気象と防災 マメ知識!

IBC岩手放送ホームページでは、広告・番組情報配信、閲覧履歴解析等のためにクッキーを使用しています。このお知らせを閉じるか閲覧を継続することで、クッキーの使用をご承認いただいたものとします。オプトアウトや詳細についてはIBC岩手放送「サイト規定」をご覧ください。

気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

お便り・お問い合わせ

620回「宮城県沖地震」2021年4月3日OA

2021年04月03日 6:00 PM

先月20日午後6時9分、宮城県沖を震源とする地震では、仙台市や石巻市など宮城県で震度5強、県内でも最大震度5弱を観測。宮城県沿岸には一時、津波注意報が出されましたが、津波は観測されませんでした。総務省消防庁によりますと、けがをした人は、宮城県9人、岩手県1人、福島県1人、計11人です。県によりますと盛岡市で40代の女性が転倒して口の中を切る軽いけがをした他、遠野市で住宅の外壁が一部崩落する被害などがありました。気象庁はこの地震について東日本大震災の余震とみられるとしています。

今回の地震について津波工学を専門に研究している東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長は『地震の発生した場所が沿岸部に非常に近い。地震の真上で津波が発生して、津波の到達も揺れと同時ぐらいに起きた』と解説します。県内では過去に、揺れの後すぐ津波が来襲し被害があったというデータは無いとのことですが、同様の条件で津波が来る可能性があり、岩手も例外ではないと指摘します。今回、県内には津波に関する発表はありませんでした。隣の県で津波の注意報や警報が出された場合、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。今村所長は、2016年の福島県沖地震を例に挙げます。11月22日午前5時59分、福島県沖の深さ25キロでマグニチュード7.4の地震が発生しました。午前6時3分、福島県に津波警報、宮城県には津波注意報が出されました。その後、午前8時9分、宮城県の津波注意報は津波警報に切り替わりました。今村所長は『津波が大きくなり宮城でも警報に変わった。こういう状況もあるので岩手の南側では宮城県の情報を、北側では青森での情報を得るようにしていただきたい』とアドバイスします。

今後の地震について、今村所長は『震災から10年が経った。余震の活動は少なくなっていたが、今年から少し多くなり、2月13日以降、活発化している。大きな地震、又は余震が一定の大きさで起こると、海底で力のバランスが少しずつ、ずれてしまい、そういう所では地震が誘発されやすくなる。今までの状況ではなく、活発化しているということを頭に入れて頂きたい。又、全体の揺れで地盤が緩くなっている。揺れに対する備えの他、土砂災害への備えも頭に入れておいてほしい』と、備えの継続を呼びかけています。

IBCラジオPR
IBCワイドFM

619回「三鉄の物語」2021年3月27日OA

2021年03月27日 6:00 PM

東日本大震災で被災し、復興するまでの三陸鉄道と沿岸各地の街並みを描いた絵本「リアスのうみべ さんてつがゆく」が先月、岩崎書店から出版されました。作者は野田村出身で久慈市在住の詩人、宇部京子さんです。三陸鉄道が陸中野田駅から久慈駅の間を力強く走り出したのは、震災発生からわずか5日後のことでした。宇部さんは『水がない、電気がない、ガソリンがない、灯油がない、国道を車1台も走っていない。そんな時に走れるわけがないだろうと。だけど走ってきたんです』と当時を振り返ります。宇部さんは支援物資の仕分けや民家の泥出し、そして野田村図書館の再建とふるさとの復興のために尽力しました。震災から2年が経った頃、『ガレキは少しずつなくなっていくけれど、三鉄がその上を毎回ちっちゃい体で走っていく。一生懸命つぶさに見ていると、5日後に走った三鉄もすごいけれど、その後の三鉄のこともやっぱり書きたくなりました』と筆を執った思いを語ります。

