気象と防災 マメ知識!

気象と防災 マメ知識!

気象予報士・防災士の神山 浩樹(IBCアナウンサー)がお届けする5分間。

◆放送日時
毎週土曜日17:50~17:55 【再放送】毎週日曜日18:50~18:55
番組開始:2009年4月〜

◆出演
神山浩樹(IBCアナウンサー)

お便り・お問い合わせ

452回「2017年の天候」2017年12月30日OA

2017年12月30日 6:00 PM

日本気象協会は、所属する気象予報士の内、100名が選ぶ「2017年お天気10大ニュース・ランキング」を発表しました。この時間は、その中から上位3つの話題と、岩手との関連について取り上げます。

第3位は「北・東日本で8月は連日の雨、夏空はどこへ」。8月は、平年と比べて太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱く、オホーツク海高気圧が出現した為、北・東日本の太平洋側には北東からの冷たく湿った空気の流入が続き、日照不足や低温が顕著となりました。仙台では7月22日から8月26日まで36日連続で降水を観測、夏の連続降水日数としては、1927年の統計開始以来最も長くなりました。岩手でもギラギラした陽射しを感じることがほとんどありませんでした。8月の日照時間は釜石、千厩、大船渡、山田、岩泉町小本の5地点で観測史上最低を記録。釜石の51.7時間は平年の33.7%しかありませんでした。又、8月の平年の真夏日日数は盛岡10.9日、宮古6.5日に対して、今年は盛岡が3日、宮古は1日しかありませんでした。加えて東北地方で梅雨明けが特定できませんでした。

第2位は「雨の10月、秋雨前線と2週連続の週末台風」。10月21日から23日にかけて台風21号が日本列島に接近・上陸し、西・東日本を中心に大雨や暴風・高潮による被害が発生しました。さらに翌週10月27日から29日にかけては、台風22号の接近によって沖縄・奄美から西・東日本で大雨や暴風になり、過去にほとんど例のない、2週連続の本州付近への週末の台風襲来となりました。県内では台風21号の影響により暴風や大雨となりました。

そして第1位は「平成29年7月九州北部豪雨」です。土砂災害や堤防の決壊などによる浸水害が発生し、死者37名、行方不明者4名、又、家屋の倒壊など、多数の甚大な被害が発生しました。原因は複数の積乱雲が線状に並ぶ「線状降水帯」です。予測が大変、難しい現象で、4年前の8月、岩手県央部に記録的大雨をもたらしたのも、同じ線状降水帯でした。

間もなく新しい年を迎えます。5日に1度風が吹き10日に1度雨が降る「五風十雨」という四字熟語があります。気候が順調で、天下が穏やかに治まっている意味です。2018年はこの言葉のように平穏な1年でありますように。

(「tenki.jpラボ」調べ https://tenki.jp

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451回「七十二候」2017年12月23日OA

2017年12月23日 6:00 PM

宮古のケロチャンママさんから、七十二候(しちじゅうにこう)についてお便りをいただきました。ありがとうございます。「七十二候の全てを載せている雑誌を目にし、ノートに書き出しました。私も知らない季節の言葉、読み方、意味があり、昔の人達の感性の豊かさに感心しました。二十四節気は耳にすることもありましたが、七十二候は知りませんでした。読み方も楽しいんです。例えば3月21日から25日までは『雀始巣(雀、始める、巣と書き)』で『すずめはじめてすくう』と読み、意味は雀が巣を作り始める頃です。こんな感じで、一年全てに季節のあれこれが分かりやすい表現で割り振られていました」

「七十二候」は、中国、日本に古くからある季節の区分で、その時期に特徴的な自然現象を記した季節を知る目安です。倉嶋厚著「季節ほのぼの事典」や「季節よもやま事典」によりますと、1年を太陽の動きに合わせて二十四の「気」に分け、季節にふさわしい名前をつけた昔の分類を「二十四節気」と言います。そしてそれぞれの「気」を3つに分けた5日間が気候の「候(初候、次候、末候)」で、二十四の3倍の七十二候になります。つまり5日経つと自然界の現象が変わり、人々は「季節が少し変わったかな」と思うのです。

