気象と防災 マメ知識!

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気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

お便り・お問い合わせ

491回「教えてドクター」2018年10月6日OA

2018年10月06日 6:00 PM

今回は2016年に発行された「教えて!ドクター こどもの病気とおうちケア」というマニュアルについて取り上げます。長野県佐久地域で、育児に関わる家族の不安を少しでも減らしたいという思いで、佐久医療センター小児科を中心に佐久医師会が作成したものです。

冊子の中には「子どもと防災」のページがあり、「非常時の環境をどれだけ普段の環境に近づけられるか」が備えの大切さと指摘します。乳幼児のいるご家庭の避難バッグのチェックリストに掲載されているのは、1週間に必要な「オムツ」の目安は100枚、手を拭くこともできる「お尻拭き」の目安は200枚、ミルクセットなどです。オムツが無い時、レジ袋とタオルを組み合わせた簡易オムツの作成方法もイラスト入りで描かれています。ミルクセットは、1週間の目安として粉ミルク900グラム2缶や、使い捨て紙コップ1日8回使用として60個です。紙コップは哺乳瓶を殺菌することが難しい状況の際に役立ちます。紙コップを二重にし、粉ミルクを70度以上のお湯で殺菌し溶かします。さました後、赤ちゃんを立てて抱っこし、コップに唇をつけたまま赤ちゃんが自分で飲むようにするものです。母乳育児のお母さんに対しては、免疫成分が含まれている母乳を与え続け、粉ミルクは必要な赤ちゃんへ譲ること。もし避難所で母乳が止まったとしても、安心することで出やすくなることから、パーテーションやテントにより授乳スペースを作ってもらうことを提案しています。

その他、落ち着きのないお子さんとの接し方についてのアドバイスもあります。イメージしやすい行動を丁寧に言葉で伝える例として、「ちょっと待って」ではなく「後30秒待って」、「うるさい!」ではなく「声のボリュームを2にしよう」、「走らないで」ではなく「歩こう」などです。又、ご飯中に遊び始めたり、お風呂の時間なのに本を読み始めたりするような時は、事前に親子で折り紙と牛乳パックを用い名刺サイズのカード「赤色・ご飯」「青色・お風呂」「黄色・着替え」等を作成し、お互いに確認すると、今の行動に集中できるというアイデアも載っています。これらの情報はパソコンなどで「教えてドクター」で検索すると見られ、又、スマートフォン用の無料アプリも配信されています。

 

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490回「親子の防災マルシェ」

2018年09月29日 6:00 PM

今月17日、北上市のさくらホールで、子育て中の方が防災を学び、自分や家族を守る「自助」の意識を持とうというイベントが開かれました。講演会の講師はアウトドア防災ガイドの「あんどうりす」さんです。小ホールにはカラフルなマットが敷かれ、ミニカーなどで自由に子ども達が遊ぶ中での講演でした。あんどうさんは、地鶏をバルサミコ酢で漬け込んだ美味しい缶詰を紹介したり、テントでの宿泊体験を勧めたりして、非常時に活用できることを日常に取り入れることで、避難生活のストレスを減らせるとアドバイスしていました。

中でも関心を集めたのは、昔から腹帯などで使われてきた「さらし」を使ったおんぶでした。あんどうさんは「普段から、さらしのだっこ・おんぶの方がずっと軽くなるので、技も知っておいて下さい。さらしは10メートル1000円位で売られています。半分に切って5メートル。5メートルで子どもを、おんぶ・抱っこできます」と説明していました。子どもの重心を高く背中に密着することで、とても楽に背負うことができるのです。取材した奥村奈穂美アナは来場者の4歳のお子さんをおんぶし体験すると「いつもは子どもの重さがズシンと来ますが、このおんぶは担いでいる感じで、全然、苦しくない」と驚いていました。最近の子どもの多くはおんぶした際、しがみつくことができず反ってしまうそうです。普段からおんぶに慣れることで子どものしがみつく力が身に付き、非常時のおんぶで、親は両手を使え、お子さんと速やかに避難できそうです。このイベントは講演会の他、防災グッズの展示や地震体験コーナーが設けられ、乳幼児を連れた親子110組、330名が参加しました。来場者は、普段の子育ての中で災害時に使えるグッズや技を身に着けておく大切さを実感していました。

