気象と防災 マメ知識!

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気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

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595回「『初冠雪』と『初雪化粧』」2020年10月10日OA

2020年10月10日 6:00 PM

9月28日、標高3776m、富士山から初冠雪の便りが届きました。甲府地方気象台が発表したもので、平年より2日早く、去年より24日早い観測です。

さて富士山は「初冠雪」の他に「初雪化粧」という言葉があることをご存じでしょうか。初雪化粧は山梨県富士吉田市の職員が山頂付近の雪化粧を目視により確認しているもので、今年は初冠雪より1週間早い9月21日に観測されました。「初冠雪」の他に、なぜ同じ山梨県内で「初雪化粧」を発表しているのでしょうか。観測を担当し、富士山の魅力を発信している富士吉田市の「富士山課」にお聞きしました。初雪化粧の観測は平成18年度、2006年から行っています。きっかけは甲府地方気象台の観測体制の変化でした。富士山の初冠雪の観測は以前、山梨県富士河口湖町の河口湖測候所の気象台職員の目視により行われていました。しかし2003年10月、観測技術の高度化や経費節減により河口湖測候所は無人観測所に移行。その後、甲府市にある甲府地方気象台からの観測に変わりました。しかし富士山から北北西、直線で36キロにある甲府市と、北北東15キロにある富士河口湖町では見える角度が違い、ズレが生じます。そこで富士河口湖町から東に5キロ、甲府市より富士河口湖町と観測条件が近い富士吉田市では『富士山頂の雪の便りをいち早く知らせたい』『観光コンテンツとして話題にしてもらうことで対外的にPRしたい』ことから「初雪化粧」として観測、発表を始めたということです。「いち早く」とはいえ実際、過去15年の気象台の「初冠雪」との差を見てみると、初雪化粧の方が早かったのは今年と2016年の2回のみ。7回は初冠雪と同じ日、6回は初雪化粧の方が遅いという結果です。

ところで富士山初冠雪の統計は1894年から120年以上の歴史があります。2004年から観測場所が変わった統計の信頼性について甲府地方気象台に尋ねると「確かに見る角度や距離が変わってしまった。同じ角度と距離からライブカメラで観測する方法もあるが、それは不自然。観測体制が変わるということは他の観測でもある。途切れることなく統計を取る為に、気象台からの観測を続けている」ということです。時代が変化する中で観測を続けることは大変なことです。富士吉田市の「初雪化粧」宣言は、気象台の「初冠雪」を補完する記録と言えます。

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590回「コロナ禍の一次救命措置」2020年9月5日OA

2020年09月05日 6:00 PM

厚生労働省が作成した、コロナ禍の一次救命措置についてです。ウイルスの感染が広がる中、もしも目の前で人が倒れたらどんな処置をすれば良いのか、国が指針を発表しました。心肺蘇生をする場合、ウイルスなどを含む微粒子が発生する可能性がある為、「基本的に全ての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応しましょう」としています。

具体的な手順は、1.まず安全を確認します。車の往来があったり、室内に煙が立ち込めたりした際は、状況に応じた安全確保が必要になってきます。2.倒れている人の反応を確認します。肩を優しく叩きながら大声で呼びかけ、目を開けるなどの応答が無い場合、心停止の可能性を考えて行動します。ポイントは顔を近づけすぎないことです。3.そばに誰かいる場合は、119番通報とAEDを手配します。4.呼吸を観察します。呼吸をする度に胸や腹部が上がったり下がったり動いていなければ、呼吸が止まっていると判断します。5.人口呼吸は行いません。胸骨を圧迫します。胸の左右の真ん中に縦長の平らな骨があり、圧迫するのはその骨の下半分です。倒れている人の胸がおよそ5センチ、沈み込むように強く速く圧迫を繰り返します。ウイルスを含む微粒子の飛散を防ぐ為に、圧迫前にハンカチやタオルなどを倒れている人の鼻と口にかぶせます。マスクや衣服などでも代用できます。1分間に100~120回のテンポで胸骨圧迫を30回以上続けます。6.AEDを使用します。7.心肺蘇生を続けます。心肺蘇生は到着した救急隊員と交代するまで続けることが大切で、「効果が無さそうに思えても諦めずに続けて下さい」としています。そして救急隊に引き継いだ後は、速やかにせっけんと流水で手と顔を十分に洗います。倒れている人の鼻と口にかぶせたハンカチやタオルなどは、直接触れないように廃棄するのが望ましいとしています。