白井明大(しらいあけひろ)著「日本の七十二候を楽しむ」によりますと、啓蟄の内、3月10日から14日頃の次候は「桃(もも)始めて笑う」。桃のつぼみがほころび、花が咲き始める頃で、花が咲くことを昔は笑うと言っていました。芒種の内、6月10日から15日頃の次候は「腐草(ふそう)蛍(ほたる)と為(な)る」。昔の人は腐った草が蛍に生まれ変わると信じていたからなそうです。又、雨水の内、2月19日から23日頃の初候は「土脈(どみゃく)潤い起こる」で早春の暖かな雨が降り注ぎ大地が潤い目覚める頃です。しかし古くは「獺(かわうそ)魚(うお)を祭る」という不思議な季節とされていました。獺は魚をよく捕えるものの、岸に並べた後なかなか食べようとしません。それが祭の供え物のように見えたことから、この季節の名が生まれたそうです。七十二候は、先人の考えや自然への眼差しを短い言葉で伝えています。

450回「もりおか冬事情」2017年12月16日OA

2017年12月16日 6:00 PM

盛岡の冬の暮らしの歴史を知ることができる企画展を拝見しました。もりおか歴史文化館の企画展示室には、主に昭和までを中心とした写真資料、冬の暮らしを支えた衣服や道具類などが展示され、昔ながらの暖を取る方法やその変遷、逆に寒いことを活かして楽しむ盛岡の人々の姿を紹介しています。

「南部もりおか物売りふれ声」という巻物の資料では、明治・大正の物売りの声を文字に起こし、挿絵を添え当時の習俗を描いています。例えば二月。モンパという織物を被り、小さい引き出しの木箱を前に掛けた男の子が『こなんばアー、こなんば』と粉なんばん=粉末の唐辛子を売り歩く姿です。寒風の中、なかなか売れず『来ねばえがたアー、来ねばアー』と怒鳴ったものの、これが遠くでは、やはり『こなんばアー、こなんば』と聞こえたというエピソードが紹介され、当時の辛さが偲ばれます。昭和10-20年代のカマボコ型の湯たんぽは、白地に青く「國策湯丹保(こくさくゆたんぽ)」と入っています。陶器で造られているのは、戦時中、金属を供出した為で時代の空気が感じられます。昭和30年頃まで使われていた練炭などを入れて暖を取った櫓炬燵(やぐらこたつ)には、赤や紺地の南部裂織の炬燵掛けが使われています。傷んだ着物を織り直すという、先人の物を大切にする暮らしが伝わってきます。

昭和39年の白黒写真、アイスホッケーの試合の舞台は、高松の池です。スケート靴にスティックを持った選手達は、背番号のついたユニフォーム姿ですが、防具は身に着けていません。膝下の高さの板で囲われたリンクの周囲には、コートや長靴姿の応援が100人程居て、ここが池の上とは思えません。盛岡の冬の気温はここ100年で約2度上昇、真冬日の日数は10年あたり2.3日の割合で減少していて、昔の冬の寒さはより厳しかったことがデータにも表れています。雪の量に関しては大きな変化はありません。しかし除雪車も無い時代、いつまでも雪にすっぽり覆われたまちの様子が想像できます。担当した小西治子(はるこ)学芸員は「寒い中、力強く暮らしてきた盛岡の人達の様子を、展示を通して思い返していただきたい。親子3代で見学するとより楽しめると思います」と来館を呼びかけていました。企画展「もりおか冬事情」は来年2月12日までもりおか歴史文化館で開かれています。

 

447回「等圧線」2017年11月25日OA

2017年11月25日 6:00 PM

プッチンプリリンさんから質問をいただきました。ありがとうございます。「天気の話の時に『等圧線の間隔が狭いので』と話していましたが、等圧線はテレビでよく見ます。間が広いとか、狭いとか。でもこの線は誰がどうやって天気図に記入するんですか?」

等圧線とは、天気図上で気圧の等しい所を結んだ線です。細い実線は4ヘクトパスカル毎、太い実線は20ヘクトパスカル毎に引かれています。気象庁には、国内、国外から観測データが集められます。各種観測資料やスーパーコンピューターによる計算結果が天気図解析システムに入力されて、天気図の案が作成されます。実は自動作成された天気図だけでは不完全な状態です。そこでその案を元に予報官が実際の気象状態を考慮し、高気圧、低気圧、前線などをペンタブレットを用い、手動で解析し、ある時間の気象状況や気圧分布を表した「実況天気図」と将来の気象状況を予想した「予想天気図」を作成します。全てコンピューターでの作業ではなく、予報官の知識や経験も活かされているのです。等圧線だけからでも、風向きや風速を推定できます。例えば地図で同じ高さの点の集まり・等高線の間隔が狭い所を流れる川は、傾斜が急で流れが速くなります。空気も同じです。風は気圧の高い所から低い所へ向かって吹きます。等圧線の間隔が狭く混んでいる所では空気が速く動く、つまり風が強くなるのです。逆に等圧線がまばらな所は風が弱くなっています。ただ空気の場合、地球の自転の影響を受ける為、川の流れのように高い所から低い所に真っ直ぐには向かいません。