企画したのは、自身も6歳と1歳半の子どもを育てている北上市の髙橋真利子さんです。停電を想定し、夜、家族で、ヘッドランプで過ごすような体験もしている髙橋さんは「小さな子供を抱えての防災を一人で頑張るのではなくて、もっと地域を巻き込みたいという強い気持ちで取り組んできました。防災について、家族を守る力について、少しでも底上げになればと願っております」と備えの広がりを期待していました。

488回「台風21号の高潮」2018年9月15日OA

2018年09月15日 6:00 PM

9月4日、日本列島を襲った台風21号についてです。台風は正午頃、徳島県南部に上陸しました。台風の強さは中心付近の最大風速で階級が分けられています。風速33m以上44m未満が「強い」、44m以上54m未満が「非常に強い」、54m以上が「猛烈な」です。今回、海水温が高い為、中心付近の最大風速は45mと「非常に強い勢力」を保ったまま上陸しました。「非常に強い勢力」を保ったままの上陸は1993年の台風13号以来、25年ぶりです。台風は上陸後、近畿地方を縦断し、東日本から北日本の日本海を北上しました。県内は夜遅く、強風に見舞われ、最大瞬間風速は宮古市区界で30.2m、盛岡市で27.5mを記録し、県のまとめによりますと屋根が飛ばされるなどの建物被害はあわせて13件、延べおよそ8000戸で停電が発生しました。

今回の台風では、近畿地方や四国地方を中心に、高潮が発生しました。気象庁によると、大阪市で最大潮位329センチを観測し、1961(昭和36)年9月16日の第2室戸台風の時の過去最高潮位293センチを更新し、関西国際空港では滑走路やターミナル周辺が浸水しました。台風による高潮は「吹き寄せ効果」と「吸い上げ効果」の2つの要因が関係しています。「吹き寄せ効果」は、台風に伴う風が沖から海岸に吹き寄せられて、海岸付近の海面が上昇するものです。海面上昇は風速の2乗に比例し、風速が2倍になれば海面上昇は4倍になります。特に奥ほど狭まっているV字型の湾の場合は更に海面が高くなります。「吸い上げ効果」は、台風が接近して気圧が低くなり海面が持ち上がる現象です。外洋では気圧が1ヘクトパスカル低いと海面は約1センチ上昇します。例えばそれまで1000ヘクトパスカルだった所へ、今回のように中心気圧955ヘクトパスカルの台風が来れば、台風の中心付近で海面は約45センチ高くなり、その周りでも気圧に応じて海面が高くなるのです。南にV字型に開いた大阪湾では、台風が西側を北上し南風が吹き続け、加えて強風によって発生した高い波浪が沖から打ち寄せ、吸い上げ効果も加わり、海面が一層高くなったのです。

台風による高潮は事前にある程度、予測できます。高潮によって海水が進入してくる時は、猛烈な勢いで流れ込んでくる為、発生してからでは避難が困難になります。早めの避難が必要です。

 

486回「特別警報と大雨情報の違い」2018年9月1日OA

2018年09月01日 6:00 PM

紫波町の「今日は特命競馬女子さん」から質問をいただきました。ありがとうございます。「『特別警報』と『記録的短時間大雨情報』についてですが、ラジオではよく数十年に一度と言われているようですが、やはりどこか違いがあるんでしょうか」一言で言えば、特別警報は「予想により発表するもの」で、記録的短時間大雨情報は「観測された雨量をお知らせするもの」です。