心肺蘇生法は勇気がいることで、特に呼吸の判断に迷い、ためらってしまいそうです。しかし救急蘇生法の指針では、仮に倒れている人が心停止ではなかったとしても、「胸骨圧迫が傷病者に大きな害を与えることはまれなので、迷ったら胸骨圧迫を開始しましょう」と強調しています。

 

582回「コロナ対策からの火災」2020年7月11日OA

2020年07月11日 6:00 PM

多くの人が集まる店や施設で、新型コロナウイルス対策の飛沫防止シートを見かけるようになりました。このシートは燃えやすい性質があり、火災に注意が必要です。

大阪府の枚方寝屋川(ひらかたねやがわ)消防組合によりますと、管内にある店舗内のたばこ売り場で、レジに設置していた新型コロナウイルス感染症予防の飛沫防止シートが焼ける火災が発生しました。これは販売しているライターを試しに点火したことが原因で燃え移ったものです。ケガ人や延焼が拡大することはありませんでしたが、一歩間違えば大きな火災になったと考えられます。消防組合が行った燃焼実験では、ビニール製の飛沫防止シートに、一度火がつくと一気に拡大し、全体に燃え広がっていくのが確認できました。しかも飛沫防止シートは燃えた状態でポタポタと垂れていくことから、レジ付近にある商品等に延焼が拡大、もしくはケガをする恐れがある、としています。消防組合では、このような火災を防止する為に、「飛沫防止シート付近では火気の使用、喫煙は絶対にしない」「売場では、飛沫防止シート設置期間中はライター等を点火させないようにし、不特定多数の人が手に届く位置に置かないようにする」「ライター等は必ず店員の目の届く所で管理」するよう呼びかけています。

手指消毒の際に使用する消毒用アルコールも取り扱いに注意が必要です。蒸発しやすく、可燃性蒸気となるからです。ウォッカ等のアルコール濃度の高い酒類を使用して消毒する場合も含めて、喫煙やコンロを使用した調理等、近くで火気の使用は危険です。加えて詰替えを行う場所では換気を行いましょう。詰替えの際に発生する可燃性蒸気は空気より重く、低い所に溜まりやすい性質があるからです。又、保管場所も気を付けましょう。直射日光の当たる場所に保管すると、熱せられることで、やはり可燃性蒸気が発生するからです。消毒用アルコールは、お店だけではなく、一般家庭でも使用する機会があります。バーベキューの時や、台所での使用など、火の近くに置かないよう気を付けましょう。

 

578回「『新しい生活様式』の熱中症予防」

2020年06月13日 6:00 PM

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ為に、一人一人が感染防止の基本である「人との間隔はできるだけ2m、最低1m空ける」「マスクの着用や手洗い」「密集・密接・密閉といった3密を避ける」等の対策が求められています。このような「新しい生活様式」における熱中症予防のポイントが厚生労働省のHPで公開されています。

ポイントは大きく4つあります。1つ目は「マスクの着用について」です。マスクは着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。従って高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。屋外で人と十分な距離が少なくとも2m以上確保できる場合には、マスクを適宜外すようにしましょう。マスク着用の場合は、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。2つ目は「エアコンの使用について」です。一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策の為には、冷房時でも窓を開ける等、換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を調整しましょう。3つ目は「涼しい場所への移動について」です。少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動しましょう。一方で、人数制限により屋内の店舗等にすぐに入ることができない場合は、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動してください。4つ目は「日頃の健康管理について」です。体温測定、健康チェックは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症を予防する上でも有効です。体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。

又、熱中症というと屋外のイメージがありますが、消防庁の資料によりますと発生場所の約4割は屋内です。家の中でじっとしていても室温や湿度が高いと、体から熱が逃げずに熱中症になる場合があるのです。特にのどの乾きや暑さを感じにくく、汗をかきにくい高齢者や、体温調節機能が未熟な子どもは、より注意する必要があります。周囲の方からも積極的な声かけが必要です。

576回「フクシマの社会運動」2020年5月30日OA

2020年05月30日 6:00 PM

今日は福島大学・後藤康夫(やすお)名誉教授と、基礎経済科学研究所・後藤宣代(のぶよ)副理事長の2人が、福島などに暮らす執筆者と共に、原発事故後の社会運動について著し編集した、八朔社「21世紀の新しい社会運動とフクシマ」についてです。

