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気象の記事一覧

644回「温暖化の最新知見」2021年9月18日OA

2021年09月18日 7:00 PM

今日は、気候変動に関する最新レポートについてです。IPCC=気候変動に関する政府間パネルは、世界気象機関と国連環境計画により1988年に設立された政府組織で、現在195の国と地域が参加しています。IPCCの目的は、各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎資料を提供することです。世界中の科学者の協力の下、科学誌に掲載された論文などに基づいて定期的に報告書を作成し、気候変動に関する最新の科学的知見を評価しています。

先月、IPCCは8年ぶりにまとめた報告書を公開しました。今回のポイントは「地球温暖化の原因は人間の活動によるものだ」と断定したことです。そもそも気候変動の要因には「自然」の要因と「人為的」な要因があります。自然要因とは、火山噴火や太陽活動の変化など、人間の影響なしに発生するものです。一方、人為的要因には人間活動に伴う二酸化炭素などの温室効果ガスの増加、森林破壊などがあります。これまではあくまで人間の活動による影響が強いという表現でしたが、今回は「人間の影響は疑う余地がない」と強い言葉で表現されています。また報告書によると、少なくとも過去2000年間で前例のない速度で気温は上昇しており、2011年から2020年の世界平均気温は、産業革命前よりも1.09℃高かった、としています。前回、報告された期間平均の上昇量0.78℃から更に上がっています。パリ協定では「産業革命前より気温の上昇幅を1.5℃以内に抑える」ことを一つの目標に掲げていますが、今回の報告書では2021年から2040年に1.5℃に達する可能性が非常に高いと指摘しています。平均気温が1.5℃まで上昇すると例えば50年に1度起こるような極端な高温が、今と比べて約2倍、2℃上昇すると約3倍になると予想しています。また、今よりも地球上の水の循環が活発化して、地域によっては大雨と洪水が増えることが懸念されます。

温暖化を緩やかにする為、私達ができることは何でしょう。日々の生活を支える電気やガス、ガソリンを作ったり、機械や乗り物を動かしたりする為には、石油や石炭、天然ガスを大量に燃やします。これらの資源を燃やす際に、二酸化炭素など温室効果ガスが発生します。この温室効果ガスを減らすことが、温暖化対策になります。つまり1人1人ができることは「省エネ」なのです。

643回「時間経過を表す用語」2021年9月11日OA

2021年09月11日 7:00 PM

ラジオをお聞きの方から、天気予報で使われる用語について質問を頂きました。ありがとうございます。「ラジオなどで天気予報を聞いていると、『晴れ、昼過ぎからくもり』或いは『晴れ、夕方からくもり』と、ある時間帯から天気を予想するものがあります。それに対して『晴れ、のちくもり』ということがあります。その場合、いつから『くもり』と考えた方が良いのでしょうか」

結論から言いますと、「から」という用語、気象庁では、具体的な時間帯を指していません。予報期間内の前と後で現象が異なる際、その変化を示す時に使っています。例えば、明日の天気について「晴れ、のちくもり」といった場合は、全体的な傾向として、明日の前半は「晴れ」、後半は「くもり」という予報です。又、一方で可能な限り「のち」という用語は使わないようにしていて、「晴れ、のちくもり」は、「晴れ、昼過ぎからくもり」などと、具体的な時間帯を示すように努めています。ただ例外もあり、時間帯を示す用語が2つになる場合は、一方に「のち」を用い、時間指定は降水現象を優先しています。例えば「晴れ、昼過ぎからくもり、夕方から雨」という予報の場合です。「昼過ぎから」と「夕方から」という時間帯を示す用語が2つになります。この場合、時間指定は「夕方から雨」が優先されます。つまり「晴れ、のちくもり、夕方から雨」となるわけです。

予報用語でよく質問されるのは「一時」と「時々」の違いです。例えば雨の場合、降り方や、予報期間中の降っている時間の割合、降り方の傾向によって予報表現が決まっています。例えば明日の予報の場合、日付が変わり午前0時から24時間が一日の予報時間になります。朝6時に降り出し、昼までには止み、その後は降らない、と予想したとします。この場合、連続して降る雨は6時間未満なので「一時雨」という表現になります。一方、一旦雨が止んでもまた降り出し、合計して6時間以上12時間未満になると予想した場合は「時々雨」という表現になります。「時々雨」の予報の際は、雨が上がっても油断できません。24時間の内、12時間以上、降る予想では「雨」という予報になります。

 

639回「気象病・天気痛」2021年8月14日OA

2021年08月14日 6:00 PM

「気象病」という言葉をお聞きになったことがありますでしょうか。国語辞典にも載っていて、広辞苑第七版によりますと、『気象の変化と関係があると考えられる種々の病症の総称。特にフェーン現象・前線・気温などとの関わりが深い。喘息・頭痛・神経痛・リウマチ』などとあります。

天気が悪くなると痛みが悪化したり、寒暖差により不調になったりすることを「天気痛」と名付け、日本初の気象病外来・天気痛外来を立ち上げた医師が、中部大学・生命健康科学部理学療法学科の佐藤純(じゅん)教授です。佐藤教授の著書「天気痛を治せば 頭痛、めまい、ストレスがなくなる!」(扶桑社)には、天気痛対策として、自分の体のリズムをつかむ為の日記の他、市販の酔い止めの薬を勧めています。乗り物酔いをした時の、気持ちが悪くなる、吐き気、頭痛、眠気などの症状は、天気痛そのもので、原因が耳の最も奥にある内耳の急激な揺れから来ているところも同じ、とのことです。その他、手軽に効果が期待できるのが「耳の後ろにあるツボ押し」や「耳の血流マッサージ」です。マッサージは、耳を真ん中から、縦に2つに折り曲げます。力を込め過ぎず優しく行い、更に耳全体をマッサージすることも勧めています。目的は血流の促進で、耳の周りの血流が悪いと内耳の中にあるリンパ液も一緒に滞り、めまいや頭痛などの症状を引き起こすと考えられるから、ということです。

中部大学のHPによりますと、佐藤教授は、愛知医科大学・医学部と日本獣医生命科学大学・獣医学部との共同研究により、マウスにも、内耳の前庭(ぜんてい)と呼ばれる器官に気圧の変化を感じる場所があることを、世界で初めて突き止めました。今回の研究成果から『私たち人間においても天気の崩れによって前庭器官が気圧の微妙な変化を感じとり、脳にその情報が伝わり、結果として古傷や持病の痛みを呼び覚ましたり、めまいや気分の落ち込みといった不調を起こしたりするものと考えられます』『今後も研究を続け、どのようなメカニズムで前庭器官が気圧の変化を感じ取るのかを明らかにしていきます。また、このメカニズムを明らかにすることで、気象病や天気痛の有効な治療法の確立に繋げていきます』としています。

 

638回「荒井郁之助」2021年8月7日OA

2021年08月07日 6:00 PM

岩手出身の作家・平谷美樹(ひらやよしき)さんが著した「鍬ヶ崎心中 幕末宮古湾海戦異聞」(小学館)を拝読しました。幕末から明治へと移り変わる動乱期の史実である宮古湾海戦が、無名の男女の物語を通してリアルに想像でき、胸が熱くなりました。

