気象と防災 マメ知識!

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気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

お便り・お問い合わせ

484回「今夏の異常気象」2018年8月18日OA

2018年08月18日 6:00 PM

この夏は異常気象の連鎖というべき状態が続きました。気象庁は7月の西日本豪雨と、7月中旬以降の猛暑の特徴と要因について今月10日、取りまとめました。西日本豪雨の総降水量は四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリを超える等、7月の月降水量が平年の2倍から4倍の大雨となる所がありました。豪雨をもたらした大規模な大気の流れの特徴は、上層を流れる2つの強い偏西風=ジェット気流の持続的な蛇行が関係しています。日本の東海上では亜熱帯ジェット気流が北へ大きく蛇行し続け、太平洋高気圧の日本の南東側への張り出しの一因となりました。又、寒帯前線ジェット気流が非常に大きく蛇行し続け、オホーツク海高気圧が日本の西側で非常に発達しました。この2つのジェット気流の蛇行が影響し、梅雨前線は西日本付近に4日間に亘り停滞し続けたのです。そして朝鮮半島付近では、亜熱帯ジェット気流が南に蛇行し気圧の谷となり、水蒸気の流入が強化され大雨をもたらしました。夏のユーラシア大陸上空では、亜熱帯ジェット気流の大きな蛇行がしばしば現れ「シルクロードテレコネクション」と呼ばれています。この夏は「シルクロードテレコネクション」がたびたび現れていて、6月下旬頃に発生した特に大きな蛇行は、関東甲信地方の歴代1位6月29日頃の早い梅雨明けをもたらしました。

7月中旬以降は、猛暑日や真夏日となる地点が多く、特に7月23日は埼玉県熊谷市で国内の統計開始以来最高となる41.1度など、各地で40度を超える気温が観測されました。岩手でも猛暑となり、一関では35度以上の猛暑日が7月だけで4日、30度以上の真夏日が21日と3週間も。盛岡では30度以上の真夏日が平年の6日を大きく上回る20日ありました。又大船渡では7月22日の最低気温が27.2度と観測史上一番高い気温を記録しました。背景には日本付近に張り出した2つの高気圧、太平洋高気圧と上層のチベット高気圧があります。気象庁はチベット高気圧が日本付近に張り出した一因も「シルクロードテレコネクション」と指摘しています。亜熱帯ジェット気流の蛇行は台風12号が本州に上陸後、西向きに進んだ一因とも考えられています。

互いに関連している豪雨と猛暑。今後も起こり得る為、岩手でも備えがますます重要になります。

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483回「声かけで熱中症予防」2018年8月11日OA

2018年08月11日 6:00 PM

今日は環境省などが行っている「熱中症予防声かけプロジェクト」についてです。熱中症に特に注意が必要なのは、お年寄りです。患者のおよそ半数が65歳以上の高齢者です。炎天下だけではなく、室内でも夜でも多く発生しています。なぜ年配の方が患者になるのでしょうか。HPでは4つの要因を指摘しています。1つ目は「体内の水分不足」。水分量が若者と比べ低い為、脱水状態に陥りやすいのです。又、体の老廃物を排出する際、多くの尿を必要とします。2つ目は「暑さに対する調整機能の低下」。暑い時、体に熱がたまりやすく、若年者よりも循環系への負担が大きくなります。3つ目は「暑さを感じにくい」。体が出しているSOS信号に気づきにくくなっています。4つ目は「頑固・無理をする」。これは「周りに迷惑を掛けたくない」「体が冷えるのが嫌」「夏は暑いのが当たり前」等、無理をしたり、自分の生活スタイルを変えたりしないことが挙げられます。しかし身体が加齢で変化しているように、真夏日や熱帯夜の増加等、以前より夏は暑くなっています。今までと同じ夏の過ごし方では、対処しきれないことを理解する必要があります。

加えて子どもへの配慮も大切です。子どもの熱中症の特徴は大きく5つあります。1つ目は「大人より暑さに弱い」。特に乳幼児は汗をかく機能が未熟で、体に熱がこもりやすく、体温が上昇しやすくなります。気温が体温より高いと熱を逃がすことができず、反対に周りの熱を吸収する恐れがあります。2つ目は「照り返しの影響を受けやすい」。大人よりも身長が低い為、大人の顔の高さで32度の時、子どもの顔の高さでは35度ぐらいあります。3つ目は「自分では予防策が取れない」。特に乳幼児は、自分で水分を補給したり、服を脱いだりする等の暑さ対策ができないことも熱中症への危険を高めます。遊びに夢中になり暑さを忘れ、熱中症になる場合もあります。4つ目は「車内への置き去り」。冷房をつけていても、何かの拍子で切れることがあります。季節を問わず、わずかな間であっても車内に子どもだけを残さないで下さい。5つ目は「学校」。体育や部活動中だけではなく、遠足・登山等、スポーツではない学校行事でも発生します。