スタンフォード大学科学・技術と社会プログラム副ディレクターの佐藤恭子さんは「低線量被ばくの問題をどう考えるか」という章で「トランス・サイエンス」という概念を取り上げています。提唱したアメリカの核物理学者ワインバーグは低線量被ばくの遺伝的影響をあげ、動物実験で「統計的に信頼できるレベルで確認するには80億匹のマウスが必要だ」として、「理論的には科学的に答えられるはずではあるが、現実には不可能であり、科学を超えるということでトランス・サイエンス的な問題」としています。そして「被ばくは無ければ無い方がよく、全く無害な閾値(いきち=最小の値)は無い、という見方が科学者の間の広いコンセンサス(=合意)にも拘らず、実害の可能性を否定し、不安の表明を『風評被害』や『福島の復興を妨げる』と批判するのも民主的議論の圧迫・抑圧である」と指摘しています。又、後藤宣代さんは「科学者間でも見解が異なる外部被ばく、内部被ばく、そして低線量問題が、許容線量をめぐる対抗として展開している。『フクシマの運動』は、政府や行政の一方的な許容線量設定に対して、住民サイドが自主学習を重ねて、声を上げ、行動し、その設定を覆しているというところに特徴がある」と考察しています。

NPO法人コモンズの中里知永(としのり)理事長は、フクシマの運動の一つ、「いわき放射能市民測定室たらちね」について取材しています。この認定NPO法人は、原発事故による被ばくの被害から子どもたちと地域の人々の健康と暮らしを守る為、地域住民が2011年11月に開所しました。食品、水、海水、土壌、資材、人体の放射線量を測定して公開したり、2017年には内科と小児科のあるクリニックを開設し、甲状腺エコー検査や尿中のセシウムの測定なども実施したりしています。不安を感じる人たちに寄り添い、正しい情報=放射線の数値を提供する住民サイドの活動は、これからも続きます。

 

571回「コロナ禍の避難所運営」2020年4月25日OA

2020年04月25日 6:00 PM

今日は新型コロナウイルス感染症のクラスター=集団発生対策についてです。厚生労働省は、咳やくしゃみをする際、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖などで口や鼻をおさえる「咳エチケット」や、手洗いに加え、「密閉」「密集」「密接」の3つの密を避けるよう呼びかけています。「換気の悪い『密閉』空間」については、「部屋が広ければ大丈夫」「狭い部屋は危険」というものではありません。WHOは空気感染を起こす「結核・はしかの拡散」と「換気の回数の少なさ」の関連を認めていて、カギは「換気の程度」ということです。窓がある場合は2方向を1回数分間全開、これを1時間に2回以上。窓が1つしかなくても、入口のドアを開ければ窓とドアの間に空気が流れます。「多数が集まる『密集』場所」については、他の人と互いに手を伸ばして届かない十分な距離2m以上を取る、座席は隣の人と一つ飛ばしに座る、又互い違いに座るのも有効としています。「間近で会話や発声をする『密接』」についてWHOは「5分間の会話で1回の咳と同じくらいの飛沫が飛ぶ」と報告していることから、対面の場合は十分な距離を保ちマスク着用をお願いしています。

さて新型コロナウイルス感染拡大が続く中、もし自然災害が発生し、避難所に避難しなければならなくなった場合、どんなことに気をつければ良いのでしょうか。内閣府は今月はじめ、各都道府県などに対して「避難所における新型コロナウイルス感染症への対応について」通知しました。「可能な限り多くの避難所の開設」「親戚や友人の家等への避難の検討」。これらは避難所が過密になることを防ぐ為の措置で、ホテルや旅館等の活用も提案しています。又、避難所では「避難者の健康状態の確認」「手洗い、咳エチケット等の基本的な対策の徹底」「避難所の衛生環境の確保」「十分な換気の実施、スペースの確保」と、これまでの避難所運営以上の衛生管理が求められます。又、発熱、咳等の症状の人には「可能な限り個室や専用トイレを確保」し「一般の避難者とはゾーン、動線を分けること」としながらも、新型コロナウイルス感染症の場合は「軽症者等であっても原則として一般の避難所に滞在することは適当でない」とし、適切な対応を事前に検討するよう求めています。

自然災害が発生する前に官民一体となって、新型コロナ対策を考慮した避難方法を想定しておく必要があります。

570回「防災拭い」2020年4月18日OA

2020年04月18日 6:00 PM

デザインを手掛ける滝沢市大釜にある有限会社「クワン」は、岩手県のPRキャラクター「わんこきょうだい」をプリントしたユニークな手拭い「防災拭い」を制作、販売しています。「防災拭い」とは、災害を防ぐ「防災」と日本古来の「手拭い」をかけた造語です。災害時に落ち着いて行動するための手順や防災情報を厳選し、わかりやすいイラスト付きで手拭いに印刷しています。