特別警報は、大雨の他にも、大津波等が警報の発表基準をはるかに超えることが予想され、重大な災害の起こる恐れが著しく高まっている場合に発表され、最大級の警戒を呼び掛けます。大雨に関する特別警報は、「数十年に一度の大雨となる恐れ」とお伝えしますが、基準は市町村毎に「50年に一度の雨量」が設定されていて、例えば48時間降水量が盛岡市で225ミリ、宮古市で284ミリなどです。数十年に一度と言いながら、大雨特別警報は毎年のように見聞きします。しかし気象庁によりますと「数十年に一度とは地域毎に見てのものであり、全国的に見た場合には、年に1~2回程度有るか若しくは無いかの頻度になります」ということです。

「記録的短時間大雨情報」は、「数年に一度程度」しか発生しないような短時間の大雨を、地上の雨量計で観測したり、気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせて解析したりした際、各地の気象台が発表します。発表基準は、1時間雨量の歴代1位、又は2位の記録を参考に決めていて、岩手県の場合は1時間に100ミリの雨量です。記録的短時間大雨情報は、大雨警報を発表中、現在、降っている雨がその地域で、土砂災害や浸水害、中小河川の洪水の発生につながる稀にしか観測しない雨量であるということをお知らせします。特に土砂災害警戒区域や浸水想定区域などにお住まいの方は、地元市町村の避難情報を確認し、避難勧告等が発令されている場合には速やかに避難を開始して下さい。但し情報が発表された時点で既に屋外は猛烈な雨となっていることも想定されます。予め決めておいた避難場所まで移動することが逆に危険な場合、近くのより安全な場所や建物へ移動して下さい。

485回「ハザードマップ確認」2018年8月25日OA

2018年08月25日 6:00 PM

西日本豪雨で堤防が決壊し、広い範囲が浸水した岡山県倉敷市真備町では、高齢者を中心に多くの犠牲者が出ました。浸水した地域は、市が作成した洪水・土砂災害ハザードマップの想定とほぼ重なっていました。ラジオ番組でハザードマップの確認を呼びかけたところ、宮古の男性からお便りをいただきました。ありがとうございます。「神山さんの一声で4月に配布された総合防災ハザードマップを確認してみました。津波は一応、セーフ。洪水は2m~5m。避難勧告、指示が出たら即行動するようにします」HPで「宮古市総合防災ハザードマップ」を拝見しました。地震・津波や洪水・土砂災害など、災害が発生したときの避難場所や避難所、浸水等の想定区域、避難や備えの基礎知識などについてまとめられています。洪水の条件は「100年に1回程度の大雨により河川が氾濫した場合に想定される最大の浸水深をシミュレーション」とあります。県土整備部河川課によりますと「閉伊川流域では2日間で212ミリ、津軽石川では24時間で325.3ミリの降雨を想定」しているとのことです。宮古市だけではなく、お住まいの地域のハザードマップの確認が大切です。

国土交通省では、洪水時の避難で気を付けるべき事として「ラジオなどでの正確な情報収集と早めの避難」の他、「動きやすい服装」を呼びかけています。持ち物はリュックに入れて手は自由にすること、そして水が入ると重くなる長靴ではなく運動靴で逃げることを勧めています。氾濫した水は勢いが強く、水深が膝程度で大人でも歩くのが困難になります。緊急避難として、高い堅牢な建物に留まることも選択肢の一つです。又氾濫した水は茶色く濁っていて、水路と道路の境や、蓋が開いているマンホールの穴は見えません。やむを得ず水の中を移動する時は、棒で足下を確認するよう注意を促しています。

避難の際、心配なのが移動に時間がかかる「高齢者」などです。逃げるよう促しても「他人に迷惑をかけたくない」と自宅から出ず、避難の遅れに繋がる例を耳にします。命を守る為、早めに「共に避難する関係」を平時から地域で作り上げる必要があります。

 

