気象と防災 マメ知識!

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気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

お便り・お問い合わせ

625回「防災シミュレーター2」2021年5月8日OA

2021年05月08日 6:00 PM

前回に続いて内閣府の防災情報HP内「震度6強体験シミュレーション」を取り上げます。震度6強とは、はわないと動くことができない、飛ばされることもあるような揺れです。「どんな予防対策を取らなくてはいけないか?」「どんな避難行動をとるべきか?」ゲーム形式で疑似体験ができます。

震度6強の揺れの後、散らかった家の中を移動しなければなりません。選択肢は『A.スリッパを履いて移動 B.とりあえず散乱している物の上に新聞紙などを敷いてその上を移動 C.靴下を履いて移動 D.裸足で移動』。ここで靴下を履いて移動を選ぶと、『-10』と表示され生き残りレベルゲージが減ります。取るべき行動はA、スリッパを履いて移動です。足の裏の保護が大切です。何も保護しないと、散乱したガラスの破片で足の裏を切り、全く避難できなくなってしまいます。スリッパを履くことが最も安全ですが、無い場合には、雑誌や新聞などを床に敷いたり、靴下を2枚履いたり、タオルやシャツなどで足の裏をカバーしたりして、ケガをしないように養生しましょう。次の質問『Q.ライフラインが止まり飲料水も確保できません。その為、家族で一時避難場所へ行くことにしました。どうしますか』『A.電気はつけたままにし、ガスはいつでも使えるようにしておく B.電気のブレーカーを落とし、大元のガスの元栓を閉める』。取るべき行動は『B』です。勝手口などにある分電盤のアンペアブレーカーをオフにしてブレーカーを落とし、通電火災を防ぎましょう。通電火災とは、地震後の停電を経て再び電気が通じた時に電源が入ったままの電化製品から出火する火災です。

続いて避難について整理します。あなたはまず家族と近くの一時避難場所へ向かいました。そこで近所の人々から情報を得、避難所へ向かいました。「一時避難場所」とは、地震直後の情報交換の場所です。近くの公園や小・中学校のグラウンドなどで、近所の方々が集まって地域の防災情報を共有したり、安全を確認したりします。「避難所」とは、地震によって住む家を失った方々が一定の期間、生活をするための場所です。防災知識を身につけ、災害への備えを見直す機会になるこのHPは「防災シミュレーター」で検索すると御覧になれます。

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624回「防災シミュレーター1」2021年5月1日OA

2021年05月01日 6:00 PM

内閣府の防災情報HPに「震度6強体験シミュレーション」があります。震度6強とは、固定していない家具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる揺れです。「どんな予防対策を取らなくてはいけないか?」「どんな避難行動をとるべきか?」ゲーム形式で疑似体験ができます。

スタートをクリックすると、リビングでテレビを見ている設定から始まります。突然テレビから『強い揺れに警戒してください。身の安全を確保してください』と緊急地震速報が流れました。最初の質問は『Q.他の部屋には家族がいます。どうしますか?』『A.速報を大声で伝える B.家族がいる部屋へ走る』。ここで『家族がいる部屋へ走る』を選ぶと『-5』と表示され生き残りレベルが減ります。取るべき行動はA、家族全体に知らせることです。緊急地震速報が出た後、地震が到達するまでわずかな時間に、何を言うか、何をするのか、事前に家族と話し合っておくことが大切です。又、全ての部屋で安全を確保できる場所がどこか、確認しておきましょう。続いての質問『Q.あなたはコンロのすぐ近くにいます。コンロを見るとグツグツ煮立っている鍋があります。どうしますか?』『A.流しに鍋を入れる B.コンロの火を消す C.何もせず熱湯の危険がおよばない場所へ避難する』。ここで『コンロの火を消す』を選ぶと『-15』、生き残りレベルが減ります。取るべき行動は、鍋の中の熱湯や熱い油から遠ざかることです。緊急地震速報の後、揺れが来るまでに、煮込んでいる鍋が落ちてきても影響がない場所まで避難することが、もっとも危険度が低いのです。尚、コンロの火がついたままでも震度5以上の揺れを感知すれば、自動的にガスは止まり火も消えます。もし火が出たならば、慌てず初期消火につとめましょう。

