンナデシコは3着に敗れました。JBCスプリントは先手を奪ったダンシングプリンスが
差してきたリュウノユキナに3/4馬身差をつけて優勝、
ゲートで出遅れて4着に敗れたクラスターカップの借りを
返して見せました。1番人気のレッドルゼルは後方からの
競馬、メンバー中最速の上りで追いこみましたが届かず
4着に敗れました。2着だったリュウノユキナは小岩井の
B.ドリーマー系。レディスクラシックに次いで小岩井の
血が躍動しました。岩手のキラットダイヤは10着ながら
走破タイム1分10秒5と自分の力は出し切った印象でした。
1着賞金1億円をかけたJBCクラシックは、1番人気の
テーオーケインズの完勝、横綱相撲でした。
2番人気の福永祐一・クラウンプライドが無理のない
ペースで先行、4番人気のペイシャエスも手ごたえ良く
2番手に上がり直線に向きましたが、前半7~8番手、
3コーナーから徐々に進出したテーオーケインズが
最後の直線で前を行く馬たちを一気に捉え、2着の
クラウンプライドに2馬身半の差をつけて圧勝、前年の
金沢開催のJBCで4着に敗れた雪辱を果たしました。
1日の売り上げ、1レースの売り上げレコードが生まれた
今回のJBC。盛岡競馬場を訪れた1万人のファンも
お祭りの1日を楽しめたと思います。
2022年10月30日
昼は太陽さんさんでそこそこ温かく朝晩しっかり寒い秋らしい天気が続いていますが、この天気が木曜日までもってくれれば。。。木曜日、週間天気だとあんまりよくないんですよね。雨もそうですけど霧も勘弁!芝の地方頂上決戦もありますんで最高の舞台が整うようおてんとさんにみんなでお願いしましょう!すでに11/3の重賞レースの枠順が確定していますのであと4日間くらいじっくり検討を。10回盛岡開催の前半はきょうあすの日曜月曜開催でいつもの火曜日はありません。その分がJBC当日の木曜日に振り替わる形になります。そんなこんなで日曜日は久々に重賞なしパターン。12R制の最終18:10発走、最終Rはビオラ賞B1クラスのマイル戦です。秋深まる盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
JRA東京競馬場では天皇賞秋G1が行われます。上位人気を見ると3歳馬vs古馬の構図。逃げ先行争いもメンバーを見る限りは熾烈を極めそう!難解な天皇賞は「のりこの週刊おばさん白書」番組内で。
2022年10月23日
10月23日(日)のメインレース、ヴィーナススプリントは
ディアリッキーが2か月の休養明けながら地力の違いを見せ
完勝といって良い内容で優勝しました。
岩手競馬のダート短距離重賞となれば、キラットダイヤの
独壇場が続いてきましたが、キラットダイヤがJBCに参戦
することになり、一転して混戦模様となりました。
今回のメンバーの中では、8月のスプリント特別を勝った
ディアリッキーの実力が一枚抜けているように見えました。
東京2歳優駿牝馬3着、3歳時には東京プリンセス賞2着、
jpnⅢクイーン賞4着の実績は、一目置かれて当然です。
ただ、今回は休み明けで場体重は+12キロ、加えて12頭立て
12番と大外枠を引いたことが影響してか、スティローザに
譲っての2番人気、単勝オッズ3.7倍で本番を迎えました。
レースは短距離戦らしく最初からハイペースの競り合いに
なりました。3歳勢のアップテンペスト、エイシントゥラン、
ボサノヴァに人気のスティローザも絡み、ディアリッキーは
先行争いを避けて6~7番手を追走します。しかし3角から
山本政聡騎手がゴーサインを出すと、ディアリッキーが
一気に外から捲っていきました。最終コーナーでは逃げる
アップテンペストの外からボサノヴァ、スティローザが
並びかけますが、一番外を回したディアリッキーの伸び脚は
一枚上でした。残り200で単騎抜け出すと、中団から伸びた
タイセイエクセルに2馬身差をつけてゴールイン。本来の
実力を遺憾なく発揮して見せました。
2022年10月22日
JBCまで1週間ちょっと。今週出走予定馬が発表され、いよいよ近づいてきた感じが出てきました。3部門さすがの強豪ばかりで、地方の馬たちもバラエティ豊か。岩手からの出走は各部門ごとに1頭ですが、牝馬のゴールデンヒーラー、中距離が主戦場のヴァケーション、短距離エースのキラットダイヤと俄然楽しみになる面々が出走を表明してきました。IBCラジオでは10/30日曜日の11:05-12:00にJBC直前特番を、そして当日の11/3木曜日は3部門を実況生中継でお送りします。解説松尾さん、アナ加藤の安心安全いつもの布陣で、激戦となりそうなJBCをお送りしますので、ぜひお楽しみに。
日曜日の岩手競馬クロスは、牝馬のスプリント戦・ヴィーナススプリント【M3】が行われます。昨年の覇者、短距離絶対女王キラットダイヤはJBCへ。3歳牝馬クラシック路線を走ってきたアップテンペストは短距離は久々、短距離を中心に使われて芝ながらも古馬との重賞をすでに2戦消化しているエイシントゥラン、前々走それを破ったボサノヴァ、グレード競走のクイーン賞4着の実績光るディアリッキー、B級を圧勝で連勝中のスティローザなどB級からの格上挑戦、転入初戦の馬もいて、なかなか複雑かつ多彩なメンバー構成となりました。ヴィーナススプリントは18:15発走です。
JRA阪神競馬場では、牡馬クラシック最終戦の菊花賞が行われます。のりこの週刊おばさん白書番組内で実況しますので、こちらもお楽しみに。
2022年10月16日
10月16日(日)のメイン南部駒賞は6頭立てと少頭数で
行われました。岩手のフジラプンツェルの強さが広く知られ
遠征を見送った陣営もあったはずです。しかし少頭数を
味方につけたのは北海道からの遠征馬エイシンケプラー
でした。
出遅れ癖が心配されたフジラプンツェルも好スタートを
決め離されずについていける展開にはなりました。しかし
ハナに立ったエイシンケプラーは山本咲希到騎手が全く
追うことなく3~4馬身のリードを取ります。これに早めに
対応したのは船橋のナイトオブバンドで、第3コーナーでは
単独の2番手に上がりました。一方フジラプンツェルは
山本政聡騎手が外に持ち出して先行2頭に差を詰めます。
第4角では内からエイシンケプラー、ナイトオブバンド、
フジラプンツェルが横並びになる場面が一瞬ありました。
ところが追いつかれたエイシンケプラーが二の足を使います。
ムチを一発入れられると素早く反応、一旦前に出られた
ナイトオブバンドを内から差し返し先頭を奪い返しました。
一方フジラプンツェルは残り200mを前に失速してしまい
差してきたネオシエルにも交わされ4着に沈みました。
結果遠征馬3頭の牡馬が上位を独占。フジラプンツェルは
思わぬもろさを見せての敗戦でしたが、前がやりあう
展開になれば結果も違ったはず。捲土重来を期待しましょう。
2022年10月11日
10月10日(月)のJpn Ⅰ南部杯はゴール前の大接戦を
1番人気カフェファラオが制しました。地方勢も頑張り
兵庫のイグナイターが4着、岩手のゴールデンヒーラーが
大健闘の5着に入りmした。
人気は盛岡と同じワンターンの東京・1600mで行われる
フェブラリーステークス2連覇のカフェファラオが集め、
南部杯3連覇に挑むアルクトスが2番人気、1400mまでの
重賞では崩れ知らずのシャマルが3番人気に推されました。
以下、ソリストサンダー、兵庫のイグナイター、ヘリオス
と続きました。
レースはスタートから先行集団がひと固まりで進みました。
武豊ヘリオスが主導権を握りますが、カフェファラオ、
ソリストサンダー、アルクトスが差がなく続き、その後ろに
地方勢の期待を集めるイグナイター、シャマルらが好位置で
機を伺います。スタートの良かったゴールデンヒーラーは
一旦控え、ヴァケーションなどの後方10番手前後に付けます。
先行集団の中から最初に脱落したのはアルクトスでした。
やはり7か月以上空いた休み明けの影響だったかもしれません。
第4コーナーを回って、先頭のヘリオスを巡り、外から
カフェファラオが接近、内にもぐりこんだイグナイターも
差し足を伸ばし、大外からはシャマルの伸びも目立ちました。
比較的大差がつきやすいイメージの盛岡競馬場のjpnⅠに
しては、珍しく大接戦が繰り広げられました。その中から
抜け出したのがカフェファラオでしたが、内からヘリオスが
差し返す場面も見られ勝敗は最後までわかりませんでした。
結果は鼻差で福永祐一カフェファラオに上がりましたが、
近来まれにみる好勝負でした。
特筆すべきはゴールデンヒーラーのです。好スタートから
一旦控え、3コーナー過ぎから進出。直線の4頭による優勝
争いからは置かれたものの、メンバー中最速タイの上がり
タイムをマークし、サンライズノヴァ、ソリストサンダー、
エアスピネル、アルクトス等に先着、堂々掲示板に載りました。
先行争いを避けて控えた山本政聡騎手の判断の良さが結果に
結びついた印象です。
名勝負が見られた今年の南部杯。実は気象状況が悪く、
直前までレースができるか危ぶまれる場面がありました。
第10レースの当たりから濃霧が競馬場を包み、11レースは
12分遅れでスタート。幸い12レースの南部杯の前には霧が
晴れ、無事にレースを行うことができました。
2022年10月9日
南部杯ウィークの盛岡競馬場。天気がいいのはきょうまでという予報で祝日月曜日は降水確率100%。。。アルクトスの3連覇がかかる一戦、どんな馬場状態になるのかも気になる所ですが、まずは日曜日。メインはいしがきマイラーズ芝1600m、発走は16:05です。JBC当日のOROカップ芝1700mに直結する地元馬同士のレースとなりますがメンバーも多彩に。転入初戦のマウントゴールド、ヴィッテルスバッハ、リーピングリーズン、短距離路線から距離延長して臨むスギノヴォルケーノ、芝1700mの準重賞桂樹杯上位馬のソロフレーズ、ハナレイ、そして芝はデビュー戦以来となるグランコージーなど。普通に予想すると桂樹杯組を中心になると思いますが、グランコージーの先行力と粘りは魅力。マウントゴールドだってJRAオープン馬ですから普通に勝ってもおかしくない。スギノヴォルケーノの勢いと距離克服、、、困ったらラジオの解説などを聞いてご参考に!