484回「今夏の異常気象」2018年8月18日OA

2018年08月18日 6:00 PM

この夏は異常気象の連鎖というべき状態が続きました。気象庁は7月の西日本豪雨と、7月中旬以降の猛暑の特徴と要因について今月10日、取りまとめました。西日本豪雨の総降水量は四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリを超える等、7月の月降水量が平年の2倍から4倍の大雨となる所がありました。豪雨をもたらした大規模な大気の流れの特徴は、上層を流れる2つの強い偏西風=ジェット気流の持続的な蛇行が関係しています。日本の東海上では亜熱帯ジェット気流が北へ大きく蛇行し続け、太平洋高気圧の日本の南東側への張り出しの一因となりました。又、寒帯前線ジェット気流が非常に大きく蛇行し続け、オホーツク海高気圧が日本の西側で非常に発達しました。この2つのジェット気流の蛇行が影響し、梅雨前線は西日本付近に4日間に亘り停滞し続けたのです。そして朝鮮半島付近では、亜熱帯ジェット気流が南に蛇行し気圧の谷となり、水蒸気の流入が強化され大雨をもたらしました。夏のユーラシア大陸上空では、亜熱帯ジェット気流の大きな蛇行がしばしば現れ「シルクロードテレコネクション」と呼ばれています。この夏は「シルクロードテレコネクション」がたびたび現れていて、6月下旬頃に発生した特に大きな蛇行は、関東甲信地方の歴代1位6月29日頃の早い梅雨明けをもたらしました。

7月中旬以降は、猛暑日や真夏日となる地点が多く、特に7月23日は埼玉県熊谷市で国内の統計開始以来最高となる41.1度など、各地で40度を超える気温が観測されました。岩手でも猛暑となり、一関では35度以上の猛暑日が7月だけで4日、30度以上の真夏日が21日と3週間も。盛岡では30度以上の真夏日が平年の6日を大きく上回る20日ありました。又大船渡では7月22日の最低気温が27.2度と観測史上一番高い気温を記録しました。背景には日本付近に張り出した2つの高気圧、太平洋高気圧と上層のチベット高気圧があります。気象庁はチベット高気圧が日本付近に張り出した一因も「シルクロードテレコネクション」と指摘しています。亜熱帯ジェット気流の蛇行は台風12号が本州に上陸後、西向きに進んだ一因とも考えられています。

互いに関連している豪雨と猛暑。今後も起こり得る為、岩手でも備えがますます重要になります。

483回「声かけで熱中症予防」2018年8月11日OA

2018年08月11日 6:00 PM

今日は環境省などが行っている「熱中症予防声かけプロジェクト」についてです。熱中症に特に注意が必要なのは、お年寄りです。患者のおよそ半数が65歳以上の高齢者です。炎天下だけではなく、室内でも夜でも多く発生しています。なぜ年配の方が患者になるのでしょうか。HPでは4つの要因を指摘しています。1つ目は「体内の水分不足」。水分量が若者と比べ低い為、脱水状態に陥りやすいのです。又、体の老廃物を排出する際、多くの尿を必要とします。2つ目は「暑さに対する調整機能の低下」。暑い時、体に熱がたまりやすく、若年者よりも循環系への負担が大きくなります。3つ目は「暑さを感じにくい」。体が出しているSOS信号に気づきにくくなっています。4つ目は「頑固・無理をする」。これは「周りに迷惑を掛けたくない」「体が冷えるのが嫌」「夏は暑いのが当たり前」等、無理をしたり、自分の生活スタイルを変えたりしないことが挙げられます。しかし身体が加齢で変化しているように、真夏日や熱帯夜の増加等、以前より夏は暑くなっています。今までと同じ夏の過ごし方では、対処しきれないことを理解する必要があります。