宮古湾海戦は、明治2年3月25日、旧幕府軍残存艦隊の内の「回天」が、新政府軍艦隊の集結する宮古湾へ攻め込んだ奇襲戦のことです。宮古市の資料によりますと、旧幕府軍は荒井郁之助を総司令官に、回天一隻で宮古港に停泊する新政府軍の軍艦「甲鉄」奪取を決行。回天の船首が甲鉄の脇腹に乗り上げ、兵士が甲鉄の甲板に飛び降りて戦いますが、甲鉄側も猛反撃を開始。速射砲が火を吹き、旧幕府軍の兵士は次々と倒れ、わずか30分あまりの戦いで多数の死傷者を出し作戦は失敗に終わり、退却します。江戸を離れ、遠く蝦夷の地に独立国を建設しようとした旧幕臣達の夢物語は、宮古の海に砕け散ったのでした。

さて旧幕府軍の総司令官・荒井郁之助は、日本の気象事業の始まりを支えた1人でした。原田朗(あきら)著「荒井郁之助」(吉川弘文館)によりますと、1836年(天保七年)に旗本の家に生まれた荒井は、軍艦操練所で近代的な艦船の運用の他、地政学、天文学、高等数学などを学び、幕府の命を受けて江戸湾の測量を行いました。小笠原諸島の測量では、海図も天気図も無い危険な航海で暴風雨に遭い、この経験が後の気象事業に生かされることになったと思われます。戊辰戦争の際は、軍艦頭として開陽・回天などの幕府の艦隊を率いて、新政府の許可無く江戸湾を脱走し蝦夷に向かいました。その後宮古湾において新政府軍と戦い、或いは榎本武揚とともに箱館五稜郭に奮戦しますが、敗れて獄に下ります。2年半後、西欧の科学技術に詳しいことから出獄を許され新政府に受け入れられます。内務省地理局では、一大三角測量の実施、1mを3尺3寸とするメートル法の導入、日本の経度基準点の決定、日本標準時の制定など、今日の地球物理学の礎を築く多くの重要な仕事を行っています。明治20年には新潟で、日本初の本格的な皆既日食の観測に成功。その後は地理局において測候所の全国整備を行い、明治23年、気象庁の前身である中央気象台が設置されると、その初代台長に就きました。荒井郁之助は、幕末から明治の激動期、時代に翻弄されながらも自然科学の分野で確固とした仕事を残したのでした。

 

637回「雷が鳴ったら」2021年7月31日OA

2021年07月31日 6:00 PM

「平泉ぬ生息すてにゃぁ✕2のおんちゃん」から川柳のお便りを頂きました。ありがとうございます。「ゴロゴロづぅ おりゃ様聞けで ヘソ隠す。午後ぬ、なるっつぅど、おりゃ様雲が湧いで来て、ゴロゴロど、おりゃ様、聞けで来るゲット、おりゃ様ば聞くど、『こりゃ、おりゃ様鳴って来たがら、ヘソ隠すんだじゃ』って語りながら、おらんどごさ来たった、ばぁちゃんが、ほのあだりがら出はって来るような気ぃしすや」

「おりゃさま」とは「らいさま」「おらいさま」とも言い、雷のことです。雷は夏・冬問わず発生しますが、気象庁が雷を観測した月別の日数を見ると、8月が盛岡3.3日、宮古が2.5日と、1年の中で一番多くなっています。岩手の夏は雷の季節といえます。夏は、日中の強い日射によって暖められた地面付近の空気が上昇し、背の高い積乱雲となって雷を発生させます。夏の雷は、広範囲に発生し長時間継続する特徴があります。そして午後から夕方がピークになります。『こりゃ、おりゃ様鳴って来たがら、ヘソ隠すんだじゃ』、つまり『雷が鳴ってきたから、おなかを隠しなさい』というのは、夏場の気象変化に対する言い伝えと考えられます。雷が発生するような時は、同時にザーッと激しい雨の降ることがあります。雷雨になる前までは暑かったのに、急に気温が下がることがあり、おなかを冷やさないように、という昔の人の知恵なのでしょう。尚、同じ雷でも日本海側の秋田市では、月別で11月5.6日、12月4.8日と、冬にかけて多くなっています。この時期に日本海側で多く発生する雷は、大陸から吹き出してきた寒気が日本海で暖められて発生する積乱雲によるものです。

さて岩波書店、青木孝著「いのちを守る気象学」では、雷から身を守る為に覚えておいた方が良い「30~30」という数字を挙げています。はじめの「30」は、電光が見えてから雷鳴が聞こえるまでの時間「30秒」です。音の進む速さを毎秒350mとすると、30秒なら10.5キロです。雷雲が約10キロ先にあることになります。電光が見えてから雷鳴が聞こえるまでの時間が30秒以内になったら、雷雲が近づいていると考えられます。建物や車の中に避難するなど、安全確保に努めましょう。次の「30」は、その後、電光や雷鳴がおさまってからの時間「30分」です。30分を経過したら安全とみてよいでしょう。

 

634回「『もやってる』『谷の出口』」2021年7月10日OA

2021年07月10日 6:00 PM

今日は、ラジオをお聞きの方からいただいた質問にお答えします。宮古の不埒なポークさんからです。ありがとうございます。「神山気象予報士にお聞きしたいんですけど、靄(もや)がかかっている事を『もやってる』というのは気象用語としてあるんでしょうか?Nスタの井上さんが天気予報のコーナーでよく使うんですが、『もやってる』というと船を港にもやい綱で係留してる状態しか思い当たらないんですよ。井上さんの隣に立ってる森田さんも指摘しないところをみると、普通の気象用語なんですかねえ」。

「靄」は、空気中に小さな水滴が浮いていて見通しが1キロ以上10キロ未満の状態です。似た現象で「霧」がありますが、こちらは見通しが1キロ未満の状態です。霧の方がより見通しが悪く、車の運転には注意が必要です。「靄」「霧」共に気象用語で、区別して使っています。さて「もやってる」という言葉は、気象庁で扱う気象用語ではありません。日本語の表現としてはあります。大辞林第三版には「靄る:靄がかかる」が載っていて、例文として「少し靄ってきた」を挙げています。「靄る」は、小型の国語辞典では新明解国語辞典に掲載されています。出版社の三省堂によりますと「2004年の第六版から採録しています。比較的新しく使用されるようになった語と思われ、実際には『靄っている』の形で、状態を表すことが多いのではないでしょうか」ということです。

続いて奥州市の匿名希望さんです。ありがとうございます。「神ちゃんに質問です。大雨の時『がけの近くや谷の出口近くにお住まいの方はお気をつけ下さい』と何度もラジオからお知らせいただきましたが、谷の出口って、どういった場所のことですか?」