宇部さんの方言を使った温かい語り口の文章に、優しいタッチの絵を添えたのが、盛岡市在住のイラストレーター、さいとうゆきこさんです。震災後映画の上映会などのボランティアで被災地を回り、その活動から『生きた芸術は人々の心をほぐす力があると感じた』と言います。絵本の制作に携わるのは今回が初めてだった、さいとうさんは、宇部さんが紡いだ物語を丁寧に読み解くことで、絵の世界観を広げていきました。海辺の松林に鮮やかな草花が描かれたシーンは、津波によって失われた、宇部さんの心の中にいつまでも残るふるさとの風景。一番力が入った場面だと振り返ります。

宇部さんは『現場にいた人間は、後世にこういうことがあったと伝えなければならない使命がある。そして子ども達に、色々なことがあるけれど、打開策を考えて行動する勇気や決断力を伝えていけたら』と、絵本に託した思いを語ります。絵本は、こんな言葉で締めくくります。「みんながげんきになれば あっちも こっちも つながって あだらしいせかいが はじまるんだ。ほれ、ポッポー!!」被災地で暮らす人達を励まし、力強く走り続ける三鉄。この絵本を親子で読むことで、震災を見つめ、復興のその先を考えるきっかけになりそうです。

 

618回「震災10年」2021年3月20日OA

2021年03月20日 6:00 PM

震災から10年。私は3月11日、県と市の合同追悼式が行われた陸前高田市に参りました。陸前高田では県内で最も多い1606人が亡くなり、202人が行方不明。総世帯数の半数にあたるおよそ4000棟の住宅が全半壊したほか、市役所などの公共施設も全壊するなど壊滅的な被害を受けました。去年4月11日に開館した高田町にある市民文化会館「奇跡の一本松ホール」は、一般参加の献花会場でした。大船渡から献花に訪れた50代夫婦は、奥様のお父様が高田町で津波に呑まれ、5日後、変わり果てた姿で見つかりました。ガンの手術が成功し、1年経った頃でした。彼女はこの10年を『時間の感覚が無い』と振り返っていました。そして当時、中学生の娘さんは東京で看護師になり『花嫁姿を見せたかった』と無念を口にしていました。

陸前高田市の人口は震災前、2万3000人を超えていましたが、今年1月末現在1万8000人余り。震災以降、減少が続いています。市内に住む60代女性は『広報を見ていると、誕生より亡くなっていく人が多い。生まれる人が少ない。悲しくなる。子ども達が少なくなっている。周りに子どもの声がない』と寂しさを滲ませます。市の中心部周辺は、津波の浸水地で10mかさ上げされました。背後の北側の山は削られ、高台団地の造成が行われ住宅が立ち並びます。今年5月に業務開始予定の市役所の新庁舎は濃い灰色の7階建てで、この日もバックホーやトラックが行き来していました。かさ上げ地は、新しい商店や住宅がまだ少なく、空き地が広がり、草が生い茂っています。まち作りは緒に就いたばかりです。

新型コロナ禍の中、県外からのお墓参りの姿は減っています。又、人との接触の制限は、被災地の高齢者の孤立感に拍車をかけています。震災で妻、義理の母親、長男が帰らぬ人になった大槌町の80代男性は、仮設住宅を出て3年前に自宅を再建し1人暮らしです。彼は『仮設の頃は支援の人が来てくれた。今は家にただいるだけ。テレビとにらめっこ。退屈でしょうがない。1人でいるのが辛い。とにかく健康が不安』と語っていました。心の安定に繋がる地域のサポートが必要と感じました。あれから10年は、終わりという意味の区切りではなく、震災は続いています。

616回「震災メモリアルパーク中の浜」2021年3月6日OA

2021年03月06日 6:00 PM

宮古市崎山にある「震災メモリアルパーク中の浜」を訪ねました。震災の記憶や自然の脅威を後世に伝える公園です。震災前の中の浜は三陸の海に臨む緑豊かなキャンプ場として、海水浴シーズンを中心に多くの利用者が訪れる場所でした。しかし2011年3月11日、15mを超える津波が押し寄せました。3月ということで利用者はいなかったものの、管理棟や炊事棟、トイレなどの施設が失われました。津波は中の浜から約1キロの内陸まで達し、キャンプ場の奥にあった家屋も大きな被害を受けました。

