気象と防災 マメ知識!

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気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

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626回「熱中症警戒アラート」2021年5月15日OA

2021年05月15日 6:00 PM

今日は「熱中症警戒アラート」についてです。気象庁によりますと、熱中症とは、暑い環境で体温の調整ができなくなった状態で、めまいや吐き気、頭痛、失神等の様々な症状をきたし、最悪な場合は死に至る疾患です。誰でもなる可能性があり、運動中だけではなく、室内でも起こります。総務庁消防庁によりますと、去年6月から9月に県内では熱中症により597人が救急搬送されました。その内67%の400人が65歳以上の高齢者で、搬送された人の半数296人は、敷地内を含む住居で発生しました。

気象庁と環境省は、熱中症のリスクが特に高まった際に注意を促す「熱中症警戒アラート」の全国での運用を、先月28日から開始しました。運用は10月27日までです。アラートとは「警報」という意味で、こまめな水分補給を呼びかけるなど熱中症の予防につなげます。予想最高気温がおおむね35度以上になる場合に発表していた「高温注意情報」は廃止します。熱中症警戒アラートは気温や湿度、日差しなど輻射熱から算出した「暑さ指数」を活用し、重症者や死者が特に増える傾向にある指数33以上になると想定した場合、前の日の午後5時と当日の午前5時に、都道府県ごとに発表します。情報はラジオやテレビ、自治体の防災無線などを通じて伝えます。

アラートが出された場合、大きく4つの行動を心がけましょう。1つ目は「外出はできるだけ控え、暑さを避けましょう」。熱中症を予防する為には、暑さを避けることが最も重要です。昼夜を問わずエアコン等を使用して部屋の温度を調整しましょう。又、不要不急の外出は避けましょう。2つ目は「熱中症のリスクの高い方に声をかけましょう」。熱中症になりやすい高齢者、子ども、持病のある方、肥満の方、障がい者には、身近な方から、エアコンの使用やこまめな水分補給を行うよう声をかけましょう。3つ目は「普段以上に熱中症予防行動を実践しましょう」。1日あたり1.2リットルを目安に、のどが渇く前にこまめに水分を補給しましょう。屋外で人と2メートル以上の十分な距離が確保できる場合は、適宜マスクを外しましょう。4つ目は「屋外や、エアコン等が設置されていない屋内での運動は、原則、中止又は延期しましょう」。

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617回「停電の要因」2021年3月13日OA

2021年03月13日 6:00 PM

先月、県内で発生した停電についてお伝えします。東北電力ネットワーク岩手支社によりますと、先月13日(土)の福島県沖の大地震では、一関市で2万1165戸が停電しました。又、先月16日(火)、急速に発達した低気圧による暴風では、盛岡市や八幡平市など内陸を中心に13市町村で延べ3339戸が停電しました。

この2つの停電の要因は異なります。13日の地震では、東北エリアで約9万戸、東京エリアで約86万戸、併せて約95万戸が停電しました。地震の影響で東北・東京エリアに接続している複数の発電所が安全のため停止し、東北電力管内では宮城県仙台市にある2基の火力発電所が自動停止しました。そのままでは電力の需給バランスを維持できず大規模停電になってしまうことから、県内では一関市の需要を遮断、つまり停電になったのです。尚、その後の点検により設備の破損などが無いことが確認され、約1時間後、一関市の停電は解消されました。一方16日は、暴風によって倒れた樹木が電線に接触し漏電=つまり大地に流れてしまったり、電線が切れてしまったりしたことが停電の主な原因でした。倒木の接触のみで電線が切れていない場合は樹木を除去し復旧。電線が切れている場合は、樹木を除去し、電線を張り替えるなどして復旧する、とのことです。

各家庭の停電対策は、防災の備えの一つと言えます。内閣府の調査によりますと、照明確保のために停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備していると回答した世帯は約43%と半数に満たない状態でした。夜間の停電は、出口がわからない、床の段差やガラスの破片が見えないなど危険です。寝室などに懐中電灯や足元灯を備えましょう。我が家では停電した際、自動で点灯する懐中電灯と足元灯を備えたタイプを1階の廊下、階段、2階の寝室に設置しています。又、インターネットや携帯電話が利用できない場合に備え、ラジオや予備の電池を常備しておきましょう。避難の為に自宅を離れる時は、停電状態でもブレーカーを切りましょう。地震の揺れで電気ストーブやヒーターの上に布などが落下してしまった場合、不在中に電気が復旧すると通電火災の恐れがあるからです。