大きさは縦34センチ、横幅は100センチ。よく見かける手拭いより10センチ長くなっています。煙の多い現場に遭遇した際は口を覆う、出血した際はそのまま、又は切り裂いて三角巾や包帯代わりにする等、手拭いだからこその活用方法があります。約35グラムと軽量で、手のひらサイズに小さく畳め、いつも持ち歩けます。東北大学の今村文彦教授が監修した「防災グッズ編」「地震編」「津波編」、又、3月より岩手大学の斎藤徳美名誉教授が監修した「台風編」が加わりました。「防災グッズ編」の真ん中にはわんこきょうだいの「そばっち」がデザインされ、その左側には「非常持ち出し品」として、いつも携帯したいモノ、必ず準備しておくモノのイラストが、右側にはあると便利なモノ、手拭いの便利な使い方、警察や消防の電話番号が記載されています。手拭いの文字はシルクスクリーンでプリントされていて濡れても消えない為、雨でも情報が確認できます。洗って繰り返し使え、薄いので乾きやすいメリットもあります。

小野公司社長は、2005年に県内の放送局から依頼され防災ハンドブック制作を手がけました。その際、防災の大切さを実感し「大人から子どもまで持ち歩ける防災用品」をコンセプトに制作することにした」とのことです。手拭いの右下には名前、生年月日、アレルギーの有無、連絡先を書き込む欄が設けられていますが「災害時、口頭で伝えることが困難な時、書き込まれた個人の情報が次に繋がるお手伝いができるのでは」と、その役割に期待しています。小野さんは「地域や学校での防災学習にご利用いただき、いざという時、慌てることのないようご活用いただければと思います」とリスナーに呼びかけています。防災拭いは、日頃から防災を意識し、災害発生時に冷静な行動をサポートするアイテムとして活躍しそうです。1枚税込み550円で、取扱店など詳細はインターネット「防災拭い」で検索すると御覧になれます。

563回「まるごとまちごとハザードマップ」2020年2月29日

2020年02月29日 6:00 PM

今日は「まるごとまちごとハザードマップ」についてです。これは国土交通省が推し進める取り組みで、地域をまるごとハザードマップに見立て、洪水などで浸水した際の情報や、避難所の情報を電柱などに標示するものです。平時は水害の危険性を実感し、発災時は命を守る為の避難行動を促すことで、被害を最小限に留めることが狙いです。国土交通省によりますと、2018年9月末時点で、全国181の自治体で実施しているということです。標識は大きく3種類あり、川の氾濫による「洪水」、大雨により浸水する「内水」、台風や発達した低気圧が通過する際に潮位が大きく上昇する「高潮」です。

新潟県三条市の例です。気象庁によりますと、平成16年7月新潟・福島豪雨では、新潟県中越地方や福島県会津地方で記録的な大雨となりました。7月13日、新潟県中越地区では、五十嵐(いからし)川や刈谷田(かりやた)川など6つの河川の11か所で堤防が決壊し、市街地が浸水、がけ崩れが多数発生しました。新潟県三条市では9人の方が犠牲になり、重傷者1人、10935棟が被災しました。三条市の住宅街の電信柱には、この時の洪水でどれだけ浸水したか標示されています。通学路にある標識の一番上には緑のマークで「災害時避難所」「第一中学校・嵐南(らんなん)小学校」と、真ん中には青地に大きな白いマークと文字で「1.8m」と実績浸水深が記され、その下に「平成16年7月13日に五十嵐川がはん濫し、この場所は青いラインの高さまで浸水しました」と標示されています。

この取り組みについて実施自治体などにアンケートをとったところ、防災への興味の有無に関わらず「日常生活で気づいてもらえる」、一度設置されると継続的にリスクを伝えられ「紙媒体のように破棄・紛失されることがない」、道路や施設の利用者など「伝えたい人に伝えることができる」、住民が目にすることで「まち全体に浸水リスク等を伝えることができる」という回答が寄せられました。県内でも津波や洪水跡の標識がありますが、この取り組みは過去の浸水の他、想定の浸水も標示することが特徴的で、これから起こり得る災害を実際にイメージできる有効な手段になりそうです。

 