浜辺の駐車場で車を降りると、約100m東に青い海が広がり潮風が心地良く吹いていました。振り返ると高さ80m程切り立った山林があり、その途中の枝に赤い球体がぶら下がっていました。大津波により約17.3mの高さに引っかかったままの漁具です。建物で言えば6階に相当し、改めて大津波の恐ろしさを実感します。キャンプ場のトイレや炊事場は当時のまま保存されています。シャワー室も併設されていたトイレは白い外壁の平屋で、無残に壊れ近づけません。ドアも窓も無くなり、外壁は剥がれ、天井からは紺色の布ようなものが垂れ下がり、10年前から時間が止まっています。蛇口が並ぶ炊事場を囲む柱は中折れし、赤茶けた鉄筋が何本も剥き出しになっています。傍には震災前のキャンプ場の写真パネルがありました。炊事場は屋根があり東屋でした。周囲は美しい緑に囲まれ、芝生の上にテントが張られたその1枚から、かつて人気キャンプ場だったことが伝わってきました。

公園の中心には園内を一望できる「展望の丘」が設けられています。大型トラック2800台分の震災ガレキ由来の再生資材を使って作られています。高さ13mの丘の上に立ち海を眺めるとちょうど視線が津波の高さとなるよう設計されています。公園を取り囲む山々には津波が斜面を駆け上がった高さが記されていて、最大21mの表示はいち早く高台に避難することの大切さを教えてくれます。又、公園の一角には2014年に植えられた、まだ若いミズナラ、ケヤキなどが約400本ありました。津波で失われた木々を再生しようと、森づくりが進められているのです。「震災メモリアルパーク中の浜」は、自然と触れ合いながら、自然の恵みと脅威を学べる場所になっています。

 

613回「盛岡藩 災害の記憶」2021年2月13日OA

2021年02月13日 6:00 PM

盛岡市内丸にある「もりおか歴史文化館」では、江戸時代の盛岡藩で起きた災害を振り返る企画展が開かれています。盛岡城を中心とする盛岡藩は、現在の岩手県・青森県・秋田県にまたがるエリアで、長い海岸線を持つ大きな藩でした。もりおか歴史文化館には盛岡藩の家老が江戸時代を通じて書き続けた政務日記などの貴重な記録類が保管されています。その内、地震と津波、岩手山の噴火、城下町盛岡での洪水や火災について、絵図や文献資料など30点を展示し、発生時の様子や被害状況ついて紹介しています。

幕府に提出する為に盛岡藩全域を描いた「盛岡藩国絵図(くにえず)」は、縦2m、横3mと大きな地図で、企画展にあわせ、江戸時代に地震、津波の被害があった場所にシールを貼り示しています。盛岡、花巻、三戸などには青いシールが貼られ、1772年=明和9年の地震で被害があったことを示しています。記録によりますと「明和9年5月3日、晴れ。大地震あり。地割れ発生。盛岡城の石垣2か所膨らむ。武家屋敷など所々破損。盛岡城以外では遠野、大槌、宮古で被害。特に崖崩れによる被害が各地で多発し、男性5人、女性6人、馬21頭、牛1頭が死亡」とあります。陸域の震源の浅い地震で、内陸の被害が目立ちます。一方、沿岸部には黄色いシールや濃いピンク色のシールが貼られています。それぞれ1793年=寛政5年、1856年=安政3年の海溝型地震を表していて、三陸が繰り返し津波に襲われていることがわかります。