※スマートフォンアプリ「東北電力ネットワーク 停電情報」は県全域や市町村単位などで通知設定が可能で、停電情報収集に役立ちます。

614回「寒冷渦、着氷」2021年2月20日OA

2021年02月20日 6:00 PM

今日は2つの質問にお答えします。まずはラジオネーム「コロナ渦まき」さんです。ありがとうございます。「北極から寒波がコンスタントにやってきます。今年は何故、日本まで寒冷渦がやって来るのか?昨年までは何故やって来なかったのか、神山さん、教えてください!」。気象庁によりますと、昨シーズンの冬は本州付近への寒気の南下が弱く、冬型の気圧配置が長く続きませんでした。その為、東・西日本で記録的な暖冬、冬の降雪量は全国的にかなり少なく、北・東日本の日本海側で記録的な少雪=少ない雪となりました。背景には日本付近の上空を流れる偏西風が北へ蛇行した他、正=プラスの北極振動になったことが考えられます。このプラスの北極振動になると、北極圏の寒気が中緯度域に流れにくく、日本では北ほど暖冬になりやすいのです。一方、今シーズンの冬は、偏西風が日本付近で南に蛇行し、列島に寒気が流れ込みやすくなりました。偏西風の蛇行と共に、北極域にあった寒冷渦と呼ばれる動きの遅い寒冷低気圧が分裂して日本の北まで南下し、日本の上空には寒冷渦とその周辺の強い寒気が流入する形になったのです。

続いて盛岡市のラジオネーム「アナログな姉御」さんです。「天気予報の注意報、警報に『着氷』とたまにでますが。地域が限定されている気がします。津軽とか…。そもそも『着氷』って何でしょう?流氷?」。ありがとうございます。確かに着氷は漢字で氷が到着、まるで接岸しそうな字にも見えますが違います。水蒸気や水しぶきのような水滴が、船や飛行機、電線にぶつかり凍りつく現象です。一方、「流氷」は「流れる」「氷」と書くように、高緯度地方の海面を覆っていた氷が割れ、風や波に運ばれ海の上を漂うものです。

着氷が地域限定という点ですが、船に氷がつくのは北方の海域です。北海道の石狩北部、後志(しりべし)北部西部の着氷注意報の基準は、「船体着氷:水温4℃以下、気温氷点下5℃以下で、風速毎秒8m以上」となっています。船についた氷が厚くなると、船が傾き転覆や浸水の恐れがあるのです。その他「航空機着氷」は、航空機が飛ぶ為の力やプロペラの効率を減少させ、運行上極めて危険です。「電線着氷」は、着氷により送電線が断線することがあります。

 

611回「高速道とホワイトアウト」2021年1月30日OA

2021年01月30日 6:00 PM

今日は「ホワイトアウト」についてです。猛吹雪で空も地平線も区別がつかず、視界が白一色になるというものです。暴風雪警報が出されているような際、この現象が起きます。宮城県では冬型の気圧配置が強まるとして、今月18日夕方、「暴風雪に関する宮城県気象情報」が出されていました。そして翌19日正午前、大崎市の東北自動車道下り線、古川ICから北に2キロほどの場所で車130台余りが絡む多重事故が発生、乗用車を運転していた一関市の男性が亡くなりました。この他17人がけがをし、うち2人は重傷です。ネクスコ東日本によりますと当時、現場周辺は強風と雪で視界が悪くいわゆる「ホワイトアウト」の状態だったということです。この事故の影響で100台以上の車が一時立ち往生しましたが、車の撤去や移動は夜8時過ぎに終了しました。

気象データを見ますと、19日午前11時台、大崎市古川では風速20m以上の西よりの風が吹き荒れ、正午には27.8mと1月としては観測史上最大瞬間風速を記録しました。この日の朝、新たに古川に降った5センチの雪が強風によって巻き上げられホワイトアウトが起きたと考えられます。日中、青空も見えていましたが、晴れていても、積もった雪が強風で巻き上げられ地吹雪が発生するのです。

ネクスコ東日本「冬の高速道路安全チェックポイント東北編」によりますと、古川IC付近は「見通しの良い直線部分が続くが、地吹雪が多く発生するポイント」として挙げられています。地吹雪が起こりやすい交通事故注意区間なのです。岩手県内の吹雪に気を付けるべき区間は、松尾八幡平IC~安代JCT~鹿角八幡平IC間が「東北道の中で一番標高が高く、豪雪や吹雪が多く発生する区間」、北上西IC~横手IC間が「トンネルが連続する区間で、豪雪や吹雪が多く発生し、気象の変化が激しい区間」として注意を呼びかけています。冬に荒れた天気が予想される場合、スリップ事故や立ち往生に繋がる恐れがあります。車の運転は極力、控えましょう。どうしても出かけなければならない場合、車間距離を十分に取る他、ヘッドライトやテールライトに雪が付着することもありますので、サービスエリアに入り取り除き、吹雪が収まるまで待つなど、無理の無い安全運転を心がけましょう。