続いての質問『Q.あなたは自分の身の安全を確保しなければなりません。どうしますか?A.家から外に飛び出す B.強度のあるテーブルの下などに入る C.その場にしゃがみ込み手で頭を覆う』。ここで『家から外に飛び出す』を選ぶと『-20』、生き残りレベルが減ります。まず頭と目を守ることが大切で、ダイニングではテーブルの下に潜ります。家から飛び出すのは大変、危険です。もし外にいる場合は、かばんなどで頭を守ることを意識しましょう。

623回「倉庫内の防災」2021年4月24日OA

2021年04月24日 6:00 PM

今日は、倉庫内の荷崩れの危険についてです。厚生労働省によりますと、陸上貨物運送事業では、荷役作業時の死亡災害の約8割を占めるのが「墜落・転落」「フォークリフト使用時の事故」「無人暴走」及び「トラック後退時の事故」そして「荷崩れ」で、荷役5大災害と位置付けられているそうです。

「職場のあんぜんサイト」から労働災害の2つの事例を見てみます。1例目は、米穀店の倉庫です。保管している玄米はフォークリフト用のパレット=荷台に乗せられ3段に積み上げられていました。玄米の積み下ろしをしていた作業員は、玄米袋が不安定だったことから、フォークリフトを降りて様子を見に行ったところ、上2段のパレットが玄米袋ごと崩れ下敷きになり、死亡したものです。米袋が不安定な状態になることは予測されていたものの、安全対策がなされていなかったのです。2例目は自動車部品の倉庫です。フォークリフトに乗った作業員が、部品が入っているパレットを取り出す作業をしていた際、フォークの先端が隣の4段積みの木箱に接し全体が倒れそうになりました。フォークリフトを降り木箱を支えようとしたところ、木箱が倒れ下敷きになり、死亡したものです。運転席から離れる時は必ずエンジンを停止し、ブレーキをかける等の措置を取らなければなりません。しかしこのケースではフォークの先端が接触したままでギアが前進に入っており、エンジンが動き続け、振動を与え続けたことが事故原因の一つでした。もしも大地震が発生したら、多くの倉庫で荷物が崩れ落ち、直接作業員にぶつかったり、落下した荷物により避難経路が確保できず、逃げ遅れたりする場合も考えられます。加えて倉庫の機能が維持できなくなり、物流に多大な影響が出るでしょう。

2016年4月の熊本地震をきっかけに、積荷の落下によるけがや破損を防ぐ仕組みを検討し、荷物の転落防止柵が付いたフォークリフト専用収納ラックを開発したのが、以前もお伝えした愛知県に本社があるウェイト東海です。テコの原理を利用して可動するため、電源は必要ありません。積荷を置くとゲートが閉まり、積荷を上げるとゲートが開きます。設置場所を選ばず、停電時も可動します。ウェイト東海の片山和洋社長は『職場の危険を認識してほしい。救える命、減らせる災害はあると信じています』と、安全を最優先する社会実現を訴えています。

 

621回「大地震の確率」2021年4月10日OA

2021年04月10日 6:00 PM

先月26日、政府の地震調査委員会は全国地震動予測地図2020年版を公表しました。前回まで除外していた東日本大震災後の地震を考慮した形で、太平洋側の東北地方では強い揺れに襲われる確率が、軒並み増加しました。今後30年間に震度6弱以上の地震に見舞われる確率について、全国を250m四方の小さな区画に分けて揺れを推定したものです。県内の市役所・町村役場周辺について見てみると、大槌町が前回18年版を12.8ポイント上回る58.3%の他、宮古市56.1%、野田村48.0%、久慈市45.9%、普代村36.0%と沿岸を中心に高くなっています。釜石市役所は31.5%ですが、釜石駅周辺が前回18年版を14.4ポイント上回る59.1%です。地震による揺れは、地表付近の地盤=表層地盤によって増幅されます。増幅の度合いは表層地盤によって大きく異なり、数百m離れた2地点間で揺れの確率が数倍違うことも珍しくないのです。内陸部は沿岸より低い傾向です。しかし役所・役場周辺以外で、一ノ関駅44.5%、水沢江刺駅周辺41.3%、矢巾町の岩手医大周辺30.1%など高くなったエリアもありました。平野部や河川沿いなどは、地盤が軟らかく揺れやすいのです。