又、岩手山の噴火に関するコーナーもあります。1686年=貞享(じょうきょう)3年の噴火の際、江戸幕府への報告には「盛岡城下において三月二日は、空は曇り雪が少し降る中、明け方ごろ落雷のような音が鳴り、盛岡城下の南を流れる北上川が濁り、魚などが流れ込んだ。午後4時頃から空が晴れると、盛岡城下の西方にある岩手山という山から煙が上がっており、日が暮れると、およそ幅2m、長さ1キロメートルの火柱が確認され、城下まで火山灰が降り注いだ」と記されています。この記録から、もし岩手山が噴火したら、私達の生活にどんな影響が出るのか、想定するヒントになります。過去に起こった「災害の記憶」を見つめることで、現代を生きる我々が次の災害に備えるきっかけになるこの企画展は3月15日まで開かれています。

 

608回「日本海溝・千島海溝沿い巨大地震3」2021年1月9日OA

2021年01月09日 6:00 PM

東日本大震災の発生から9年半を迎えた去年9月、内閣府があるデータを公表しました。三陸沖から房総沖にかけての日本海溝沿いで巨大地震が発生した場合の津波の浸水想定です。マグニチュード9クラスの巨大地震に伴い、東日本の太平洋岸の広い範囲に津波が到達するとされていて、水門や防潮堤などのインフラが破壊された場合、県内の沿岸12市町村全てで広い範囲が浸水するとされています。今回の想定の検討にあたった、津波工学を専門とする東北大学の今村文彦教授は「同じような規模の地震が1600年代に起きていた可能性があり、400年前に起きている。400年というのが一つのサイクルである可能性があるので、実はそう遠くない状況でこの最大クラスの地震が起こる可能性がある」として、この巨大地震はいつ起きてもおかしくないと警鐘を鳴らしています。

津波が遡上する高さが29.7メートルで、県内で最も高い想定の宮古市。日本海溝版の浸水想定では、東日本大震災で被災しなかったエリアでも浸水するとされた場所が多くあります。その為、新たな浸水想定を書き加えた形でハザードマップを更新し、2月1日号の「広報みやこ」と共に配布するということです。策定した新たなハザードマップではこれまで指定していた避難場所のうち浸水の可能性のある箇所を削除。さらに高台に新たな避難場所を25か所指定しました。例えば津軽石川の河口にあたる赤前地区では、当初、赤前コミュニティ消防センターも避難場所に指定されていましたが、新たな浸水想定の公表で浸水する可能性があるということで、さらに高台にある赤前小学校に避難場所が統一されました。この他、市内中心部の宮古消防署前とつつじヶ丘公園の高台は、標高が高い小沢地区の2つの高台に変更される他、上村修道場付近の高台も廃止され、磯鶏小学校の高台が新たな避難場所となります。宮古市危機管理課の芳賀直樹危機管理監は「山に登りさえすればとりあえず命は守ることができますので、日本海溝の大きな地震が来ても犠牲者を出さないということを最大の目標に防災の活動を続けていきたい」としています。

一次避難場所だけではなく、更に安全な二次・三次避難場所も訓練で確認するなど、浸水エリアに関わらず逃げることが命を守ることに繋がります。

605回「復興研究会が制作した絵本」2020年12月19日OA

2020年12月19日 6:00 PM

今日は大槌高校復興研究会の取り組みについてです。148名の生徒が学ぶ岩手県立大槌高校。2011年3月11日に起きた東日本大震災の津波は、高台にある校舎に続く坂のすぐ下まで押し寄せましたが被害を免れ、学校は震災当日の夜から8月上旬まで地域の避難所として利用されました。避難所運営に携わった経験などから、生徒は2013年、新たなまちづくりに貢献する為「復興研究会」を立ち上げました。部活と並行した活動で、毎年、復興過程を写真で記録するなど定点観測を行っています。その復興研究会では今年度、東日本大震災の教訓を絵本にまとめました。タイトルは「伝えたいこと あの日、私は小学2年生だった」。A4横72ページで、避難途中『見てはいけない』と視界を遮る大人たちの間から見えた津波に呑まれる町の光景や、避難した体育館でカーテンを布団代わりに寝た体験などが描かれていて、不安や悲しみが伝わってきます。又、地震の後の取るべき行動についてクイズ形式でも取り上げていて、震災を経験したからこそ伝えられる『未来の命を守りたい』という想いを発信しています。