 

606回「日本の気候変動2020」2020年12月26日OA

2020年12月26日 6:00 PM

気象庁と文部科学省は、地球温暖化による将来の予測を「日本の気候変動2020」として取りまとめました。今世紀末の世界の平均気温について、温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」の目標を達成した場合の「2度上昇」、現時点を超える追加的な緩和策を取らなかった場合の「4度上昇」、この2つの想定を盛り込んでいます。

具体的に見てみると、世界の平均気温「2度上昇」では、日本の平均気温は1.4度上昇、北日本ではそれより高い1.5度上昇。1日の最高気温が35度以上の「猛暑日」は全国平均で2.8日増加、北日本では0.7日増加。夜間の最低気温が25度未満の「熱帯夜」は全国平均で9.0日増加、北日本の太平洋側で1.4日増加。最低気温が0度未満の「冬日」は全国平均で16.7日減少、北日本の太平洋側では19.2日減少する予測です。世界の平均気温「4度上昇」では、日本の平均気温は4.5度上昇、北日本の太平洋側ではそれより高く4.9度上昇。猛暑日は全国平均で19.1日増加、北日本の太平洋側では6.6日増加。熱帯夜は全国平均で40.6日増加、北日本の太平洋側では18.3日増加。冬日は全国平均で46.8日減少、北日本の太平洋側では62.8日減少する予測です。つまり猛暑日や熱帯夜はますます増え、冬日は減るのです。

降水に関しては、雨の降る日数は減少するものの、大雨や短時間強雨の発生頻度や強さは増加すると予測されています。1日の降水量が200ミリ以上の日数は「2度上昇」では1.5倍に増加、「4度上昇」で2.3倍に増加するという予測です。つまり激しい雨が増えるのです。又、地球温暖化に伴い、雪ではなく雨が増えることから、降雪量、積雪量共に「2度上昇」では現在の7割から8割弱に、「4度上昇」では現在の3割から4割に減る予測です。ただ気温の上昇により大気中の水蒸気量が増え降水量が増加します。そもそも雪が融けないような寒冷な地域であれば、大雪のリスクはあるとしています。そして水蒸気量増加は台風のエネルギー源が増えることに繋がるので、強い台風の割合が増加し、台風に伴う雨と風は強まりそうです。温暖化を緩やかにする為に、私たちの暮らしの中の省エネをより進めることが必要です。

 

602回「台風の上陸ゼロか」2020年11月28日OA

2020年11月28日 6:00 PM

今年は台風が日本へ上陸していません。気象庁は1951年から台風に関する統計をとっています。台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「上陸」、国内のいずれかの気象台などから300キロ以内に入った場合を「接近」、小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出た場合は「通過」として扱っています。沖縄は台風の上陸とは言わず通過になります。台風の平年値である1981年~2010年の平均は、発生数が25.6個、接近数は11.4個、上陸数は2.7個。今年は11月16日現在、発生数22個、接近数7個、上陸数は0です。これまで上陸しなかった年は1984年、1986年、2000年、2008年で、このまま上陸しないと12年ぶりになります。

今年は1号の発生が5月12日と遅く、7月は統計史上初めて発生数がゼロでした。8月は7個発生しましたが、日本列島上空に太平洋高気圧が張り出し、台風は周縁部の風に流されて進路が日本の西よりになりやすい気圧配置でした。日本に接近した台風の内、9月の10号は気象庁が台風特別警報を予告しましたが上陸せず、九州西岸をかすめて朝鮮半島から大陸に向かいました。同じく9月の12号はオホーツク海から張り出した高気圧の影響で北上のペースが鈍り、その後は偏西風に流されました。10月の14号は大陸からの高気圧に北上を阻まれ、紀伊半島から東に進みました。今後、冬にかけて台風が発生したとしても偏西風が南下する為、日本に近づく前に東に進んだり、フィリピン近海で貿易風に乗ってインドネシア半島に向かったりする傾向があります。今後、発生する台風が上陸しないとは言い切れませんが、11月以降に上陸したのは1990年11月30日の28号だけということを考えると、台風が上陸しない年になる可能性が高いと言えます。