扇状の地域と書く「扇状地」という言葉をお聞きになったことがあると思います。扇状地は土石流と関係があります。山に挟まれた細長い溝のような地形が谷です。谷を流れる渓流が山間部を抜けると、扇のように放射状に広がる平坦な地形になります。扇の要にあたる部分が「谷の出口」と言います。渓流は、洪水になると、土砂や小石を巻き込みながら土石流となり、谷の出口から放射状に広がります。つまり扇状地は、土石流が堆積した場所なのです。水はけが良く、構造物の基礎としては良好な地盤ですが、土石流に遭遇する危険があります。扇状地の中でも、谷の出口に特に注意が必要なのです。

631回「新平年値」2021年6月19日OA

2021年06月19日 6:00 PM

先月、更新された気象庁が発表する平年値についてです。平年値は、気温、降水量などその時々の気象や、冷夏、暖冬などの天候を評価する基準として利用されると共に、その地点の気候を表す値として用いられています。気象庁では、30年間の平均値をもって平年値とし、10年ごとに更新しています。これまで1981年~2010年の観測値による平年値を使用していましたが、今年は平年値を更新する年にあたり、1991年~2020年の観測値による新しい平年値を、5月19日より使用しています。

新平年値と以前の平年値を比較すると、年平均気温では、北日本と西日本で0.3度、東日本で0.4度、沖縄・奄美で0.2度高くなり、地点によっては0.5度高くなっています。盛岡では0.4度高くなりました。気象庁は「日本の平均気温は、長期的に見て、様々な時間スケールの変動を伴いながら上昇しており、1980年代後半から急速に気温が上昇しています。その背景には、温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化による長期的な昇温傾向と数十年周期の自然変動の影響があると考えられます。又、地点によっては都市化も影響していると考えられます」としています。降水量に関しては、春の西日本や夏の東日本太平洋側で5%程度少なくなりましたが、夏の西日本や秋と冬の太平洋側の多くの地点で10%程度多くなりました。盛岡の降水量は1%増加と、ほぼ変わりません。降雪量は多くの地点で少なくなっており、30%以上減る地点もありました。盛岡は23%減っています。この点について気象庁は「気温は上昇し、降水量は増加している地点が多いことと合わせて考えると気温が高くなったことで、降水があっても雪ではなく雨として降りやすくなったことが要因の一つとして考えられます」としています。

又、盛岡では最高気温が25度以上の夏日日数は7.8日増え78.6日、30度以上の真夏日は3.3日増え22.4日になりました。一方、最低気温が0度未満の冬日日数は1.7日減り121.6日に、最高気温が0度未満の真冬日日数は2.5日減り12.4日になりました。桜の開花日の新平年値は、3日早まり4月18日です。平均気温が上がってきていることから、夏場は熱中症に対してより警戒が必要と言えます。又平均降水量には表れていませんが、1時間降水量30ミリ以上、50ミリ以上の年間発生回数は岩手でも増えていることから、局地的な大雨にも備えが必要です。

627回「八幡平ドラゴンアイ」2021年5月22日OA

2021年05月22日 6:00 PM

岩手から秋田にまたがる国立公園、八幡平の頂上付近にある「ドラゴンアイ」についてです。鏡沼に降り積もった雪が春になって周辺と中心部が雪解けすることでドーナツ状になる現象です。八幡平市観光協会によりますと、2016年に台湾から訪れた旅行者がSNSで、まるで龍の眼のように見えることから「ドラゴンアイ」とつぶやき、一気に有名になりました。5月中旬から6月中旬の限られた時期に、積雪量や雪解け、天候の状況などの条件が揃うと姿を現す自然現象です。

ドラゴンアイの研究者、盛岡一高で地学を教えている山岸千人(ちひと)先生にお聞きしました。山岸先生は、岩手県立博物館に勤めていた頃、一般の方から「どうして目玉ができるのか」という問い合わせがあり調べ始めました。「鏡沼は直径約60m、円に近い丸い形をしています。沼には氷が張り、積雪が少なくとも4~5m乗っています。雪プラス氷の蓋があるような状態です。更に窪地で、吹き溜まりになっている西側の縁の一番厚い所で10mを超えている所もあるはずです。冬になると川が凍り、水が流れ込まなくなり、水位が下がります。春になると川から水が流れ込み、水位が上昇します。雪プラス氷の蓋は浮力が働き、全体が盛り上がろうとします。しかし縁の雪は厚く重さがあるので盛り上がりが抑えられ、真ん中が丘のように盛り上がっていきます。盛り上がった所は解けて、薄くなっていきます。中央部の厚さが最後の数十センチになると自分の重さで凹み、水が満たされるようになり開眼の始まりです」ということです。盛り上がった周囲が沼の水で青く彩られる点については「水が溜まり始めた頃は水の中のゴミが混ざり黒く濁っていますが、時間が経つとゴミが沈殿し、キレイになります。キレイになると、ブルーが見えてくるようになります」ということです。太陽の光の内、水の分子は赤い光を吸収する一方、青や緑の光は散乱するという「海が青く見えるのと同じ原理」と解説します。隣にあるメガネ沼の水がエメラルドグリーンなのが不思議ですが、これは「温泉水の影響ではないか」ということです。又、頂上には大小10以上の沼がある中で、鏡沼だけドラゴンアイができる理由について「形が円に近いので、力が分散されるのでは」と分析します。

ドラゴンアイの最新の情報は、八幡平市観光協会のホームページで御覧になれます。今年の見ごろは5月下旬から6月上旬になりそうです。八幡平山頂駐車場から15分程、標高1590mの雪道を歩きますので、見に行く方は長靴など準備された方が良いでしょう。

622回「生物季節観測の縮小」2021年4月17日OA

2021年04月17日 6:00 PM

生物季節観測とは、季節の移り変わりを把握する為、生物の動向を気象台・測候所で観測するものです。この結果は、季節の進み具合や、全国各地の気候の違いなどを把握したり、ラジオ・テレビなどを通じて生活情報の一つとして利用されたりしています。気象庁によりますと1953年から実施していて、今年の1月時点では全国の気象台・測候所58地点で植物34種目、動物23種目を対象に、開花や初鳴きなどを観測していました。しかし近年は気象台や測候所周辺の環境が変化しており、適切な場所に標本木を確保することが難しくなってきました。又、動物季節観測でも対象を見つけることが困難になってきていました。この為、地球温暖化などの気候の長期変化や、1年を通じた季節変化の把握に適した代表的な種目と現象のみを継続し、それ以外は廃止することになったものです。継続される生物季節観測は、「あじさいの開花」「いちょうの黄葉・落葉」「うめの開花」「かえでの紅葉・落葉」「さくらの開花・満開」「すすきの開花」以上、6種目9現象です。動物については全て廃止されました。

今回、盛岡地方気象台で廃止した種目は、植物ではスイセン、タンポポ、ツバキ、ヤマツツジ、ノダフジ、ヤマハギ、キキョウ、サルスベリの8種類。動物・昆虫は、ウグイス、ヒバリ、ツバメ、モンシロチョウ、カッコウ、キアゲハ、ホタル、ニイニイゼミ、ヒグラシ、アブラゼミ、モズの11種類です。観測は気象台構内、又はその付近、半径概ね5キロ以内の範囲で行っていましたが、例えば去年の例では、ウグイスは3月27日に八幡町で、ツバメは5月20日に開運橋で気象台職員が観測しました。これらの記録が途切れることになります。