加えて子どもへの配慮も大切です。子どもの熱中症の特徴は大きく5つあります。1つ目は「大人より暑さに弱い」。特に乳幼児は汗をかく機能が未熟で、体に熱がこもりやすく、体温が上昇しやすくなります。気温が体温より高いと熱を逃がすことができず、反対に周りの熱を吸収する恐れがあります。2つ目は「照り返しの影響を受けやすい」。大人よりも身長が低い為、大人の顔の高さで32度の時、子どもの顔の高さでは35度ぐらいあります。3つ目は「自分では予防策が取れない」。特に乳幼児は、自分で水分を補給したり、服を脱いだりする等の暑さ対策ができないことも熱中症への危険を高めます。遊びに夢中になり暑さを忘れ、熱中症になる場合もあります。4つ目は「車内への置き去り」。冷房をつけていても、何かの拍子で切れることがあります。季節を問わず、わずかな間であっても車内に子どもだけを残さないで下さい。5つ目は「学校」。体育や部活動中だけではなく、遠足・登山等、スポーツではない学校行事でも発生します。

熱中症予防の為、家族や友人、近所同士で「水分を摂っていますか」「少し休んだらどうですか」等、声を掛け合うコミュニケーションが命を救います。

 

482回「西日本豪雨2」2018年8月4日OA

2018年08月04日 6:00 PM

岡山県は年間の降水量1ミリ未満の日数が多い、つまり傘の出番が少ない「晴れの国おかやま」として有名です。その地を先月、豪雨が襲いました。系列の取材団の一員として岡山県で取材にあたった佐藤将幸記者に現地の状況について聞きました。佐藤記者は、先月10日に岡山県倉敷市真備町(まびちょう)に入り、3日間、取材しました。

真備町内は岡山三大河川の一つ「高梁川(たかはしがわ)」とその支流である「小田川(おだがわ)」が合流する場所に位置しています。今回の豪雨災害では町の面積の4分の1にも及ぶ広範囲で浸水しました。小田川を中心に8か所で堤防が決壊していて、水が溢れたエリアは2つの川の合流点付近でした。なぜ合流点で大きな被害となったのか、河川工学が専門の前野詩朗(まえのしろう)岡山大学教授の現地調査に同行させていただきました。堤防上の叢は本来の川の流れとは逆方向、上流側を向いて倒れていました。前野教授はその様子から「小田川のバックウォーターにより、非常に危険な状態になった」と指摘します。「バックウォーター」とは川の合流する場所で一方の川が逆流する現象です。真備町の場合、高梁川の支流である小田川は流れが緩やかで、しかも合流点が湾曲している為、水が溜まりやすい地形になっています。大雨が降って水の量が多くなると緩やかな流れは行き場を失い逆流を始めます。逆流した水は段々と溜まっていき、溢れたり堤防を破壊したりします。これがバックウォーター現象です。土木学会のメンバーが住宅の壁や窓に残る泥の痕跡などの高さを測定。その結果、真備支所などがある町の中心部付近では深さ5メートルを超えた場所が東西3・5キロに及んでいました。このうち箭田(やた)地区では最も深い5・38メートルを観測した地点もあったということです。これは2階の軒下に達する高さで、浸水時、在宅の場合、屋根の上に逃げるしかありません。

岡山県では8月2日現在、死亡が確認された61人の内、51人が真備町で犠牲になりました。前野教授は、「バックウォーター現象は、川が合流する場所なら、どこでも起こり得る」と警告しています。県内にも川が合流するポイントは数多くあります。大雨が降った際は、このバックウォーター現象を思い出して、川の様子に注意することが大切です。

 

481回「西日本豪雨1」2018年7月28日OA

2018年07月28日 6:00 PM

今日は平成で最悪の被害となった、西日本を中心とした豪雨についてです。6月28日から7月8日までの総降水量が四国地方で1800ミリ、東海地方で1200ミリを超える所がありました。盛岡の雨と雪を合計した1年間の平均降水量は1266ミリですから、それを上回る雨が11日間で降った地域がある、ということになります。気象庁はこの要因について「多量の水蒸気が、東シナ海からと、太平洋高気圧を回り込む形で、西日本付近で合流し集中したこと」「梅雨前線による上昇流が例年に比べ強くかつ長時間持続したこと」更に一部では「線状降水帯による大雨もあったことによるものであった」と分析しています。