月曜日の南部杯の直前情報なども岩手競馬クロスの中でお送りする予定です。
2022年10月2日
史上もっとも地方競馬所属の優秀な3歳が集まった
ダービーグランプリは、北海道の三冠を分け合った
2頭の一騎打ちの末石川倭騎乗のシルトプレ号が優勝、
1着賞金2500万円を獲得しました。
遠征馬の内訳は南関東が7頭、北海道が2頭、愛知1頭
の合わせて10頭。迎え撃つ岩手が5頭というメンバー
構成となりました。15頭中重賞勝ち馬が9頭という
豪華な顔ぶれでした。
単勝1番人気には重賞未勝利も東京ダービー2着、
jpnⅠジャパンダートダービー5着、地方最先着の
大井クライオジェニックが推され、北海道の2冠馬
北斗盃・北海優駿の勝ち馬シルトプレが2番人気、
一連の重賞レースでの内容が良い大井・ナッジが
3番人気となりました。しかし3連単のオッズで
50倍を切る組み合わせは無く、まさに群雄割拠の
様相の中、レースをむかえることになりました。
先手に出たのは北海道3冠レースの最後の一つ
王冠賞の覇者エンリルでした。他にも先行脚質の
馬が散在した中、過去のレースで常に逃げていた
エンリルは桑村真明騎手が外連味なく先行します。
黒潮盃を逃げ切った大井・エスポワールガイ、
東京ダービー馬カイルが追走。シルトプレと
ナッジもあまり離されることなく好位でレースを
進めます。一方、有力馬の中ではスタートで若干
後手に回ったクライオジェニック、東海の3冠馬
タニノタビトは後方から徐々に進出、中団に付け
チャンスを窺います。
IBC岩手競馬クロスの解説、深田桂一さんの
測った時計は前半1分1秒台。遅いタイムでは
なかったものの、エンリルは他馬に絡まれること
無く、自分のペースで逃げ脚を伸ばします。
そして、勝負所で早めに上がっていったのが
シルトプレでした。逃げ馬の強さを身をもって
知っている石川騎手は意を決して早めに上昇、
最終コーナーでは北海道の2頭が後続に水を開け
一騎打ちとなりました。しぶとく粘るエンリルに
対し、外から競りかけたシルトプレは距離を踏む
ごとに差を縮め、残り200mを切ってライバルを
逆転、1馬身差をつけてゴールインしました。
3着に追い上げたナッジはエンリルから4馬身差、
まさに北海道勢2頭のマッチレースでした。
シルトプレの石川倭騎手は、前走王冠賞で敗れた
悔しさを胸に雪辱を果たしました。
2022年10月2日
例年になく暖かい10月。いいお天気が続き、朝晩のヒンヤリは秋っぽさは徐々に進みつつある感じもどこか夏っぽさも感じます。庭のアサガオがいつもより長く花びらを咲かせるところをみると、JBCデーを控えた盛岡芝の生育にはプラスに作用しているかもしれないと考えてみる、競馬ファン大忙しの一日の始まりです(スプリンターズステークスG1@「のりこの週刊おばさん白書」で生放送します、、、からの夜は凱旋門賞@フランス)。
さて日曜日のメインは、地方全国交流・地方3歳馬の頂点を決めるダービーグランプリ2000mです。地元岩手の有力馬の出走もさることながら、他地区枠が拡大したことで出走メンバーが格段に厚みを増しグレード競走に負けないくらい注目を集めるレースになっています。南関東の三冠レースがグレードに格上げとなる方針が決定し、今後のダービーグランプリのポジションがどうなるか現時点では不明ですが、とにもかくにも今年も各地の有力馬たちが盛岡に集結!
出走馬の主な実績をすごく簡単に書いてみます・・・
①カイル 東京ダービー馬
②フレールフィーユ クラウンカップ勝ち・東京ダービー4着
③クライオジェニック 東京ダービー・黒潮盃2着
④リュウノファウラー C級連勝→不来方賞4着
⑤シルトプレ ホッカイドウ2冠
⑥ナッジ JBC2歳優駿2着
⑦ショットメーカー C級連勝→戸塚記念2着
⑧タニノタビト 東海3冠達成
⑨エスポワールガイ 黒潮盃馬
⑩コイビトサンタ 不来方賞2着
⑪ライアン 羽田盃2着
⑫ビッグタマテルーフ OROオータムティアラ3着
⑬グットクレンジング 岩手2冠
⑭エンリル 王冠賞圧勝
⑮マナホク 不来方賞馬
以上の15頭。ジョッキーも豪華!北海道からあの有名な「いずみそば」さんもやってくる!秋の大一番の第1弾、本場でも、もちろん車でもお家でもラジオでお楽しみください。
2022年9月28日
9月25日(日)のメインD1200mの絆カップは
断トツの一番人気キラットダイヤが後続に7馬身差を
つけて圧勝しました。
短距離戦に絞ったローテーションでここまで重賞6勝
今年も早池峰スーパースプリント、岩鷲賞の2つの
重賞でワンサイドの逃げ切りを収めており、2か月半
ぶりの絆カップも単勝1.1倍の圧倒的な支持を集め
ました。
レースは好スタートを切ったグランエスポワールが
しゃにむに逃げまくるのを外目から追走、2番手で
プレッシャーをかけます。ゲンキチハヤブが3番手、
ボサノヴァが4番手につけた一方、クラスターCで
地方最先着の5着、前走も鮮やかに勝った2番人気の
カミノコは、追走に手間取り、一旦最高峰まで下がる
苦しい競馬になりました。
鈴木祐騎手がレース後語った通り、3コーナーからは
馬自身が行く気を見せて加速。4コーナー手前で先頭に
立つと直線は一人旅となりました。ただ一頭、3番手に
つけていた5番人気ゲンキチハヤブサが食い下がった
ものの、ゴールでは7馬身差がついていました。3着に
6番人気のシングンポラリスが入り、カミノコは4着。
対抗馬が馬券対象から外れた為、3連単は22,520円と
穴馬券となりました。
ほぼ追うことなく1分10秒6の好タイムをマークした
キラットダイヤは、正に完成されたスプリンターでる
ことを証明した形です。今がピークのキラットダイヤ。
11月3日のJBCスプリントに挑戦して欲しいとの声が
上がっていました。
2022年9月25日
今日のメインは18:15発走、スプリント重賞の絆カップ1200mです。スプリント大将のキラットダイヤが登場します。岩手に転入してからのここ2年はシーズン初戦以外は1着、しかもワンサイド勝ち。ほとんど追わずに勝ちタイムも優秀、統一交流に出走しても勝ち負けできるくらいではないかと、地元ファンはJBCへの出走も夢見ているほどの期待馬です。1200mはベスト、ここはどんな勝ち方をしてくれるかが焦点となります。地元のエースとしてJBCスプリントに弾みを付けたい秋初戦。ベストシーズンを迎えた盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
2022年9月18日
9月18日(日)のメイン、OROオータムティアラは
人気を分け合った2頭がマッチレースを繰り広げた結果
1番人気のトーセンキャロルが直線でアップテンペストを
競り落としひまわり賞に次いで牝馬重賞を連覇しました。
マッチレースという言葉はこの2頭のためにあったと
言っても過言ではない内容でした。ひまわり賞5着の後
やまびこ賞を快勝して巻き返してきたアップテンペストが
先手に出ると、すぐざまトーセンキャロルが2番手につけ
3番手以下をやや離す形で先行します。意を決して逃げた
高松亮・アップテンペストは手ごたえ良く、勝負どころで
トーセンキャロルを突き放そうとしましたが、山本聡哉・
トーセンキャロルも追いすがり、最終コーナーを前に
2頭が後続に水を開けて一騎打ちムードになりました。
内アップテンペスト、外トーセンキャロルは馬体を接した
ままの追い比べの形で鎬を削りました。残り100mを
切って、ようやくトーセンキャロルが頭一つ抜け出して
先頭に立ち、長いデッドヒートに決着をつけました。
レース後じっくり中団からレースを進めるプランもあった
ことを明かした山本聡哉騎手でしたが、当面のライバル
アップテンペストの調子の良さを見て、急きょマークに
出た勝負勘は流石でした。
久しぶりに見た最初から最後までの一騎打ち。解説の
松尾康司さんと「テンポイントとトウショウボーイの
ようだった」と放送席で振り返りましたが、お互い
たとえが古い!と苦笑しました。しかしそれほどに
2頭の勝負は素晴らしいものを感じました。
尚、3着には人気薄のビッグタマテルーフが入り
3連馬券は中波乱となりました。
2022年9月17日
今週末はIBCまつりがアピオで行われています。例年この時期に行われていましたがコロナにより3年ぶりの開催です。みなさまのおかげで岩手のいいものうまいものが並ぶ恒例行事となりました。IBCまつりは大概暑い中で行われますので、夏が過ぎた感はありますが熱中症対策を忘れずにどうぞお越しください。
さて岩手の3歳牝馬戦線はいよいよ最終章。2000mのOROオータムティアラは11頭が出走します。前走ひまわり賞での同世代対決では抜けた力を見せつけたトーセンキャロルが盤石、という下馬評。岩手に再転入しひと頃のスランプから脱出したかのように見えるアップテンペストは前走牡馬相手に重賞勝ちは立派。再度3歳女王に挑戦を挑みます。春から休みなく重賞を走り続けているマルルットゥは牝馬戦となれば上位クラス。星空の下、輝くティアラを戴冠するのは果たして。盛岡競馬場から実況でお送りします。
2022年9月11日
9月11日(日)のメイン、IBC杯第30回青藍賞は
紅一点のゴールデンンヒーラーが、山本聡哉騎手の
好騎乗もあって直線抜け出して快勝しました。
売り出しからしばらくの間は去年の年度代表牝馬
ゴールデンヒーラーが1番人気でしたが、前走同じ
舞台で行われた盛岡1600mの準重賞、すずらん賞で
強靭な差し脚を発揮して優勝したセイヴァリアントが
徐々に人気を高め、締め切り前には逆転しました。
先手も予想されたゴールデンヒーラーは他馬の目標に
なるという見方や、赤松杯・あすなろ賞優勝の3番人気
マイネルアストリアと競る場面も予想され、2番人気に
甘んじました。
レースは1番枠に入ったゴールデンヒーラーが僅かに
つまづき出遅れます。好スタートから先手を奪ったの
マイネルアストリアと明暗を分けたかに思われました。
しかしそこからが山本聡哉騎手の勝負勘が冴え渡ります。
行き脚をつけて追い上げると、マイネルアストリアの
外に馬を出し、逃げ馬をマークする形を作りました。
ライバル視されたセイヴァリアント・マイネルアストリア
の騎乗経験のある山本聡哉騎手は、相手の力量を熟知
していたため無理にハナに立つことをせずに折り合い、
ややスローな流れに持ち込みました。こうなると後方
から差すタイプのセイヴァリアントとしても自ら動く
しかなく、3角過ぎからじりじりと順位を上げますが、
結果的には早く脚を使わされた形になりました。一方
マイネルアストリアは後ろから突かれることもなく、
余力を残して直線に向かいました。しかし、ここでも
山本聡哉騎手は慌てることなく、じわじわと差を詰め
残り200mでエンジン全開、粘るマイネルアストリア
を交わすと一気に差を開き1着でゴールインしました。
一旦は追い上げて3番手まで上がったセイヴァリアントは
ゴール直前バスカヴィルに交わされ4着に終わりました。
スタートで安めを売ったものの、見事なリカヴァリーで
ゴールデンヒーラーを優勝に導いた山本聡哉騎手は
2020・21年優勝のヒガシウィルウィンとのコンビに続き
IBC杯青藍賞三連覇を達成しました。
2022年9月10日
晴天が多かった今週、なんか久しぶりと感じましたねー。そろそろ秋かななんて思っていたら30℃くらいがこのところの相場。来週行われるIBCまつりまでは例年夏のように熱い天気(もしくは台風)での開催が多いのですが、やはり今年もそんな感じ。夏の名残を感じさせながらも朝晩涼しい秋への移り変わりのこの季節もはなかなか良き。馬は比較的に涼しいほうが得意とされていますので徐々に汗ダクダクの暑そうな感じではなく、スキっとした艶っ艶の姿を見せてくれるでしょう。
きょうのメインは弊社杯の青藍賞【M2】1600m8頭立て、南部杯へのステップとなります。少頭数ですが好メンバー。前走金沢で南関牝馬上位クラス相手に3着、岩手の牝馬不動のエース・ゴールデンヒーラーが1枠、今シーズン春の移籍初戦でマーキュリーカップ3着ヴァケーションに土を付けたマイネルアストリア、そして目下急上昇中、みちのく大賞典馬ステイオンザトップに肉薄した前々走、前走準重賞すずらん賞を制し胸を張って出走のセイヴァリアント、戦前の見解だと三つ巴の様相を呈しています。ゴールデンヒーラーは遠征競馬のあとという点が気になる所ですが、各馬一定の間隔で出走しているので体調的には問題なしか。南部杯、JBCに向けて白熱した戦いが見られそうです。盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
2022年9月6日
9月4(日)のメイン・3歳M1重賞の不来方賞は
北海道から転入してきたマナホクが豪快な追い込み勝ちで
3冠レースの最終戦を制しました。
戦前の予想はダイヤモンドカップ・東北優駿を連覇した
グットクレンジングの3冠達成なるかに注目が集まり、
当然1番人気に推されました。同期の有力馬の多くが回避
したことも有り、ストップ・ザ・クレンジングの役目を
多くのファンが本命馬との対戦がない新勢力に求めました。
2番人気は、層の厚い北海道の三冠レースで➂➂⑤着と
気を吐いたマナホク。3番人気にはJRAから転入して
きたシュティルが推され、旧勢力の中ではやまびこ賞で
2着に入ったコイビトサンタが4番人気となりました。
レースはノンロムがハイペースで逃げる展開となり、
グットクレンジングが2番手を進みますが、結果的には
速いペースに脚を使い、着外に沈むことになります。
3番手以下はエイシンリュージュ、オンラインボス等が
続き、サンエイブレーヴ、シュティルは中団。そして
対抗人気のマナホクはなんと10頭建ての最後方で脚を
溜める形になりましたが、シンガリからで大丈夫なのか?
