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アニメ・漫画で発信! ポスタージャックも仕掛ける若者たちの思い/宮古市

<ニュースエコー 2023年2月22日>

 東日本大震災の発生からまもなく12年。被災地域の人口減少が課題となる中、アニメや漫画を通じてまちを発信している若者たちが、岩手県宮古市にいます。
 アニメ動画を作ったのは「三陸宮古の明日を映す実行委員会」です。震災後も人口減少が進む中、アニメを通して若者たちが交流できる場を作ろうと2014年に立ち上げられました。

(宮古の明日を映す実行委員会 三浦洋佑さん)
「アニメでしかできない表現って結構あるじゃないですか。現実のドラマではできないような表現の幅の違いだったりとか、曲がアニメの内容にリンクしていたりとかがすごく心に響く。宮古を盛り上げていきたいという思いが強くて、自分たちも活動していく中で、宮古の外の人たちにも、宮古が良いまちだというか、こういうおもしろいことをやっている人もいるんだぞっていうところを、皆さんに知って頂いて、どんどん宮古に人が来てくれるようになったらいいなと思います」
 実行委員会のメンバーは、アニメやアニメソングが好きな会社員や学生合わせて20人ほど。宮古市出身・在住のメンバーのほか、宮古にゆかりのあるメンバーなどが在籍しています。
 中には東日本大震災で被災したメンバーも。当時、高校卒業を控えていた大坂尭さんは教科書販売のアルバイト中でした。

(宮古の明日を映す実行委員会 大坂尭さん)
「ちょうどここですね。並んでいた棚が全部バタバタ倒れてきて。そこに宮古小学校があったので避難をして」

 大坂さんが避難したおよそ20分後、津波が宮古のまちを襲いました。
 
(大坂さん)
「自転車もダメ。道中見たら、NTTのビルに船が突き刺さっている。ガソリンスタンドの建物が流れて横にずれていて、止まっているなこれ、という感じで。当日よりその次の日の、落ち着いて目の当たりにした風景の方が結構衝撃的なことが多くて。それを見た時に、本当大丈夫かな宮古って」
若者集めるイベント「ミヤクラ」

若者集めるイベント「ミヤクラ」 定着もコロナで新たな展開に


 自分たちの好きなもので宮古を元気にしていきたい。そんな思いで2015年に本格的に活動をスタート。
 「ミヤクラ」というアニメソングを中心としたクラブイベントやDJイベントをはじめ、人気声優を招いたイベントを開催し、宮古市内外から多くの若者が集まるイベントとして定着しました。
 しかしイベントは新型コロナウイルスの影響を受けます。

(三浦さん)
「イベントをメインに活動してきた団体だったので、イベントができなくなってしまうっていう状況が辛かったですね。この先、どう活動していこうかっていうのも、最初はすごく悩んだので」

 思うような活動ができない中、自分たちが作ったキャラクターに注目。人気声優を起用し、手洗い・マスク着用の啓発ポスターや動画を作成しました。

 ポスターは飲食店や学校・公共施設など県内800か所に掲示しました。

(三浦さん)
「たまたまどこかのお店にミヤクラとして行った時に、お客さんで学校で見たことありますよっていう声が実際にあって、本当にたまたまその時会った人だったので、まさかっていう。そのくらい知ってもらえているんだなって思ってすごく嬉しかったですし、活動してきたかいがあったな、(啓発ポスターの)効果があったんだなって実感できた瞬間でした」
盛岡駅ポスタージャックが決定

キャラクターが宮古をPR 盛岡駅「ポスタージャック」が決定


 さらにキャラクターを活用していこうと考えたメンバーは3月11日に合わせてJR盛岡駅の構内をポスターで埋めつくすことに。
 ポスタージャックはミヤクラのキャラクターを使って復興への輪を広げるとともに、宮古のまちを発信します。
 クラウドファンディングで資金を集めたところ予想を上回る支援があり、当初の予定よりも規模を大きくして開催することが決定しました。

 この日はポスターのデザインを決める最終打ち合わせが行われていました。
 ポスターの背景には今まで自分たちが作ってきた4コマ漫画をちりばめます。

「コラボしている人目立たせたいよね。ロボットも入れたい」
「これを1枚にまとめて、やってもいいかもしれないな。すごくご協力いただいているなって思うよね。これはまず絶対必要。確定ですね。確定」

 大事にしたいのは宮古らしさです。

(三浦さん)
「(ミヤクラで作った)一番最初の4コマと、郷土芸能感のある宮古の山口太鼓と田代念仏剣舞の4コマはまず入れたいのと、各イラストレーターさんの作品1枚ずつは入れたい。真ん中に書いているんですけれど『逢おうよ、宮古で。』っていう。宮古に来てほしいですね。宮古を知ってもらって、来たいと思ってもらえるようなデザインのポスターに仕上げたいと思っているんで」

 4コマ漫画の土台となるネームにもこだわりが。

(4コマ漫画ネーム担当 菊池心音さん)
「ウミネコ系のネタとか、宮古市民が見たら、あぁ分かる!って思うものを意識して描いています」

 宮古ならではの文化や情報をキャラクターや作品の個性として落とし込むことができる。アニメ、漫画だからこそ伝えられる新しい町の魅力があります。

(グッズ担当 武藤弥生さん)
「キャラクターとして根付いているというところも含めて、宮古の復興、少しずつ未来に向けて変わっていっているところを少しでも感じてもらえれば」

 好きだというパワーは無限大。ポスターは3月8日から14日にかけて、JR盛岡駅の構内に登場します。
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