制作に取り組んだのは、津波に追われながらも高台に避難して助かった当時小学2年生だった女子生徒3人です。その内の1人、大槌高校3年の佐々木結菜(ゆいな)さんに聞きました。昭和三陸津波の経験を親や祖父母たちから聞いた人が、今回の津波から逃げて助かったということを耳にし、『震災体験を伝承することで、正しい行動を取るきっかけになれば』と作成したということです。この絵本にはDVDが付属しています。美術部員の協力を得た絵の画像と共に、『文字だけより感情を込めた方が伝わると考えた』と、自分たちの声で文章を読み上げた約22分の音声が収録されています。

東日本大震災復興支援財団の助成を受け200冊印刷された絵本は、県内沿岸の70の小学校に寄贈した他、全国の学校や図書館などに配布しました。新型コロナウイルス感染症の影響で伝承機会が限られる中、今回の絵本は何度でも手軽に読めることで、新たな伝承ツールになっています。復興研究会顧問の松橋郁子先生は『月日が経つと記憶が薄れる中、生徒の体験談、気持ちの他、震災時、周りの大人たちがどう支えてきたかも理解していただければ』と被災地発の絵本の役割に期待を込めていました。

 

594回「警視庁ツイッター2」2020年10月3日OA

2020年10月03日 6:00 PM

今日は、以前も取り上げた警視庁警備部災害対策課のツイッターについてです。いざという時に役立つ防災情報を発信していて、2013年から始め、今ではフォロワーと呼ばれる登録者が85万人を突破する人気ぶりです。最近の情報からいくつかピックアップします。

まずはアンダーパス=立体交差で掘り下げた道路をキレイにする投稿です。交番に勤務しているその警察官は、台風などによる大雨が予想される前に、必ずアンダーパスに行って排水路のゴミを取り除くようにしている、という内容です。これは「落ち葉」や「吸い殻」などのゴミが排水溝に詰まることにより、道路冠水の原因になるからです。もし避難経路だったら、非常に危険です。災害に強い街づくりに加えて、街の美化にもなる地道な取り組みです。避難経路に雑草が生えていると通行の妨げになり、草取りが必要になります。意外な道具を使った草取りのアイデアが掲載されていました。工具の「ペンチ」を用いる、というものです。手強いタンポポも根元から簡単に抜くことができる、とのこと。大工道具ではない、発想を転換した工具の用途に感心しました。発想の転換といえば、急に暴風雨が強まり、家の内側から窓ガラスの飛散防止措置を取る際の方法も紹介されていました。段ボールやカーテンを利用するというものです。段ボールは、窓ガラスに養生テープで隙間ができないよう貼り付けます。カーテンは閉めるだけではなく、洗濯ばさみでしっかり補強する、というものです。これはあくまでも緊急的な対処です。事前に飛散防止フィルムを貼ったり、台風が接近している時は雨や風が強まる前に、早めに外側から対策しておいたりすることが大切です。災害の発生を想定し、自宅マンションで、電気、ガス、水道を使わずに、午前8時~翌日午前8時まで24時間、生活してみたという体験談もありました。ご家族は、本人の他、奥様、10歳、8歳、6歳、2歳の子供たち、計6人です。終了後にお子さんから出された「夜は真っ暗なのでライトを探すのも難しい」といった感想が掲載されていて、興味深い内容です。

防災のプロが発信する警視庁のツイッターは「警視庁警備部 災害」で検索すると御覧になれます。

593回「日本海溝・千島海溝沿い巨大地震2」2020年9月26日OA

2020年09月26日 6:00 PM

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に伴う大津波についてです。内閣府によると、東日本大震災の津波の高さと比べた場合、青森県以北では今回推計した津波の方が高く、岩手県内では、海岸地形にもよりますが、宮古市付近より北で今回推計した津波の高さの方が高くなる所があります。「北海道」では、根室市からえりも町付近にかけて10~20mを超え、高い所ではえりも町で30m弱。えりも町より西側の地域の苫小牧市や函館市などで10m程度が想定されています。「青森県」では八戸市の高い所で25mを超え、太平洋岸で10~20m程度が想定されています。「岩手県」では、宮古市の高い所では30m近い津波の高さになる等、10~20m程度。「宮城県」や「福島県」などでは、場所によっては10mを超える高さですが、一部の地域を除き東日本大震災よりも低い想定です。