地震動予測地図は最新の知見に基づいて作成されていますが、使用できるデータには限りがあるため、結果には不確実さが残ります。例えば、地震計が設置されたのは明治以降の100年少々ですから、近代的観測データがあるのは、これまで地震が起こってきた長い歴史の内のごくわずかな期間です。又、国内にはまだ活断層調査等が十分でない地域があります。こうした理由から、例えば、現時点では確率が低くても、今後の調査によってこれまで知られていなかった過去の地震や活断層の存在が明らかにされ、確率が上がる可能性があります。

大震災から10年が過ぎた東北をはじめ、日本列島が全体的に大地震の危険が高いことを示す結果となり、地震調査委員会の平田直(ひらたなおし)委員長は『改めて地震に備えほしい』と呼びかけています。詳細は防災科学技術研究所のウェブサイト「地震ハザードステーション」で公開していますので、自宅や勤務先、通学先などについて調べてみてはいかがでしょうか。建物の耐震化や家具の転倒防止など、まず出来るところから事前の備えを始めることが大切です。

 

620回「宮城県沖地震」2021年4月3日OA

2021年04月03日 6:00 PM

先月20日午後6時9分、宮城県沖を震源とする地震では、仙台市や石巻市など宮城県で震度5強、県内でも最大震度5弱を観測。宮城県沿岸には一時、津波注意報が出されましたが、津波は観測されませんでした。総務省消防庁によりますと、けがをした人は、宮城県9人、岩手県1人、福島県1人、計11人です。県によりますと盛岡市で40代の女性が転倒して口の中を切る軽いけがをした他、遠野市で住宅の外壁が一部崩落する被害などがありました。気象庁はこの地震について東日本大震災の余震とみられるとしています。

今回の地震について津波工学を専門に研究している東北大学災害科学国際研究所の今村文彦所長は『地震の発生した場所が沿岸部に非常に近い。地震の真上で津波が発生して、津波の到達も揺れと同時ぐらいに起きた』と解説します。県内では過去に、揺れの後すぐ津波が来襲し被害があったというデータは無いとのことですが、同様の条件で津波が来る可能性があり、岩手も例外ではないと指摘します。今回、県内には津波に関する発表はありませんでした。隣の県で津波の注意報や警報が出された場合、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。今村所長は、2016年の福島県沖地震を例に挙げます。11月22日午前5時59分、福島県沖の深さ25キロでマグニチュード7.4の地震が発生しました。午前6時3分、福島県に津波警報、宮城県には津波注意報が出されました。その後、午前8時9分、宮城県の津波注意報は津波警報に切り替わりました。今村所長は『津波が大きくなり宮城でも警報に変わった。こういう状況もあるので岩手の南側では宮城県の情報を、北側では青森での情報を得るようにしていただきたい』とアドバイスします。

今後の地震について、今村所長は『震災から10年が経った。余震の活動は少なくなっていたが、今年から少し多くなり、2月13日以降、活発化している。大きな地震、又は余震が一定の大きさで起こると、海底で力のバランスが少しずつ、ずれてしまい、そういう所では地震が誘発されやすくなる。今までの状況ではなく、活発化しているということを頭に入れて頂きたい。又、全体の揺れで地盤が緩くなっている。揺れに対する備えの他、土砂災害への備えも頭に入れておいてほしい』と、備えの継続を呼びかけています。