562回「古館地区の取り組み」2020年2月22日OA

2020年02月22日 6:00 PM

紫波町の古館地区で住民が主体となり、より地域に根ざした防災情報を発信しようというホームページが完成し、先月31日に公開されました。この「古館地区防災ポータルサイト」を制作したのは、NPO法人古館まちづくりの会で活動する9人です。盛岡のベッドタウンである紫波町古館地区は、他の地域から引っ越してきた人が多いことから、防災に関する情報を共有してもらおうと、およそ10か月かけ作り上げました。地区の小学5年生以上の半数にあたるおよそ4000人の住民アンケートの回答や、ワークショップを通した幅広い年代の意見が反映されています。

サイトにアクセスすると、古館地区の地図上に5種類のカラフルなマーカーが配置されています。赤は「消火栓」、青は「防火水槽」、黄色は「発電機」、緑は「公衆電話」、紫はその場所の過去の災害時の「写真」です。5種類全てのマーカーを表示する他、必要な情報だけ表示することもできます。例えば黄色の発電機を選ぶと古館公民館他4か所に、緑の公衆電話を選ぶとJR古館駅前他4か所にあること等、地域に特化した情報が得られます。紫の写真をクリックすると、過去の浸水被害10か所の写真が見られます。1時間降水量71ミリを観測した2013年8月の豪雨の写真では、住宅地が床上浸水し、公園脇を腰の辺りまで泥水に浸かりながら歩いている人たちの姿が写っています。今後、豪雨により同様の状況になることが予想され、この災害を経験していない人でも浸水をイメージし、速やかな避難につながることが期待されます。

サイトはこの他、非常食や防災グッズの知識、クイズ形式で防災について学ぶページも設けられ、普段から備えを見直すきっかけになりそうです。そして災害が発生した際は、公民館長など避難所となる場所の責任者にホームページ更新の権限を付与し、避難所の開設情報や被災状況などをいち早く伝えてもらえるような仕組みづくりも検討されていますNPO法人古館まちづくりの会では「このポータルサイトは、古館地区という紫波町の中の1つの地区の防災・災害支援に特化したものです。この取組みや手法を、古館地区以外の地域へ実践事例として発信することで、県内外に地域防災の取組みを広げていきたいと思います」としています。

 

557回「防災用品専門店」2020年1月18日OA

2020年01月18日 6:00 PM

今日は、岩手では珍しい防災グッズ専門店についてです。去年8月、矢巾町広宮沢にオープンした「防災ショップ ライノ」は、小さな会議室ほどのスペースに、非常用ライトなど100点を超える商品を揃えています。店名の「ライノ」は英語で動物の「サイ」のこと。店のマークにもサイのキャラクターが木の棒を持ったイラストを使い、「棒」と「サイ」で「防災」の意味が込められています。

県内を中心に運送事業を行う会社を営む工藤政樹さんが始めました。東日本大震災の直後に行った古着を届ける支援活動をきっかけに「支援物資を置く備蓄倉庫にもなれば」と店を開きました。3年前には防災士の資格を取得、社員とともに救命講習も受講してきました。その防災意識を形にしたのが、工藤さんが考案した非常用のポーチセットです。片手で持てる大きさの中に、ホイッスル、羊羹、救急セット、ブランケットなど15点が入っています。工藤さんは「初期行動で必要なものを重点に、応急手当に使うものから、ちょっと口に入れられるもの、寒暖差に対応したものが凝縮されています」と説明します。防災用品は何を準備したら良いのか悩みますが、このセットをベースに、他に自分に必要なものを加えると良さそうです。

工藤さんは停電対策として枕元に「電池式ランタン」の他、「ケミカルライト」と「灯油式ランタン」を準備しているそうです。「ケミカルライト」は、スティック状で電池を使わず、ポキッと折り曲げると液体の化学反応により5分間、光り続けるものです。暗闇でスイッチを探す手間が省け、難しい操作が要らないというメリットがあります。「灯油式ランタン」は、明かりと共に温かさが得られます。又、工藤さんは「寝袋」の普段使いを提案しています。自宅では脚を中に入れテレビを見ているとのことで、暖房代の節約に加え、停電時、寝袋に入りながら布団をかけると、とても温かく眠れると勧めます。工藤さんは「震災の時は日本全国から色々な支援を受けたので、逆に岩手が支援できるように防災に対して意識の高い県に。岩手県から発信できるようになればいいなと思っています」と、幅広い防災グッズの販売を通して、防災意識向上を願っています。

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