しかし気象庁では、環境の変化や気候変動が生態系に与える影響の調査等に有用な基礎資料であり、又、四季を感じる文化的な価値があることから、これまでの観測データとの継続性を保った調査、広く市民が参加する形の調査を模索することにしています。まずは、環境省生物多様性センターが運営する生物の情報を収集・提供するシステム「いきものログ」を用いて、初鳴き等の情報収集が始まっています。

 

610回「サンピラー」2021年1月23日OA

2021年01月23日 6:00 PM

今月10日、矢巾町の男性から「矢巾町に降臨 -15度の奇跡!」という件名でメールをいただきました。ありがとうございます。「昨日の朝7時頃です。あまりに冷えたのでダイヤモンドダストが見られるかもと近所を散歩した時に私の妻が出会ったそうです。サンピラーです!生まれて初めて見たそうです。もちろん私もありません。残念!私はまだ寝ていました」添付されていた写真を見ると、遠くの山々は昇ったばかりの太陽に照らされ金色に染まっています。写真手前に広がるのは白く雪に覆われたリンゴ畑。そのリンゴ畑に向かって太陽から1本の光の筋が下に垂直に伸びています。実に美しい光景です。光の中には氷の結晶でしょうか、キラキラ輝いているのがわかります。

これは「サンピラー=太陽柱(たいようちゅう)」、太陽の柱という気象現象でしょう。サンピラーはダイヤモンドダストが関係しています。前回、お伝えしたように、ダイヤモンドダストは風のない日に、空気中の水蒸気が凍って出来た非常に小さな氷の結晶がゆっくり落ちてくる現象です。明け方の気温が氷点下10度以下になると見られることがあります。明け方や夕方に太陽の光が、ダイヤモンドダストの氷の結晶や、上層の薄い雲に反射すると、光りの柱が伸びて輝いているように見えることがあります。それがサンピラーです。今回の写真のように太陽の下に垂直に伸びる他、太陽の上に伸びる場合もあります。どちらも太陽から伸びる光の柱というのがポイントになります。

太陽ではなく月の光が柱のように伸びる「ムーンピラー=月柱(げっちゅう)」、月の柱という珍しい現象もあります。一方、人口的な光が関係した現象もあります。夜間、街の光や車のライトのような地上の光が大気中の氷の結晶に反射して柱のように見える場合は「ライトピラー=光柱(こうちゅう)」、光の柱と言います。海上でイカ釣り漁船の漁火が光源になり、大気中の氷の結晶に反射して空中に光の柱が浮かぶように見えることが稀にあり、これもライトピラーの一種です。厳しい寒さの朝、早起きした人にしか見られない美しいサンピラー。自然からのご褒美のようですね。

 

609回「ダイヤモンドダスト」2021年1月16日OA

2021年01月16日 6:00 PM

今月9日、東北北部上空5000mに-44.5度と平年を10度以上、下回る強い寒気が入り、宮古市区界で氷点下24.1度まで下がるなど県内は、この冬一番の冷え込みとなりました。この日、各地からダイヤモンドダストに関するお便りが届きました。氷点下16.9度まで下がった紫波に住むオレンジペコちゃんからは、青空広がる中「朝、庭に出た主人が『キラキラしてきれいだよ』と声をかけてきました。ダイヤモンドダストだったでしょうか」。氷点下14.7度まで下がった北上に住む厚焼き玉子さんは「今朝は、朝日を浴びた時にダイヤモンドダストが見えたようにも思えました」と。ありがとうございます。

旭川地方気象台によりますと、ダイヤモンドダストは「風のない日に、空気中の水蒸気が凍って出来た非常に小さな氷の結晶がゆっくり落ちてくる現象です。氷の結晶が、ダイヤモンドの粉ようにきらきら輝いて見えることから名づけられました。明け方の気温が氷点下10度以下になる地域で見られる事があります」と解説しています。お便りをくださった各地の気象条件から、ダイヤモンドダストだった可能性があります。

さて北海道旭川市の北西にある幌加内町(ほろかないちょう)では、ダイヤモンドのような輝きは天使が囁いているようだということで「天使の囁き」と名付け、記念日を設けています。町によりますと「1902年(明治35年)、旭川市で日本最低気温の公式記録-41度を記録。しかし、その76年後、1978年(昭和53年)2月17日に、幌加内町母子里(もしり)でこれより0.2度低い-41.2度を記録しました。気象庁の公式記録の対象からはずれていたため、旭川の記録が公式記録になっていますが、実質的には幌加内町母子里の-41.2度が、誰もが認める日本一の最低気温となっており、2月17日はこの-41.2度を記録したことを記念し『天使の囁き記念日』として、日本記念日協会から正式に認定されています」ということです。母子里では毎年2月「天使の囁きを聴く集い」を開催、ダイヤモンドダストを見たり、寒さを体験したりして、マイナスイメージをプラスに変えていく試みを行っているそうです。ダイヤモンドダストを町おこしに利用している姿勢は、寒さ以上に情熱を感じました。

606回「日本の気候変動2020」2020年12月26日OA

2020年12月26日 6:00 PM

気象庁と文部科学省は、地球温暖化による将来の予測を「日本の気候変動2020」として取りまとめました。今世紀末の世界の平均気温について、温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」の目標を達成した場合の「2度上昇」、現時点を超える追加的な緩和策を取らなかった場合の「4度上昇」、この2つの想定を盛り込んでいます。

具体的に見てみると、世界の平均気温「2度上昇」では、日本の平均気温は1.4度上昇、北日本ではそれより高い1.5度上昇。1日の最高気温が35度以上の「猛暑日」は全国平均で2.8日増加、北日本では0.7日増加。夜間の最低気温が25度未満の「熱帯夜」は全国平均で9.0日増加、北日本の太平洋側で1.4日増加。最低気温が0度未満の「冬日」は全国平均で16.7日減少、北日本の太平洋側では19.2日減少する予測です。世界の平均気温「4度上昇」では、日本の平均気温は4.5度上昇、北日本の太平洋側ではそれより高く4.9度上昇。猛暑日は全国平均で19.1日増加、北日本の太平洋側では6.6日増加。熱帯夜は全国平均で40.6日増加、北日本の太平洋側では18.3日増加。冬日は全国平均で46.8日減少、北日本の太平洋側では62.8日減少する予測です。つまり猛暑日や熱帯夜はますます増え、冬日は減るのです。

降水に関しては、雨の降る日数は減少するものの、大雨や短時間強雨の発生頻度や強さは増加すると予測されています。1日の降水量が200ミリ以上の日数は「2度上昇」では1.5倍に増加、「4度上昇」で2.3倍に増加するという予測です。つまり激しい雨が増えるのです。又、地球温暖化に伴い、雪ではなく雨が増えることから、降雪量、積雪量共に「2度上昇」では現在の7割から8割弱に、「4度上昇」では現在の3割から4割に減る予測です。ただ気温の上昇により大気中の水蒸気量が増え降水量が増加します。そもそも雪が融けないような寒冷な地域であれば、大雪のリスクはあるとしています。そして水蒸気量増加は台風のエネルギー源が増えることに繋がるので、強い台風の割合が増加し、台風に伴う雨と風は強まりそうです。温暖化を緩やかにする為に、私たちの暮らしの中の省エネをより進めることが必要です。