熱中症予防の為、家族や友人、近所同士で「水分を摂っていますか」「少し休んだらどうですか」等、声を掛け合うコミュニケーションが命を救います。

 

482回「西日本豪雨2」2018年8月4日OA

2018年08月04日 6:00 PM

岡山県は年間の降水量1ミリ未満の日数が多い、つまり傘の出番が少ない「晴れの国おかやま」として有名です。その地を先月、豪雨が襲いました。系列の取材団の一員として岡山県で取材にあたった佐藤将幸記者に現地の状況について聞きました。佐藤記者は、先月10日に岡山県倉敷市真備町(まびちょう)に入り、3日間、取材しました。

真備町内は岡山三大河川の一つ「高梁川(たかはしがわ)」とその支流である「小田川(おだがわ)」が合流する場所に位置しています。今回の豪雨災害では町の面積の4分の1にも及ぶ広範囲で浸水しました。小田川を中心に8か所で堤防が決壊していて、水が溢れたエリアは2つの川の合流点付近でした。なぜ合流点で大きな被害となったのか、河川工学が専門の前野詩朗(まえのしろう)岡山大学教授の現地調査に同行させていただきました。堤防上の叢は本来の川の流れとは逆方向、上流側を向いて倒れていました。前野教授はその様子から「小田川のバックウォーターにより、非常に危険な状態になった」と指摘します。「バックウォーター」とは川の合流する場所で一方の川が逆流する現象です。真備町の場合、高梁川の支流である小田川は流れが緩やかで、しかも合流点が湾曲している為、水が溜まりやすい地形になっています。大雨が降って水の量が多くなると緩やかな流れは行き場を失い逆流を始めます。逆流した水は段々と溜まっていき、溢れたり堤防を破壊したりします。これがバックウォーター現象です。土木学会のメンバーが住宅の壁や窓に残る泥の痕跡などの高さを測定。その結果、真備支所などがある町の中心部付近では深さ5メートルを超えた場所が東西3・5キロに及んでいました。このうち箭田(やた)地区では最も深い5・38メートルを観測した地点もあったということです。これは2階の軒下に達する高さで、浸水時、在宅の場合、屋根の上に逃げるしかありません。

岡山県では8月2日現在、死亡が確認された61人の内、51人が真備町で犠牲になりました。前野教授は、「バックウォーター現象は、川が合流する場所なら、どこでも起こり得る」と警告しています。県内にも川が合流するポイントは数多くあります。大雨が降った際は、このバックウォーター現象を思い出して、川の様子に注意することが大切です。

 

481回「西日本豪雨1」2018年7月28日OA

2018年07月28日 6:00 PM

今日は平成で最悪の被害となった、西日本を中心とした豪雨についてです。6月28日から7月8日までの総降水量が四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリを超える所がありました。盛岡の雨と雪を合計した1年間の平均降水量は1266ミリですから、それを上回る雨が11日間で降った地域がある、ということになります。気象庁はこの要因について「多量の水蒸気が、東シナ海からと、太平洋高気圧を回り込む形で、西日本付近で合流し集中したこと」「梅雨前線による上昇流が例年に比べ強くかつ長時間持続したこと」更に一部では「線状降水帯による大雨もあったことによるものであった」と分析しています。

気象庁は岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、広島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県の1府10県に「特別警報」を発表し最大限の警戒を呼びかけました。「特別警報」は、予想される現象が特に異常である為、重大な災害の起こる恐れが、著しく大きい旨を警告する防災情報です。しかし今回200人以上が犠牲になってしまいました。命を落とした方の多くは「高齢者」でした。岡山県によりますと22日現在、身元が確認された死亡者61人の内8割、49人が65歳以上でした。自力での避難が困難だったり、自治体の情報が十分伝わらなかったりして、逃げ遅れた可能性があるのです。