と思わせたのは事実です。しかし向こう正面からは外目を
ついて徐々に順位を上げていきました。先行馬群の隊列は
最終コーナーまで変わらなかったものの、各馬ともに
余力はなく、直線は差し馬が一気に襲い掛かります。中でも
高松亮・マナホクの人馬一体の追い込みは圧巻で、残り
200を切って先頭に立ち勝利を確定的なものにしました。
一方伸び脚でマナホクを上まわったのはコイビトサンタ
でした。2日前に亡くなった父ゼンノロブロイの弔い合戦
とばかりにゴール前差を詰めました。それでもマナホクは
余裕を残しており、結局1馬身1/4差を保ってゴールイン。
北海道でもまれた力をいかんなく発揮しました。ある程度
先に行った馬の中では、7番人気のライオンボスがしぶとく
3着に残り3連単は10,750円の万馬券となりました。
手綱を取った高松亮騎手は2019年キングジャガー、2020年
フレッチャビアンカに続いて不来方賞3勝目としましたが、
自厩=佐藤雅彦厩舎の馬では初制覇。レース後は厩舎一丸で
掴んだ栄冠に感慨深げでした。
2022年9月3日
岩手競馬は今週から、出走馬の近走の賞金額に応じてクラス分けが行われ、各馬新しいクラスでの出走となります。例えばこれまでA1という最上位クラスで走っていた馬が、該当期間の近走で賞金額を獲得できなかった馬は最下級のC2クラスに編入されてレースを走る、ということ(逆に急激なクラスアップをする馬もいます)。実際に日曜日の出走馬にもこういった例が何頭かいます。当然これまでレベルが上のレースに出走していたわけですから能力上位と考えるのが普通で馬券もそういった馬から売れるのでしょうが、そこは競馬。レースをやってみないと分かりません。新聞の印、オッズを確認してどういう傾向で売れているのかチェックしてレースを探ってみるのも面白いかもしれません。なお重賞以外の3歳馬戦は現在3歳馬同士でのレースとなっていますが、古馬と一緒に走るいわゆる「古馬編入」は10月に実施。馬券検討がさらに深みを増してきます。
日曜日のメインは伝統の3歳重賞で3歳三冠最終戦、2000mの不来方賞です。3冠にリーチをかけた春の王者グットクレンジングは休み明けの秋初戦。盛岡は初コースと多少不安はあります。しかし父コパノリチャード母父スターリングローズと一見短距離血統に見えるも前走6月の東北優駿は10馬身差と圧巻のレースでレベルの違いを見せつけました。3冠はもとよりおそらく大目標は全国の3歳の強豪が集結する10月のダービーグランプリ@盛岡。地元の最大のライバル・クロールキック不在、そして秋の頂を目指すうえで多少の逆風も跳ね返す「地元のエース」という姿を見せつけることが出来るか。他の顔ぶれとして、ノンロムは岩手再転入の馬でレベルが高い大井で条件戦を連勝、重賞レースの出走はありませんが実力未知数。そしてホッカイドウ競馬から移籍してきたマナホクは北海優駿3着の実績馬でこのレースが転入初戦で不気味さが際立ちます。天国へ旅立った父ゼンノロブロイの弔い戦、距離延びてどこまで食い込めるかコイビトサンタなど10頭による競走、週ごとに秋の訪れ感じる盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
2022年8月28日
8月28日(日)のビューチフルドリーマーカップは
大井から参戦したサルサディオーネが単勝元返しの人気に
応えて圧勝しました。過去ダートグレード5勝、前々走では
牡馬に交じってGⅡさきたま盃を勝った実力は本物でした。
サルサディオーネは売り出し時点では1.2倍をつけて
いたものの、レースが近づくにつれて1.1倍、1倍と
買い進まれました。元返しが確実になっても1.0倍が
動かなかったのは“名前入りの記念馬券”を買ったファンが
多かった証拠かもしれません。
実際のレースでは好スタートを切ったサルサディオーネが
終始後続に水を開けながら逃げを打ちました。その他の馬の
出方が注目される中、有力馬が牽制しあうのを尻目に川崎の
コーラルツッキーが2番手を追走、フワトロが3番手につけ
見た目は淡々と進みました。3角すぎにマルケイマーヴェル、
ゼットパッションの岩手勢も差を詰めようとしますが先頭の
サルサディオーネは全く追わずに直線に向かうと矢野騎手が
小さくゴーサインを出し、一気に後続との差をひろげました。
本命馬はそのままゴールイン。5馬身差でコーラルツッキーが
2着、フワトロが3着で入選と、先行馬同士で決着しました。
11月のJBCを睨んでの参戦とみられたサルサディオーネは
当初の目的を果たした印象です。
2022年8月28日
きょうのメインは牝馬の地方全国交流のビューチフルドリーマーカップです。ビューチフルドリーマーというのは馬の名前です。1900年初頭に小岩井農場がイギリスから輸入した繁殖牝馬の中の1頭で、血を継いだ子孫が枝葉を広げ大レースを席巻した一大血統となりました。血の優秀さ、そしてその功績を称えレース名として自身の名が刻まれています。「ビューチフル」=「ビューティフル」ですが、なんとなくこの古めかしい呼び方も歴史の長さを感じさせてくれます。
今年は何と言っても前売り段階で単勝オッズ1.0倍、地方競馬の中では牝馬ナンバーワンの存在と言っていい、南関大井のサルサディオーネが参戦してきました。JBCを睨んでの足慣らしと考えるのが自然で、適正距離も広く、左回り得意、定量戦、間違いなく逃げ、とにかく他のメンバーと格、実績ともに1枚も2枚も上の存在。焦点は勝ち方のみといったところ。対する岩手の筆頭格はマルケイマーヴェル。生え抜きの5歳牝馬がどのくらい食いついていけるか。ひたりひたりと秋の気配感じる盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
2022年8月21日
8月21日(日)のメインやまびこ賞は8頭立てながら
勝つ可能性のある馬が揃い混戦模様の中行われました。
その結果、6番人気に甘んじていたアップテンペストが
直線抜け出して岩手での初タイトル奪取を果たしました。
人気の中心はこの春快速が復活したカクテルライトで、
計算できる先行力が買われ終始1番人気を守りました。
2番人気以下は大混戦で、中央未勝利2着、転入2戦圧勝の
ネイチャーミヤビ、重賞2着2回のサンエイブレーブ、
前走の勝ち方が強かったヴラディア、地力強化が窺える
コイビトサンタ、前走の勝ち方が良かったヴラディアが
単勝1ケタ台で続きました。
注目のスタートでサンエイブレーブ・ヴラディアが
後手を踏む波乱の幕開けとなる中、先頭に立ったのは
予想通りカクテルライトで、2番手がアップテンペストと
前走のひまわり賞と同じ馬順となりました。ただ先行勢が
崩れたひまわり賞と違い、高松亮のアップテンペストは
無理に競らず折り合いに専念して本命馬の1馬身後を追走、
一見淡々とレースが進みました。3番手以下は集団となり
ネイチャーミヤビ・ヴラディア・コイビトサンタらが
追走します。一方出遅れたサンエイブレーブは動きが重く
早々とムチが入りますがなかなか前へ進みませんでした。
先行2頭は後続に水を開けて最後の直線に向かいましたが
外のアップテンペストの脚色が良く、残り200mで
完全に抜け出して勝利を確定的にしました。一方1番人気
カクテルライトは直線半ばで失速、中団から追い上げた
コイビトサンタ、粘り腰を発揮したネイチャーミヤビが
2番手・3番手に上がりましたが、カクテルライトは余裕を
もって差し馬勢を封じ、嬉しい岩手での初重賞制覇を
成し遂げました。
アップテンペストは2歳時には4連勝を含み5勝、冬期間は
名古屋で重賞2勝と実力的にもっと高く評価されてもいい馬
ながら、再転入初戦のひまわり賞で5着に敗れたこともあり
6番人気に甘んじていました。しかし馬場体重も-13キロと
重めを解消した今回、本来の力を見せつけたと言えます。
高松騎手は、この日やまびこ賞を含め1日4勝と絶好調。
前競りにならないようじっくりと本命馬の背後で脚を溜めた
作戦が功を奏しました。
2022年8月21日
お盆、すなわちクラスターカップも終わりました。今年は例年よりも雨が多い印象で、お盆は猛烈な暑さのなかで高校野球を楽しみクラスターカップを迎えるというのがお決まりの夏でしたが、涼しい日が多かったです。筆者もクラスターカップ参戦、メインのパドック周回中が一番雨がひどく気の毒に思ったものでしたが、半袖短パンで乗り込んだ私も終盤レースになるとうすら寒くなり、風邪をこじらす前に最終Rを残して帰宅しました。以降はやはりクラスターカップ後というか、だいぶ過ごしやすい天候が続きいよいよ岩手は秋の訪れ。ウマ娘でも盛岡が実装。ジーワンレースが着々と近づきいよいよ盛り上がりに拍車がかかります。
さて日曜日のメインは3歳地元3冠最終戦不来方賞の前哨戦、1800mのやまびこ賞です。8頭立ての少頭数、春の王者グットクレンジング、それを春初戦で下したクロールキックが不在で、この上位陣を打ち崩す馬が出てくるかが焦点となります。春のクラシック戦線では上位組に入るも勝ち馬から離されたサンエイブレーヴ、夏を越して2カ月ぶり、成長度合いはいかに。春からあまり休まず頑張るカクテルライト、もともと実力のあるコイビトサンタ、アップテンペスト、連勝中ネイチャーミヤビ、前走B1クラスを9馬身差圧勝のブラディアなど混戦模様の一戦、盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
2022年8月17日
8月16日(火)のjpnⅢクラスターカップはJRA所属の
3番人気、牡の5歳馬オーロラテソーロが快勝しました。
惑星馬とみられた3歳馬リメイクが故障で競争除外と
なったことで、レース前の人気はダンシングプリンスに
集中する形になりました。海外遠征を含め重賞3連勝中、
鞍上にクリストフ・ルメールを配し、先手有望な1番枠
からの発走。マークする馬が1頭いなくなり、追い風が
吹いているように見えました。
しかし風ではなく当日の強い雨がいたずらをしました。
スタートで、なんと大本命のダンシングプリンスが脚を
滑らせて大きく出遅れてしまったのです。好スタートの
4番人気ジャスティン、3番人気オーロラテソーロが
先行、2番人気のリュウノユキナも無理なく好位置を
占める一方、出遅れたダンシングプリンスも最内から
一気に上昇し3番手まで上がりましたが、序盤で相当
脚を使ってしまった印象でした。中央勢4頭の争いに
なることは当初から予想されていましたが、一気に波乱
含みの展開になりました。第3コーナーを回って、
4番手につけていたリュウノユキナが動きます。川田将雅
騎手の欠場で騎乗チャンスを得た村上忍騎手が促すと、
外目から上昇、先行2頭を追います。ダンシングプリンスは
この時点で脚色があやしくなり、前3頭の争いに焦点が
移りました。最終コーナーを回り逃げるジャスティンを
捉えたオーロラテソーロが手ごたえを残したまま先頭に
躍り出ます。鮫島克駿騎手とは今回が通算4度目のコンビ、
前走のオープン特別優勝ですっかり勝ちパターンを確立
したと陣営がレース後語ったように、まさに人馬一体の
騎乗で抜け出しました。一方、外から追い上げたのが
村上忍リュウノユキナでした。マーキュリーカップでは
人気薄ヴァケーションを3着にもって来た村上騎手が
めぐってきたチャンスを生かすべく懸命に追いました。
しかし前半楽だったオーロラテソーロも止まらず、
結局1馬身差でオーロラテソーロに軍配が上がりました。
3着には横山武志・ジャスティンが粘りました。直線
粘り切れなかったのは、GⅡ勝ち馬として58キロを
背負っていたことが響いた感じです。
