IBC岩手放送

 

IBC岩手放送|岩手百科事典

2017年07月21日(金)

雲南さま

うんなんさま

花巻地方では、宇南大権現(うなんだいごんげん)を竜神さまといっている。県南地方の「うんなん」信仰を見ると、落雷伝説がともなっていることが多い。花泉・一関地方では、木造の社堂でしばしば落雷したので、雷神さまといっている。東和町では、農業の神・水の神と伝えている。うんなん(雲南・宇南・運南)信仰はヘビとか落雷が関係し、水神としての性格が強いと思われる。「ほうりょうさま」とともに、農耕生活と関係した民俗信仰の一つと考えるべきものである。

Written by 熊谷章一

岩手百科事典とは

「郷土のすべてを知りたい」という県民の思いにこたえ、岩手放送開局25周年事業として1978年に刊行。10年後の1988年に補訂し「新版岩手百科事典」を刊行した。岩手の自然・歴史・地理などあらゆる分野・領域で5千を超える項目を網羅、集大成。
WEBでの掲載項目は「新版」に準拠し、刊行当時の内容をそのまま採録しています。このため地名や解釈等で、現在と違う場合もあります。予めご了承の上、お楽しみください。

2017年07月20日(木)

箱石

はこいし

川井村の北東部。閉伊川とJR山田線沿いに明けた集落。地域の中央に箱に似た石があったことから地名がおこったとされる。この地は、義経が頼朝に追われ一時身を潜めた地とも伝えられている。日本短角牛の飼育が盛んで箱石牛取引市場では牛の取引が行われている。

Written by 佐瀬寿朗

2017年07月19日(水)

田中長兵衛

たなかちょうべい

1834〜1901 静岡県出身。近代製鉄産業の恩人。明治期の陸軍御用商で、鉄材・食糧を納入し、海軍にも造船材を調達した。幕末は薩摩藩の出入り商人。明治新政府の治政となって頭角を現した。廃業した官営釜石製鉄所の再興を支配人横山久太郎に命じ、1886年(明治19)多くの困難を経て、操業再開に成功。民営の釜石鉱山田中製鉄所の社長となる。横山とともに、同所を1893年日本最初の銑鋼一貫製鉄所に発展させた。本店は東京にあり、釜石製品を販売した。私財のほとんどを同所経営に投じた。

Written by 半沢周三

2017年07月18日(火)

ボツリヌス中毒

ボツリヌスちゅうどく

ボツリヌス菌による致命率の高い食中毒。原因食品はかん詰め・ソーセージのほか、「いいずし」など生魚の自家製発酵食品。ボツリヌス菌は土壌に広く分布し、長く生存する。土壌に汚染された食品を介して人体に侵入する。この菌による食中毒は毒素によるもので、ほかの細菌性食中毒と本質的に異なり、毒素はA・B・E・Fの4つの型がある。県内での発生は1963年(昭和38)和賀町で「メヌケのいいずし」により5人発病のうち2人が死亡、1967年同じく和賀町で「サンマのいいずし」で3人発病し全員死亡。毒素は、いずれもE型であった。一般的な症状は、視力障害・運動障害・そのほかの中枢神経系の障害・腹痛などが挙げられるが、毒素の型による差はない。E型は、外国では少ない型といわれている。それぞれの型に治療用の抗毒素血清がある。

Written by 川股行三

2017年07月17日(月)

高傳寺

こうでんじ

矢巾町高田。月鶏山。曹洞宗。1580年(天正8)ごろ現在地に高田吉兵衛康実の居城があったころ真言宗の1堂があったという。のちに都南村上飯岡長善寺5世玉雛長運が康実の帰依を得て城跡に再建し、曹洞宗に改宗した。寺宝に新羅三郎義光の守護仏であったと伝えられる十一面七ツ子観世音菩薩(ぼさつ)像がある。

Written by 中野正興

2017年07月16日(日)

堀江尚志

ほりえなおし

1897〜1935 端正な作風で知られる彫刻家。盛岡市生まれ。東京・順天中学を経て東京美術学校彫刻科塑造部卒。在学中に帝展入選、特選を飾り、29歳のとき「少女座像」で帝展推薦となった。病弱のため寡作で、38歳で死去。しかし1点1点の燃焼度は高く充実し、作品は感受性が豊かで、簡潔で高雅な気品に満ちている。

Written by 千葉瑞夫

2017年07月15日(土)

カツオ漁

カツオりょう

カツオは東北近海では夏から秋に、暖水が南から、寒冷水が北から張り出して入りくんだ海域が好漁場となる。東北地方でカツオ漁が始まったのは、1675年(延宝3)4月紀州からカツオの一本釣漁船5隻が宮城県唐桑村の鮪立浜(しびたちはま)に来て、鈴木勘右衛門方に身を寄せ、カツオの溜釣り(イワシの生えさを用いて釣る漁法)で毎日数百尾のカツオを釣ったのに始まる。県内では1699年(元禄12)に綾里村にカツオ船があって、えさ用のイワシをとろうとして入会漁場で問題を起こした記録があるので、24年ぐらい遅れて導入されたようにも推察される。

Written by 丸山潔