 

604回「虹と暈(かさ)」2020年12月12日OA

2020年12月12日 6:00 PM

虹は「太陽と反対側」に、空気中の「水滴」に当たった光により出現します。英語のレインボー、レイン=雨で作られたボー=弓は、現象をよく表しています。日光ではなく、稀に月の光によっても現れるようです。倉嶋厚著「季節ほのぼの事典」(東京堂出版)には、昭和8年7月4日に北海道の寿都(すっつ)測候所で夜の虹を観測した、という記述があります。「その夜は月齢が11.1の弓張り月だった。朝から晴れていたが、夜になると霧が現れ南東の強風とともに切れ切れに飛び、霧雨のように降った。月は夜の8時半ごろに南中し、次第に南西の空に移った。そのころ、北東の空に白い虹が淡く現れ、次第に濃くなった。虹の上の方は純白だったが内部は少し青かった」ということです。月光の虹とは、何とも神秘的な光景です。

虹と似た現象で「暈(かさ)」があります。漢字で日曜日の「日」の下に軍隊の「軍」と書きます。暈は虹と違い、「太陽と同じ方向」に現れ、空気中の「小さな氷の結晶」に当たった光により出現します。氷の結晶でできた薄い雲が広がっている時、その雲を通して太陽や月が見え、その周りに光の輪ができることがありますが、それが「日暈(ひがさ)」「月暈(つきがさ)」です。

さて盛岡のルンルンさんからお便りをいただきました。ありがとうございます。「11月27日午後4時半過ぎに近くのスーパーに出かけました。太陽が沈む前でしたがお天気も良く明るかったです。風もなく穏やかでした。でも虹がありました。輪になった方は消えていましたが、太陽を挟んで両側に虹の太い柱が立っていました。太陽と同じ側に虹があったのです。普通太陽と反対側に虹ができますよね。そしてお天気なのに。虹の上にはうろこ雲のような雲がありました。虹もくっきりでした。しばらく虹は消えませんでした。この現象をお聞きしたいです」。ルンルンさんが御覧になった現象は、太陽と同じ方向ということなので、虹ではなく日暈の一種で、しかも幻の日と書く「幻日(げんじつ)」と思われます。風もなく穏やかだったということから、氷の結晶が浮かびやすい条件だったのでしょう。幻日は、日暈の光の輪の、太陽の両側にあたる部分が特に光った現象です。珍しい自然現象を見られて、何か良いことがあるかもしれませんね。

 

603回「地震時計」2020年12月5日OA

2020年12月05日 6:00 PM

遠野の70代男性からお便りをいただきました。ありがとうございます。「小生が子どもの頃(昭和30年代)家に『地震時計』らしきものが貼ってあり、祖母が地震の度に『雨が降るぞ』とか言っていました。B4版ぐらいの紙に時計が書いてあり、文言は記憶していませんが祖母は『4・6の雨に・・・』とか言っていました。天気予報の歴史の一端にあるか気になりました。何だか富山の家庭の置き薬屋が紙風船とか一緒に配ったような気がします」とのことです。

盛岡市教育委員会事務局歴史文化課に問い合わせましたが、残念ながら地震時計そのものは所管する博物館施設にありませんでした。ただ地震の時刻で天気を予想する言い伝えは、県内の民族関連の書籍に記されていました。その内、岩手県教育委員会が昭和57年3月に発行した「岩手の俗信 第二集 天文気象に関する俗信」には、「地震による天気予察」という記述がありました。『往時、地震の事や天気の事等が不可思議であった事から、この間には何か関係があるかと推量し、次のような歌が生まれています』として、胆沢、江刺、釜石、東磐井、盛岡に伝わる『九は病、五、七が雨に四つ旱、六つ八つは風とこそ知れ(くはやまい、ごしちがあめによつひでり、むっつやつはかぜとこそしれ』と紹介しています。

これらの数字は昔の時刻の表し方です。日本芸術文化振興会「文化デジタルライブラリー 大衆芸能編 寄席」のHPでは、江戸時代の庶民の時刻の表し方について「午前0時が九つで、約2時間ごとに八つ(やつ)、七つと数が減り、四つ(よつ)まで行くと再び九つになります。9は1桁の中で一番大きい数字なので縁起がよいという考え方があり、九つから始まっています。本来、次はその2倍の18、その次は3倍の27なのですが、数字が大きくなって数えるのが大変なので10の位を取り除き八つ、七つと表しています」と解説しています。つまり先程の歌であれば、0時(九)に揺れが来れば病気がはやる前兆、8時(五)と4時(七)なら雨が降り、十時(四)は日照り、六時(六)と二時(八)に揺れれば大風の吹くしるしだ、と言うことです。これらは迷信ですが、先人の残した言葉に触れると、自然を理解しようという探究心は今も昔も変わらない、ということを実感します。

602回「台風の上陸ゼロか」2020年11月28日OA

2020年11月28日 6:00 PM

今年は台風が日本へ上陸していません。気象庁は1951年から台風に関する統計をとっています。台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合を「上陸」、国内のいずれかの気象台などから300キロ以内に入った場合を「接近」、小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出た場合は「通過」として扱っています。沖縄は台風の上陸とは言わず通過になります。台風の平年値である1981年~2010年の平均は、発生数が25.6個、接近数は11.4個、上陸数は2.7個。今年は11月16日現在、発生数22個、接近数7個、上陸数は0です。これまで上陸しなかった年は1984年、1986年、2000年、2008年で、このまま上陸しないと12年ぶりになります。

今年は1号の発生が5月12日と遅く、7月は統計史上初めて発生数がゼロでした。8月は7個発生しましたが、日本列島上空に太平洋高気圧が張り出し、台風は周縁部の風に流されて進路が日本の西よりになりやすい気圧配置でした。日本に接近した台風の内、9月の10号は気象庁が台風特別警報を予告しましたが上陸せず、九州西岸をかすめて朝鮮半島から大陸に向かいました。同じく9月の12号はオホーツク海から張り出した高気圧の影響で北上のペースが鈍り、その後は偏西風に流されました。10月の14号は大陸からの高気圧に北上を阻まれ、紀伊半島から東に進みました。今後、冬にかけて台風が発生したとしても偏西風が南下する為、日本に近づく前に東に進んだり、フィリピン近海で貿易風に乗ってインドネシア半島に向かったりする傾向があります。今後、発生する台風が上陸しないとは言い切れませんが、11月以降に上陸したのは1990年11月30日の28号だけということを考えると、台風が上陸しない年になる可能性が高いと言えます。