ゴールでガッツポーズを見せ、レース後満面の笑みを
見せた鮫島克駿騎手は、これが嬉しいダートグレード
初勝利。囲み取材ではJBCにも来てみたいと語りました。
2022年8月14日
8月14日(日)のメイン2歳馬の若鮎賞は前日までの大雨の
影響で、当初予定の芝1600mからダート1600mに変更して
行われました。結果は1番人気の牝馬フジラプンツェルが
他馬との完成度の違いをみせて完勝。無傷の4連勝を飾り
ました。
10頭中、前走が芝のレースだった馬が6頭。芝のM3重賞に
照準を合わせた馬がそろった印象でしたが。急遽のダート
への変更となり、過去のダートコースでの成績が目安と
なります。そうなればダート3戦無敗のフジラプンツェルが
予想以上に支持を集める形になりました。
レースは、前走芝レースで初勝利をあげた3番人気レジーナが
スピードを生かして逃げを打ちました。ローズトレミエが
2番手を追走、フジラプンツェルは外目の3番手につけました。
山本政聡騎手の手ごたえは終始楽に見え、事実3~4角中間で
早くも先頭に躍り出る勢いを見せます。4角でレジーナは後退、
直線早めに先頭に立ったフジラプンツェルは、追い上げてきた
2番人気ケープライトとローズトレミエの2着争いを尻目に
どんどん差を広げ、結局2着のケープライトに10馬身の差を
付ける圧勝ぶりでした。
父・メイショウボーラー、母の父・クロフネの血統構成は
若干ダート寄りで今回が「芝でどこまでやれるか」の試金石に
なるはずでしたが、結果は「ダートでは物がちがう」ことの
証明となりました。
500キロ台の馬格に恵まれ、尻尾とたてがみが明るい金髪という
グラマラスな尾花栗毛。メンコと四本の脚のバンテージを
ピンクで統一したフジラプンツェルは、かわいいというよりは
ゴージャスな美女の印象を漂わせます。芝適性は未知数のまま
となりましたが、今後の若駒賞・南部駒賞などダート戦線では
間違いなく世代のトップを走る存在となるはずです。
写真の口取り写真、瀬戸師の横の可愛いお嬢さんは調教師の
お孫さんとのこと。お盆休みのいい記念になったことでしょう。
2022年8月14日
大雨に見舞われた盆の入り。今日の盛岡競馬でも走路悪化のため芝レースがダート変更になっているレースもあります。2歳馬の初重賞、今日のメイン若鮎賞ですがこちらもダート変更。目論見が外れた陣営もいると思われますが雨の影響はこういったところにも出ているよう。逆にそうなるとデビューからダートで3連勝、フジラプンツェルの出番。前走盛岡替わりで圧勝。あとは1600mをこなせるかどうかだけ。2歳馬だけに未知の要素も当然あるだけに他の馬にもチャンスは十分にあります。きょうは17:40の発走、お盆もラジオで岩手競馬お楽しみください。
2022年8月7日
”岩手オークス” ひまわり賞は浦和からの転入馬
トーセンキャロルが一枚上の実力を発揮し、岩手の
3歳女王の座を射止めました。
過去重賞・特別路線を賑わせた馬、有力転入馬、
下級条件から連勝街道を駆けあがってきた上がり馬が
それぞれ複数いるという混戦模様で迎えたレースは
去年の年度代表2歳カクテルライトが先手を打ちました。
しかし同枠のアップテンペストも行く構えを見せ、
いきなりゆるみのないペースで始まりました。
1番人気に推された浦和の実力馬トーセンキャロルは
中団。毎回重特レースで上位に入セイシーキング、
リュウノアンらが好位に付け、4連勝中のレディジャンも
好位置で進みました。勝負所で動いたのが1番人気
トーセンキャロルでした。先行馬群を縫うように上昇
すると、第コーナーではカクテルライトに並びかけ、
直線に入って一気に突き抜けました。ただ一頭
10番人気のマルルットゥが外から一気に伸びましたが、
坂上では結局突き放され10馬身の差がつきました。
逃げたカクテルライトが粘って3着。レディジャン、
ボサノヴァは末を失い後方に沈みました。
転入初戦-14キロの発表で、抜けた人気には
ならなかったトーセンキャロルですが、戦ってきた
相手が違うとばかりの強さでした。
2022年8月7日
きのう土曜日は夏の甲子園が開幕しました。大会初日の試合となった我らが岩手県代表一関学院は延長の死闘を制して見事初戦勝利!先制し追いつかれピンチを凌いでサヨナラ・・・という見ているほうが緊張するゲームは初戦から劇的なものになりました。選手やスタッフ、応援団の皆さんも暑い中大変だったと思いますが、岩手に元気を届けてくれました。
日曜日の盛岡競馬は女同士の熾烈な戦い、M1重賞のひまわり賞(オークス)です。春の重賞戦線を賑わせたマルルットゥとビッグタマテルーフ、南関東からの移籍初戦のトーセンキャロル、岩手牝馬重賞戦線の中心で堅実安定のボサノヴァ、4連勝中レディジャンとベストフィーチャー、近走大敗も東海地区重賞2勝で岩手再転入、実績十分のアップテンペスト、芝重賞勝ちもありますがダートでも十分いけるリュウノアン、そして復活を遂げた昨年の2歳最優秀馬カクテルライト。ここに書かなかった各馬もチャンスは十分。例年になく大混戦の大伯仲、面白いメンバーが揃ったひまわり賞は18:15発走、実況生中継でお送りします。
2022年7月31日
7月31日(日)のメイン、芝2400mのM2重賞
せきれい賞にはいずれも芝実績の高い14頭が揃い、激戦
模様となる中、優勝した船橋のアトミックフォースはじめ
距離適性と最近の充実度の高い馬が上位に入りました。
出走14頭中元中央のオープン馬が8頭、3勝クラスが
3頭、いずれも芝コースで成績を残してきた馬ばかりが
集まりました。その中で1番人気は直前に船橋と川崎の
オープン特別を連勝してきたアトミックフォースでした。
過去新潟大賞典2着の実績に加えて、直近のレースでの
圧勝ぶりがファンにアピールした形でした。2番人気には
連覇を狙い参戦したロードクエストが押されました。過去
芝のグレードレース3勝、去年せきれい賞とOROカップを
楽勝した力量は一目置かれる存在も、OROカップ以来
10か月振りの実戦ということで僅かに人気を落としました。
レースは大井で短距離戦を使われてきたザプリオレスが
逃げを打ちました。同じ大井のノーブルマーズが2番手を
追走し緩みのないペースとなりました。有力どころでは
アトミックフォースがやや離れて3番手、浦和から参戦の
ブレステイキング、岩手のソロフレーズらが好位マーク。
人気の一頭ロードクエストは中団につけますが、去年
スローペースを嫌って一気に前に出たときのような覇気は
感じられませんでした。
勝負所で仕掛けたアトミックフォースは手応え十分で
直線で先行勢を蹴散らし先頭に立ち、後続に水を開けて
ゴールに向かいました。残200m、前半足を溜めていた
ノーチカルチャートが外から追い込みますが、1/2馬身
のリードを保ってアトミックフォースが優勝。3着には
こちらも後半に脚を残していたブラックバゴが内から伸び
馬券圏内に滑り込みました。2着のノーチカルチャートは
これが岩手への転入初戦でしたが、直前まで中央の3勝
クラスで奮戦していた馬で、名のある元オープン馬に先着
して見せました。3着のブラックバゴは盛岡の芝で2連対
という実績通り見せ場を作りました。ロードクエストは
全く抵抗できず最下位に沈みました。
勝ったアトミックフォースに騎乗した山本聡哉騎手は、
レース後人気に応えられたことに安堵の表情を見せて
いました。
2022年7月31日
JBCのある重要な年、毎日熱戦が続く岩手競馬に残念なニュースがありました。中継スタッフには毎週日曜日に顔を合わせる人も多く、この報を聞いて戸惑いを隠せないといった状況です。しかしながら我々がやるべきことは楽しさ、正確な結果、レースの迫力など競馬の魅力をみなさんに最大限伝えること。加藤、清水の両アナウンサー、真摯に競馬に向き合ういつものメンバーでお送り致します。
日曜日のメインは芝2400mの地方全国交流のせきれい賞です。JBCデーの岩手県知事杯OROカップに向けて南関東勢6頭含む14頭フルゲートで行われます。JRA時代のG2勝ち、マツリダ血統、昨年岩手に遠征し盛岡芝2戦2勝で岩手のファンにも馴染み深いロードクエストは約1年ぶりの出走。JRAの中長距離路線の中心で活躍し宝塚記念3着と実績はメンバー中最上位のノーブルマーズ、多数の外国人ジョッキーを背に相当な期待を背負って重賞戦線で活躍したブレステイキング、G3を2着の実績と近況の好調度が目を引くアトミックフォースなど遠征勢は迫力十分のメンバーを揃えてきました。対して岩手勢は前走芝1700mの準重賞かきつばた賞を稍重馬場ながらも好時計で制したソロフレーズ、同レース2着の古豪ブラックバゴが挑む構図となります。懐かしい面々という声も多いですが、バラエティに富んだ豪華なメンバーせきれい賞をお聴きのがしなく!クラスターカップJpn3のJRAからの出走予定馬もお伝えできる予定です。暑さ厳しい夏真っ盛りの盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
2022年7月24日
7月24日(日)の交流重賞M2ハヤテスプリントは
浦和からの遠征馬、5番人気のスターオブケリーが
“ロケットダッシュ”を決めると、後続につけ入るすきを
与えずに1200mを鮮やかに逃げ切りました。
11頭中遠征馬6頭、転入初戦1頭というメンバー構成で
質・量ともに遠征組有利の前評判は人気は割れました。
最終的に2歳時jpnⅢエーデルワイス賞2着の他、南関東の
重賞で出走歴を重ねてきたヒストリックノヴァが1番人気に
なったものの、直前の重賞5着のカプティフが差なく続き、
レベルの高い大井からの遠征馬が支持を集めました。そして
3・4番人気には現在3連勝中の上がり馬キバルスター、
兵庫から転入初戦のエイシントゥランの地元勢2頭が続き
ました。
この日の馬場は先行有利・内有利。ハイペースは必至と
みられたレースは予想通りの展開となり、有力馬がスタート
から追い詰めの様相となりました。ただ「前競り」には
なりませんでした。浦和からの遠征馬スターオブケリーが
ゲートが開くと同時にポンと飛びだし、たちまち1馬身半
ほどのリードを奪います。激しかったのが2番手争いで、
ヒストリックノヴァ、川崎のジェルジオ、エイシントゥラン、
キバルスター等が横一線で追走しました。
スターオブケリーは、常に後続に水を開ける逃げで快調に
飛ばします。先頭に立つと“ふわっとする”と聞かされていた
鞍上の山本政聡は、気を抜かせずに走らせたとレース後に
語りましたが、直線懸命の差を詰めようとする1番人気・
ヒストリックノヴァに1馬身の差を保ったままゴールイン。
追いこんできたカプティフはさらに2馬身半後方の3着が
精一杯でした。
スターオブケリーの勝ち時計1分11秒7は、3歳馬としては
非常に優秀なもので能力全開のスピード馬が本領を発揮した
レースでした。
2022年7月22日
きょうは先週のマーキュリーカップから。入場時に弊社684リポーターの伊達晴香さんと偶然出会う筆者(名馬館D)。後半レースだったこともあり、アトラクション、出店などは撤収および店じまいもありましたが、スタンドはやはり祝日といった賑わいで(特にゴール前)メインのパドックはぎっしり。それをよそに筆者は芝スタンドでゆったり観戦。本馬場入場では多くの馬がホームストレッチを通らず2コーナーに向かって走り出す馬が多く残念に思っていたのですが、今思い返すと目の前を通ってくれたのはヴァケーション、ケイアイパープル、バーデンヴァイラー、テリオスベルだったような気が。。。天気が不安定で薄暗い中でのレースはとても激しいもので、IBC競馬解説者ケイシュウ深田さんのツイッター(@keishu_mizusawa)によると1000m通過が59秒台後半の稍重にしてもハイラップ。ラスト1Fが14.0ですからかなりタフなレースだったような気がします。勝ったバーデンヴァイラー、ぜひJBCに!という見事な差し切りで幕を閉じましたが、3着ヴァケーションの大健闘もありました!1番人気ケイアイパープルとの叩き合いを凌いでの3着は今後の展望を明るいものにしました。