今回の豪雨を受けて岩手大学の齋藤徳美名誉教授は「気象庁が多種多様な情報を出しているが、受け手側に伝わらないと意味が無い」と指摘。また、避難に関する課題として「7万人、8万人に避難を呼びかけても収容する場所が果たしてあるのか。しかも中山間地では、危険な山道、加えて夜間に移動するのは無理。集落の中で、一番、安全な家に身を寄せるしかないのでは」と具体的な避難行動を提言しています。又「災害弱者はお年寄り世帯だけではない。家族と生活しているものの、仕事等に出かけ、日中は1人で暮らすお年寄りのような『隠れ災害弱者』の命を守る為の方策も重要だ」と課題を挙げています。適切な場所に、適切に避難するにはどうすれば良いのか、自然災害から命を守る為に、危険を共有し、家族や地域で話し合うことが急務です。

 

474回「洪水警報の危険度分布」2018年6月2日OA

2018年06月02日 6:00 PM

今日は「洪水警報の危険度分布」についてです。これは前回お伝えした「北上川上流洪水予報」のような流域面積の大きい河川ではなく、中小河川の洪水から命を守る為、気象庁のHPで、リアルタイムで確認できる情報のことです。

2年前の台風10号で岩泉町では小本川が氾濫し、施設に大量の水が一気に流れ込み9人が犠牲になりました。このように中小河川では上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く水位が急激に上昇し、避難が間に合わないケースがあります。このような場合、水位計や監視カメラ等による現地情報に加え、水位上昇の見込みに関する予測情報も併せて活用することで、洪水危険度が急上昇する前に避難を開始できます。この予測情報が「洪水警報の危険度分布」です。中小河川の洪水災害発生の危険度の高まりを、地図上で概ね1キロ毎に示します。避難にかかる時間等を考慮して3時間先までの予測値を用いて5段階に色分けしています。常時10分毎に更新していて、洪水警報等が発表された際、どこで危険度が高まっているかを把握できます。

気象庁のリーフレットでは、「平成29年7月九州北部豪雨」での大分県日田市の小野川を例に挙げています。5日午後2時半の時点で、現場では増水しているものの、小野川はまだ溢れていません。しかし危険度分布では、水位が上昇して3時間先までに重大な洪水災害となる可能性を示す「赤色」が出現しています。午後3時の時点で更に増水しているものの、橋の高さまでは達しておらず、家屋周囲の草むらもまだ浸水していません。しかし危険度分布では「薄い紫色」が出現しており、引き続き水位が上昇して3時間先までに重大な洪水災害となる可能性が高い状況です。そしてそのわずか30分後の午後3時半。急激に増水し氾濫が発生。激流が橋に打ちつけ、家屋周囲の草むらも浸水し、既に逃げ道を塞がれ避難が困難な状況です。危険度分布でも、重大な災害がすでに発生している可能性が高い「濃い紫色」が出現しています。このように、遅くとも洪水警報の危険度分布で薄い紫色「非常に危険」が出現し、氾濫注意水位等を超えたら避難を始めて下さい。

473回「北上川上流洪水予報」2018年5月26日OA

2018年05月26日 6:00 PM

今日は「北上川上流洪水予報」についてです。これは岩手河川国道事務所の水位に関する河川情報と、盛岡地方気象台の雨量に関する気象情報を元に共同で発表されます。岩手河川国道事務所の資料によりますと、県内の指定河川と15の基準観測所は次の通りです。「北上川」は、盛岡市の館坂橋、明治橋、紫波町の紫波橋、花巻市の朝日橋、北上市の男山、奥州市水沢の桜木橋、奥州市前沢の大曲橋、一関市の狐禅寺、一関市川崎町の諏訪前。「雫石川」は盛岡市の明治橋。「中津川」は盛岡市の山岸。「磐井川」は一関市の釣山。「砂鉄川」は一関市川崎町の妻神。又、「雫石川」は盛岡市の太田橋。「猿ヶ石川」は花巻市の安野です。

洪水予報には次の4つの情報があります。危険度レベル2である「氾濫注意情報」。氾濫注意水位に達し、更に上昇する恐れがある時に発表されます。危険度レベル3である「氾濫警戒情報」。避難判断水位に達し更に上昇する恐れのある時、又は氾濫危険水位を超える洪水となる恐れがある時に発表されます。氾濫発生に対する警戒を求める段階で、避難準備・高齢者等避難開始に相当します。危険度レベル4である「氾濫危険情報」。水位が氾濫危険水位に達した時に発表されます。いつ氾濫してもおかしくない状態で、避難勧告に相当します。そして危険度レベル5「氾濫発生情報」。氾濫の発生を確認した時に発表され、氾濫水への警戒を求める段階です。