619回「三鉄の物語」2021年3月27日OA

2021年03月27日 6:00 PM

東日本大震災で被災し、復興するまでの三陸鉄道と沿岸各地の街並みを描いた絵本「リアスのうみべ さんてつがゆく」が先月、岩崎書店から出版されました。作者は野田村出身で久慈市在住の詩人、宇部京子さんです。三陸鉄道が陸中野田駅から久慈駅の間を力強く走り出したのは、震災発生からわずか5日後のことでした。宇部さんは『水がない、電気がない、ガソリンがない、灯油がない、国道を車1台も走っていない。そんな時に走れるわけがないだろうと。だけど走ってきたんです』と当時を振り返ります。宇部さんは支援物資の仕分けや民家の泥出し、そして野田村図書館の再建とふるさとの復興のために尽力しました。震災から2年が経った頃、『ガレキは少しずつなくなっていくけれど、三鉄がその上を毎回ちっちゃい体で走っていく。一生懸命つぶさに見ていると、5日後に走った三鉄もすごいけれど、その後の三鉄のこともやっぱり書きたくなりました』と筆を執った思いを語ります。

宇部さんの方言を使った温かい語り口の文章に、優しいタッチの絵を添えたのが、盛岡市在住のイラストレーター、さいとうゆきこさんです。震災後映画の上映会などのボランティアで被災地を回り、その活動から『生きた芸術は人々の心をほぐす力があると感じた』と言います。絵本の制作に携わるのは今回が初めてだった、さいとうさんは、宇部さんが紡いだ物語を丁寧に読み解くことで、絵の世界観を広げていきました。海辺の松林に鮮やかな草花が描かれたシーンは、津波によって失われた、宇部さんの心の中にいつまでも残るふるさとの風景。一番力が入った場面だと振り返ります。

宇部さんは『現場にいた人間は、後世にこういうことがあったと伝えなければならない使命がある。そして子ども達に、色々なことがあるけれど、打開策を考えて行動する勇気や決断力を伝えていけたら』と、絵本に託した思いを語ります。絵本は、こんな言葉で締めくくります。「みんながげんきになれば あっちも こっちも つながって あだらしいせかいが はじまるんだ。ほれ、ポッポー!!」被災地で暮らす人達を励まし、力強く走り続ける三鉄。この絵本を親子で読むことで、震災を見つめ、復興のその先を考えるきっかけになりそうです。

 

618回「震災10年」2021年3月20日OA

2021年03月20日 6:00 PM

震災から10年。私は3月11日、県と市の合同追悼式が行われた陸前高田市に参りました。陸前高田では県内で最も多い1606人が亡くなり、202人が行方不明。総世帯数の半数にあたるおよそ4000棟の住宅が全半壊したほか、市役所などの公共施設も全壊するなど壊滅的な被害を受けました。去年4月11日に開館した高田町にある市民文化会館「奇跡の一本松ホール」は、一般参加の献花会場でした。大船渡から献花に訪れた50代夫婦は、奥様のお父様が高田町で津波に呑まれ、5日後、変わり果てた姿で見つかりました。ガンの手術が成功し、1年経った頃でした。彼女はこの10年を『時間の感覚が無い』と振り返っていました。そして当時、中学生の娘さんは東京で看護師になり『花嫁姿を見せたかった』と無念を口にしていました。

陸前高田市の人口は震災前、2万3000人を超えていましたが、今年1月末現在1万8000人余り。震災以降、減少が続いています。市内に住む60代女性は『広報を見ていると、誕生より亡くなっていく人が多い。生まれる人が少ない。悲しくなる。子ども達が少なくなっている。周りに子どもの声がない』と寂しさを滲ませます。市の中心部周辺は、津波の浸水地で10mかさ上げされました。背後の北側の山は削られ、高台団地の造成が行われ住宅が立ち並びます。今年5月に業務開始予定の市役所の新庁舎は濃い灰色の7階建てで、この日もバックホーやトラックが行き来していました。かさ上げ地は、新しい商店や住宅がまだ少なく、空き地が広がり、草が生い茂っています。まち作りは緒に就いたばかりです。

