気象と防災 マメ知識!

IBC岩手放送ホームページでは、広告・番組情報配信、閲覧履歴解析等のためにクッキーを使用しています。このお知らせを閉じるか閲覧を継続することで、クッキーの使用をご承認いただいたものとします。オプトアウトや詳細についてはIBC岩手放送「サイト規定」をご覧ください。

気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

お便り・お問い合わせ

596回「エルニーニョ現象と岩手の冬」2020年10月17日OA

2020年10月17日 6:00 PM

気象庁では、エルニーニョ現象など熱帯域の海洋変動を監視し、それらの実況と見通しに関する情報を「エルニーニョ監視速報」として毎月1回発表しています。今月9日に発表された最新の速報によりますと「夏からラニーニャ現象が発生しているとみられる。今後冬にかけて、ラニーニャ現象が続く可能性が90%と高い」ということです。「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」は、どちらも日本を含め世界中の異常な天候の要因になり得ると考えられています。エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。ラニーニャ現象が発生すると、日本の冬は西高東低の冬型の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向があります。

12月から2月を冬として、ラニーニャ現象が発生した最近5シーズンの岩手の冬を見てみます。わかりやすい数字で、盛岡の真冬日の日数と降雪量を比較してみます。盛岡の平年値は冬の3か月間で真冬日が14日、降雪量が計213センチあります。「1999年/2000年」の冬は、真冬日が6日、降雪量が132センチ、平年の62%。「2005年/2006年」の冬は、真冬日が34日、降雪量が261センチ、平年の123%。「2007年/2008年」の冬は、真冬日が12日、降雪量が146センチ、平年の69%。「2010年/2011年」の冬は、真冬日が19日、降雪量が205センチ、平年の96%。「2017年/2018年」の冬は、真冬日が13日、降雪量が196センチ、平年の92%でした。シーズンによってばらつきはありますが、昨シーズンのような真冬日3日、降雪量が平年の半分107センチの暖冬少雪よりは冬らしい冬でした。

仙台管区気象台が9月25日に発表した東北地方の12月から2月の冬の天候の見通しによりますと、「冬の気温はほぼ平年並み、平年と同様に寒気の影響を受ける見込み」、低気圧の影響を受けやすく「東北太平洋側の降水量は平年並か多く」「東北日本海側の降水量はほぼ平年並の見込み」です。この冬の岩手は、北国らしい寒さと雪の量に備えた方が良さそうです。

 

IBCラジオPR
IBCワイドFM

595回「『初冠雪』と『初雪化粧』」2020年10月10日OA

2020年10月10日 6:00 PM

9月28日、標高3776m、富士山から初冠雪の便りが届きました。甲府地方気象台が発表したもので、平年より2日早く、去年より24日早い観測です。

さて富士山は「初冠雪」の他に「初雪化粧」という言葉があることをご存じでしょうか。初雪化粧は山梨県富士吉田市の職員が山頂付近の雪化粧を目視により確認しているもので、今年は初冠雪より1週間早い9月21日に観測されました。「初冠雪」の他に、なぜ同じ山梨県内で「初雪化粧」を発表しているのでしょうか。観測を担当し、富士山の魅力を発信している富士吉田市の「富士山課」にお聞きしました。初雪化粧の観測は平成18年度、2006年から行っています。きっかけは甲府地方気象台の観測体制の変化でした。富士山の初冠雪の観測は以前、山梨県富士河口湖町の河口湖測候所の気象台職員の目視により行われていました。しかし2003年10月、観測技術の高度化や経費節減により河口湖測候所は無人観測所に移行。その後、甲府市にある甲府地方気象台からの観測に変わりました。しかし富士山から北北西、直線で36キロにある甲府市と、北北東15キロにある富士河口湖町では見える角度が違い、ズレが生じます。そこで富士河口湖町から東に5キロ、甲府市より富士河口湖町と観測条件が近い富士吉田市では『富士山頂の雪の便りをいち早く知らせたい』『観光コンテンツとして話題にしてもらうことで対外的にPRしたい』ことから「初雪化粧」として観測、発表を始めたということです。「いち早く」とはいえ実際、過去15年の気象台の「初冠雪」との差を見てみると、初雪化粧の方が早かったのは今年と2016年の2回のみ。7回は初冠雪と同じ日、6回は初雪化粧の方が遅いという結果です。