2004(平成16)年11月27日、県内は暴風が吹き荒れ、盛岡では観測史上1位となる38.6mを記録、宮古でも35.8mを観測しました。盛岡では民家やアパートの屋根が吹き飛び、大船渡などでは漁船が転覆する被害がありました。この日の天気図を見ると、低気圧がオホーツク海で猛烈に発達し、日本列島には縦じまに12本もの等圧線がかかり、特に北日本で狭く混みあい蜘蛛の巣状にかかっていました。天気図を参考に気象情報に注意し、大荒れの天気が予想される際は、災害への備えを見直しましょう。

437回「夏の天候振り返り」2017年9月16日OA

2017年09月16日 6:00 PM

この夏の天候について振り返ります。ギラギラした陽射しを感じることがほとんどなく、気が付くと秋風が吹いていた県内。「今年は夏が無かった」という声を耳にしますが、確かに結果として梅雨明けが特定されませんでした。気象庁は6月21日ごろの梅雨入り後、8月2日「東北地方は梅雨明けしたとみられる」と発表しました。しかし発表とは裏腹にオホーツク海高気圧が発生、県内は低温と日照不足が続きました。盛岡地方気象台によりますと、8月の県内の日照時間は釜石、千厩、大船渡、山田、岩泉町小本の5地点で観測史上最低を記録しました。釜石の51.7時間は平年の33.7%、大船渡の57.5時間は平年の38.6%しかありませんでした。又、8月の平年の真夏日日数、盛岡10.9日、宮古6.5日に対して、今年は盛岡が3日、宮古は1日しかありませんでした。そして9月になり気象庁は東北地方の梅雨入りについて「7月1日ごろ」、又梅雨明けについては「時期を特定できなかった」と発表しました。東北地方で梅雨明けが特定できなかったのは2009年以来で、1951年の統計開始以来、東北北部では6回目です。

それでも6月から8月の夏の3か月で見ると、統計上、冷夏だったわけではありません。この夏の盛岡の平均気温は21.5度、宮古は19.6度と共に「平年並み」でした。又、真夏日日数は盛岡18日、宮古9日、とこちらもほぼ「平年並み」でした。8月の不順な天候が印象に強かったので、夏をまとめて「平年並み」と聞くと不可解かもしれませんが、6月は中旬以降「日照時間が多く」、7月は上旬から中旬は「高温」で「日照時間が多かった」為、8月の不順な天候をカバーした形です。

今年のような8月のヤマセについて気になる資料があります。仙台管区気象台「東北地方の気候の変化」によりますと、本来、6月から7月を中心としたヤマセについて、今世紀末は「地球温暖化の進行により7月から8月のヤマセ発生頻度が大きくなる可能性が示されている」とのことです。現在進行形の温暖化の影響が懸念されます。

 

429回「やや強い風」2017年7月22日OA

2017年07月22日 6:00 PM

陸前高田の方から気象に関して質問をいただきました。ありがとうございます。「今日(6月22日)の天気予報は『風がやや強く』との事でありますが、『やや』はどの程度の風なのでしょうか。沿岸南部の今日の風は、とても強いのです。通常は何メートルの風が吹くと警報になるのでしょうか。今日は通常でも10m以上は吹いていると思いますが」ということです。

気象庁の風の強さに関する用語によりますと、やや強い風は「風速10m以上15m未満」です。風に向かって歩きにくく、樹木全体が揺れ始める吹き方です。この日は全域に強風注意報が出されていました。平均風速が10m以上の際に出されます。陸前高田市高田町内に設置されているアメダスの観測記録では、この日、西北西の風、最大風速7.3m、最大瞬間風速15.4mでした。実際は、土地の高低差、遮る物の有無などによっては、もっと風の強い場所もあったと思われます。基準通りに強風注意報が出され、実際、それだけの強さの風が吹いていました。しかし「やや強い風」の「やや:いくらか、少し」という言葉のニュアンスと体感とでは違和感があったのかもしれません。

続いて警報に関してですが、強風注意報よりも更に強い風が予想される場合、暴風警報が出されます。その基準は平均風速20m以上で、何かにつかまっていないと立っていられず、飛来物によってケガをする恐れもある非常に強い風です。風向・風速は絶えず変化していて、一般的には観測時刻の前10分間の測定値を平均し、その時刻の平均風向・平均風速としています。瞬間的には、予想される風速の1.5倍から2倍ぐらいの突風が吹くことがあります。例えば台風等で最大風速20mと発表された場合はその2倍の40m程度の走行中のトラックが横転するような突風が吹く恐れがあります。警報が出るような際は、家の周りで飛ばされそうな物がないか、チェックし早めに備えることが必要です。