台風が上陸しなかったとしても、今年は大雨による被害が無かったというわけではありません。「令和2年7月豪雨」では、日本付近に停滞した梅雨前線の影響で西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨となりました。特に4日から7日にかけて九州で記録的な雨量となり、球磨川など大河川で氾濫が相次ぎました。県内では11日から12日に種市で180ミリ、27日から28日に区界で177ミリと大雨となり、住宅や道路の被害が発生しました。豪雨災害は台風だけではない、ということを理解しておきましょう。

601回「小春」2020年11月21日OA

2020年11月21日 6:00 PM

陰暦10月の別名は前回お伝えした「時雨月」の他「小春月」という呼び方もあります。今日は「小春」についてです。11月は平地でも雪が降り出し、近づく冬の足音を実感しますが、そんな中にも、一時的に、穏やかに晴れて暖かくなる日があります。晩秋から初冬に、大陸から進んできた移動性高気圧に覆われ、まるで春を思わせるような暖かさになる日を「小春日和」と言います。

倉嶋厚著「季節おもしろ事典」(東京堂出版)には、小春日和のことをアメリカで『インディアン・サマー』と表現すると解説しています。アメリカ先住民が、思いがけず現れた暖かい日を利用して、冬ごもりの支度をしたり、南に移動するため平原に姿を現したりするため、とのこと。この言葉はヨーロッパにも伝わって用いられていて、日本の春や秋のように快適な気候のようです。しかしこぼれ話として、日本の気候学者が知らずに『インドの夏』と訳してしまったため、「外国の小春日和はよほど暑いのだろう」と誤解を生んだエピソードも紹介されています。同じく倉島厚著「季節つれづれ事典」(東京堂出版)には、小春日和に相当する各国の言葉として、ドイツ語の「老婦人の夏」、ロシア語の「女の夏」を挙げています。理由として「小春日和の青空の下、キラキラ光りながら飛ぶクモの糸が、白髪に見え女性を連想させた」という説は美しく、興味深い話です。

冬の季語「小春」は「春」の字が使われているため、「春先の暖かい日」のことと誤解されることがあります。文化庁が行っている国語に関する世論調査で「小春日和」について尋ねた際、本来の意味である「初冬の頃の穏やかで暖かな天気」と答えた人は51.7%、又、本来の意味とは異なる「春先の頃の穏やかで暖かな天気」と答えた人は41.7%と、僅差でした。年齢別に見ると「初冬の頃の穏やかで暖かな天気」と答えた人の割合は50~60代で他の年代より高く6割前後でした。一方、「春先の頃の穏やかで暖かな天気」と答えた人の割合は、16~19歳で66.1%、20代で54.5%と他の年代より高く5割を超えていました。言葉は変化していきますので、今後、本来の意味ではない「春先の暖かい日」に使う人の方が大勢を占める日が来るかもしれません。

600回「時雨」2020年11月14日OA

2020年11月14日 6:00 PM

旧暦10月、今年は現行暦で明日11月15日から始まります。旧暦10月の別名を時の雨と書く「時雨月」と言います。今日はこの「時雨」についてです。時雨は、晩秋から初冬にかけ、空が曇り、急にぱらぱらと降ってはやみ、数時間で通り過ぎてゆく雨のことです。広辞苑には「『過ぐる』から出た語で、通り雨の意」とあります。大陸からの寒気が日本海の海面で暖められ、積雲や積乱雲が次々と通る為に起こります。通り過ぎた雲と、次に来る雲の間に日光が差し込んでできる虹を「時雨虹」と言います。虹は太陽の光が斜めに差し込む朝や夕方に多いのですが、太陽高度が低い晩秋から初冬に南が晴れて北が降っているような時、日中でも北の空に虹が現れることがあります。夏の鮮やかな虹とは違う、淡い日差しでできる儚い虹です。通り雨の意味の他、細かく切ったショウガなどと一緒に煮たハマグリなどのつくだ煮である「時雨煮」の意味もあります。その語源は、時雨月のハマグリは味が良いという説があるようです。

時雨は昔から詩歌に最もよく詠まれた雨の一つのようです。平安の都、京都の北側を囲む山地から降る雨を「北山時雨」と呼ぶように、時雨といえば北山が有名です。厳しい冬が来る前に、降ったり照ったりする空模様と人生を重ね合わせたのでしょう。時雨は冬の季語です。種田山頭火の自由律の句「うしろすがたのしぐれてゆくか」。時雨が降る中をとぼとぼ歩み去って行く、わびしい後ろ姿を見つめるもう一人の自分を詠んだものです。時雨には小さな夜と書く「小夜(さよ)時雨」という言葉もあります。夜に降るしぐれのことです。志田野波(やば)の句「小夜しぐれ隣の臼は挽きやみぬ」。旅の宿で時雨が通り過ぎると、さっきまで聞こえていた近くの民家の石臼を挽く音はもう鳴り止んでいた、という静かな冬の夜の趣を表しています。

演歌には、都はるみさんの「大阪しぐれ」、同じく都はるみさんと岡千秋さんの「浪花恋しぐれ」のようにタイトルに使われている曲があります。大阪では、冬型の気圧配置になると日本海側の雨雲の一部が流れ込み、しぐれることがあります。その時雨の比喩的な意味である「涙ぐむ」を、人生の涙になぞらえたものと思われます。

599回「初雪の平年日更新」2020年11月7日OA

2020年11月07日 6:00 PM

県北や山沿いから初雪の便りが聞こえてくるようになりました。盛岡地方気象台では10月から2月までの寒候期に、盛岡で初めて雪が降った日を「初雪」として記録しています。雨と雪が混じる「みぞれ」が降った場合も「雪」として統計をとっています。さて盛岡の初雪の平年日は昨シーズンまで「11月8日」でしたが、今シーズは統計期間が変わらないのに「11月6日」に更新されました。更新された、とはどういう意味でしょうか。

初雪は気象台の職員が目視、つまり目で見て確認し記録していました。平年値は10年毎に更新され、現在使用されている平年値は1981年から2010年の30年間の観測値の平均値で、目視による盛岡の初雪の平年日は「11月8日」です。しかし今年、観測方法の高度化により、初雪は目視から自動観測に移行。盛岡地方気象台によりますと『降水があったかどうかを判別する機器があり、降水があったと判別された場合に気温と湿度から雨・雪・みぞれなどを判別し観測します。自動観測では10秒ごとに常時観測を行っており、一瞬雨が雪に変わった場合、見落とす可能性がほぼ無くなります』と自動観測のメリットを挙げています。気象庁では、自動観測に併せ、過去の初雪観測日も見直しを行い、降水、気温、湿度のデータを自動観測の計算式に入力し再計算したところ、盛岡の初雪の平年日は11月8日より2日早く「11月6日」と算出されたのです。この他、盛岡で最後に雪が降った平年日も、再計算の結果、これまでの「4月16日」から「4月23日」に更新されました。

去年、盛岡の初雪の観測は11月19日。日中は雨でしたが、この日の夜、上空1500mには-6度と12月中旬並みの冬の寒気が入り、午後10時過ぎにはみぞれに、午後11時20分には雪に変わったのです。職員が初雪を見逃さないよう、昼夜を問わず目で見て確認していたことを思うと、業務とは言え頭が下がります。今回の自動観測移行は、職員の負担が減る意味で働き方改革と言えそうです。ただ雨が一瞬、雪に変わるような気象状態は、深夜が多いことを考えると、市民が実感できない初雪観測発表の機会が、今後、ますます増えるかもしれません。