新型コロナ禍の中、県外からのお墓参りの姿は減っています。又、人との接触の制限は、被災地の高齢者の孤立感に拍車をかけています。震災で妻、義理の母親、長男が帰らぬ人になった大槌町の80代男性は、仮設住宅を出て3年前に自宅を再建し1人暮らしです。彼は『仮設の頃は支援の人が来てくれた。今は家にただいるだけ。テレビとにらめっこ。退屈でしょうがない。1人でいるのが辛い。とにかく健康が不安』と語っていました。心の安定に繋がる地域のサポートが必要と感じました。あれから10年は、終わりという意味の区切りではなく、震災は続いています。

617回「停電の要因」2021年3月13日OA

2021年03月13日 6:00 PM

先月、県内で発生した停電についてお伝えします。東北電力ネットワーク岩手支社によりますと、先月13日(土)の福島県沖の大地震では、一関市で2万1165戸が停電しました。又、先月16日(火)、急速に発達した低気圧による暴風では、盛岡市や八幡平市など内陸を中心に13市町村で延べ3339戸が停電しました。

この2つの停電の要因は異なります。13日の地震では、東北エリアで約9万戸、東京エリアで約86万戸、併せて約95万戸が停電しました。地震の影響で東北・東京エリアに接続している複数の発電所が安全のため停止し、東北電力管内では宮城県仙台市にある2基の火力発電所が自動停止しました。そのままでは電力の需給バランスを維持できず大規模停電になってしまうことから、県内では一関市の需要を遮断、つまり停電になったのです。尚、その後の点検により設備の破損などが無いことが確認され、約1時間後、一関市の停電は解消されました。一方16日は、暴風によって倒れた樹木が電線に接触し漏電=つまり大地に流れてしまったり、電線が切れてしまったりしたことが停電の主な原因でした。倒木の接触のみで電線が切れていない場合は樹木を除去し復旧。電線が切れている場合は、樹木を除去し、電線を張り替えるなどして復旧する、とのことです。

各家庭の停電対策は、防災の備えの一つと言えます。内閣府の調査によりますと、照明確保のために停電時に作動する足元灯や懐中電灯などを準備していると回答した世帯は約43%と半数に満たない状態でした。夜間の停電は、出口がわからない、床の段差やガラスの破片が見えないなど危険です。寝室などに懐中電灯や足元灯を備えましょう。我が家では停電した際、自動で点灯する懐中電灯と足元灯を備えたタイプを1階の廊下、階段、2階の寝室に設置しています。又、インターネットや携帯電話が利用できない場合に備え、ラジオや予備の電池を常備しておきましょう。避難の為に自宅を離れる時は、停電状態でもブレーカーを切りましょう。地震の揺れで電気ストーブやヒーターの上に布などが落下してしまった場合、不在中に電気が復旧すると通電火災の恐れがあるからです。

※スマートフォンアプリ「東北電力ネットワーク 停電情報」は県全域や市町村単位などで通知設定が可能で、停電情報収集に役立ちます。

615回「福島県沖地震の教訓」2021年2月27日OA

2021年02月27日 6:00 PM

今月13日午後11時7分ごろ、福島沖を震源とする大地震があり、宮城県と福島県で震度6強を、県内では一関市と矢巾町で震度5弱を観測しました。この地震による津波はありませんでした。これほど大きな揺れなのに、なぜ津波が発生しなかったのでしょう。今回、地震の規模を示すマグニチュードは7.3で、震度7を記録した1995年の阪神・淡路大震災、同じく震度7を記録した2016年の熊本地震と同じでしたが、2011年の東日本大震災の9.0程ではありませんでした。一方で震源の深さは東日本大震災の約24キロに対して今回は更に31キロ深い約55キロでした。一般的に震源が深いと海底のずれが起こりにくいことから、今回の地震では津波が発生しなかったと考えられます。