406回「最も寒い時期とは」2017年2月11日OA

2017年02月11日 6:00 PM

ラジオネーム「髪が危機一髪」さんから、気象について質問をいただきました。ありがとうございます。「日曜日の寒さが一番激しい時に、ラジオにて『最も寒い時期を下回る』との表現がされておりました。これは、『観測史上最も低い気温』と同じ意味なのでしょうか?私の記憶ではもっと寒い年があったように記憶していたのですが、思い違いかな?」

この「最も寒い時期を下回る」とは、平年値が関係しています。例えば今月5日の盛岡の気温を例に見てみます。最低気温は氷点下5.0度でした。過去30年の2月5日の盛岡の最低気温を平均した平年値は氷点下6.0度、平年を1度上回ったことになります。氷点下5.0度が2月の最低気温の平年値の中に相当しないか見てみると、18日、19日が氷点下5.0度です。今年2月5日の最低気温は2月18日、19日並み。つまり「2月中旬並み」と表現したわけです。では今月2日の盛岡の気温ではどうでしょう。最低気温は氷点下7.2度でした。盛岡の平年値の中で最も寒い時期でも1月29日から2月1日の氷点下6.2度です。この気温を下回り、該当する時期がありません。つまり「最も寒い時期を下回る」という表現になるのです。

さて、お便りにあった観測史上最も低い気温は、盛岡で1945年(昭和20年)1月26日の「氷点下20.6度」です。又、岩手百科事典によると、岩手の最低気温の記録は同じ日の「薮川」で「氷点下35.0度」。本州一寒いといわれる所以です。これは戦前の記録ですが、薮川で気象庁が自動的に観測データを集めるアメダスを設置した1976年11月以降では、1988年(昭和63年)2月17日に「氷点下27.6度」まで下がりました。翌日の岩手日報によると、室内の金魚鉢に厚い氷が張り、ボールペンはインクが凍って書けなかったとか。受話器も冷たくて持つのが大変で、皆さん、寒さにうんざりしていたそうです。

 

402回「0センチの読み方」2017年1月14日OA

2017年01月14日 6:00 PM

岩手県の降雪量情報は12月1日から3月31日の期間中、午前6時と午後6時の1日2回、発表されています。予報は盛岡、宮古、大船渡、北上、久慈の5地点で、対象は予報地点にある気象庁の観測施設周辺です。午前6時発表は当日午前6時から午後6時の12時間、午後6時発表は当日午後6時から翌日午前6時までの12時間に予想される降雪量で、「0(レイ・ゼロ)センチ」「1~4センチ」「5~9センチ」「10~19センチ」「20センチ以上」の5つの階級があります。

さて数字の読み方は、「レイセンチ」「ゼロセンチ」、どちらが適当なのでしょうか。気象情報の他の単位で、気温は0度(レイド)、降水確率は0%(レイパーセント)とお伝えしています。ゼロド、ゼロパーセントとは通常言いません。「NHKことばのハンドブック第2版」によると「数字の0『ゼロ・レイ』は原則として『レイ』と読む」としています。「ただし『無い』ということを強調する場合、および固有の読みが決まっている場合『ゼロ』と言っても差し支えない」として、その代表例として海抜ゼロメートル地帯、死亡者ゼロ、ゼロ歳児、零(ゼロ)戦を挙げています。又、岩波国語辞典第7版には漢字で「零(レイ)」という見出しで「ものが全くないことを表す数。一より小さい数」と。また、カタカナで「ゼロ」という見出しで「それに当たる量が全くないと見られる数」とあります。降雪量情報の0(レイ・ゼロ)センチは「1センチ未満」の予想ですので、一より小さい数という言葉の解釈から考えると個人的には「レイセンチ」が適当と考えます。とはいえ、積もることはほとんどないということを伝える為には「ゼロセンチ」という表現でも構わないと思います。

この件に関して盛岡地方気象台に照会したところ、「『レイセンチ』か『ゼロセンチ』かについて、特に決まりはございません。正しく伝わればよいと思います」との回答でした。レイセンチかゼロセンチか、皆さんは、どちらの方がしっくりきますか。

 