ところで富士山初冠雪の統計は1894年から120年以上の歴史があります。2004年から観測場所が変わった統計の信頼性について甲府地方気象台に尋ねると「確かに見る角度や距離が変わってしまった。同じ角度と距離からライブカメラで観測する方法もあるが、それは不自然。観測体制が変わるということは他の観測でもある。途切れることなく統計を取る為に、気象台からの観測を続けている」ということです。時代が変化する中で観測を続けることは大変なことです。富士吉田市の「初雪化粧」宣言は、気象台の「初冠雪」を補完する記録と言えます。

588回「梅雨明け」2020年8月22日OA

2020年08月22日 6:00 PM

盛岡の恋ヶ窪さんからメールを頂きました。ありがとうございます。「梅雨明けが無いっていう意味がわかりません。止まない雨はないというように、梅雨もいつかは終わりますよね。立秋後でも、発表したらいいのに」。盛岡地方気象台は東北北部の梅雨明けの速報的な発表について、今年は行わないとしました。梅雨明けの発表は立秋までを目安としています。梅雨は春から夏に移行する過程で、その前後の時期に比べると雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象です。立秋過ぎに速報するのはそぐわないのです。今年は8月上旬も大気の状態が不安定だった影響で曇りや雨の日が多く、7日の立秋までに明確に梅雨明けと判断できる時期がありませんでした。

梅雨入り、梅雨明けの発表が始まったのは1964年(昭和39年)からです。梅雨の時期は、大雨による災害の発生しやすい時期でもあり、一方、梅雨明け後の真夏に必要な農業用の水等を蓄える重要な時期でもあります。日々の生活に様々な影響を与え社会的にも関心が高いと考えられ、情報の提供が始まったものです。現在、気象庁では過去に遡って検討した1951年(昭和26年)以降の日付をHPで公開しています。季節変化は、ある日を境に明瞭にその季節に入ることはなく、双方の季節が交互に現れ移行していきます。判断が難しく、発表の仕方の変遷に、その苦労が伺えます。当初は「〇月〇日に梅雨明けしました」と特定した言い方をしていました。しかし1993年(平成5年)の冷夏と1994年(平成6年)の猛暑で状況が変わります。1993年は、8月13日に梅雨明けが発表されたものの、その後もぐずついた天気が続き「東北北部の梅雨明けは特定できない」と撤回。梅雨は終わりましたが、いつ終わったかは記録上、初めて特定できなかったのです。又、翌1994年は7月15日に「東北北部は2日前の13日に梅雨が明けていました」と発表したのです。その後は季節の移行を考慮し、1995年(平成7年)7月24日、1996年(平成8年)7月26日、共に「東北北部は7月下旬前半に梅雨明けした」と発表。しかし「これではわかりづらい」という批判が相次ぎ、現在の形、つまり平均的な5日程度の季節の移り変わりの期間の内、「〇月〇日ごろ」と中日を確定値として記録することになりました。

「立秋後でも発表を」とメールにありましたが、夏が終わった9月はじめに気象庁のHPで公表されます。春から夏にかけての実際の天候経過を検討し、どのような確定値で統計資料として残すのか、気になります。 ※9月に発表した気象庁の検討結果でも、東北北部の今年の梅雨明けは「特定できない」でした。