597回「複雑な動きの台風」2020年10月24日OA

2020年10月24日 6:00 PM

今回は複雑な動きをした台風14号についてです。10月5日に日本の南の海上で発生した台風14号は、沖縄・大東島地方に近づいた後、進路を北へ変え四国沖、紀伊半島沖に進み、当初、上陸する可能性もありました。しかし中国大陸から張り出した高気圧に北上を阻まれ、紀伊半島沖から東に逸れていきます。東海や関東から次第に離れ伊豆諸島に達した後、東に現れた反時計回りの空気の渦、西に現れた時計回りの空気の渦に挟まれながら、今度はUターンするように南下、12日午前には小笠原近海で熱帯低気圧に戻りました。

台風は上空の風に流されるように動き、又、地球の自転の影響で北へ向かう性質があります。赤道に近い低緯度の上空では常に「貿易風」という東風が吹いている為、台風は西へ流されながら北上します。上空の風の流れが弱くなると、台風はゆっくり北上します。中・高緯度帯に入ると、上空では「偏西風」という強い西風が吹いている為、速い速度で北東から東へ進みます。台風は川の流れの中にできる渦のようなものです。川の流れを見ていると、渦ができては流され消えていきます。台風は大気中にできた渦の一種ですから、川の中の渦と同じように、大きな規模の空気の流れには逆らえないのです。今回の台風14号の場合は大陸からの高気圧に進路をふさがれた上、偏西風が北海道付近で吹き、上空の風に乗ることはありませんでした。

不規則な動きをする台風は過去にもありました。2年前、2018年7月25日に発生した台風12号です。小笠原諸島の東海上を北上、進路を西寄りに変え28日午後には伊豆諸島に接近しました。その後も東海道沖を西に進み、29日未明に三重県に上陸。その後も台風は西に進み、近畿、中国地方を通った後に瀬戸内海に抜け、福岡県に再上陸。今度は九州を南下し、屋久島付近と東シナ海で2度、小さなループを描きながら西に進み、8月3日に中国の上海付近に上陸、熱帯低気圧に変わりました。複雑な動きの要因は、台風の北側にあった「寒冷渦」という上空に寒気を伴った低気圧が作る反時計回りの風に乗ったことが考えられます。

 

596回「エルニーニョ現象と岩手の冬」2020年10月17日OA

2020年10月17日 6:00 PM

気象庁では、エルニーニョ現象など熱帯域の海洋変動を監視し、それらの実況と見通しに関する情報を「エルニーニョ監視速報」として毎月1回発表しています。今月9日に発表された最新の速報によりますと「夏からラニーニャ現象が発生しているとみられる。今後冬にかけて、ラニーニャ現象が続く可能性が90%と高い」ということです。「エルニーニョ現象」「ラニーニャ現象」は、どちらも日本を含め世界中の異常な天候の要因になり得ると考えられています。エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。逆に、同じ海域で海面水温が平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれ、それぞれ数年おきに発生します。ラニーニャ現象が発生すると、日本の冬は西高東低の冬型の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向があります。

12月から2月を冬として、ラニーニャ現象が発生した最近5シーズンの岩手の冬を見てみます。わかりやすい数字で、盛岡の真冬日の日数と降雪量を比較してみます。盛岡の平年値は冬の3か月間で真冬日が14日、降雪量が計213センチあります。「1999年/2000年」の冬は、真冬日が6日、降雪量が132センチ、平年の62%。「2005年/2006年」の冬は、真冬日が34日、降雪量が261センチ、平年の123%。「2007年/2008年」の冬は、真冬日が12日、降雪量が146センチ、平年の69%。「2010年/2011年」の冬は、真冬日が19日、降雪量が205センチ、平年の96%。「2017年/2018年」の冬は、真冬日が13日、降雪量が196センチ、平年の92%でした。シーズンによってばらつきはありますが、昨シーズンのような真冬日3日、降雪量が平年の半分107センチの暖冬少雪よりは冬らしい冬でした。

仙台管区気象台が9月25日に発表した東北地方の12月から2月の冬の天候の見通しによりますと、「冬の気温はほぼ平年並み、平年と同様に寒気の影響を受ける見込み」、低気圧の影響を受けやすく「東北太平洋側の降水量は平年並か多く」「東北日本海側の降水量はほぼ平年並の見込み」です。この冬の岩手は、北国らしい寒さと雪の量に備えた方が良さそうです。

 

595回「『初冠雪』と『初雪化粧』」2020年10月10日OA

2020年10月10日 6:00 PM

9月28日、標高3776m、富士山から初冠雪の便りが届きました。甲府地方気象台が発表したもので、平年より2日早く、去年より24日早い観測です。

さて富士山は「初冠雪」の他に「初雪化粧」という言葉があることをご存じでしょうか。初雪化粧は山梨県富士吉田市の職員が山頂付近の雪化粧を目視により確認しているもので、今年は初冠雪より1週間早い9月21日に観測されました。「初冠雪」の他に、なぜ同じ山梨県内で「初雪化粧」を発表しているのでしょうか。観測を担当し、富士山の魅力を発信している富士吉田市の「富士山課」にお聞きしました。初雪化粧の観測は平成18年度、2006年から行っています。きっかけは甲府地方気象台の観測体制の変化でした。富士山の初冠雪の観測は以前、山梨県富士河口湖町の河口湖測候所の気象台職員の目視により行われていました。しかし2003年10月、観測技術の高度化や経費節減により河口湖測候所は無人観測所に移行。その後、甲府市にある甲府地方気象台からの観測に変わりました。しかし富士山から北北西、直線で36キロにある甲府市と、北北東15キロにある富士河口湖町では見える角度が違い、ズレが生じます。そこで富士河口湖町から東に5キロ、甲府市より富士河口湖町と観測条件が近い富士吉田市では『富士山頂の雪の便りをいち早く知らせたい』『観光コンテンツとして話題にしてもらうことで対外的にPRしたい』ことから「初雪化粧」として観測、発表を始めたということです。「いち早く」とはいえ実際、過去15年の気象台の「初冠雪」との差を見てみると、初雪化粧の方が早かったのは今年と2016年の2回のみ。7回は初冠雪と同じ日、6回は初雪化粧の方が遅いという結果です。

ところで富士山初冠雪の統計は1894年から120年以上の歴史があります。2004年から観測場所が変わった統計の信頼性について甲府地方気象台に尋ねると「確かに見る角度や距離が変わってしまった。同じ角度と距離からライブカメラで観測する方法もあるが、それは不自然。観測体制が変わるということは他の観測でもある。途切れることなく統計を取る為に、気象台からの観測を続けている」ということです。時代が変化する中で観測を続けることは大変なことです。富士吉田市の「初雪化粧」宣言は、気象台の「初冠雪」を補完する記録と言えます。