この地震で、県内では、奥州市内に住む60代の女性が自宅で転倒し、右手首を負傷しました。県内のけが人は1人です。総務省消防庁によりますと、2月25日現在、福島市で1人が亡くなった他、福島県や宮城県を中心に全国で186人がけがをし、その内、12人が重傷です。けがをした状況を検証することで、地震で負傷しない為の対策が立てられます。福島県では100人がけがをしました。県によりますと、二本松市の73歳の男性は、壊れた階段を下りる際に散乱していたガラスを踏んで足を切るケガをする等、割れたガラスで負傷した方が5人います。足元の安全の為、枕元に懐中電灯とスリッパ等の履物を準備しましょう。又、矢吹町の68歳の女性は、仏壇が落下し頭にけがをし、白河市の79歳の女性はタンスが倒れ、足にけがをしました。建物が無事だったとしても、家具類の転倒により、下敷きになってけがをしたり、逃げ道が塞がれたりする恐れがあります。転倒防止金具を活用して固定する他、就寝中に倒れても人に当たったり逃げ道を塞いだりする位置には置かないようにする等、対策を講じましょう。

その他の被害で、福島県では、相馬市内の常磐自動車道上と、二本松市内の自動車レース場で土砂崩れが発生しましたが、どちらもけが人はいませんでした。もしこれが自宅の裏山だった場合、死傷者が出た恐れがあります。土砂災害危険区域にお住まいの方は、夜間に土砂崩れが発生した場合に備え、斜面とは反対側、建物の2階以上の部屋で休むようにしましょう。

 

613回「盛岡藩 災害の記憶」2021年2月13日OA

2021年02月13日 6:00 PM

盛岡市内丸にある「もりおか歴史文化館」では、江戸時代の盛岡藩で起きた災害を振り返る企画展が開かれています。盛岡城を中心とする盛岡藩は、現在の岩手県・青森県・秋田県にまたがるエリアで、長い海岸線を持つ大きな藩でした。もりおか歴史文化館には盛岡藩の家老が江戸時代を通じて書き続けた政務日記などの貴重な記録類が保管されています。その内、地震と津波、岩手山の噴火、城下町盛岡での洪水や火災について、絵図や文献資料など30点を展示し、発生時の様子や被害状況ついて紹介しています。

幕府に提出する為に盛岡藩全域を描いた「盛岡藩国絵図(くにえず)」は、縦2m、横3mと大きな地図で、企画展にあわせ、江戸時代に地震、津波の被害があった場所にシールを貼り示しています。盛岡、花巻、三戸などには青いシールが貼られ、1772年=明和9年の地震で被害があったことを示しています。記録によりますと「明和9年5月3日、晴れ。大地震あり。地割れ発生。盛岡城の石垣2か所膨らむ。武家屋敷など所々破損。盛岡城以外では遠野、大槌、宮古で被害。特に崖崩れによる被害が各地で多発し、男性5人、女性6人、馬21頭、牛1頭が死亡」とあります。陸域の震源の浅い地震で、内陸の被害が目立ちます。一方、沿岸部には黄色いシールや濃いピンク色のシールが貼られています。それぞれ1793年=寛政5年、1856年=安政3年の海溝型地震を表していて、三陸が繰り返し津波に襲われていることがわかります。

又、岩手山の噴火に関するコーナーもあります。1686年=貞享(じょうきょう)3年の噴火の際、江戸幕府への報告には「盛岡城下において三月二日は、空は曇り雪が少し降る中、明け方ごろ落雷のような音が鳴り、盛岡城下の南を流れる北上川が濁り、魚などが流れ込んだ。午後4時頃から空が晴れると、盛岡城下の西方にある岩手山という山から煙が上がっており、日が暮れると、およそ幅2m、長さ1キロメートルの火柱が確認され、城下まで火山灰が降り注いだ」と記されています。この記録から、もし岩手山が噴火したら、私達の生活にどんな影響が出るのか、想定するヒントになります。過去に起こった「災害の記憶」を見つめることで、現代を生きる我々が次の災害に備えるきっかけになるこの企画展は3月15日まで開かれています。

 

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