587回「アメダス創設者 木村博士」2020年8月15日OA

2020年08月15日 6:00 PM

地域気象観測システム「アメダス」についてです。NHK放送文化研究所によりますと、「アメダス」という言葉がテレビに初めて登場した頃、「雨が降らない時にもアメダスと言うのはなぜか」「アメダスというのは大阪弁で『雨だす(アメですよ)』という意味か」等の質問・問い合わせが放送局にあったそうです。アメダスは英語の「Automated(オートメイティド)=自動化された、Meteorological(メテオロロジカル)Data(データ)=気象データ、Acquisition(アクイジション)System(システム)=収集システム」の頭文字を取ったものです。観測データは、電話回線を通じてアメダスセンターに集められ、データチェック後、気象庁へ送られます。

アメダスは1974年11月1日に運用を開始しました。現在、降水量の観測所は約17キロ間隔で配置し、全国に約1300か所あります。 この内、約21キロ間隔で配置している約840か所では降水量に加えて、風向・風速、気温、日照時間を観測している他、雪の多い地方の約320か所では積雪の深さも観測しています。県内のアメダスは、盛岡地方気象台、無人化された宮古と大船渡の特別地域気象観測所、花巻の航空気象観測所、30か所の地域気象観測所、雨量のみ観測している13か所の地域雨量観測所、震災後に設けられた大槌町新町と陸前高田の臨時地域気象観測所、宮古市刈屋の臨時地域雨量観測所、13か所の積雪深計、以上63か所あります。天気予報の気温に関し「36の観測地点中」とお伝えしますが、これは気温を観測している盛岡、宮古、大船渡、花巻、地域気象観測所30か所、大槌町新町、陸前高田のデータを指しています。

「NHK気象・災害ハンドブック」には、名称決定のエピソードが紹介されています。AMDAS(アムダス)をはじめいくつかの略語候補があったそうですが、このシステムの創設者で当時の木村耕三観測部長が即座に「Meteorological(メテオロロジカル)のMeを採ってAMeDASにすることに決めた」そうです。日本気象学会の会報によりますと、東京生まれの木村さんは、気象庁を退官後、気象ロケット観測所が置かれていた現在の大船渡市三陸町に移住。北里大学水産学部で物理の講義を担当し1983年、69歳で他界しました。アメダスの生みの親は岩手と縁があったのです。

 

586回「気候変動と家庭での温暖化対策」2020年8月8日OA

2020年08月08日 6:00 PM

先月、気象庁が公表した「気候変動監視レポート2019」についてです。この年次報告は1996年から刊行しているもので、社会・経済活動に影響を及ぼす気候変動に関して、日本と世界の気候・海洋・大気循環の観測や監視結果に基づいた最新の科学的な情報・知見を取りまとめています。

2019年は、世界各地で異常高温や大雨など極端な気象・気候現象が発生しました。日本では千葉県を中心に甚大な被害を出した9月の台風15号や、岩手で初めて特別警報が出された10月の台風19号により、北日本から東日本で記録的な暴風・大雨となりました。又、全国的に気温の高い状態が続き、日本の平均気温は1898年の統計開始以降、最も高くなりました。全国的に最高気温が35度以上の猛暑日や、最低気温が25度以上の熱帯夜は増加し、最低気温が0度未満の冬日は減少しています。1日の降水量100ミリ以上及び200ミリ以上の日数は1901年から2019年の119年間で共に増加。一方、1日の降水量1ミリ以上の日数は減少しています。大雨の頻度が増える反面、弱い降水も含めて降水日数は減っていて、極端な気象現象が増加していると言えます。