台風が上陸しなかったとしても、今年は大雨による被害が無かったというわけではありません。「令和2年7月豪雨」では、日本付近に停滞した梅雨前線の影響で西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨となりました。特に4日から7日にかけて九州で記録的な雨量となり、球磨川など大河川で氾濫が相次ぎました。県内では11日から12日に種市で180ミリ、27日から28日に区界で177ミリと大雨となり、住宅や道路の被害が発生しました。豪雨災害は台風だけではない、ということを理解しておきましょう。

594回「警視庁ツイッター2」2020年10月3日OA

2020年10月03日 6:00 PM

今日は、以前も取り上げた警視庁警備部災害対策課のツイッターについてです。いざという時に役立つ防災情報を発信していて、2013年から始め、今ではフォロワーと呼ばれる登録者が85万人を突破する人気ぶりです。最近の情報からいくつかピックアップします。

まずはアンダーパス=立体交差で掘り下げた道路をキレイにする投稿です。交番に勤務しているその警察官は、台風などによる大雨が予想される前に、必ずアンダーパスに行って排水路のゴミを取り除くようにしている、という内容です。これは「落ち葉」や「吸い殻」などのゴミが排水溝に詰まることにより、道路冠水の原因になるからです。もし避難経路だったら、非常に危険です。災害に強い街づくりに加えて、街の美化にもなる地道な取り組みです。避難経路に雑草が生えていると通行の妨げになり、草取りが必要になります。意外な道具を使った草取りのアイデアが掲載されていました。工具の「ペンチ」を用いる、というものです。手強いタンポポも根元から簡単に抜くことができる、とのこと。大工道具ではない、発想を転換した工具の用途に感心しました。発想の転換といえば、急に暴風雨が強まり、家の内側から窓ガラスの飛散防止措置を取る際の方法も紹介されていました。段ボールやカーテンを利用するというものです。段ボールは、窓ガラスに養生テープで隙間ができないよう貼り付けます。カーテンは閉めるだけではなく、洗濯ばさみでしっかり補強する、というものです。これはあくまでも緊急的な対処です。事前に飛散防止フィルムを貼ったり、台風が接近している時は雨や風が強まる前に、早めに外側から対策しておいたりすることが大切です。災害の発生を想定し、自宅マンションで、電気、ガス、水道を使わずに、午前8時~翌日午前8時まで24時間、生活してみたという体験談もありました。ご家族は、本人の他、奥様、10歳、8歳、6歳、2歳の子供たち、計6人です。終了後にお子さんから出された「夜は真っ暗なのでライトを探すのも難しい」といった感想が掲載されていて、興味深い内容です。

防災のプロが発信する警視庁のツイッターは「警視庁警備部 災害」で検索すると御覧になれます。

591回「特別警報に関する質問」2020年9月12日OA

2020年09月12日 6:00 PM

紫波町のDJメロン娘とMCオレンジ娘さんから質問をいただきました。ありがとうございます。「特別警報に関する疑問ですが、どうして特別警報は大雨だけに付くんでしょうか。なぜ洪水や暴風には付かないんでしょうか」

特別警報は、警報の発表基準をはるかに超える大雨等が予想され、重大な災害の起こる恐れが著しく高まっている場合、気象庁が発表し最大級の警戒を呼びかけるものです。特別警報という名称で発表するのは、実は大雨の他、暴風、高潮、波浪、大雪、暴風雪の計6種類あります。気象に関する特別警報は警報・注意報と同様に市町村単位で発表し、大雨の場合、その市町村の50年に一度の値以上が発表基準になります。例えばお住まいの紫波町の場合、3時間降水量113ミリ、48時間降水量247ミリが目安となっています。紫波町では2007年9月17日に1日の降水量220ミリという観測史上1位の記録があります。この時は、東北地方北部に停滞する秋雨前線上を台風から変わった温帯低気圧が通過、加えて沖縄地方にある台風から暖かく湿った空気が流れ込み内陸を中心に激しい雨となりました。このような気象が予想される場合は、大雨の特別警報が出される可能性があります。暴風の特別警報は、数十年に一度の強度の台風や同じ程度の温帯低気圧により暴風が吹くと予想される場合に出されます。想定しているのが中心気圧930ヘクトパスカル以下、又は最大風速毎秒50m以上の伊勢湾台風級の台風や温帯低気圧の来襲です。

洪水の特別警報はありません。洪水の予報については雨量等の気象現象に加え、ダムによる人為的な流水制御、支流からの合流や、インフラ整備の状況なども踏まえて行うことが必要になってきます。流域面積が大きく、洪水により大きな損害を生ずる河川については、国土交通省又は都道府県と気象庁が共同で、河川を指定して洪水予報を行っていることから、洪水の特別警報は出していません。県内で指定されている河川は、北上川、砂鉄川、磐井川、人首川、胆沢川、和賀川、豊沢川、雫石川、中津川、猿ヶ石川です。河川について氾濫危険情報が発表されたら、速やかに避難を開始することが大切です。