北上川の上流は南北に長く東西に狭い地形となっており、西の奥羽山脈、東の北上高地から河川が合流していることなどから、洪水が発生しやすい特徴があります。洪水予報はIBCのラジオやテレビでもお伝えする他、気象庁ホームページでも公開しています。発表された場合、市町村からの避難勧告等に留意しましょう。尚、大雨になってからや、浸水してからの避難は大変危険ですので、早めの避難を心がけましょう。万が一浸水してしまった場合には、頑丈な建物の2階以上や高い所へ避難した方が安全な場合もあります。予めハザードマップと避難方法を確認しておきましょう。自分がいる場所で浸水の危険がある場合、どれぐらいの高さになるか屋内で目印をつけ、普段から大切な物はそれよりも高い場所に置くようにしましょう。

 

446回「水害・暴風雨体験」2017年11月18日OA

2017年11月18日 6:00 PM

先日、訪れた東京都墨田区にある「本所(ほんじょ)防災館」の模擬災害体験についてお伝えします。インストラクターが案内するツアー形式で予約が必要です。

「都市型水害体験」では地下空間内で浸水した場合の行動について学びます。片開きの緑のドアがありその裏側に階段を伝って水が流れ込んでくるような絵が描かれています。ドアの足下には濃淡に色分けされた水のラインがあり、水深10センチ、20センチ、30センチと3段階に分かれています。ドア横のボタンを押すと、それぞれの水深に応じた圧力がドアにかかり、10秒以内に45度、開けられるかを体感するものです。実際にやってみると、水深10センチでもかなりドアが重く感じられ、20センチは55キロの全体重をかけてやっと押し開けられ、30センチはびくともせず水の重さに驚きました。地下空間は決して安全ではありません。地上が冠水すると一気に水が入り込み浸水したり、又、水圧によりドアが開けにくくなったりする恐れがあります。このような危険性をイメージし、大雨の際は早めに水害の心配が無い場所に避難することを心がける必要があります。

「暴風雨体験」では、まず借用した青いレインコートにレインパンツ、長靴、マスクを身に着けます。そして大人が10人ほど入れるガラスで覆われた部屋に入り、3列あるハードルのような手すりに前屈みになって掴まります。男性アナウンサーの台風中継のような音声が流れ、正面から暴風と、頭上からシャワーのような大雨を体験するものです。風速30メートルは走行中のトラックが横転するような猛烈な風で、手すりをしっかり握っていないと立っているのが困難です。1時間に50ミリの非常に激しい雨はまるで滝に打たれているようです。このような気象条件では、外出を控え、安全な場所で身を守ることの大切さを実感しました。本所防災館の場所はスカイツリーのすぐ傍、都営浅草線・押上(おしあげ)駅から徒歩10分です。

 

443回「記録的短時間大雨情報」2017年10月28日OA

2017年10月28日 6:00 PM

紫波町のじゃじゃじゃサテライトさんから質問をいただきました。ありがとうございます。「記録的短時間大雨情報はいつから始まったんですか?紫波で確か3年前に95.5ミリの猛烈な雨が降ったことがありますが、それも記録的短時間大雨情報に匹敵するのでしょうか?」

盛岡地方気象台によりますと、記録的短時間大雨情報とは「県内で数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、地上の雨量計で観測したり、気象レーダーと雨量計を組み合わせて解析したりした時に発表する情報」です。その基準は、1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考に都道府県毎に決まっていて、岩手県では1時間に100ミリとなっています。現在降っている雨が災害の発生に繋がるような稀にしか観測しない雨量であることをお知らせする、大雨警報を補完するものです。導入のきっかけは、長崎県を中心とした昭和57年7月豪雨、及び島根県を中心とした昭和58年7月豪雨でした。昭和58年10月、記録的な短時間雨量を観測した際に大雨情報の発表を始め、昭和61年3月には記録的短時間大雨情報という言葉が登場。平成6年6月からは雨量の解析にレーダーを用いるようになり、平成28年9月からは雨量解析処理を改善、実況をいち早く伝えられるようになりました。

尚、近年、県内では、いずれも1時間に約100ミリの雨量が観測された「平成22年8月31日一関市西部付近」「平成22年12月23日宮古市東部付近」「平成25年8月9日雫石町付近」「平成26年7月6日盛岡市北部付近」そしてご指摘のあった「平成27年6月16日紫波町付近」「平成28年8月3日奥州市西部付近」を対象に発表されました。この情報が発表された際、特に土砂災害警戒区域や浸水想定区域などにお住まいの方は、市町村の避難情報を確認し速やかに避難してください。避難場所まで移動することが却って危険と判断される場合には、屋内の中でも土砂災害・浸水害・洪水害が及ぶ危険性ができる限り小さい階や部屋等に退避するなどの行動をとってください。

