震災から8年半
2019年9月25日
東日本大震災から3120日
釜石・鵜住居にラグビーW杯がやってきた
2019年9月25日
東日本大震災から3120日
釜石・鵜住居にラグビーW杯がやってきた
舞台は釜石鵜住居復興スタジアム
津波で全壊した鵜住居小と釜石東中の跡地に建設された
ピッチサイズは170m×70m
グラウンドにはハイブリッド天然芝が敷き詰められた(芝面積130m×80m)
固定スタンド約6000席に加え、仮設スタンド約10000席が設けられ
収容人員約1万6000人のスタジアムとしてW杯を迎え入れた
鵜住居で行われるのは予選リーグの2試合
初戦のキックオフを前に、招待された釜石市内14校の児童生徒約2200人が「ありがとうの手紙」を合唱
世界中からの震災復興支援に感謝した
そして、1万4025人の観客と選手が震災津波の犠牲者に黙祷を捧げた
過去3度の出場でわずか2勝のウルグアイが奇跡を起こす
水色のジャージーが躍動する
低く鋭いタックルで、フィジーの奔放なパス回しを封じた

ウルグアイが格上のフィジーを制した
タックルを浴び、ボールを次の選手に託す
倒れても、起き上がる
W杯の舞台で、鵜住居のスタジアムで
目の当たりにするラグビーの神髄
人々はその姿に「震災からの復興」を重ねた


ラグビー日本選手権で前人未踏の7連覇を達成した新日鉄釜石
「北の鉄人」は、まちの誇りだった
2011年、そのまちを東日本大震災の津波が襲った
津波で傷ついたこのまちに誇りを取り戻そう
立ち上がったのは、あの7連覇を成し遂げた戦士たち
旧新日鉄釜石のラガーマンだった
「ラグビーを通じた復興支援」を掲げ、新日鉄釜石OBや応援団が「スクラム釜石」を結成
震災からわずか2か月、2011年5月のことだった
そして、掲げられた夢は「2019年のラグビーワールドカップ釜石招致」
誰もが夢だと思っていた
津波で多くの市民が犠牲になり「被災者の感情に配慮すべき」という声も確かにあった
しかし復興を後押しする夢の実現に向けて、少しずつ市民の思いがひとつになる
そして…
2015年3月2日
釜石・鵜住居でのラグビーW杯開催が決まった
W杯開催の1年前、2018年8月19日 会場となる釜石鵜住居復興スタジアムが完成した
山と海に囲まれたW杯会場としては最も小さなスタジアム
それでも、どこにも負けない大きな思いに満ちあふれたスタジアムだ
キックオフ宣言 釜石高校2年洞口留伊さん

2019年10月13日
釜石で行うはずだったラグビーW杯の2試合目 カナダ―ナミビア戦は
台風19号の接近で中止となった
誰もが「あと1試合」を待ち望んでいた
しかし何よりも大勢の人たちの安全を重視した「中止」の決断
それは「命を守る」ことを最優先とする東日本大震災の教訓でもあった
試合が中止となったカナダ代表は
台風被害をうけた釜石市内で、市民とともに道路の泥かきをした
被災した家々から水につかった家財道具を運び出した
ナミビア代表もキャンプ地の宮古市で急遽交流会を開き
被災した市民や子供たちを励ました
日本代表が初の8強入りを果たし、
2019年、日本で開催されたラグビーW杯は成功に終わった
One for All
All for One
釜石・鵜住居の教訓は、ラグビーの感動とともに世界に向けて発信された