さて今週の岩手競馬クロスは、このマーキュリーカップの回顧を含み、メインのハヤテスプリント【M2】3歳1200mと内容盛りだくさんでお送りします。遠征の南関東勢はこの時期にして短距離を中心に使われてきた馬が多く、例年同様レースの中心となりそうです。対する岩手勢、重賞での馬券圏内実績があるのはビッグタマテルーフのみ。11頭立てで行われるスプリント戦、盛岡競馬場から実況生中継でお送りします。
2022年7月19日
7月18日(月)に行われた第26回マーキュリーカップは
2番人気のJRA・バーデンヴァイラーがゴール直前で
差し切り勝ちを収めました。
今回のマーキュリーCはJRAの5頭に加え、南関東から
有力馬4頭が参戦し、ハイレベルの混戦模様となる中、
1番人気には今年の佐賀記念を勝ったケイアイパープルが
推されました。騎乗予定の藤岡康太騎手が都合で来盛できず
岩手の山本政聡騎手に乗り替わりとなったものの、地元の
コースを知った騎手への変更はさほどのマイナス要因とは
ならず、単勝3倍前後で終始1番人気を守りました。
スタートで先頭に立ったのはメイショウフンジンで、
これを川崎のノーヴァレンダ、JRAメイショウカズサ・
ケイアイパープルが追走、その後ろバーデンヴァイラー
はそのうしろ5番手につけました。
レースが動いたのは3角。7番人気のテリオスベルが
外から捲っていって先行各馬を一気に交わし、4角では
単騎先頭に立ちます。江田照男・テリオスベルの思い切った
動きに早めに対応したのが福永祐一・バーデンヴァイラーで、
直線に入って3番手以下を置き去りにすると、前を行く
テリオスベルを一完歩ごとに追い詰めます。逃げ込みを図る
テリオスベルも良く粘りましたが、最後はおうものの強味、
バーデンヴァイラーが首差で差し切りました。
4歳馬でキャリアも浅く、重賞初挑戦のアンタレスSでは
砂をかぶって走る気をなくしたとのことで、陣営はあえて
控える競馬を覚えさせる調教を施していたとレース後明かし
ました。その工夫も生きて嬉しいダートグレード初制覇と
なりました。
もう一つ盛り上がったのが3着争いでした。1番人気の
ケイアイパープルと10番人気の岩手ヴァケーションの
追い比べは写真判定にもつれ込んだ末、ヴァケーションに
軍配があがり3連複14万、3連単63万馬券を演出しました。
村上忍騎手は前半無理せず、1番枠のヴァケーションを
内内の経済コースで走らせました。前半無理をしなかった
ことが直線の伸びにつながった形ですが、これまでの
実績から2000mは長いか?とも思われていただけに、予想
以上の健闘となりました。全日本2歳優駿馬という素質馬が
岩手でよみがえったと考えれば嬉しく感じます。
24日の岩手競馬クロスでは優勝した福永祐一騎手と共に
ヴァケーションで3着に入った村上忍騎手の談話を紹介
します。お楽しみに!
2022年7月15日
週半ばから後半にかけて県内は梅雨らしいお天気になっています。体感的に気温が低くなって多少過ごしやすいですが湿気がなんとも。今週末は3連休となりますが土日がすでに雨予報、その先もいずれすっきりしない見込みです。突然の豪雨なども近年起こっていますのでニュースなどで情報を得て安全を確保していただければと思います。
日曜日のメインはC1クラス芝1700mで行われる区界高原賞、なんとなく涼しそうなネーミングがいいですね。先週のオパールカップでレコードが出ましたが、芝の状態はいいとはいえ断続的に降り続けそうですから馬場と馬にどう影響するかが馬券のカギになります。そして月曜日祝日にはJpn3マーキュリーカップが行われます。当日の中継はありませんが、レース前日ということでIBC解説陣のレース展望もお送りできるかと思います。
2022年7月10日
7月10日の3歳芝の交流重賞・オパールカップは
川崎から遠征してきた1番人気のウン号が、ゴール前の
接戦を凌ぎ人気に応えました。
出走13頭のうち、遠征馬6頭・転入初戦1頭という
難解なメンバー構成でしたが、人気の根拠は芝実績と
いう売れ方になりました。過去JRAの芝レースに4度
挑戦、2歳時に札幌のコスモス賞で4着に入ったほか、
1勝クラスの3度のレースでも勝ち馬から1秒内外の差に
まとめたウンの力が上位という見方で、この馬が1番人気、
前哨戦のはまなす賞を逃げ切ったリュウノアンが2番人気、
去年のジュニアグランプリを勝ったモリデンブラックが
3番人気、同レースで2着だったギャレットが4番人気で
続きました。
レースは岩手のフェルゼンハントの逃げで始まりました。
芝の新馬戦を好タイムで勝った素質馬も、前走D2000mの
東北優駿でタイムオーバーのシンガリ負けを喫しました。
改めて能力検査にパスしての出走ということで今回は
人気を落としていたものの、小林凌騎手を背にハナを主張。
後続に3馬身ほどの差をつけて快調に逃げました。3~4角
ではフェルゼンハントの逃げ切りかと思わせる走りでしたが
早めに追い上げを開始したウンが残り200を切って先頭を
奪いそのまま逃げ込みを図ります。差しに回った馬たちが
苦戦する中、5~6番手につけていた船橋のマイジュネスが
唯一頭ウンを追い詰めます。なんとかウンが逃げ切ったかと
思わせたゴール前、首の上げ下げでマイジュネスが最後の
ひと伸びを見せ、勝負は写真判定に持ち込まれました。
結果はハナ差でウンが残り重賞初タイトルを獲得しました。
2着に入った5番人気のマイジュネスは初の芝レースながら、
古馬B3クラスで入着した地力は確かでした。8番人気の
フェルゼンハントが3着に粘り、三連単は11万6000円を
付けました。
2022年7月10日
金曜日から高校野球が開幕した岩手。弊社でも生ワイド番組の中で試合の途中経過やプチ実況を入れてお送りしています。梅雨明けしていない北東北、先週はいきなりの豪雨もありましたが比較的安定した天候が続いていたように感じます。夜も涼しく心地よく寝られるのが本当にいい!!スマホでチェックする天気予報、提供する各社の情報が三者三様という、どの情報を信じようか時々悩む現象が最近多々ある(個人的感想)のですが、とりあえず自分に都合のいい方を参考にすることにしています(笑)。
きょうのメインは3歳芝の全国交流重賞オパールカップです。ホッカイドウ1頭、南関東4頭、兵庫1頭の計6頭に岩手が7頭の13頭立て。初の芝レースとなる他地区の馬たちがいますので、このレースでは例年それらの馬たちの選択がポイントとなります。JRA1勝クラスでそこそこの競馬が出来ている川崎のウン、2歳時盛岡のジュニアグランプリを制しているホッカイドウのモリデンブラックの2頭は芝経験あり、ほかの4頭は初芝です。地元の期待はリュウノアン。春に岩手に移籍して以降全レース馬券圏内という安定感と、前走の準重賞はまなす賞は初芝で完勝。レースごとに勢いが増していくのを感じ取れます。昨年のジュニアグランプリ2着のギャレット、芝に替わって復活を期待したいフェルゼンハントなど、いずれ戦前予想は混戦となりそうです。
2022年7月4日
直線後続を突き放すホクトベガのあまりの強さにに、当時
実況を担当した井上学アナが叫んだ「女王様とお呼び!」の
フレーズは、全国のファン・関係者の話題となったものです。
1996年の南部杯での事でした。
その”伝説の実況”を残した井上学アナが6月29日・東京都内の
病院で亡くなりました。前年から闘病生活を送っていましたが
薬石効なく、53年の生涯を閉じました。
競馬中継のほか音楽番組等を幅広く担当した井上アナは、
その後アナウンス職を離れ、ラジオ・テレビのディレクター、
報道記者、営業職を経験、最後の赴任地は東京支社でした。
この世を去る3日前、病床で宝塚記念の当たり馬券を購入して
いたと聞き、決して病に打ちひしがれることなく最期を迎えた
のだろうと思うとわずかに救われた気がします。それにしても
53歳は早すぎました。
競馬、ロック、野球、仕事、家族、たくさんのものを愛し、
たくさんのものに愛された生涯だったと信じます。
なお、葬儀は近親者の皆様で営み、後日親交のあった方々と
お別れの会を行う意向と伝えられています。
2022年7月4日
7月3日(日)のメインD1200mのM2重賞の岩鷲賞は
大本命に推されたキラットダイヤが次元の違うスピードで
逃げ切りました。
昨年来1200m以下の重賞では5戦5勝と圧倒的な強さを
見せてきたキラットダイヤは、単勝1.1倍。一本かぶりの
人気でレースをむかえました。スタートダッシュが特段
早いわけではないものの、一度加速がつけばどの馬も
付いてこられないという、いつものパターンが岩鷲賞でも
見られました。
ただ一頭古豪スティンライクビーが懸命の追走を見せ
ましたが、距離を踏むごとに差は開き、結局10馬身差。
鈴木祐騎が追う所もほぼ無く、圧勝という言葉では足りない
ほどの強さ‣速さを見せつけました。
勝ちタイム1分10秒1は良馬場でマークした時計としては
非常に優秀なものです。馬場が深かった去年のクラスターC
の勝ちタイム1分12秒7を大きく上回り、たとえて言うなら
全盛期のラブバレットに匹敵するスピードと言えます。
今後一旦放牧に出し、今後のローテーションは未定との
ことですが、クラスターカップ・JBCスプリントという
全国区のダートグレードでの走りを見たいと感じます。
2022年7月1日
先週の盛岡開催初日は人、人、人!!!天気予報とは裏腹にがっつりピカピカの晴れ、そして暑い!体感的にはグレード重賞の日のような混雑ぶりでキッチンカー、出展ブース、屋台村も大賑わい。こどもたちを対象にしたポニー乗馬体験は長蛇の列。場内はパドックや本馬場近くにあった立入りを規制するカラーコーンが撤去され、コロナ前の盛岡競馬場の姿が戻ってきたようなうれしい雰囲気を感じた日曜日でした。
連日全国で猛暑のニュースが相次いでいますが、一般的に馬は暑さに弱いと言われています。最近は熱中症対策として厩に岩塩を置き塩分を摂らせたり、レース後の馬たちに冷水のシャワーをかけたり、水を飲ませたりするシーンが多くみられるようになりました。盛岡競馬場のパドックの外側にミストが出る機械が取り付けられいるのを先日発見しました。人馬が体調に問題なくレースで走り無事に厩舎へ戻るための設備が、今後も整備されることと思います。
さて日曜日のメインは1200mの岩鷲賞です。短距離路線の岩手の筆頭キラットダイヤが連覇に向けて出走しています。クラスターカップ、JBCへの足掛かりとして負けられない気持ちが強いでしょう。好調馬も多く出走していて10歳のトミケンキルカスは4連勝中。「上がり馬は負けるまで買え!」の格言もありますが、すでにオープンでも結果を残しています。ほかフィナルタ、ウインコンツェルト、タイセイビルダー、スティンライクビーと快速馬が揃っています。爽快感たっぷりのスプリント戦、IBCラジオでお楽しみください。
IBC競馬解説陣(テシオ松尾さん、ケイシュウ深田さん)がレースを予想しその馬券を500円分購入、当たってもハズレてもリスナーさんにその馬券をプレゼントする「勝負の一枚」のコーナー、なんと3週連続的中を達成!今週は深田さんです!