背景には、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響があると考えらえています。気象庁では大船渡市三陸町綾里の他、南鳥島、与那国島の国内3地点で地上付近の温室効果ガスの濃度を観測している他、2隻の海洋気象観測船で洋上大気や海水中、又、北西太平洋上空で飛行機による観測を行っています。その観測で、二酸化炭素の濃度は大気、海洋共に長期的に増加しているということです。温暖化を緩やかにする為、私達にできることは二酸化炭素の排出量を減らすこと、つまり化石燃料の消費を減らすことです。2018年度の家庭からの二酸化炭素排出量データを見ますと、1番多いのが電気からの46.7%、次いでガソリンの24.3%です。日本の発電源は2017年度のデータで、液化天然ガス、石炭、石油といった火力発電が80.8%を占めています。電気を使うことは煙突の無い家からも煙が出ていることになります。電気や燃料の省エネを心がけた行動は、家庭での温暖化対策になるのです。

578回「『新しい生活様式』の熱中症予防」

2020年06月13日 6:00 PM

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ為に、一人一人が感染防止の基本である「人との間隔はできるだけ2m、最低1m空ける」「マスクの着用や手洗い」「密集・密接・密閉といった3密を避ける」等の対策が求められています。このような「新しい生活様式」における熱中症予防のポイントが厚生労働省のHPで公開されています。

ポイントは大きく4つあります。1つ目は「マスクの着用について」です。マスクは着用していない場合と比べると、心拍数や呼吸数が上昇するなど、身体に負担がかかることがあります。従って高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなる恐れがあります。屋外で人と十分な距離が少なくとも2m以上確保できる場合には、マスクを適宜外すようにしましょう。マスク着用の場合は、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。2つ目は「エアコンの使用について」です。一般的な家庭用エアコンは、空気を循環させるだけで換気を行っていません。新型コロナウイルス対策の為には、冷房時でも窓を開ける等、換気を行う必要があります。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を調整しましょう。3つ目は「涼しい場所への移動について」です。少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動しましょう。一方で、人数制限により屋内の店舗等にすぐに入ることができない場合は、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動してください。4つ目は「日頃の健康管理について」です。体温測定、健康チェックは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症を予防する上でも有効です。体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養するようにしましょう。

又、熱中症というと屋外のイメージがありますが、消防庁の資料によりますと発生場所の約4割は屋内です。家の中でじっとしていても室温や湿度が高いと、体から熱が逃げずに熱中症になる場合があるのです。特にのどの乾きや暑さを感じにくく、汗をかきにくい高齢者や、体温調節機能が未熟な子どもは、より注意する必要があります。周囲の方からも積極的な声かけが必要です。

574回「天気雨」2020年5月16日OA

2020年05月16日 6:00 PM

大船渡のオオフナコさんから気象に関する質問をいただきました。ありがとうございます。「先日、晴れてるのに雨が降っていました。私が『天気雨だね~』と言ったら、6歳の甥っ子が『なんで!?晴れてるから晴れ雨って言うんじゃないの?天気は天気予報とか、天気の事を言うから、天気雨は違うよ!』と怒られました。なんで天気雨っていうのか聞かれましたが、甥っ子を納得させる説明ができず、晴れ雨に負けてしまいました。言われてみれば、なぜ、天気雨って言うのか、晴れ雨という言葉は存在するのか、教えて頂きたいです」。

「天気雨」とは、日光が差しているのに降る雨のことを言います。「天気」には、晴れや雨、気温や風の吹き方等の気象状態の他、晴れていることだけを表すこともあります。「やっと天気になった」「今日も天気だ」という言い方を聞いたり使ったりすることがあると思います。長雨の時に晴天を祈る「天気祭り」の天気の使い方も、晴れという意味です。ところで晴れ雨という言葉は存在するかですが、残念ながら聞いたことがありません。「晴雨兼用」の「晴雨(せいう)」という、晴れと雨、又は晴れや雨を指す言葉はあります。気象観測用の気圧計は「晴雨計」と言います。天気雨は他に、何かに化かされているイメージからか「狐の嫁入り」や、「日照り雨」という表現もあります。盛岡のセキアナイトさんからは、「私の田舎(福岡県大牟田市)では日の照り雨(ひのてりあめ)と言います」と情報をいただきました。ありがとうございます。