 

589回「発達障害と避難」2020年8月29日OA

2020年08月29日 6:00 PM

SVDさんから質問を頂きました。ありがとうございます。「ここ最近、水害にコロナ、後は間接的な地震などの話題に頭が痛いと感じる私。先日、私が住んでいる一関市の避難所のリストを見ていた時、水害、地震の時は・・・と書いてあるのは良いけれど、私は発達障害があるし、避難所ではどうやって居るのが正しいのかわからないし、会話もできないし、寝ているのが良いのか、手伝ってと言われた時にどうやって対処するのが正しいのかよくわからないし、本当に頭が痛い話だと感じるので」。

この件について、岩手県と一関市にお聞きしました。避難所運営を担当する一関市まちづくり推進部まちづくり推進課によりますと、市では新型コロナウイルス感染症への対策として、多くの人が避難所に密集しないよう「分散避難」を推奨しているとのことです。分散避難とは、安全な地域に住む親戚や知り合いの家などに避難することです。自宅が安全な地域にあれば、無理に避難するのではなく自宅に留まる選択肢もあります。市が設置する避難所に避難する際、配慮が必要な場合は、避難所スタッフに相談していただければ、別室やテントといった個別の配慮スペースを確保するなど、避難された方の状態に応じた対応を行うとしています。また保健師等による健康調査を行い、障害者支援施設や高齢者福祉施設などの福祉避難所への避難が必要な場合は、避難された方の状態に対応した施設との調整を行い、避難体制を整えるということです。

加えて岩手県保健福祉部障がい保健福祉課では、ご家族の協力を求めています。避難所スタッフに対して「本人の心身の状態や障がいの特性をお伝えいただくとともに、併せて、本人が必要とする薬、食品などの物品や、落ち着ける場所、話しかけ方など、特に配慮する事項もお伝えいただきたい」としています。そして大規模災害時は、岩手県災害派遣福祉チームが、避難所の要支援者の福祉・介護等のニーズ把握や応急支援などを行う体制を構築する、ということです。県や市の支援体制をお伝えしましたが、それでも不安がある場合は、平時にSVDさんのご家族から、市に相談しておくことが、災害が起きた時の備えになりそうです。

 

586回「気候変動と家庭での温暖化対策」2020年8月8日OA

2020年08月08日 6:00 PM

先月、気象庁が公表した「気候変動監視レポート2019」についてです。この年次報告は1996年から刊行しているもので、社会・経済活動に影響を及ぼす気候変動に関して、日本と世界の気候・海洋・大気循環の観測や監視結果に基づいた最新の科学的な情報・知見を取りまとめています。

2019年は、世界各地で異常高温や大雨など極端な気象・気候現象が発生しました。日本では千葉県を中心に甚大な被害を出した9月の台風15号や、岩手で初めて特別警報が出された10月の台風19号により、北日本から東日本で記録的な暴風・大雨となりました。又、全国的に気温の高い状態が続き、日本の平均気温は1898年の統計開始以降、最も高くなりました。全国的に最高気温が35度以上の猛暑日や、最低気温が25度以上の熱帯夜は増加し、最低気温が0度未満の冬日は減少しています。1日の降水量100ミリ以上及び200ミリ以上の日数は1901年から2019年の119年間で共に増加。一方、1日の降水量1ミリ以上の日数は減少しています。大雨の頻度が増える反面、弱い降水も含めて降水日数は減っていて、極端な気象現象が増加していると言えます。

背景には、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響があると考えらえています。気象庁では大船渡市三陸町綾里の他、南鳥島、与那国島の国内3地点で地上付近の温室効果ガスの濃度を観測している他、2隻の海洋気象観測船で洋上大気や海水中、又、北西太平洋上空で飛行機による観測を行っています。その観測で、二酸化炭素の濃度は大気、海洋共に長期的に増加しているということです。温暖化を緩やかにする為、私達にできることは二酸化炭素の排出量を減らすこと、つまり化石燃料の消費を減らすことです。2018年度の家庭からの二酸化炭素排出量データを見ますと、1番多いのが電気からの46.7%、次いでガソリンの24.3%です。日本の発電源は2017年度のデータで、液化天然ガス、石炭、石油といった火力発電が80.8%を占めています。電気を使うことは煙突の無い家からも煙が出ていることになります。電気や燃料の省エネを心がけた行動は、家庭での温暖化対策になるのです。

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