応募は20歳以上の方に限りますが ●住所●氏名●年齢●電話番号●番組に対するメッセージをお書きの上、このページの右側にあるメールフォームからお送りいただけます。ドシドシ募集お待ちしています!
2022年6月26日
6月26日(日)盛岡開催初日のメイン・ウイナーカップは
小西厩舎所属のカクテルライトがハイペースで逃げ切りました。
去年盛岡の重賞を2勝し、年度代表2歳に選ばれたものの
冬場の水沢競馬では結果を残せずにいたカクテルライトでしたが
前走のイーハトーブマイルでフジクラウンの2着に踏ん張り
復活の兆しを示していました。
得意の舞台に戻った今回も牝馬の重特路線を賑わすボサノヴァ、
3連勝中の上がり馬プチョヘンザ、東北優駿で3着に入った
サンエイブレーヴ等が人気を集め、カクテルライトは4番人気
にとどまりました。
レース序盤、距離が1400mということもあって激しい
先行争いとなる中、最内枠を引き当てたカクテルライトは
向こう正面のうちに単騎先頭を奪い果敢な逃げの手を打ちます。
本来差し馬のマルルットゥが早めの競馬を仕掛け2番手、
1番人気のボサノヴァも好位につけますが、外・外を回される
印象でした。直線カクテルライトは山本政聡騎手がムチを入れ
一杯に追われると、差してきたサンエイブレーヴ、追い上げる
ボサノヴァに水を開けたままゴールイン。1分25秒4という
好タイムで逃げ切りました。
今春調教師としての通算勝利記録を更新した小西重征厩舎は
今季初の重賞制覇。また鞍上の山本政聡騎手は、この勝利で
デビュー通算1,599勝とし、区切りの1,600勝に王手を
かけました。
2022年6月24日
ロングラン水沢開催が終了し、今週からこちらもロングラン盛岡開催となります。今年は11月のJBC、南部杯ほかグレード重賞、ダービーグランプリなど注目の地方交流ももちろんスタンバイ。初日のOROPARKではイベントも盛りだくさん。入場無料、入場プレゼント多数、ポニー乗馬、キッチンカー・屋台多数、スイーツ多数!レースは3歳による1400mの重賞・ウイナーカップがメイン。予定ではこの日の8Rで芝のマイル戦も行われますから、多くは望みません!晴れろとは言わず曇りでもいいので、雨が降らないでもらえれば、、、というのが一ファンの切実な願い。たっぷりお楽しみいただけるでしょう!
さてウイナーカップ。7月の重賞1200mで行われるハヤテスプリントへとつながる短距離路線の位置づけのレースですが、牡牝クラシック路線の常連だった顔ぶれがそこそこに集まっています。東北優駿3着のサンエイブレ―ヴほかマルルットゥ、セイシーキング、ビッグタマテルーフのダービー組、牝馬筆頭格のボサノヴァはたっぷり間隔をとっての出走、前走で復調の兆しを見せた昨年の2歳最優秀牝馬カクテルライト、B級からですが勢いならプチョヘンザ(=put your hands up)、アークデージー、マルケイアローも虎視眈々。1400mという距離適性も見極めるべし!
JRA阪神競馬場では上半期のグランプリ宝塚記念G1です。兄弟の激突、三冠馬の復活への期待、G1連勝へ、シルバーコレクターの汚名返上か、さまざまな思いが交錯する真夏のグランプリ。「のりこの週刊おばさん白書」で実況生中継します。
2022年6月17日
3月の特別開催から続いた約4か月のロングラン水沢開催は、あさってからの日・月・火が春シーズンラストとなります。長いようであっという間、競馬をやっていると1年が早いとよく言われますが、岩手競馬シーズン日程の1/3が過ぎようとしています。
日曜日のメインは地元の古馬最強決定戦、M1重賞のみちのく大賞典です。登録のあったG1馬ヒガシウィルウィンは回避したもののフルゲート12頭が揃いました。パンプキンズ、グランコージーの先行勢、春の重賞勝ち馬マイネルアストリアにG1馬ヴァケーション、実力確かなゴールデンヒーラー、ファイントリックの4歳牝馬コンビ、前走A1平場圧勝の惑星ステイオンザトップ。優勝馬は岩手競馬の馬運車にその名が刻まれる、由緒正しいレースです。発走は18:15。加藤久智、清水康志、志田陽菜アナでお送りします。
また岩手競馬クロスを聞くと馬券もGETできるかも?!IBC競馬解説陣渾身の予想馬券をリスナーにプレゼントしています。
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「勝負の一枚」
●住所●氏名●年齢●電話番号をお書き添えの上お送りください。
「うまうまリクエスト」
馬にまつわる曲なら何でもOK!こちらも上記&リクエスト曲を書いてお送りください。
※いずれも投稿メッセージをいただけると大変うれしいです
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それでは伝統の一戦をラジオでお楽しみください。
2022年6月12日
きのうのチャグチャグ馬コ、天気に恵まれ開運橋付近で楽しんできました。日差しはちょっぴり強かったけど時折吹く風は心地よく観覧には最適でした。鈴の音、蹄音、馬のいななき、豪華な衣装、馬を支える人たちの姿はすばらしく、農作業がひと段落した初夏の岩手にはやはりこの行事がないと!と3年ぶりのチャグチャグ馬コを堪能。有意義な土曜日でした。
さてきょうの水沢競馬場のメインはB2クラスの特別レース・ジューンカップ1900mです。マクローが出走取消となって11頭立て。近走1400m~1600mが多いメンバーですが1800m好走組も何頭か、そして好調馬も揃って混戦が予想されます。
また火曜日に行われる岩手のダービー・東北優駿の話題も予定しています。グットクレンジングの2冠か、前走その2,3着に敗れたフォルエルドラド、フェルゼンハントの逆襲は?!裏街道からやってきた影の実力者フジクラウンなど見どころある東北優駿、(ラジオの中継はありませんが、、、)火曜日に岩手の3歳最強が決まります。
2022年6月5日
6月5日(日)のメイン、第7回早池峰スーパースプリントは
1番人気のキラットダイヤがスピードの違いを見せつけ圧勝、
昨年度の年度代表短距離馬が強さを見せつけました。
去年の覇者・1番人気のキラットダイヤ、一昨年の優勝馬・
2番人気のコンサートドーレは共に水沢の板垣厩舎の所属で
同じ馬主。レースは同じ勝負服の2頭が先行する予想通りの
展開となりました。特に行き足がついたキラットダイヤは
終始コンサートドーレに水を開けながらの逃げとなりました。
2頭から更に遅れての3番手争いには3番人気のカッチャオ、
ケイティデライト、アークオブメジャーが名乗りを上げるも
上位2頭を脅かすところまではいきませんでした。
結局ゴールではキラットダイヤが7馬身差をつけて快勝、
2着コンサートドーレから3着アークオブメジャーまでは
更に4馬身の差が付きました。昨年短距離重賞4連勝の実力に
かげりを見せなかったキラットダイヤ。今シーズンも
スプリント路線を席捲しそうです。
2022年6月4日
日曜日はラジオスタッフはこの時期恒例のイベント「平泉ウォーク」に出動。新緑の平泉はウォーキングにピッタリ。例年6月初旬の開催で暑くなるくらいの天候が多いですが、あすは最高気温20℃くらいとまさにウォーキング日和。午前10時~午後1時で専門家を招いての世界遺産平泉の史跡紹介をお送りしますのでお聴きください。
さてさて水沢競馬メインは850m、60秒もかからない超電撃戦・重賞の早池峰SSです。7月に行われる全国交流・習志野きらっとスプリント@船橋に通じる地方競馬スプリント戦線ですが、岩手の短距離路線としては7月の岩鷲賞→8月のクラスターカップ→そして11月の大目標JBCスプリントへ、、、という壮大な道のりを歩むためのステップとなります。筆頭候補はキラットダイヤ。昨年はこのレースから重賞4連勝、まさに「地元に敵なし」の状態を築き上げました。前走1400mの敗戦も昨年と同じ。守備範囲の850mなら本来の走りを見せてくれるはずでしょう。しかし昨年の1番人気だったコンサートドーレも黙ってはいません。この馬も850mは得意、テンの速さもあり、逆転候補の筆頭です。850m走破タイム50秒を唯一切っているサマニー、短距離戦線の常連ボタニーク、南関東から転入初戦のケイティディライトなどが出走しています。18:15発走、ぜひラジオでお楽しみください。
JRA東京競馬場では安田記念G1が行われます。のりこの週刊おばさん白書で実況生中継します。人気は割れております。ここ数年は本命馬の惜敗などもあり、一筋縄ではいかないレースという印象がありますが今年はいかに。。。
2022年5月29日
5月29日(日)のメイン・M3重賞イーハトーブマイルは
重賞初挑戦の4番人気、菅原辰徳騎乗の牡馬フジクラウンが
強い内容で勝ち、スターダムに名乗りを上げました。
上位人気は重賞で毎回入着を果たしてきたサンエイブレーヴ、
今シーズン3歳Aクラスで圧勝した経験のあるコイビトサンタ、
牝馬の重賞あやめ賞馬のマルルットゥの順で、フジクラウンは
未知の魅力を買われての4番人気でした。
レースは去年の年度代表2歳馬カクテルライトが久々に
楽に先手を奪うと快調に逃げました。見た目にも素軽い印象で
後続との差を取りながら先行しました。これを追いかけたのが
フジクラウンで、人気馬は中団に固まる形で追走しました。
前が止まらないとみてか、高松亮のマルルットゥが3角から
上昇し、3頭が抜け出す形で第4コーナーに向かいました。
中団からコイビトサンタ、ビッグモンドルーフ他も追い上げ
を見せたものの差は詰まらず、前3頭の争いになりました。
直線に入って抜け出したのはフジクラウン。これが重賞
初挑戦とは思えない力強い脚を見せ、完勝しました。2着に
6番人気カクテルライトが残り、マルルットゥが3着。
人気上位2頭が馬券からハズレ、三連単は60,940円の
穴馬券となりました。
去年のレースでは芝馬と思われたマツリダスティールが
ダートコースで覚醒しましたが、今年は新星フジクラウンが
今後の活躍を期待させる強さを見せました。
2022年5月27日
日曜日のメインは3歳による重賞競走・イーハトーブマイル1600mです。牡馬のクロールキック、グットクレンジングの2強は不在。牡馬クラシック第1弾ダイヤモンドカップ2番人気のサンエイゴールド、3番人気で連勝時の勢いを取り戻したいコイビトサンタ、牝馬重賞あやめ賞勝ち馬マルルットゥなどが出走予定です。
岩手競馬クロスでは「勝負の一枚」と題して、IBC競馬解説陣の推奨馬券を実際に購入し、抽選で1名の方にプレゼントする企画を実施中!ページ右側のメールフォームからのご応募も可能です。毎週実施していますのでドシドシご応募ください。
JRA東京競馬場ではいよいよ日本ホースマンの頂点・競馬の祭典、日本ダービーが行われます。皐月賞上位組はいずれも外枠。トライアル組もほぼ揃って整っております!「のりこの週刊おばさん白書」番組内で実況生中継でお送りします。
2022年5月22日
5月22日(日)水沢競馬の第7レースで、小西重征調教師が
通算勝利数1915勝を達成、岩手競馬における調教師としての
最多勝新記録を更新しました。
第7レースに出走したゴーフォーゴールド号が、所属騎手の
山本政聡騎手を背に快調に逃げ切り、記録達成となりました。
小西師は騎手時代にリーディング4連覇をふくみ1152勝をマーク、
1979年からトレーナーに転じました。厩舎からは不世出の名馬
トウケイニセイが育った他、幾多の重賞勝ち馬がうまれました。