気象庁は岐阜県、京都府、兵庫県、岡山県、鳥取県、広島県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県の1府10県に「特別警報」を発表し最大限の警戒を呼びかけました。「特別警報」は、予想される現象が特に異常である為、重大な災害の起こる恐れが、著しく大きい旨を警告する防災情報です。しかし今回200人以上が犠牲になってしまいました。命を落とした方の多くは「高齢者」でした。岡山県によりますと22日現在、身元が確認された死亡者61人の内8割、49人が65歳以上でした。自力での避難が困難だったり、自治体の情報が十分伝わらなかったりして、逃げ遅れた可能性があるのです。

今回の豪雨を受けて岩手大学の齋藤徳美名誉教授は「気象庁が多種多様な情報を出しているが、受け手側に伝わらないと意味が無い」と指摘。また、避難に関する課題として「7万人、8万人に避難を呼びかけても収容する場所が果たしてあるのか。しかも中山間地では、危険な山道、加えて夜間に移動するのは無理。集落の中で、一番、安全な家に身を寄せるしかないのでは」と具体的な避難行動を提言しています。又「災害弱者はお年寄り世帯だけではない。家族と生活しているものの、仕事等に出かけ、日中は1人で暮らすお年寄りのような『隠れ災害弱者』の命を守る為の方策も重要だ」と課題を挙げています。適切な場所に、適切に避難するにはどうすれば良いのか、自然災害から命を守る為に、危険を共有し、家族や地域で話し合うことが急務です。

 

474回「洪水警報の危険度分布」2018年6月2日OA

2018年06月02日 6:00 PM

今日は「洪水警報の危険度分布」についてです。これは前回お伝えした「北上川上流洪水予報」のような流域面積の大きい河川ではなく、中小河川の洪水から命を守る為、気象庁のHPで、リアルタイムで確認できる情報のことです。

2年前の台風10号で岩泉町では小本川が氾濫し、施設に大量の水が一気に流れ込み9人が犠牲になりました。このように中小河川では上流域に降った雨が河川に集まるまでの時間が短く水位が急激に上昇し、避難が間に合わないケースがあります。このような場合、水位計や監視カメラ等による現地情報に加え、水位上昇の見込みに関する予測情報も併せて活用することで、洪水危険度が急上昇する前に避難を開始できます。この予測情報が「洪水警報の危険度分布」です。中小河川の洪水災害発生の危険度の高まりを、地図上で概ね1キロ毎に示します。避難にかかる時間等を考慮して3時間先までの予測値を用いて5段階に色分けしています。常時10分毎に更新していて、洪水警報等が発表された際、どこで危険度が高まっているかを把握できます。

気象庁のリーフレットでは、「平成29年7月九州北部豪雨」での大分県日田市の小野川を例に挙げています。5日午後2時半の時点で、現場では増水しているものの、小野川はまだ溢れていません。しかし危険度分布では、水位が上昇して3時間先までに重大な洪水災害となる可能性を示す「赤色」が出現しています。午後3時の時点で更に増水しているものの、橋の高さまでは達しておらず、家屋周囲の草むらもまだ浸水していません。しかし危険度分布では「薄い紫色」が出現しており、引き続き水位が上昇して3時間先までに重大な洪水災害となる可能性が高い状況です。そしてそのわずか30分後の午後3時半。急激に増水し氾濫が発生。激流が橋に打ちつけ、家屋周囲の草むらも浸水し、既に逃げ道を塞がれ避難が困難な状況です。危険度分布でも、重大な災害がすでに発生している可能性が高い「濃い紫色」が出現しています。このように、遅くとも洪水警報の危険度分布で薄い紫色「非常に危険」が出現し、氾濫注意水位等を超えたら避難を始めて下さい。

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