さて天気雨は、大きく2つの理由が考えられます。1つ目は、雨が風で流されてきた場合です。遠く風上方向に雨雲があり、風下にあたる頭上は晴れているとします。この時、風が強いと、雨粒が流されてきて、晴れている自分がいる場所に雨がパラパラと降ることになります。2つ目は先程まで頭上にあった雨雲が流れたり消えたりした場合です。雨が地面に落ちるまでには時間がかかるので、晴れているのに時間差で小雨がぱらつくことになります。オオフナコさんの甥御さんの指摘は鋭いものがありますね。このような発想は大事にしたいものです。

568回「全国の予報区分」2020年4月4日OA

2020年04月04日 6:00 PM

紫波の「おむすびころりん」さんから質問をいただきました。ありがとうございます。「テレビの天気予報を聞いていて、東日本の日本海側と言うのがありました。北日本は北海道・東北地方を指すと思いますが、東日本、西日本、南日本は、それぞれどの県を言うのか教えて下さい。『東日本の日本海側って新潟や富山を言うのかな?』と夫に聞いたら、はっきりわからなかったようでした」ということです。

気象庁は全国を大きく4つに区分しています。「北日本」「東日本」「西日本」そして南日本ではなく「沖縄・奄美」です。「東日本」に該当するのは、関東甲信地方の「東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、茨城県、千葉県、神奈川県、長野県、山梨県」、北陸地方の「新潟県、富山県、石川県、福井県」、東海地方の「愛知県、岐阜県、三重県、静岡県」以上、1都16県です。「西日本」に該当するのは、近畿地方の「京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県」、中国地方の「鳥取県、島根県、岡山県、広島県」、四国地方の「香川県、愛媛県、徳島県、高知県」、九州北部地方の「山口県、福岡県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県」、九州南部の「宮崎県、鹿児島県の本土、種子島、屋久島」以上、2府20県。又「沖縄・奄美」は「奄美群島、トカラ列島、沖縄県」です。質問にあった「東日本の日本海側」は北陸地方の4県「新潟県、富山県、石川県、福井県」を指します。

ところで岩手県は東北地方の太平洋側に位置し、気候区分は太平洋側です。しかし冬に関しては岩手を一括にして太平洋側の気候とは言えません。冬型の気圧配置となり北西の季節風が強まると、内陸の奥羽山脈沿いは雪が多く降り日本海側の特性が見られます。一方、内陸の平野部や沿岸では晴れて太平洋側の気候特性となります。冬の日照時間は奥羽山脈沿いの西和賀町湯田が約117時間、沿岸の大船渡がその3.5倍の約412時間。最大の積雪量の平均は湯田が178センチ、大船渡は12センチです。つまり岩手県の冬は日本海側と太平洋側の気候が混在していると言えます。

561回「気象に関する質問3」2020年2月15日OA

2020年02月15日 6:00 PM

IBCアナウンス学院の気象の講義で受講生から出た質問についてです。

Q.太陽は熱いのに、標高が高いほど気温が低くなるのはなぜでしょうか?

A.太陽に近いほど気温が高いなら、岩手山が県内で最も気温が高くなりそうですが、そうではありません。岩手山の高さは2038m、約2km。地球と太陽との距離は約1億5000万kmです。岩手山が平地より太陽に近いと言っても誤差の範囲なのです。さて太陽の光は空気をほとんど通り抜け、まず地面を暖めます。そして地面の暖かさによって、地面に近い所の空気が暖められます。更に体積が変わらなければ空気の濃さによって気温が決まる性質があります。つまり気圧が高いほど高い気温で、逆に気圧が低くなれば低い気温になります。高い山は気圧が低いので、気温も低くなるのです。

Q.降水確率は、どのような目安にすればよいのでしょうか?