既に平地競走での記録は更新していましたが、ケイガを含めた
勝利数で故阿部時男調教師が保持していた1914勝を上回った
ことで、名実ともに岩手競馬の最多勝調教師となりました。
44シーズン目・79歳の名伯楽は「形として残る記録を作れて
嬉しく思います」と語りました。
写真は小西調教師と、小西師を文字道理師と仰ぐ斎藤雄一
調教師です。
2022年5月22日
5月22日(日)のメインレース・M3あすなろ賞は赤松杯馬
マイネルアストリアが直線抜け出して優勝、みちのく大賞典
にむけて堂々の勝ち名乗りを上げました。
フルゲート12頭が揃ったレース、マイネルアストリアと
リリーモントルーが人気を分け合いました。この春転入し、
重賞で結果をのこしているマイネルアストリアを取るか、
ダートの特別で8戦6勝のリリーモントルーの安定度を評価
するかで評価が分かれましたが、結局はこの2頭のワンツーと
順当な結果となりました。3着のジェイケイブラックまでが
みちのく大賞典への優先出走権を獲得しました。
パンプキンズを早めに競りつぶしたマイネルアストリアは
直線入り口で早くも勝利を確定づける強さでした。好位置から
前を追ったリリーモントルー、追いこんだジェイケイブラック
も勝ち馬を脅かすところまでは行きませんでした。また、
転入初戦で中央時代アルゼンチン共和国杯3着の実績をもつ
マコトガラハッドも見せ場は作ったものの4着どまりでしたが
元々芝の実績の高かった馬、盛岡の芝・長距離のレースでは
ポテンシャルを発揮しそうな印象を残しました。
この日は人気薄の馬が上位に入って大穴が何度もうまれ
ましたが、メインレースは固く収まりました。
2022年5月20日
日曜日のメインは、古馬重賞1900mのあすなろ賞です。古馬の地元重賞最高峰・みちのく大賞典2000mのステップとして位置づけられているレースで1着~3着馬に優先出走権が与えられます。フルゲート12頭が揃った一戦、中心になりそうなのはリリーモントルー。今シーズンは平場戦を中心に使われて3戦2勝2着1回。シアンモア記念をスキップしてここに出走してきたのは、みちのく大賞典を見据えたローテーションでしょうか。南部杯地元最先着、今回と同条件の実績あり(1着)、安定感あり。目標に向かって負けられない一戦に見えます。マイネルアストリアは重賞・赤松杯でヴァケーションを破る金星を上げました。ほかには紅一点で元々は相手なりに走る堅実派ファイントリック、追い込み魅力のレールガン、A級平場の鬼で重賞3着の実績もあるジェイケイブラック、転入初戦のマコトガラハッドなど混戦模様か。日曜日は岩手は雨も降りそうな予報ですね。。。
JRA東京競馬場では3歳最強牝馬を決める優駿牝馬・オークスG1です。のりこの週刊おばさん白書番組内で実況生中継します。
2022年5月15日
5月15日のM1重賞・留守杯日高賞は船橋から遠征
してきたグラーツィア号が1番人気に応え優勝、1着賞金
500万円を獲得しました。
遠征馬6頭が出走した中2歳時に園田プリンセスカップ、
前走名古屋の東海クイーンカップを勝ったグラーツィアが
大外12番枠ながら実績を信頼され1番人気に推されました。
1番枠を引き当てた岩手のボサノヴァが2番人気、3番人気に
過去10年で3勝をあげている川崎のササノハクズが支持を
集めました。
先手に出たのは好枠を生かしたボサノヴァでした。
これを岩手のカクテルライトがマーク、更にグラーツィア
が外目を追走し、前3頭が後続をやや離す展開で進みました。
ビッグタマテルーフ、アテナ、ササノハクズらが好位から
前を伺いますが、先行争いから抜け出したボサノヴァと
グラーツィアが3番手以下を離す形で第3コーナーを回り
ました。この流れになればグラーツィアの地力がやはり上、
第4コーナーを先頭で回った時点で勝利をほぼ確定しました。
後続集団から伸びてきたのがビッグタマテルーフでした。
3歳の中級レースで毎回勝ち負けに加わってきた蹄跡から
穴人気になっていましたが、直線2番手を粘るボサノヴァを
徐々に追い詰め残り100mで2番手に上がりゴールイン。
3連単万馬券の立役者になりました。
勝ったグラーツィアはこれで重賞3勝目、獲得賞金を
1937.5万円に伸ばすと共にグランダムジャパンのポイント
を順当に積み上げました。笹川翼騎手は水沢初遠征も
自信に満ちた騎乗を見せてくれました。
2022年5月13日
日曜日の水沢競馬は3歳牝馬の全国交流競走・留守杯日高賞1600mです。南関東4頭、笠松2頭、地元岩手6頭のフルゲート12頭立て。3月~6月にかけて3歳牝馬たちが全国各地のシリーズ戦を走り、世代女王の座を競う「グランダムジャパン3歳シーズン」。8戦あるうちの留守杯日高賞は7戦目。現在3位タイにつけているグラーツィアは当シリーズ4戦目の東海クイーンカップを勝利、2歳時は笠松の全国交流競走2着と遠征に不安なしです。対する岩手勢はこのレースのステップで
4月のあやめ賞を勝ち重賞初制覇したマルルットゥ、そのあやめ賞で2着、前走から距離が延びたこのレースでリベンジを果たしたいボサノヴァ、伏兵陣も多彩な顔ぶれで3連系の馬券はなかなか絞るのが難しそうな一戦です。
JRA東京競馬場ではマイル女王決定戦・ヴィクトリアマイルG1が行われます。3冠馬で1年ぶりの出走のデアリングタクト、海外遠征帰りのソングライン、快速レシステンシア、3冠馬をねじ伏せた脚魅力のレイパパレ、昨秋の波乱が記憶に新しいアカイイト、そして白毛の女王ソダシ。。。ほぼ一線級が顔を揃えましたが、このレースも激ムズ。。。のりこの週刊おばさん白書番組内で実況生中継でお送りします。
2022年5月8日
5月8日(日)のシアンモア記念は、現役のjpnⅠホース
ヴァケーションが優勝、鞍上の木村暁騎手はデビュー21年目
にして嬉しい重賞初制覇となりました。
勝てる可能性の馬が何頭もいるシアンモア記念でした。
1番人気は去年の年度代表牝馬で、今シーズンのの初戦を圧勝
したゴールデンヒーラー、2番人気には2年前3歳三冠路線を
賑わせ、南関東でスピードに磨きをかけてきたグランコージー、
3番人気にはトライアルの赤松杯の勝ち馬マイネルアストリア
が推され、ヴァケーションは小差ながら4番人気に甘んじて
いました。全日本2歳優駿の勝利以降、ビッグタイトルから
遠ざかり強い印象を残せずにいたものの人気的には不本意
なものだったかもしれません。しかしパドック印象は上々、
更に有力馬が乗り替わりが多かった中、赤松杯に続いて
木村暁騎手が手綱を取ることがアドバンテージになりました。
レースは先行する可能性があったマツリダスティールが
若干立ち遅れ控える競馬に出たため、グランコージーが
単騎先頭で主導権を握りました。これをマイネルアストリア
が追走、ヴァケーションとゴールデンヒーラーが好位置を
マークします。向こう正面でマツリダスティールがマクリを
かけますが先頭争いには絡めず、先行した有力馬がそのまま
最終コーナーになだれ込みました。一旦はゴールデンヒーラー
が先頭を奪いかけますが内でグランコージーがもうひと伸びし
逃げ込みを図りました。一方、終始3~4番手につけていた
ヴァケーションが直線勝負に出ます。赤松杯の時にも見せた
鋭い差し足は、たたいて2戦目の上積みもあって、より
重厚に見えました。残り100mでグランコージーを捉え
見事に勝利!1着賞金1000万円を獲得しました。
終始冷静に乗った木村暁騎手は、十分に乗り馬の実力を
引きだし、嬉しい重賞初制覇を成し遂げました。
2022年5月6日
天気よく、後半は暑くなったゴールデンウィークはいよいよ最終盤となりました。5/3火曜日、体験乗馬を目当てに子供を連れて水沢競馬場にお邪魔しましたが、ご飯を食べている間に締め切られる大盛況。矛先を変えて内馬場へ。こちらも子供たちで賑わっていました。内馬場へはスタンド前にある地下道を通っていくのですが、あまり来ることがないので見る景色が新鮮!向こう正面もかなり近く、写真を撮る家族連れもいました。寒くもそんなに気にせず、のびのびと過ごせる季節、競馬観戦には最高の季節です。
さて日曜日は、今年1着賞金が1000万円に倍増した1600mのシアンモア記念。トライアル赤松杯の上位勢も顔を揃えている中、3月のシーズン初戦を圧勝したゴールデンヒーラーが登場します。昨年は3歳牡馬クラシック路線に果敢に挑戦、船橋遠征も果たすなど大活躍し、2021シーズン最優秀牝馬に選ばれました。今回騎乗する山本政聡Jも2度目の手綱となります。再転入のグランコージーは南関東のペースにも慣れ、代名詞の逃げ作戦でB級を卒業し岩手に戻ってきました。枠も外過ぎず、マイル戦で先手スンナリなら単も見えてきます。A級連勝ミツカネラクリス、栗駒賞制覇から中1週ロックスピリットなど多彩なメンバーになり、GWを11頭が締めくくります。
JRA東京競馬場ではNHKマイルカップG1が行われます。毎年難解なイメージのあるこのレース。のりこの週刊おばさん白書で実況生中継します。
2022年5月1日
5月1日のM1・ダイヤモンドカップは大井から転入2戦目、
1番人気のグットクレンジングが人気に応えて優勝しました。
トライアルのスプリングカップの勝ち馬クロールキックが
若干の体調不安から出走を回避したため、予想が難しく
なった面もありましたが、終わってみればスプリングC2着
グットクレンジングが順当に勝利を収めた形となりました。
人気面では、スプリングカップは前前の攻めた競馬が、結果
裏目に出た印象のサンエイブレーヴ、この春条件戦を連勝
してきたコイビトサンタが2番人気を争い、残りの7頭は
いずれも単勝では10倍以上となりました。
スタートを決めたクリアウェーブ、久々ながらスピードの
あるフェルゼンハントが先行、人気のグットクレンジングは
フォルエルドラドと好位につけ、盤石の態勢で進みました。
コイビトサンタとサンエイブレーヴは並んで中団を追走
しますが、折からの不良馬場も影響してかなかなか捲る脚を
見せられず苦戦の様相を見せます。後退したクリアウェーブに
変わって先頭に立ったフェルゼンハントが見せ場を作ります。
不良馬場が芝のスピード馬をよみがえらせたような気配で
”もしかして”と思わせる場面を作ります。しかし本命馬には
余裕がありました。最終コーナーで先頭に立つと、追い上げる
フォルエルドラド、粘るフェルゼンハントを尻目に、十分な
リードを保ってゴールイン。三歳三冠の最初の関門を通過
して見せました。2着のフォルエルドラドはこの馬らしい
安定度を重賞でも発揮できたことで収穫がありました。
3着のフェルゼンハントも今シーズン初戦ながら、素質の
高さを証明しました。トライアルから一転、控える競馬を
したサンエイブレーヴは僅差ながら4着。穴人気を集めた
コイビトサンタは着外に敗れましたが、元々が激走か
凡走化のタイプ、今回は泥をかぶったためか勝負に加わる
ことはできませんでした。
勝ったグットクレンジングはスプリングカップよりも
明らかに状態がアップしていた(板垣調教師談)ということで
今後の活躍にますます期待が高まります。
2022年5月1日
世の中はゴールデンウィーク。土曜日は好天だったこともあって盛岡市街地も人出が多いように感じました。子供のいるご家族はどこに連れて遊ばせようかなかなか悩むこともあると思いますが、水沢競馬場ではGWでイベントもりだくさん!ポニー乗馬も久しぶりの復活で(名馬館D)個人的には連れていきたい!きれいなお馬さん、遊具もそこそこに、芝生でのびのび、大人は馬券、ご飯もうまい!ひいき目かもしれませんが、控えめに言って最高!おすすめなんですよ~。是非コロナ対策しながらお出かけください。