さて内閣府は、この津波により防潮堤が破壊されるケースと破壊されないケースについて、岩手県の浸水想定を公表しました。沿岸市町村の浸水の深さは7段階で色分けされていて、防潮堤が破壊されるケースでは、沿岸北部を中心に市街地が5メートル以上浸水する市町村もあります。野田村の野田湾では地震発生34分後、最大波である第1波13.4mが襲来。地震発生43分後には役場のある場所で8.2mの浸水が想定されています。又、釜石市の釜石湾では地震発生81分後、最大波9.2mが押し寄せ、その時間に市役所は6.7mの浸水が想定されています。この他、久慈市の久慈湾では地震発生83分後、最大波13.5mが来襲。地震発生90分後、市役所は5.3mの浸水が想定されています。津波が防潮堤を乗り越えたとしても破壊されないケースで庁舎の浸水が想定されているのは久慈市のみで、地震発生53分後、1.5mの浸水です。

地震、津波は自然現象で不確実性を伴います。今回の想定で示した時間よりも早く津波が到達したり、津波の高さが高くなったり、浸水範囲以外でも浸水の恐れがあったりすることに注意が必要です。東日本大震災の教訓は、防潮堤のようなハードだけで命を守るには限界があるということです。防潮堤はあくまで避難の時間を稼ぐという意識を持ち、決して過信せず、何よりも「逃げることが大事」ということを忘れてはなりません。

 

589回「発達障害と避難」2020年8月29日OA

2020年08月29日 6:00 PM

SVDさんから質問を頂きました。ありがとうございます。「ここ最近、水害にコロナ、後は間接的な地震などの話題に頭が痛いと感じる私。先日、私が住んでいる一関市の避難所のリストを見ていた時、水害、地震の時は・・・と書いてあるのは良いけれど、私は発達障害があるし、避難所ではどうやって居るのが正しいのかわからないし、会話もできないし、寝ているのが良いのか、手伝ってと言われた時にどうやって対処するのが正しいのかよくわからないし、本当に頭が痛い話だと感じるので」。

この件について、岩手県と一関市にお聞きしました。避難所運営を担当する一関市まちづくり推進部まちづくり推進課によりますと、市では新型コロナウイルス感染症への対策として、多くの人が避難所に密集しないよう「分散避難」を推奨しているとのことです。分散避難とは、安全な地域に住む親戚や知り合いの家などに避難することです。自宅が安全な地域にあれば、無理に避難するのではなく自宅に留まる選択肢もあります。市が設置する避難所に避難する際、配慮が必要な場合は、避難所スタッフに相談していただければ、別室やテントといった個別の配慮スペースを確保するなど、避難された方の状態に応じた対応を行うとしています。また保健師等による健康調査を行い、障害者支援施設や高齢者福祉施設などの福祉避難所への避難が必要な場合は、避難された方の状態に対応した施設との調整を行い、避難体制を整えるということです。

加えて岩手県保健福祉部障がい保健福祉課では、ご家族の協力を求めています。避難所スタッフに対して「本人の心身の状態や障がいの特性をお伝えいただくとともに、併せて、本人が必要とする薬、食品などの物品や、落ち着ける場所、話しかけ方など、特に配慮する事項もお伝えいただきたい」としています。そして大規模災害時は、岩手県災害派遣福祉チームが、避難所の要支援者の福祉・介護等のニーズ把握や応急支援などを行う体制を構築する、ということです。県や市の支援体制をお伝えしましたが、それでも不安がある場合は、平時にSVDさんのご家族から、市に相談しておくことが、災害が起きた時の備えになりそうです。

 

もっと読む