A.降水確率は1ミリ以上の雨や雪の降る可能性を0から100%まで10%刻みの確率で表すものです。「正午から午後6時までの降水確率、内陸は30%」という場合、内陸のどこでも30%の確率で降るということです。面積の30%で降るわけでは無く、又雨や雪の強さや量も問題にしていません。降水確率は野球の打率に似ています。選手がヒットを打つか打たないかは2つに1つで確率50%・5割。しかし注目されるのは3割のような打率で、過去の打数に対する安打比です。降水確率も過去の統計を元に計算しています。例えば「降水確率30%」であれば、同じような気圧配置や気象条件が10回現れた時、雨が3回降ったという意味です。私は外を出歩く際、雨具の用意は30%以上が基準です。ただ20%でも、大気の状態が不安定ならば突然の雨がどこで降ってもおかしくないので、やはり雨具を用意します。

Q.雨量や風速を聞いても、どの位だと危険なのか、いまいちピンときません。ご説明をお願いしたいです。

A.例えば天気予報でよく耳にする「50ミリの雨」「30mの風」という情報は、数字だけでは具体的にイメージできません。しかし50ミリの雨は「滝のように降り車の運転は危険」、30mの風は「養生の不十分な仮設の足場が崩落する」等、気象庁HPの「雨と風の階級表」に詳しく掲載されています。参考になさって下さい。又、そもそもお住まいの地域にどんな災害の危険があるのか、いざという時、どこに避難すれば良いのか、ハザードマップで確認することが大切です。

 

560回「気象に関する質問2」2020年2月8日OA

2020年02月08日 6:00 PM

IBCアナウンス学院の気象の講義で受講生から出た質問についてです。

Q.何か月先まで天気や気温を予報できますか?

A.気象庁では1日単位の天気や気温を1週間先まで予報し発表しています。1週間より先になると、日々の天候を左右するような移動性の低気圧や高気圧の予測が困難になります。そこでそれより先の季節予報では、1週間や1か月間を平均した大まかな天候を予報します。又、局地的な天候を予測することも困難になる為、東北地方といった地域の平均的な天候を予測しています。具体的に、天気予報では「内陸の明日は晴れるでしょう」「明日の最高気温は25度の予想です」といった断定的な予報に対し、季節予報では「東北地方の今後1か月は晴れる日が多く、気温が『高い』確率は50%です」というような確率表現を用いた予報を発表しています。尚、季節予報には、毎週木曜日発表「1か月予報」、毎月25日頃発表「3か月予報」、毎年2月25日頃発表6月~8月の「暖候期予報」、毎年9月25日頃発表12月~2月の「寒候期予報」があります。

Q.夕焼けが綺麗に見える日と見えない日の条件の違いは何ですか?

A.夕焼けが綺麗に見えるかどうかは2つの条件があると思います。1つ目は「西の空が晴れている」。岩手県が高気圧に覆われている時、又は西から高気圧が近づいているような時は、西の空が晴れて綺麗に見えると思われます。2つ目は「大気中のチリやホコリが少ない」。雨上がりでチリやホコリが洗い流され空気が澄んでいるような時は条件が良いと思います。逆に気圧の傾きが急で風が強かったり何日も晴れて地面が乾いた状態だったりすると、チリやホコリが舞い上がりやすく空が霞み、夕焼けが綺麗に見えないのではないでしょうか。

Q.天気や予想気温が各局若干異なるのはなぜでしょうか?

A.テレビのエリア毎のポイント予報が違うことがありますが、これは契約している気象会社によって予報が違うからです。背景には「資料の選び方」「計算の仕方」の違いがあります。予報で使う資料は、一般的に目にしない実況天気図、高層天気図、数値予報天気図と、様々な専門天気図があり、どれを重視するかによって違いが出てきます。又、予報を出す為の気象会社独自の計算式があり、予報の差になって現れるのです。各局の予報が異なった場合、予報が難しい天気ですので、異なる天気に対応できるよう準備すると良いでしょう。

 

もっと読む