日曜日のメインは、3歳の岩手クラシック戦線第1戦となるダイヤモンドカップ1600mです。前哨戦スプリングカップを買ったクロールキック不在となりましたが、同2着グットクレンジング、4着サンエイブレーヴ、今シーズンになり急成長のコイビトサンタなどが相まみえています。
JRA阪神競馬場では天皇賞春G1が行われます。のりこの週刊おばさん白書で実況生中継。ディープボンドが前日オッズではあアタマひとつ抜けた人気になっていますが、群雄割拠の一戦といった様相です。
2022年4月24日
4月24日(日)のメインレースM3重賞の栗駒賞は
高知から転入4戦目のロックスピリットがゴール前で
本命キラットダイヤを差し切って優勝しました。
昨年度の年度代表短距離馬、快速キラットダイヤを
中心に、この距離に実績のある9歳馬タイセイブラスト、
10歳のスティンライクビーらがどう挑むかがレース
前の焦点でした。昨年は1200m以下の重賞で
4戦4勝、抜群のスピードを見せたキラットダイヤに
とって、唯一の不安点は1400mの距離でした。
中央時代を含め勝ち星は1200m以下に限られて
いる為、あと1ハロンをどうこなすかでした。
事実、レースはそこがポイントになりました。意表を
ついてツルオカボルトが逃げ、タイセイブラストが追走、
キラットダイヤは3番手につける展開になりました。
スピードの違いから一気にハナに立つ手も考えられ
ましたが、やはり距離を意識したのか、無理をせずに
番手の競馬を選択したように見えました。それでも
力は上位、ハイペースでやりあった前2頭が失速後
先頭を奪うと、最後の直線逃げ込みを図りました。
ただ、1000~1200mのレースで見せたような
切れは感じられず、3角から捲ったロックスピリット、
スティンライクビーがキラットダイヤを捉えにかかり
ました。逃げ込みを図るキラットダイヤも良く粘った
ものの、追う者の強味。最後はロックスピリットが
ハナ差で差し切りました。1・2着は共に板垣厩舎
でしたが、レース後板垣調教師は、ロックスピリットに
騎乗した山本聡哉騎手の手腕を讃えていました。
一方キラットダイヤも休み明け、実績のない距離という
ハンデを考えれば恥ずかしいレースではなかったと
思います。
2022年4月22日
筆者、先週は無謀にも北上展勝地に行きました。が、たどり着けず。橋を渡って対岸についたところで車が全く動いてなく、あえなく早々に断念しました。無念。どうやら週半ばあたりが満開だったようですが場所によってはこんもりした桜を楽しめましたし、天気も良くまさしく行楽日和!渋滞で疲れたので途中温泉につかり春の一日を満喫しました。水沢競馬場の桜もピークは越え、間もなくゴールデンウィークへと突入します。依然としてコロナの不安はありますが、少しずつ日常に戻っていく様子は春の陽気同様にうれしい気持ちになります。
日曜日のメインは、短距離重賞の栗駒賞1400m。昨年の最優秀短距離馬キラットダイヤの今シーズン初陣です。昨年は5戦4勝の重賞4連勝。とにかく1200mの強さが半端ではなく後続に大きな差をつけて勝つ姿はまさにキラッと速くてキレのあるもの。そもそも長距離よりも短距離のほうが着差ってつきにくいものなのですが、勝ち時計も早くやはりアタマ一つ抜けた存在で活躍も納得でした。しかし昨年のとりこぼした1戦が、今回と同じパターンの水沢1400m。そこをどう判断するかは、アナタ次第!あとは安定感のあるツルオカボルト、スティンライクビー、古豪タイセイブラストなど短距離ランナー10頭で行われます。
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2022年4月17日
4月17日(日)のメインあやめ賞が満開の桜のもと行われ
5番人気のマルルットゥが有力視された今年の転入馬を抑え
鮮やかな差し切り勝ちを収めました。
1番人気は金沢の重賞勝ち馬で転入初戦を勝ったボサノヴァ、
2番人気が川崎からの転入初戦を快勝したアテナで、この2頭
以外は単勝人気で10倍以上を付けました。
先手を取ったのは去年の年度代表2歳カクテルライトでした。
2歳時重賞2連勝のスピードを生かし逃げの手を打ちましたが
セイシーキング・アテナの5枠二頭が楽をさせずに追走し、
ボサノヴァも差のない4番手でプレッシャーをかける展開に
なりました。緩みのない流れで向正面を進む中、追い込みが
武器のマルルットゥがいい手応えで上昇、第3コーナーでは
12頭立ての5番手まであがり勝負に加わってきました。
カクテルライトが苦しくなって後退する一方、アテナが
先頭に立って第4コーナーを回ります。これにボサノヴァが
競りかけて人気2頭での決着になるかと思わせましたが、
前半からエンジンをふかし続けたせいか、伸びを欠きました。
変わって3番手に上がったマルルットゥが前二頭を射程に
外から追い上げます。高松亮騎手の気迫のムチに応えて
一完歩ごとに差を詰め、一旦先頭に立ったボサノヴァを
ゴール前で捉え差し切りました。レース後の高松騎手は
満面の笑みを浮かべ、会心のレースを振り返っていました。
ハイペースを利したことは間違いありませんが、馬体なども
昨年に比べ成長しており、差し脚に磨きがかかった印象です。
馬名はフランス語で「愛する人」。ファンにも愛される
存在に育ってきました。
2022年4月17日
きょうのメインは3歳牝馬による重賞・あやめ賞1400mです。昨シーズンの最優秀2歳牝馬カクテルライトですがシーズン終盤の2戦で少しトーンダウン。今回のレースでは転入馬もいますが地元馬のみの重賞であること、そして1400mとなれば巻き返しも考えられますが、様相としてはボサノヴァが筆頭の感があります。金沢の重賞プリンセスカップ優勝、笠松遠征で3着と場数も踏んでいますし、何より持ったままの前走が強い勝ち方。鞍上も3週連続重賞制覇を狙います。
JRA中山競馬場では3歳牡馬クラシック初戦・皐月賞G1が行われます。のりこの週刊おばさん白書番組内で生放送しますが、随分人気が割れています。一筋縄ではいかない最近のG1。ちょっと買い方を変えてみようか。。。
2022年4月10日
興味深いメンバーが集まった4月10日のメイン赤松杯は
JRAからの転入馬ながら、去年盛岡競馬場で行われた特別
東京カップけやき賞に遠征し勝ったマイネルアストリアが
直線抜け出して快勝しました。
レースは去年11月の北上川大賞典以来の出走となる
マツリダスティールが先手を奪いました。マークに出た
ヴァケーションは2019年のGⅠ全日本2歳優駿の優勝馬、
今回は半年以上のブランク明けで+16キロの馬体重が
嫌気されて4番人気に甘んじましたが、注目の一頭でした。
実績から逃げると思われたマイネルアストリアは3番手。
過去JRA1勝、地方の交流競走2勝を先行力でものにして
いただけに苦しい位置取りにも見えましたが、山本聡哉
騎手の手ごたえは十分で、3~4角中間で2番手にあがり
直線入り口で先頭に立つとそのままゴールへ向かいました。
一方、一旦3番手に下がっていたヴァケーションが直線
外から盛り返しました。勝負所でやや苦しさをのぞかせた
ものの、最後はギアを入れ替えてマイネルアストリアに
首差まで迫っての2着でした。3着には南関東から再転入の
ヤマショウブラックが、この馬らしい差し足で入りました。
マツリダスティールは、楽な逃げにならず4着に沈みました。
ただ休み明けで+13キロだったことを考えれば、巻き返す
余地は十分ありそうです。実力馬がそれぞれ現時点での
力を出し切った見ごたえのあるレースでした。
勝ったマイネルアストリアはまだ今回でキャリア19戦目。
初の1600mの勝利(過去3勝はいずれも1800m)・初の
右回りでの勝利で、前途を自力で切り開いた印象です。
2022年4月10日
筆者、開幕日は水沢競馬場へ参戦!過去2回の水沢遠征は昨シーズンの冬。このいずれもが競馬場到着直後に走路状況悪化のための中止となった憂き目にあったものが、気温も高く絶好の競馬日和ということで、今回は何の不安もなく現地入り。携帯電話の機種変更を終えてからの水沢入りとなったので少し遅くなり、レースはすでに折り返しの場面。目当てにしていた肉巻きおにぎりは完売(すでにブースはカラでした。。。残念!)、ホル定と中華に舌鼓を打ち、発走を間近に控えたG1大阪杯の馬券を仕込むため券売機へ向かうと、なんと弊社加藤アナに遭遇!少し雑談し豆券を購入。筆者はチマチマワイドを買うタイプの人間で、そのあとの水沢のレースも全部買いましたが、軸馬4着の縦目が多いこと多いこと。。。かみ合わない典型的な例。ま、そんな日もあるということで久しぶりの観戦を楽しく過ごしました。すでに発表になっていますが今年も向こう正面の桜の入場ができないことになりました。残念ですがまだまだ感染者が減らない県内ですから致し方なし、少しでも近くで見たいなら内馬場から全景を眺めるのもいいかもしれませんね。
さて開幕日は今年の3歳路線を占うレースでしたが、今日のメインは4歳以上の古馬戦線を占うこちらも重要な一戦・赤松杯(せきしょうはい)1600mが行われます。今年の古馬路線はフレッシュな顔ぶれ、4歳のマツリダスティールは1年ぶりの水沢凱旋で、成績だけ見ると多少ムラな面はありますが生え抜きの実力馬ですからやはり期待したくなります。そしてJpn1馬ヴァケーションが岩手転入。所属していた南関東での近走は振るいませんが秘める能力はメンバー随一ですから目が離せません。ほかにも南関東A1のリュウノセンター、安定感のあるツクバクロオー、JRA3勝クラスからの転入マイネルアストリアなど10頭で争われます。
岩手競馬クロスでは解説陣の予想馬券をプレゼントする「勝負の一枚」のコーナーを毎週展開しています。メール、FAX、はがきでご応募を随時受付けていますので、ぜひご参加ください。※このページ画面の右側に宛先を記載しています。
のりこの週刊おばさん白書では3歳牝馬クラシックの第1関門、JRA阪神競馬場のG1桜花賞を実況中継しますので、こちらもお楽しみに。
2022年4月3日
2022シーズンの岩手競馬はきょうが開幕。現在(日曜あさ)は快晴!最高の競馬日和になりそうです。今年はJBCも開催される岩手競馬。賞金額もアップ!昨年の年度代表馬で、長年岩手の屋台骨を支えてきたエンパイアペガサスが引退。古馬戦線の勢力図も一変するでしょう。2歳、3歳、短距離、牝馬戦線、そして芝路線も熱い戦いが繰り広げられることと思います。3月から再開した岩手競馬クロスもさらに放送枠を拡大!盛岡開催最終週まで、のりこの週刊おばさん白書番組内はもちろん、その後の17:00-18:25でたっぷり実況をお送りします。加藤久智はじめとする楽しい仲間たちが賑々しくお送りします。
きょうのメインは3歳オープン開幕日恒例のスプリングカップ1600mでスタートします。クロールキック、リュウノガルシア、サンエイブレーヴなどの昨シーズンも岩手で活躍していた馬たちのほか、高知の重賞2着実績あるグッドクレンジング、園田姫路で12戦2着8回という安定感を誇るエイシンリュージュも有力候補となっています。
のりこの週刊おばさん白書ではJRA阪神競馬場のG1大阪杯の模様もお伝えします。こちらもお楽しみに。