588回「梅雨明け」2020年8月22日OA

2020年08月22日 6:00 PM

盛岡の恋ヶ窪さんからメールを頂きました。ありがとうございます。「梅雨明けが無いっていう意味がわかりません。止まない雨はないというように、梅雨もいつかは終わりますよね。立秋後でも、発表したらいいのに」。盛岡地方気象台は東北北部の梅雨明けの速報的な発表について、今年は行わないとしました。梅雨明けの発表は立秋までを目安としています。梅雨は春から夏に移行する過程で、その前後の時期に比べると雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象です。立秋過ぎに速報するのはそぐわないのです。今年は8月上旬も大気の状態が不安定だった影響で曇りや雨の日が多く、7日の立秋までに明確に梅雨明けと判断できる時期がありませんでした。

梅雨入り、梅雨明けの発表が始まったのは1964年(昭和39年)からです。梅雨の時期は、大雨による災害の発生しやすい時期でもあり、一方、梅雨明け後の真夏に必要な農業用の水等を蓄える重要な時期でもあります。日々の生活に様々な影響を与え社会的にも関心が高いと考えられ、情報の提供が始まったものです。現在、気象庁では過去に遡って検討した1951年(昭和26年)以降の日付をHPで公開しています。季節変化は、ある日を境に明瞭にその季節に入ることはなく、双方の季節が交互に現れ移行していきます。判断が難しく、発表の仕方の変遷に、その苦労が伺えます。当初は「〇月〇日に梅雨明けしました」と特定した言い方をしていました。しかし1993年(平成5年)の冷夏と1994年(平成6年)の猛暑で状況が変わります。1993年は、8月13日に梅雨明けが発表されたものの、その後もぐずついた天気が続き「東北北部の梅雨明けは特定できない」と撤回。梅雨は終わりましたが、いつ終わったかは記録上、初めて特定できなかったのです。又、翌1994年は7月15日に「東北北部は2日前の13日に梅雨が明けていました」と発表したのです。その後は季節の移行を考慮し、1995年(平成7年)7月24日、1996年(平成8年)7月26日、共に「東北北部は7月下旬前半に梅雨明けした」と発表。しかし「これではわかりづらい」という批判が相次ぎ、現在の形、つまり平均的な5日程度の季節の移り変わりの期間の内、「〇月〇日ごろ」と中日を確定値として記録することになりました。

「立秋後でも発表を」とメールにありましたが、夏が終わった9月はじめに気象庁のHPで公表されます。春から夏にかけての実際の天候経過を検討し、どのような確定値で統計資料として残すのか、気になります。 ※9月に発表した気象庁の検討結果でも、東北北部の今年の梅雨明けは「特定できない」でした。

587回「アメダス創設者 木村博士」2020年8月15日OA

2020年08月15日 6:00 PM

地域気象観測システム「アメダス」についてです。NHK放送文化研究所によりますと、「アメダス」という言葉がテレビに初めて登場した頃、「雨が降らない時にもアメダスと言うのはなぜか」「アメダスというのは大阪弁で『雨だす(アメですよ)』という意味か」等の質問・問い合わせが放送局にあったそうです。アメダスは英語の「Automated(オートメイティド)=自動化された、Meteorological(メテオロロジカル)Data(データ)=気象データ、Acquisition(アクイジション)System(システム)=収集システム」の頭文字を取ったものです。観測データは、電話回線を通じてアメダスセンターに集められ、データチェック後、気象庁へ送られます。

アメダスは1974年11月1日に運用を開始しました。現在、降水量の観測所は約17キロ間隔で配置し、全国に約1300か所あります。 この内、約21キロ間隔で配置している約840か所では降水量に加えて、風向・風速、気温、日照時間を観測している他、雪の多い地方の約320か所では積雪の深さも観測しています。県内のアメダスは、盛岡地方気象台、無人化された宮古と大船渡の特別地域気象観測所、花巻の航空気象観測所、30か所の地域気象観測所、雨量のみ観測している13か所の地域雨量観測所、震災後に設けられた大槌町新町と陸前高田の臨時地域気象観測所、宮古市刈屋の臨時地域雨量観測所、13か所の積雪深計、以上63か所あります。天気予報の気温に関し「36の観測地点中」とお伝えしますが、これは気温を観測している盛岡、宮古、大船渡、花巻、地域気象観測所30か所、大槌町新町、陸前高田のデータを指しています。

「NHK気象・災害ハンドブック」には、名称決定のエピソードが紹介されています。AMDAS(アムダス)をはじめいくつかの略語候補があったそうですが、このシステムの創設者で当時の木村耕三観測部長が即座に「Meteorological(メテオロロジカル)のMeを採ってAMeDASにすることに決めた」そうです。日本気象学会の会報によりますと、東京生まれの木村さんは、気象庁を退官後、気象ロケット観測所が置かれていた現在の大船渡市三陸町に移住。北里大学水産学部で物理の講義を担当し1983年、69歳で他界しました。アメダスの生みの親は岩手と縁があったのです。

 

586回「気候変動と家庭での温暖化対策」2020年8月8日OA

2020年08月08日 6:00 PM

先月、気象庁が公表した「気候変動監視レポート2019」についてです。この年次報告は1996年から刊行しているもので、社会・経済活動に影響を及ぼす気候変動に関して、日本と世界の気候・海洋・大気循環の観測や監視結果に基づいた最新の科学的な情報・知見を取りまとめています。

2019年は、世界各地で異常高温や大雨など極端な気象・気候現象が発生しました。日本では千葉県を中心に甚大な被害を出した9月の台風15号や、岩手で初めて特別警報が出された10月の台風19号により、北日本から東日本で記録的な暴風・大雨となりました。又、全国的に気温の高い状態が続き、日本の平均気温は1898年の統計開始以降、最も高くなりました。全国的に最高気温が35度以上の猛暑日や、最低気温が25度以上の熱帯夜は増加し、最低気温が0度未満の冬日は減少しています。1日の降水量100ミリ以上及び200ミリ以上の日数は1901年から2019年の119年間で共に増加。一方、1日の降水量1ミリ以上の日数は減少しています。大雨の頻度が増える反面、弱い降水も含めて降水日数は減っていて、極端な気象現象が増加していると言えます。

背景には、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響があると考えらえています。気象庁では大船渡市三陸町綾里の他、南鳥島、与那国島の国内3地点で地上付近の温室効果ガスの濃度を観測している他、2隻の海洋気象観測船で洋上大気や海水中、又、北西太平洋上空で飛行機による観測を行っています。その観測で、二酸化炭素の濃度は大気、海洋共に長期的に増加しているということです。温暖化を緩やかにする為、私達にできることは二酸化炭素の排出量を減らすこと、つまり化石燃料の消費を減らすことです。2018年度の家庭からの二酸化炭素排出量データを見ますと、1番多いのが電気からの46.7%、次いでガソリンの24.3%です。日本の発電源は2017年度のデータで、液化天然ガス、石炭、石油といった火力発電が80.8%を占めています。電気を使うことは煙突の無い家からも煙が出ていることになります。電気や燃料の省エネを心がけた行動は、家庭での温暖化対策になるのです。