442回「トクする!防災2」2017年10月21日OA

2017年10月21日 6:00 PM

前回に続いて日本気象協会が行っている「トクする!防災プロジェクト」についてです。水害や河川氾濫では、自分の地域だけではなく、近くの川の上流で豪雨や長雨が続いている場合にも気を付けなければなりません。市街地などに短時間で局地的な大雨が降ると、下水道や排水路から溢れ出した雨水が建物や土地、道路などを水浸しにすることがあります。これを「内水氾濫」と言います。内水氾濫は、河川の氾濫と比べて「雨の降り出しから浸水被害が発生するまでの時間が短い」「河川から離れた地域でも浸水被害が発生する」「浸水の深さが浅いので、無理に屋外へ避難するよりも頑丈な建物の2階以上へ移動した方が安全な場合が多い」という特徴があります。日頃から大雨に備えて自宅の周囲を点検し、路面の排水を妨げるような側溝等の上部に溜まったゴミや落ち葉は取り除きましょう。

水害や河川氾濫の避難で大切なのは、「夜になる前の早めの避難」です。台風の接近や、大雨が夜に予想されている時は特に注意が必要です。辺りが暗く大雨の中の避難は危険です。暗さで周りが見えないだけではなく、大雨で音が聞こえにくく、崩れている道路に気づくのが遅れ、避難中に被災する恐れもあります。特に災害に弱い高齢者や子どものいる家庭では、天気予報を見て、暗くなる前の昼や夕方に早めに避難するようにしましょう。

歩いて避難する時は、水位が上がっている用水路に流されないよう、離れた高い道路を通りましょう。事前に避難ルートを想定し、実際に歩いて用水路やアンダーパス等の低い土地がないか確認しましょう。もし道路が既に冠水している場合、泥水で足元が見えない為、特に注意が必要です。歩き慣れた道であっても、マンホールの蓋が外れて吸い込まれるかもしれません。やむを得ず冠水している道を通る際は、杖のような棒を持って、足元が大丈夫か確認しながら避難しましょう。防災のヒントが満載のHPは、「トクする防災」で検索すると御覧になれます。

 

441回「トクする!防災1」2017年10月14日OA

2017年10月14日 6:00 PM

今日は「トクする!防災プロジェクト」です。ちょっと楽しく、ちょっとおトクに防災アクションを取ることで、自分や家族の命を守ることを目指す、日本気象協会のプロジェクトです。公式ウェブサイトやSNS、アプリ、防災イベントなどを通じ、日頃から気軽に取り組める「ふだんの防災アクション」を提唱しています。

例えば「防災備蓄の必要性」について。阪神大震災や東日本大震災、熊本地震など大きな災害が起きると避難所では食料すら足りない状況が必ず起きています。自治体の備蓄は補助的なものと考え、被災地以外から支援を受けられるまでの数日間、必要な物は全て、自宅で用意しておくと安心です。防災用の備蓄は「長期的に置いておくもの」と「普段から使っているもの」に分けられます。前者は給水袋など水を溜めておくもの、カセットコンロなど調理器具、簡易トイレなど衛生状態を保つもの、ラジオのように情報を確認するものなどです。後者は、食料品、薬・救急用品、ウェットティッシュなど衛生状態を保つもの、乾電池など日用品です。普段から使っているものについて、おすすめの備蓄方法が「ローリングストック」です。食料品を少し多めに買っておき、食べたら食べた分だけ買い足し、常に一定量の食材を家に備蓄しておくというものです。消費と購入を繰り返すことで、鮮度を保ちながら、いざというときに備えられるのです。これは食料だけではなく、生活用品にも応用できます。

このプロジェクトで興味深いのは、災害時の行動体験イベントです。去年7月、愛知県の中学生ボランティア36人に、ゆであずき缶を缶切りで開けられるか試してもらったところ、約7割の25人が開けられませんでした。缶詰は、プルタブ式の他、従来型も多く販売されています。特に子ども達は、いざという時に開けられないということがないよう、普段から缶切りにも慣れておくことの大切さを感じました。防災のヒントが満載のHPは、「トクする防災」で検索すると御覧になれます。

 

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