400回「データが示す岩手の温暖化」2016年12月31日OA

2016年12月31日 6:00 PM

仙台管区気象台は12月9日「東北地方の気候の変化」を更新しました。東北地方の気象台等の長年にわたる観測記録を中心に、気候や海洋の長期変化をまとめたレポートを5年ぶりに書き換えたものです。

この内、岩手県は盛岡、宮古、大船渡の2015年までのデータを分析しています。まず気温変化ですが、「盛岡」では100年あたり1.7℃の割合で上昇。特に1990年頃から高温の年が多く現れています。全ての季節で上昇していて、特に冬の上昇率が100年あたり2.0℃と最も大きくなっています。「宮古」では100年あたり0.6℃の上昇。季節では春、秋、冬の気温は上昇していますが、夏の気温には変化傾向が見られず、この点は盛岡と異なります。東北地方では太平洋沿岸を中心に夏の変化傾向が見られず、宮古でもこの特徴が現れています。「大船渡」では50年あたり1.0℃の割合で上昇しています。春・秋の気温は上昇していて、夏の気温には上昇傾向が現れていますが、冬の気温に変化傾向は見られません。年間の降水量は、盛岡、宮古、大船渡共、10年程度の間隔で多雨期と少雨期が現れていますが、いずれの地点も変化傾向は見られません。1日の降水量が50ミリ以上の年間日数、又、降る雪の量にも変化傾向は見られません。30℃以上の真夏日日数は、3地点共、変化傾向は見られませんが、35℃以上の猛暑日は、盛岡では10年あたり0.2日の割合で増加、大船渡では増加傾向が明瞭に現れ、宮古では増加傾向が現れています。宮古は夏の気温の上昇傾向が見られない中、猛暑日の増加傾向は特徴的です。1日の最高気温が0℃未満の真冬日日数は、盛岡では減少傾向が明瞭、宮古、大船渡では減少傾向です。

気温上昇は植物にも影響を与えていて、盛岡のサクラの開花日は10年あたり1.2日の割合で早くなっていて最近は4月中旬に開花する年が増え、又、カエデの紅葉日は盛岡では10年で6.0日、宮古でも10年で2.5日の割合で遅くなっています。東北地方、岩手県にも現れている地球規模の気候変動の影響。次回は今世紀末の岩手県の気候シミュレーションについてお伝えします。

 

399回「2016年重大ニュース」2016年12月25日OA

2016年12月25日 7:00 PM

日本気象協会がまとめた気象に関する2016年の大きなニュースについてです。1年を振り返ってまずは「南の島へ寒気襲来、奄美大島で115年ぶりの降雪」。1月24日、九州地方や沖縄地方では記録的な寒さとなりました。奄美大島の名瀬では1901年2月以来、115年ぶりに雪が観測された他、沖縄本島名護や久米島では、雨と雪が同時に降る霙が観測されました。沖縄本島では観測史上初、久米島では39年ぶりの観測でした。これは地上で雪が降る目安となる上空1500m付近のマイナス6度の寒気が台湾付近まで南下した為です。

長崎は18センチの大雪となり、1906年の観測開始以来最も深い17センチの積雪となりました。長崎のこの日の最低気温は氷点下4.2度、最高気温は氷点下0.2度と真冬日でした。この日の岩手のお天気を見ると、盛岡は午前中、雪が舞い、午後は陽が差しました。最低気温は氷点下6.2度、最高気温は1度。宮古は午前中、雪が2センチ降り、午後は回復して晴れました。最低気温は氷点下3.6度、最高気温は1.6度でした。このように、九州や沖縄で雪や霙が降ったからといって、岩手でも記録的な寒さや大雪になる、というわけではありません。

そして7月以降は台風が日本列島に次々やってきました。1号が発生したのが7月3日と、1951年の統計開始以降2番目に遅く、年間の上陸数は6個と最多2位タイ、8月の上陸数は4個と最多1位タイ。そして観測史上初めて太平洋側から東北地方へ台風が上陸しました。10号は8月21日夜9時に八丈島の東で発生しました。海面水温の高い海域を進み、8月25日午前3時に中心気圧が945ヘクトパスカルに発達し、30日午後5時半頃、大船渡付近に上陸しました。湿った東から南東風の影響で、北上山地や日高山脈の東から南東斜面で大雨となりました。北海道と東北では合わせて13地点で29日の降り始めから30日にかけての48時間降水量が平年の8月の1か月分を上回りました。この大雨により県内では20人が亡くなり、3人が行方不明となっています。2017年は穏やかな1年になることを願うと共に、様々な自然災害に対して私達は備えなければなりません。

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